「あぁ、ファンタズマゴリアだっけか?そうだな、行くとするか。『神剣の主、ユーガが命じる。門よ、開け!!」
「なっ!?剣位のことといい、この門といい、どうしてあなたはっ!?」
あれ?そういえば何でだろう。前といい今といい。
そんなことを思いながらも、体と意識は門を潜っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さてと。ここは深~い深~い森の中。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・迷子か?」
正直不安だな。まぁ、追憶が何とかしてくれるだろ。何せ俺はここは初体験だし。
「何言ってるんですか!あなたが子と言う年ですか。まぁ、たしかに道や、ここが何処なのかはわかりませんけど。」
「突っ込むところはそこかよ!?ってか、人の心を読むな。プライバシーの侵害だぞ。それにお前も知らんのかい!」
だめだ、こいつに期待した俺が馬鹿だった。やっぱこいつは役立たずで、俺の話し相手にしか価値のないやつだ。
「口に出してましたよ。・・・・・・・・・・・それから、なにか流すことが出来ない念が伝わってきましたが?」
そんな。俺は口に出してしまう癖があるのは前から知っていたが、こいつの勘の鋭さは何だ?
まさか、ニ○ータ○プか!?
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馬鹿らし。俺だって学習能力はある。こいつとの付き合いは深く考えてはいけないんだ。
まずは話を進めるなり、現状を脱することを考えたりしなければ。
とりあえずは話を進めようと思い、俺は追憶に話しかける。
「ふぅ。なぁ追憶、とりあえずはベルト型になってくれ。」
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「・・・・・・・・・・え、えぇ。わかりました。仮○ラ○ダーは男の夢ですものね。
ですが高校生にまでなって、それをやるのはどうですかねぇ。
最近では携帯で返信・・・・・もとい、変身するようですし。せめてそちらにしたらどうですか?」
追憶が何か勘違いをしたらしく、俺に軽蔑の念とともにそんな言葉を送ってきた。
それにしても、こいつどこからそんな知識を取り入れてたんだ?・・・・・・・・しかしまだまだだな。
あれはベルトであるからこそ意味があるんだ。
って、そうじゃないだろ!
不名誉な称号をいただく前に、俺は言い返した。
「おい、勘違いするなよ。俺は別に変身がしたいわけじゃない。持ち運びの問題だ。
さすがに街中に剣を引っ下げていけば間違いなく大騒ぎだろ。
それに携帯なんてお前に聞いた限りではこっちの文明には存在しないしな。」
なんだ追憶?その、「私、意外です」ってかんじは?
「ちゃんと私の話を聞いていたのですね。それにきちんと考えているようですし。」
その言葉をかわきりに、俺と追憶は熱い討論を繰り広げた。
そのため、(と信じたい)俺たちはこちらに近づく気配に気がつかなかった。
「あの・・・・・・・・・・っ!?これほどの神剣の気配はっ!まさか、エトランジェか!?」
声がしたほうにふりかえる。そこには、無骨な剣を持った、とびきりの美少女がなにやらこちらを警戒していた。
「だとしたら如何するんだ?」
声を低くし、威圧感をこめて、その少女に声をかける。
「っ!!」
それに対し、目の前の少女は、警戒を強める。俺は少女を観察してみる。
どうやらこの少女が、スピリットというやつのようだ。なるほど、確かに人間離れした美しさと強さだ。
別に戦って勝てないこともなさそうだが、得策ではなさそうだ。ここは穏便に行くとしよう。
そう警戒するな。べつにここで争う気なんてないよ。ただ俺を如何する気なのかを聞きたいだけだ。」
するとそのスピリットは、警戒を少し解いて俺に答える。
出来れば私についてきていただきたいのです。」
「どこへ?」
「私の所属している国、イースペリアです。」
どうやら思ったとおり、俺を勧誘しようとしていたようだ。確かエトランジェってのは、
スピリットよりは遥かに大きな力があるって言っていたな。
まぁ、ここにいて何もしない、できない、よりはましか。
「わかった。君についていくよ。俺は雄牙。神帝雄牙だ。」
とりあえずは自己紹介をする。うむ。自己紹介は心の扉への特攻隊長だ。
「ありがとうございます。ユーガ様。私はイースペリアスピリット隊、エリア・レッドスピリットです。」
その後俺たちはそれぞれについて話していた。どうやら彼女の神剣は『進展』と言う名らしい。
そして俺たちが話し終わる頃には、会った時の感じは嘘のように霧散していた。
ところどころで彼女が顔を赤くして俯いたりしていたので、怒らせたのかと
心配したりもしたのだが、どうやらそうではなかったらしい。
「それにしても、よく会って間もない私に言われただけで、ついてくる気になったわねぇ?」
まぁ、迷子、しかも行く宛てもなくて困っていたとは、言わないほうがいいだろうな。
黙っていよう。
あぁ、それから敬語は先程止めさせておいた。
だって何かムズムズするし。
「なに、せっかく美人と遇ったんだ。殺しあうよりは、仲良くなりたいじゃないか。」
本当のことは言いにくいので、誤魔化しておいた。ついでに笑顔もミックスだ。
・・・・・うむ。我ながら会心の笑顔だな。
「・・・・・・・・・・・・」
エリアは、顔を赤くして俯いてしまった。怒ったのだろうか?なら謝らないとな。美人に嫌われたくはないし。
・・・・・・かといって好かれすぎるってのも嫌だが、その心配はないだろう。・・・・・自分で言ってて悲しくなってきたぞ。
「あぁ、悪い。そんな「それならもっと仲良くするべきよね!」・・・・・・はい?」
俺が謝罪をし終わるまえに、エリアはそう言って腕を絡めてきた。
「ほら、急いで急いで。」
「え、いやっ、その・・・・」
慌てふためく俺をよそに、エリアはイースペリアへと俺を連れて(引っ張って)いく。
しかし、途中で足を止め、俺に聞いてきた。
「あのさぁ、イースペリアってどっちだっけ?」
はい?なんだって?そんなの俺に聞いたってわかるわけないだろ。
「おいおい。それじゃなにか?お前は迷子なのか?」
「だってしょうがないじゃない。私はこっちまで来たこととないのよ。ピクニックの途中で
珍しい動物を見つけたから追ってきたら、こんなところに来ちゃったんだから。」
何だかエリアの印象が、あったときのものからから、大きく変わってきた。
それにしても迷子か。この年になってなってしまうとは。
「何を言っているのですか。あなたは元々ここに来た瞬間から迷子だったでしょう。」
追憶が突っ込んでくる。なかなかいいツッコミだ。さすがは俺のベストパートナーだな。
「ほんとですか!?感激です!こんなにも早く・・・・・・。」
なにやら追憶が興奮している。はっきり言って五月蠅い。
「冗談だ。」
途端に追憶は黙り込んだ。なにやら悲しげなオーラが伝わってきたが、無視しておこう。
それよりもどうやってこの危機を脱するかが重要だ。
「どうするんだ?俺だってこっちに来たばかりだ。道順はおろか、行き先すらも知らないんだぞ。」
俺がそう言うと、エリアはこの世の終わりの様な顔をした。
「そんな。こんなところで死ぬの!?いや~!」
そんなことを叫んだら、今度は何か閃いた様な顔をした。
「そうよ。この邪魔な木を燃やしちゃえばいいんだ。私って頭いい~。」
いや、待て待て。それは色々とまずい。やっぱ馬鹿だ、こいつ。
「まて、エリア。そんなことをすればここはたちまち火の海だ。焼け死ぬぞ。」
エリアを止めたところで、追憶が話しかけてきた。
「ユーガ、真剣の気配が一つ、こちらに向かっています。」
言われたほうを見ると、幼い少女が一人、此方に駆けてきていた。
「エリア!こんなところにいたの?心配していたんだからね!」
・・・・・・・こんな幼い娘にまで心配されるってのはどうよ。
「ありがと~シリカぁ~。どうなるかと思ったよ~。」
自分より小さな娘に泣きついている。・・・・・・・これでいいのか?
「それよりもエリア、この人は?」
その後、自己紹介をしあい、シリカに連れられて、やっとイースペリアに向かったのだった。
続く・・・・
後書き・・・・
・・・・の前に、設定紹介
はいっシンスケです!A.T.E第二話でした。さて、今回のお題はPS版アセリアについてです。
PS版アセリアをじっくりやり返してみて気づいたことは、
悠人がヘリオンに対して雄牙と同じ感想を言っていたと言うことです。今までは早送りやスキップをしていたので、
じっくりと喋らしていると、何だか新鮮、まさに新世界。それがどんなことであるかは、後のお楽しみ。
まぁ、ぜんぜんたいしたことではないのですが。でもやっぱりヘリオンはいいよですね。あのドジでなぜか不幸なところとか。
あとネリシアニムも。友人とは違い、僕は『ロ』ではないんですが。なんだかんだでサブスピ皆好きだし
ろりあえず・・・・もとい、とりあえず、これ以上何か言うと色々とボロが出そうなので、これにて終わらせていただきます。
それでは皆さん、次回もまた見てくださいね。ジャン・ケン・ポン!!うふふふふ