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[ ]←は聖ヨト語の言葉です。なので、最初は通じません。
聞き取れるようになったら、「」←聖ヨト語もこれになります。

-------------○○side------------- は、これより○○のキャラが主体の話ということです。主に、英慈と誠一の視点変更に使います。







#4 初戦

---国境の村クイアス跡---

「あなたが、『約束』のエイジ様ですね。よろしければ私たちと来てくださいませんか?」
胸を張り、そう言った。
そして続ける。
「私たちの国の王があなたを必要としています。」
「悪いようには致しません。それなりの優遇も約束します。」
「なので、私たちと
「ふざけるな!」
言葉を遮り、強く言い放つ。
「村をこんな風にして、人を皆殺しにして、あまつさえついてこいだと!そんなことできるわけがないだろ!」
目の前のスピリットに怒りをぶつける。
「いえ、私たちはそんなこと、していま
「黙れ!」
「お前等なんか信じられるか!・・・・・・クーゴの仇・・・・・・・取らせてもらう!」
『約束』を構え、目の前のレッドスピリット(以下レッド)に向かい走り出す。
距離を一気に詰め、斬りつける。
自分の体とは思えないスピードが出ているが、そんなことは気にしていられない。
「うわっ。」
だが、紙一重に避けられ距離を取られる。
スピリット達の方を見ると全員が神剣を構えていた。
「戦いたくは無かったんだけどなあ。」
愚痴るレッドにきつく言い放つブルースピリット(以下ブルー)。
「そんなこと言ってるより警戒しろ。あの神剣、どんな力があるか分からないぞ。」
「そうです。説得できないのなら力ずくでも、って命令ですよ。」
そう言いつつ、あまり警戒していないグリーンスピリット(以下グリーン)
「でやぁぁっっ!」
また敵に向かい走り出す。
スピリット達の後ろには岩。今度は下がり、距離を取ることはできない。
「仕方ないわ・・・・・・。」
なにやらレッドの足下に魔法陣が出現した。
そして詠唱を始めた。

「マナよ、収束せよ。一点に集まり弾け飛ばす力となれ!」
「ポイントブレイク!」

レッドの指先から放たれた、たった一つの光が俺に触れると同時に弾け、俺を吹き飛ばした。
「くっ。」
だが、それは吹き飛ばすだけであって、ダメージは無かった。
【エイジ、妙です。」
体勢を立て直したときに『約束』が話しかけてきた。
「何が、だ?」
【私が感じたスピリット達は、神剣に意識を奪われていました。】
【ですが、このスピリット達は自我がはっきりしていて、どう見てもクーゴを殺した兵と一緒にいたようには見えません。】
『約束』に言われ、思い出してみる。


クーゴを殺した兵と一緒にいたスピリット。
自分から何かをしようとせず、ただ命令に従っていた。
終いにはハイロゥが黒かった。



「・・・・・・確かに。」
【なので、あのスピリット達は全く関係が無いのではありませんか?】
「そうかもな。」
「だけど、今更人違いでした。なんて無理だろ。」
俺は一度相手を斬りつけようとしているし、相手も敵対心丸出しでいる。
おそらく俺を動けなくするまでは攻撃してくるだろう。
(なら、腕試しと行くか。)
相手が俺を殺さないという保証はあった。
力が必要なら生きてなければ意味はない。
まあ、多少の怪我は仕方ないとして。
(よし!行くぞ!)


「はあぁぁっ!」
剣を肩に担ぐようにして敵まで跳躍する。
狙いはレッド。
殺気を感じ取ったか、レッドが迎撃の構えを取る。
(よし!)
レッドの数歩前で俺は足を地面につき、右前方に飛び側面に回る。
さらに跳躍。完全に相手の横を取った。
「くっ。」
レッドはこちらを向こうとするが遅い。
「でやぁぁぁぁっっ!」
敵の頭上めがけて剣を振り下ろす。しかし、
ガキン、という音と共に剣が弾かれた。
そこにはグリーンがいて、障壁を張っていた。
「大丈夫ですか。」
「うん。ありがと。」
しょうがなく俺は距離を取る。
(うまくいくと思ったけどな。)
そして、俺はいつの間にか笑っていた。
何故笑っているのか自分でも分からなかった。


「笑っている?」
俺を視認したレッドが言う。
「何がおかしいのでしょう?」
グリーンも笑いの意味が分からないでいる。
「ふざけるな・・・・・・。」
自分にしか聞こえない位の小声でブルーがつぶやいた。
その瞬間、ブルーは俺の方に高速で向かっていた。
「あ、リリア!」


何故か笑っていた。
戦闘が楽しいのか、どうなのか分からない。
そして気がつくと、ブルーが単体でこちらに向かって来た。
敵の位置からこちらまでは、数十メートル。
それを一瞬で詰め、剣を振り上げ、俺の剣を弾き飛ばした。
「なっ!」
ちゃんと握っていたはずだが、と考えている暇も無く、左肩に激痛を感じた。
ふいに俺は宙に浮き、地面にたたきつけられた。
自分の左肩に剣が刺さっていると分かったのは、たたきつけられてからだった。
「がはっ、ごほっ。」
剣が俺の左肩を貫通し、地面に刺さっている。
「戦闘中に笑う、だと?」
ブルーが怒りの形相で睨んでくる。
そして、俺に怒りをぶつけてくる。
「ふざけるな!」
ブルーが剣に力を加えつつ言ってくる。
「ぐっ、あぐっ!」
鋭い痛み。気を抜けば意識が無くなるような位ものすごい。
だが、そんなことは許されることもなく、力を加えられるたびに、意識は戻る。
「私たちはお前を連れてこいと言われた。」
また力を加える。
すでに左肩より下には痛み以外の感覚がなく、動かすこともできない。
「だからお前を生きて連れていかなくてはならない。」
ブルーの口調がどんどん荒々しくなっていくが、俺はそんなことが分かる状態ではない。
「だが、戦闘中に笑うような奴に生きている資格など無い!」
と、言い放つとブルーは俺から剣を引き抜き、心臓へと剣を向けた。
「・・・・ぁ・・・・・・。」
すでに言葉を発することすらできない。
意識が朦朧としてくる。
その時、赤い影がブルーを後ろから動けないように掴む。
「ちょっと、リリア!それ以上は・・・・・・。」
ブルーはレッドを振り払おうとする。
「離せ!」
「だめよ!こんなところで信用を無くしていいの!?」
その言葉を聞いた瞬間にブルーの動きがピタッと止まった。
「あなたの目的も果たせなくなるのよ!」
「・・・ごめん。」
レッドがブルーを放す。
その途端俺の意識は闇へと落ちていった・・・。


「あ、気失っちゃった。フィーナ、回復魔法お願い。」
「分かりました。」
そそくさと走ってきて、気を失っている俺の傷を塞ぐ。
その治癒は正確で、効力も高かった。
「リリア、あなたがやったんだから、あなたが背負っていってね。神剣は私が持つから。」
「分かった・・・。」
一言交わす内に治療が終わっていた。
「終わりました。」
「じゃあ、帰還しましょう。」
3人は俺を連れて国に戻る道を歩きだした。





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あとがき

一章#4をお読みいただきありがとうございます。
長い間更新出来なく、申し訳ありません。
それはさておき、初めて戦闘を書いてみました。
これはおかしい、と思うところがあると思いますが、そこはご了承ください。
では、最後に登場した技の説明を。

 「ポイントブレイク」
小さな光を作り出し、敵にぶつけ、吹き飛ばす魔法。
だが、威力は全く無い。
詠唱が短いため、主に牽制用や、距離を稼ぐために使う。

詠唱:
「マナよ、収束せよ。一点に集まり弾け飛ばす力となれ!」
「ポイントブレイク!」

では、#5でお会いしましょう。

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