聖ヨト暦330年 スリハの月 黒三つの日 夕刻
サルドバルト王国 ロンド




サルドバルト王国領ロンド。
今回のイースペリア侵攻において、真っ先に制圧され前線の橋頭堡とされた街。
前線となった街の宿で、数名の美しい少女達が難しい顔をして唸っている。
少女達は、それぞれに銀や赤、緑などの純色の髪や瞳を持っており、一目でスピリットであると分かる。
彼女らは、帝国からサルドバルトの傀儡化のために送り込まれた特殊部隊の面々であった。
すなわち、帝国で最高の力を持つ集団──第3旅団である。


「……それで、先遣隊が敗走したと?」


現在、第3旅団の隊長に戻ったウルカが切れ長の瞳を瞑目しながら確認する。
それ程までに、信じがたい情報であったためだ。
帝国の支援戦力とサルドバルトの既存戦力を含めれば、どこをどう取ってもイースペリアが耐え切れるはずはない。
奇襲により、すでにダラムの戦力は壊滅しており、ランサの防衛部隊も待ち伏せにより痛撃を与えている。
ゆえに王都には、練度の低いスピリット達しかおらず、確実に勝てるはずの戦いだったのだ。
斯様な程度の任務すら達成できぬのであれば、彼女らの存在意義を問われてしまう。
今は、あの頃とは違う……『誓い』の担い手たるエトランジェの機嫌を損なえば、帝国に居場所が無くなるかも知れない。
そうなれば、彼女の目指すスピリットの未来を勝ち取る事はできなくなってしまう。
ウルカは再び、情報を持ってきたノエルに確認した。


「はい。聞く所によると、バルガ・ロアーの魔神がイースペリアに味方したとかで、どうにも要領を得ません。
 帝国の黒翼騎士団4個小隊は完全に消滅。逃げ戻ってきたサルドバルトの娘達も、混乱しているばかりで……」


そういうノエルも、かなりの困惑顔となっている。
彼女としても、この得体の知れない状況が不気味でならなかったのだ。


「バルガ・ロアーの魔神ねぇ……そんなのって正直、想像もつかないけど……そこんとこ、どうなのかしら?」
「……ああ、何でも素手で黒翼の連中を撃退しちまったって話なんだが……いや、幾らなんでもありえねーだろ」


クレリアとライカは否定的だ。
幾らなんでも、バルガ・ロアーの魔神やら素手でスピリットを斃してしまう存在など、そうそう居る筈もない。
順当に考えれば、イースペリアにも隠し玉なり何なりがあったということだろうし、魔神などという眉唾な情報は信じにくい。


「素手……ねえ……」


自然界に喧嘩を売るかのような魔乳の持ち主……フレイアは、その大戦力を持ち上げるかのように腕組みをする。
それだけで、フェリスやセシルがダメージを受けたかのように自分のそれを溜息混じりに見詰めている。
が……


「あ、あははは……そんな、アキラ様じゃあるまいし……」


以前、アキラが素手の訓練で第3旅団を圧倒していた事を思い出して、セシルが掌を合わせる。
それでなくとも、アキラは“操竜師”なる恐るべき格闘術の達人なのだ。
少なくとも、それぐらいしか思い当たりはなかった。


「「「「「「!!」」」」」」


セシルの言葉に、全員がハッとしたかのような表情で顔を見合わせる。
不安・期待・歓喜など、様々な感情が胸中で渦巻いていた。


「……確かめる価値はあるやも知れませぬ」


ウルカが『拘束』を持って立ち上がる。
他の6人も、頷いて立ち上がる。


「任務は予定通り遂行します。手前は王都への潜入を……お前達は予定通り王都の撹乱を。
 最低限、シュン殿の要望通りラキオス勢をイースペリア城下に侵入させねばなりませぬ。
 もし、アキラ殿を見かけたのなら、最優先で接触するように」

「「「「「「了解!」」」」」」


俄かに慌しくなっていく室内をよそに、ウルカはその目を細める。
そこに、彼が居るとは限らない……しかし、彼女には何故か予感があった。
その時、自分が彼と再会するであろうと……


「……アキラ殿……手前は……」


『拘束』を強く握り締める。
相変わらず『拘束』は何も語りかけてはこない。
だが、それでもなお、尊く輝く一つの誓いが彼女の中には存在している。


「……いえ、今は何も言いませぬ……全てはその時に」


細めた目を見開く。
決意を瞳に乗せると、ウルカは扉を開けると歩き去っていった……








永遠のアセリア
The Spirit of Eternity Sword

〜人と剣の幻想詩〜

第三章
“Eternity Wars”
ACT-3

【動乱のイースペリアA】
- The Erthperia “Disordered” -





聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 03:45
イースペリア王国 王城




「っと……結構、派手にやられているな……」


街のあちこちで小爆発や、剣撃音が聞こえる。
未だ夜も明けぬ、深夜の街。
太陽が、アト山脈の向こうから姿を見せ始めるのは、まだ数時間も先のことだ。
敵の潜入・撹乱部隊の手際のよさに感嘆しながらアキラは宵闇の城を防衛していた。
既に、サラ。セラ。ルーテシアの三人は撹乱部隊の対応に廻している。
アルティールも今はダーツィの事を忘れ、女王の警護に全力を尽くしている。
現在、まともな戦力が期待できないイースペリアにとっては、彼ら5人は天佑とも言える戦力であった。


「エクサス連隊に伝令! 敵は撹乱部隊だ。敵を追う必要は無い。王城と変換施設の防衛に徹しさせろ!」
「ハッ! 了解いたしましたっ!」
「アルヴァン隊は、女王の塔を護れ! 国の象徴を潰されるなんて醜態は晒すなよ!」
「お任せ下さいッ!!」
「旦那! 司令部は頼む。俺が支援に出ている間は、代わりに指揮を執ってくれ!」
「おうよ! 任せときな!」
「残ったスピリット達は未熟だ。騎士達はよく見て確実に支援しろ! では、幸運を祈る!!」


混沌とした周囲の状況を的確に判断し、アキラは次々と指示を出す。
それにより、イースペリア軍は撹乱に翻弄されずに、何とか防衛線を維持できていた。
作戦内容は至極単純である。
要は篭城だ。
ラキオスからの援軍が到着するまで、城を陥落されなければこちらの勝利。
万が一にも女王を失ったり、全ての戦力を失えば敗北だ。
女王を失えば国体が失われるし、軍事力が無くなれば、やはり独立した国家としての体裁を維持できなくなる。
ゆえに、こちらは被害を最小限に抑えつつ女王を護らねばならない。


「よっしゃあ! 教導隊ッ! 分かってんだろうな? 訓練の甲斐なく無駄死にだけはするんじゃねーぞ。いいなッ!!」
「「「はいっ!!」」」
「てめえらの未来はてめえらで掴み取るんだっ! その為にも陛下を護れ! 以上ッッ!!」
「「「はいっっ!!」」」


明けぬ夜の中、戦火と共に幾名もの妖精達が空を舞う。
イースペリアは未だ陥ちず……そして眠りもしない……




聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 04:00
イースペリア王国 王都近郊




「うわっ! くそっ……酷いな……間に合わなかったのか!?」


街のあちこちから聞こえてくる爆音や火の手に、悠人は焦りの表情を浮かべる。
サルドバルトの一方的な同盟破棄と、イースペリアへの侵攻。
その報を聞いてから、悠人達は不眠不休で、ここまで戦い続けていた。
僅かに2日で、ランサを陥とし……新たに参入したファーレーンやニムントールとの挟撃作戦でダラムすらも数時間で制圧。
四日と立たぬ間に、このイースペリア近郊まで彼らは歩を進めていたのだ。
『求め』のエトランジェという過剰な力もあったが、それ以前にラキオス妖精隊の練度は他国のそれとは全く違っていた。
それは、サルドバルト側にとっては全くの誤算であったとも言えるかも知れない。
そして、恐るべき進軍速度でここまで辿り着いた悠人達の目に入ったのが、赤々と燃えるイースペリアの街だったのである。


「王城はまだ無事のようですね……ユート様、急ぎましょう!」
「ああ、分かった!」


王城が無事な事を確認して、安堵と緊張とが綯い交ぜになった表情を浮かべながらエスペリアが悠人を急がせる。
急いで変換施設を破壊しなければ、イースペリアの膨大なエーテルをサルドバルトが獲得してしまうことになる。


【…………これは?……いや、気のせい……か?】


悠人の持つ『求め』が、どこか訝しげな思念を発する。
それに気付いて悠人が問い掛ける。


(おい、バカ剣。どうかしたのか?)
【……契約者よ……気をつけるがいい。どうも嫌な予感がする……】


何時も尊大な調子で語りかけてくる『求め』の困惑するかのような思念に、悠人は首を傾げる。


「はあ? 嫌な予感って……おい! どういうことだよ!」


訳が分からなくなってきた悠人は、思わず『求め』に向かって怒鳴り始めるが、『求め』は応えない。
意図的に無視しているわけではなく、どうやら深い思考に落ちているようであった。


「ユート! ……はやく!」


『求め』に向かって、なにやら怒鳴りたてている悠人にアセリアが声をかけてくる。
悠人は軽く舌打ちをすると王城へ向かって走り出すのだった。




聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 04:12
イースペリア王国 王城 エーテル変換施設付近




「やれやれ……『誓い』の配下というのも存外役に立たないようですね」


ゾッとするような、冷たい瞳と彫刻のように整った美貌を持つ青年が、独り誰とも無く呟く。
その両手には、二刀一対の永遠神剣が握られ、足元にはマナへと転じつつあるスピリット達が斃れ伏す。
青年は、どこへともなく両手の永遠神剣をしまうと物憂げな溜息を漏らした。


「それにしても……正直、期待外れです。滅びつつある国ならば素敵な死に出会えると思っていたのに……」


もはや無人となった回廊を、青年は一人悠々と歩いていく。
濃厚な死の気配に、空気すらも慄くように縮み、あるいは凍りつくかのようだ。
そんな青年に、突然どこからともなく声がかけられる。
鈴のように軽やかな少女の声……それでいて、どこか老女のような深い響きをも感じさせる奇妙な声であった。


【そんな所で、何を遊んでいるのです?】


声に、青年はあからさまに表情を歪める。
嫌そうな、面倒くさそうな表情だったが、それに含めて畏怖や恐怖の感情も浮かんでいた。


「いえ、少しばかりの趣味とお手伝いを兼ねた散歩……といったところですよ」


嘲笑を口元に貼り付けながら答える。
声は、一瞬だけ沈黙したが、次の瞬間には苛立ちを含んだかのような調子で続けた。


【まだ駒は揃っていないのですよ? せっかくイレギュラーを排除したというのに、また台無しにする心算ですか?
 塵掃除は『誓い』の配下にでも任せて、はやく戻ってきなさい。やる事はただでさえ山積みなのですから】

「……仕方ありませんね」


苛立つ声に、詰まらなさそうに答える。
そして、青年の姿は何処へともなく消え去っていた。
まるで、最初から存在していなかったかのように……




………

……






「これは……どういうことでありましょうか」


エーテル変換施設の防衛部隊を事前に排除しておくべく侵入したウルカだったが、周りの状況には唖然とするばかりであった。
変換施設の周りには、すでに誰一人存在しておらず、所々にイースペリアの兵士や騎士の死骸が残るのみ。
そのどれもが、恐るべき太刀筋で一刀両断にされている。


「……既に旅団の誰かが来たのか……いや、それは無い……か」


状況から考えても、旅団の誰かが変換施設まで来たとは考えにくい。
それに、他の者達に与えた任務は、あくまで撹乱。
侵入と、防衛排除はウルカが担当するはずだったのだから。


「誰か、第三の敵がいる……目的は同じようですが……」


慎重に気配を探りながら変換施設内部までを調べてみるが、やはり異常は無い。
同じく、敵の気配も感じられない事にウルカは既に、その者が立ち去ったという事を悟った。


「まあ、いいでしょう。手前は手前の責務を果たすのみ」


呟くと、ウルカは月影となって何処かへと消え去った。




聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 04:30
イースペリア王国 王城




「……旅団の連中だと!?」
「ええ……私が会ったのはクレリアだったけど、多分全員来ていると思うわ」


現代の先鋭軍事技術で作られた通信端末を手に、アキラは驚愕の表情を隠せなかった。
咥えていたハーブスティックがぽろりと大地に落ちる。


「ちっ……予測して然るべき事態だったな……帝国が関わっている以上、旅団が使われるのは当然だ」
「……それで、どうするの?」


セラの問いに、アキラは沈黙を貫きつつ思考する。
が、一瞬の間をおいてすぐに決断を下した。


「所詮は撹乱だ。今回は顔見せ程度に実力を計っておけ。後の手間が省ける」
「……了解。ふふっ……やっぱり貴方らしいわ」


通信端末の向こう側から聞こえてくる、セラの華やかな笑い声に、アキラは微苦笑を浮かべると通信を切る。
そして、表情を冷徹な指揮官のそれに切り替えると直ぐに戦況の確認に乗り出した。


「そろそろ定時報告の時間だが……やはり通信システムが人力主体なのは痛いな……剣音通信は現状ではリスクが高い。
 むぅ……やはり、こいつを量産する……って、この世界の技術力では無理か」


独り何事かを呟きながら伝令を待つ。
幸い、さしたる時間も待たず、伝令のブルースピリット達がやってきた。
教導隊……アルヴァン隊……次々と戦線の報告と、異常の有無が知らされる。
それらの報告に対し、概ねの指示を済ませるとドーンに後を引き継ぎ、アキラは司令部を後にした。


「エクサス連隊からの伝令が来ない……という事は、問題が起こったか……あるいは起こっている最中か。
 部隊侵入から1時間も経ってない。良い手際じゃないか全く。敵にしておけば何にしても厄介な奴らだよ」


厭うような、それでも嘗ての部下達の成長を喜ぶような相反する表情を苦笑の仮面で隠してアキラは駆ける。
まずは、早々とウルカに接触して帝国の情報を得ると同時に、帝国への楔を作らねばならない。
帝国にはラハーチィもいる筈だ。
彼女の諜報員としての能力は大いに使える。
ウルカを通じて彼女も動かせれば、帝国の情報を得るパイプは飛躍的に大きくなる。


更に、北方の力を纏め上げ、一つの大国を作り上げる。
同じくエトランジェを有するラキオスとの連合国を作り上げれば、二人のエトランジェを有する大国が誕生する。
こうして大陸に三つの大勢力を生み出せば、ロウ勢力の望む最終戦争の準備が整う。
後は、連中のシナリオに沿いながらもマナの損失を抑えていけばいい。
最終的に、『誓い』のエトランジェと『求め』のエトランジェを戦わせれば、時深との契約も完遂される。
その上でキハノレの『再生』を潰せば、連中はこの世界から撤退せざるを得なくなる。


それが、彼の考えた対エターナルの戦略であった。
その為にも、今は拠点となるイースペリアを護る必要がある。


「企図された戦乱……企図された剣達……か」


変換施設へと向かう回廊には、アキラの呟きだけが残った。




聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 04:30
イースペリア王国 王城 エーテル変換施設付近




一方、悠人達はひたすらに城の中枢部を目指して移動していた。
目的地は、エーテル変換施設。
何故なら、彼らにはイースペリア女王の安否よりも重大な密命が与えられていたからだ。


「エスペリア、どうして変換施設を破壊しなければならないんだ?」


釈然としない顔で悠人がエスペリアに確認する。
悠人はキロノキロを出立する前に、王からの密命を聞かされていた。
イースペリアの救助よりも、自国の利益を優先するかのような命令に、彼は大いに反感を覚え、また憤慨したものだ。
しかし、その命令に従うしかない自分の立場というものも良く分かっていた。
どちらにしろ義妹である佳織を人質として取られている以上、彼に反抗は許されないのだから。
そんな悠人の問いに、エスペリアは困ったような表情で歯切れ悪く答える。


「それは……サルドバルト王が一番欲しがっているのがマナと変換されたエーテルだからでしょう。
 イースペリアは北方五国で最大の変換施設を保有していますから……
 もし、それがサルドバルトの手に渡ってしまえば、短期間でラキオス攻略が可能となってしまいます」

「そうか……」


エスペリアの答えに沈鬱とした感情を覚える悠人。
どの道、それは単なる理由付けであって、実際にはイースペリアの併呑を考えた軍事行動なのだろうと、彼は感じていた。
1年近くの異世界生活のうちに、悠人にはラキオス王のやり方というものが分かってきていたのである。
その勘は恐らく当たっているのだろう。
そして、その事を批難することは無意味なのだ。
結局、自分達がラキオスの先鋒を担っているのだから。


「くそっ!」


やり場の無い怒りを、『求め』を強く握る事で発散する。


(佳織のため……これは、佳織のためなんだ……)


自らの義妹を救うという事だけを考え、悠人は一時の罪悪感を押し潰しながら走り続けた。




………

……






「……おかしいです」


駆けながら、ふとエスペリアが訝しげに呟いた。
何がおかしいのかが分からず、悠人は「何が?」と問い返す。


「どの国でも、エーテル変換施設は最後の防衛線です。それなのに、こんなに警備が手薄だなんて……」


エスペリアは、その大地の色を映した美しい瞳を翳らせながら答えた。


「施設なんて、もう一度造ればいいって思ってるんじゃないか?」
「ですが……」


考えてみれば、確かに不思議な話ではあった。
悠人達は、ここまで誰とも出くわしていないのだ。
エスペリアの指摘によれば、変換施設は最優先で護らねばならないというのに、これは異常なことだ。


「ユート……あそこ……」


突然、アセリアが悠人に話しかけてくる。
どうやら何かを見つけたようなのだが……果たしてそれは、イースペリア騎士の遺骸であった。


「酷いな……鎧ごと一刀両断にされちまってる……スピリットにやられたのか?」
「人間では無理だと思います。傷跡を考えると……恐ろしく鋭利な武器を使って両断したとしか思えません。
 それでも、切り口の滑らかさを考えれば……並みのスピリットにはできないでしょう」


遺体に対し、黙祷を捧げてから悠人は、はたと気付く。


「そう言えば……スピリットって人間に対して攻撃できるのか?」


それは、素朴な疑問だった。
スピリットは永遠神剣を持ち、人間とは比べ物にならない力を発揮する。
だが、その戦闘能力と相反し、人間に危害を加えたという話は聞いた事が無かったからだ。
むしろ、人間を遥かに超える力を持つスピリットのほうが、人間から差別されているという始末である。
だから悠人は、スピリットが人間に逆らえないようにできていると思っていたのだが……


「……できない事はありません……私は、人間に対して害意も殺意も感じた事はありませんが……
 最初からそのように訓練されていれば、あるいは」


人間を攻撃できるスピリットの存在を考えて、空恐ろしくなる悠人。
ラキオスの皆は、そのような事が無いにせよ、帝国のスピリット達がそのように訓練されていることを考えると油断はできない。
もし、スピリットが人間に自由に力を揮えるとなると、人間の国家など一週間も持たずに壊滅することだろう。
そして、そのようなスピリットが、ここには居るかも知れないというのだ……


「今は考えていても仕方が無い。行こう。アセリア、エスペリア」
「……はい」
「……ん」


変換施設入口の鉄扉を、『求め』の一撃で破壊すると、悠人達は施設内部へと踏み込んだ。




聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 04:40
イースペリア王国 王城 エーテル変換施設内部




「なんだ……これは……?」


中枢部に侵入した悠人の前には、信じられないものが存在していた。
半透明の巨大な八面体の結晶体。
それは青白い光を放ちながら浮遊し、中心を巨大過ぎる永遠神剣が貫いていた。
周りは、円柱状の隔壁で囲まれており、回路図のような文様を刻んだ石が嵌め込まれている。
天井付近には、民家ほどの大きさもある不恰好な機械が配置され、耳障りな稼動音を響かせていた。
どうやら、部屋全体が一つの機械として機能しているらしく、凄まじい威圧感と圧迫感を放っている。


「……機械と……結晶と……永遠神剣?」


それぞれが、それぞれの世界にあれば決して違和感など感じなかったであろう。
機械は、彼の世界に属するもの。
神剣は、ファンタズマゴリアのものだ。
結晶は、どこか未だ知れぬ世界に属しているものなのだろう……
それが、全く同じ場所に存在し、一つの機能を為すべく働いている。
そのことが、尚更に「これは在ってはならない物だ」と強く感じさせてくる。


「驚きましたか?」
「エ、エスペリア」
「これが、エーテル変換施設の中枢です。ラキオスにも同じものがあります」


エスペリアの優しげな声も、悠人の違和感を消し去る事は叶わなかったが、ようやく地に足が着いたような感覚を取り戻す。
悠人は、目眩を感じたかのように二、三度目頭を押さえると、気を取り直して巨大過ぎる中枢を見る。


「……こんな大きなもの……どうやって破壊するんだ?」
「はい。マナ吸引装置さえ破壊できれば、変換施設の全機能を停止させる事ができる筈なのですが……」


少し自身なさげに答え、エスペリアは小さな手帳を広げる。
几帳面な彼女の事だ、念のために破壊手順を確認しているのだろう。


「ユート様、アセリア、警戒をお願いします」
「分かった」
「……ん」


二人が頷き、周囲の警戒に入るのを見て、エスペリアは作業に入るのだった。




………

……






「ユート……くる!」
「え?」


珍しく、声に緊迫感を滲ませたアセリアの警告に、悠人の思考は四散していた。
『求め』を握り直すと同時に、入口へと視線を向ける。
その瞬間の事だった。
入口から、一陣の黒い疾風が吹き付けてきたのは。


「なっ!?」


悠人は咄嗟には反応できなかった。
辛うじて突き出されたアセリアの『存在』が、黒い何かと衝突し、甲高く鋭い音を立てる。
悠人の全身が恐怖と悪寒で総毛だった。
誰何も無く攻撃してきた以上、これは敵だ。
アセリアと一合交わした事は分かったが、それも音だけで目に捉えることはできなかった。
アセリアの警告が無ければ、間違いなく気付かぬ間に殺られていた。


「くそっ! どこだ!?」


警戒しながら、視線をあちこちに向け襲撃者を探す。
やはり最初に見つけたのはアセリアだった。
本来ならば、悠人はこれで二度死んだ事になる。
冷や汗が全身を伝い、身体が勝手に身震いする。


「なんて速さだ……こんな化物じみた奴もいたのか……」


アセリアと悠人から十分な間合いを取った位置に、鋭利な太刀の形状をした永遠神剣を構える少女がいる。
身体に密着した黒装束を身に纏い、腰帯に防塵布を着けている。
切れ長の、鷹のように鋭い双眸が印象的であった。
灰色掛かった銀の長髪を後ろに束ね、背中にはアセリアとは対照的な闇色の翼が広がっている。
黒き疾風と感じたのは、このブラックスピリットだったのである。


「ユート! エスペリアを……」


アセリアが叫ぶ。
悠人は、それに逆らわず、作業を終えていないエスペリアを護るために下がった。
悔しかったが悠人にとっては一太刀浴びせるにしても一呼吸は必要な距離。
だが、この襲撃者にとっては既に必殺の間合いである事が身に沁みて分かっていたからだ。
それに悠人の剣術は、所詮『求め』のパワーに任せた我流の剣だ。
昔から正統な剣を学び、日々それを練磨してきたものに敵うはずが無い。
事実、悠人は訓練において一度もアセリアに勝った事が無いのだ。
ここは、ラキオス最高の剣士であるアセリアに任せるしか道はない。


「──参る」


漆黒のスピリットが低く呟く。
柄に手をかけたまま、ゆらり……と水が流れるかのように、その姿が掻き消える。
その瞬間を悠人の目は捉える事ができなかった。
次にその姿を視認したときには、すでにアセリアの目の前へと迫っている。
抜刀。
入りも抜きも悠人には見切る事ができない。
いや、残像すらも映らぬ神速の居合い。
再び甲高い金属音を上げ、火花が散る。
アセリアの『存在』が初太刀を受け止めたのだ。


「はぁっ!」


だが、アセリアの『存在』は受け止めただけでは終わらなかった。
噛み合った刃の一瞬の動きを制して、刃を納めさせず、力を流しながら襲撃者を切り伏せようとする。
2年前の手痛い敗北から学んだ動きであった。
まるで、ブラックスピリットの御株を奪うかのような流麗な反撃に襲撃者は再び、別の場所へと間合いを開ける。
その顔には、驚きと興味の色が浮かんでいた。


「ほう……手前の居合いを受けるだけでなく……返し刃までも……大した腕前です」


再び鞘に納められた太刀を構えながら襲撃者が呟く。
その声には楽しそうな響きが宿っている。
どうやら、彼女の得意技は居合いであるようであった。
極限まで研ぎ澄まされた稲妻のような一撃。
避けることはできず、受けるしかない。
反撃しようにも、鞘の中では次弾が準備されているという攻守一体の恐るべき技。
本来ならば、アセリアが反撃することすら不可能な技である。
事実、今の反撃が際どいものであった証拠に、常にクールなブルースピリットの額には一筋の汗が浮かんでいた。


「ならば……これはどうでありましょうか? ──雲散霧消の太刀!」


漆黒の襲撃者が大地を蹴る。
神速の移動から放たれる、神速の居合い。
正に雲を散らし、霧を消し去るほどの居合いの連射。
だが、アセリアは『存在』にマナを通すと同時に神剣魔法を発動する。
突如、目の前に出現する氷の壁に瞬間、虚を突かれるが襲撃者は止まらない。
居合いの連射が氷の壁を粉々に斬り砕いていく……
が、アセリアはあろうことか、自ら氷の壁ごと砕き散らす全力の一撃を放った。
オーラフォトンが乗せられた『存在』が白く輝き、万物をマナごと断つ天の剣(ヘヴンズ・ソード)が放たれる。


「全ての力をぶつける……はああぁぁぁぁっ!!」


これには堪らず、漆黒の襲撃者も慌てて距離を取る。
しかし、全力を込めたアセリアの一撃は、襲撃者のそれにも匹敵する速度であった。
放たれる白刃と白刃が交差し、互いに距離を取る。
アセリアの篭手がパックリと割れ、同時に漆黒の襲撃者の防塵布がはらり……と落ちた。


「……見事です」
「……ん」


目にも止まらぬ閃光の演舞が、暫時の停滞を見せる。
互いに拮抗した腕前を持つことを認め、それぞれが一撃を与えるために身を切る覚悟を決めた一瞬だ。
凪の時間は一瞬。
すぐに閃光の如き戦いが再開される。


「“漆黒の翼”ウルカ……まさか、今のアセリアと互角だなんて……」


頭上から呻くかのようなエスペリアの声が聞こえてくる。


「あいつを知ってるのか?」
「は、はい。サーギオスの第3旅団長……エトランジェ“漆黒の悪夢”の右腕にして、特務遊撃隊最強のスピリットです!」


エスペリアの顔は蒼白になっていた……
余程の強敵として知られているのか、彼女が絶大な信頼を寄せるアセリアでも分が悪いと思っているようであった。


「……帝国のスピリットがどうしてここに?」
「分かりません……ですが、このままでは……」
「くそっ! そっちの作業を急いでくれっ!」
「はい。あと少しです……もう、少しだけ!」


エスペリアの返事は、殆ど悲鳴のようでもあった。
そして、悠人は腹を決める。
ラキオス最強……そして最速をも誇るアセリアが必死になって戦っていた。
速度や技量は圧倒的にウルカに分がある。
瞬間的な突破力や力ではアセリアが上だ。
このままでは、どちらかが先に致命傷を負うか……あるいは相打ちで果てるか……


「落ち着け……神剣の力を引き出すんだ……」


内心の焦りを押さえながら、悠人は精神を集中させていく。
ありったけのオーラフォトンを『求め』に注ぎ込み、膨大なエネルギーを集束させていく。
ぞくり……という性感にも似た甘美な痺れと共に、『求め』の無骨な刀身が白い光で染まり始めた。
力の集束と共に、力が身体の奥底から湧き上がり、周囲の速度が低下していくのを感じる。
余力を残そうなどとは毛頭思わない。
相手は、あのアセリアを上回るほどの強敵。
そう何度も反撃を許しはしないだろう。


「フッ! ハァッ!!」


更に一段階。
速度のステージを上げたウルカの、掬い上げるかのような斬撃をアセリアはバックステップで避ける。
間一髪。
遅れた髪が切断され、蒼み掛かった湖水の色をしたそれは、金色のマナへと散っていく。
間合いが開く。
悠人は、その一呼吸分の隙を見逃さなかった。


「アセリアッ!!」


短く叫ぶと同時に、悠人は突進する。
悠人の意図を悟って、アセリアが天に舞い上がった。


「うおおおおおぉぉぉぉ!!」


速度や技量では決して敵わない。
敵うのは神剣の格だけ。
なればこそ、勝機はそこにのみ存在する。
悠人は、全エネルギーを込めた一撃を狙いも何もなく床へと叩きつける!


─ズンッ!!


空気が唸りを上げ、床が粉々に砕けた。
地震のように部屋全体が軋み、床から壁へと無数の亀裂が走る。
迸る閃光。衝撃!


「……むっ」


僅かに驚きの声が漏れる。
そこへ向かい、悠人は『求め』を突き出した。
攻撃は届かなかったが、バランスを崩したのかウルカの反撃は来なかった。
その一瞬を見逃さず、空中に退避していたアセリアが一筋の流星のように突撃する。
ウルカは敢えて飛ばなかった。
そして、剣に拘り続けた以前では信じられぬ行動を取る。


「バニシング・ハイロゥ!」


力ある言葉と共に、ハイロゥが消失する。
飛翔中にハイロゥを消されたアセリアが体勢を大きく崩し、落下する。
いや、もはやこれは墜落というべきだろう。
当然、後に続くウルカの攻撃を避けられる筈も無い。
しかし、一瞬後の惨劇が顕現する前に、悠人が再び動いた。


「させるか! バカ剣! 力を貸せえええぇぇぇぇぇ!!」


全力を超える全力。
悠人の精神をギリギリと削りながら、『求め』に巨大な力が集い、ウルカへと迫る。
ウルカは追撃を諦め、そのまま入口のほうへと距離をとった。
直後、再び室内が白光と衝撃で満たされる。
そこに落ちてきたアセリアが猫のように受身を取り、悠人の隣に並んだ。


「……荒削りながら、よい腕をしている……貴殿が『求め』のエトランジェか?」


鷹の眼に感嘆の色が浮かんでいる。
神剣を構えながら、悠人は戸惑った。


「よろしければ、貴殿らの名を聞かせてもらえませぬか?」


まるで武士の名乗りあいである。
悠人にとって、こんなスピリットとの接触は初めてのことであった。
翼が黒くなったスピリットは神剣に呑まれていると聞かされているのに、ウルカにはそんな様子など微塵もなかった。
攻めて来ないウルカに戸惑いながらも悠人は答える。


「……俺の名は悠人。隣にいるのがアセリアだ」
「“ラキオスの蒼い牙”……なるほど」


どこか嬉しそうに頷くと、ウルカは神剣を鞘へと納めた。


「手前の役目は終わったようです。これ以上、戦う心算はありませぬ」
「役目?」


それには答えず、ウルカは目礼する。
気のせいか、僅かに目に哀しみが揺らめく。


「それでは、いずれまた相見えたいものです」


「……その前に、ここで何をしていたのか聞きたいのだがな……諸君?」


突然、響き渡った声に全員が弾かれるように視線を向ける。
何時の間にか、変換施設の入口には死神のような格好をした仮面の人物が立ちはだかっていた。




聖ヨト暦330年 スリハの月 黒四つの日 未明 04:55
イースペリア王国 王城 エーテル変換施設内部




その風体は一言で表せば“異様”。
闇に溶け込むような色合いの服装に、これまた闇に紛れる夜色の外套。
悪魔を模した仮面だけが闇の中に白く浮かび上がるようで、それが不気味さに拍車をかけている。


「くっ……何者だ!」
「何者だとはご挨拶だな……それはむしろ我こそが問いたい。我が国の変換施設に侵入している諸君らは何者だね?」


爆発するかのような怪しさに思わず誰何の声を上げてしまった悠人に対し、仮面の人物は悪びれもせずに問い返した。
問い返しながらも、破壊の爪痕が残り、床や壁すらも崩れ落ちそうな室内の様子を見て、その者は嘆息する。


「まあ、聞くまでも無いことだったか……曲者よ、神妙に縛につくがよい」


武器も持たぬ死神が、おもむろに一歩を詰めてくる。
余りにも自然で、余りにも迷いの無い、無造作な間合いの詰め方であった。
その様に、悠人の持つ『求め』が甲高い金属音と共に警告を発する。


【──契約者よ……油断するな。あの者は普通ではない】
(んなこと見りゃ分かるってんだよ! このバカ剣!)
【──そういう意味ではない】


手にした『求め』と、漫才を繰り広げながら悠人が構える。
しかし、確かに普通ではない。
幾らなんでも、素手で……いや、武装していようが人間(?)が永遠神剣を持つ存在を取り押さえようなど正気の沙汰ではない。
アセリアもどこか戸惑うような表情で『存在』を持て余しているようだ。


「……そこの緑の妖精……即刻、そこから離れよ。死にたくなくば……だがな」


ぬらり……と持ち上げられた手には、何時の間にか流麗で機能的なフォルムを持っていながらも禍々しき輝きを放つ塊が存在していた。
人を殺傷するという存在意義を与えられ、奪うことしか許されない冷酷な武器。
死を呼ぶ鉄火を放つ咆哮を上げるもの──それは“銃”と呼ばれるべき存在であった。


「エスペリアッ!」
「アレは……やはり!」


それが何であるかを正確に認識できたのは、その場では二名だけだった。
他ならぬ悠人とウルカである。
悠人は、それに秘められた意味に、叫びを上げることでエスペリアに警告し……
ウルカは、それが存在する意味を正しく理解し、それを持つ存在が何者なのかを察した。


「──え? きゃっ!」


悠人の想像とは違い、軽く……乾いた音が響く。
それにも関わらず、放たれた弾丸は確固たる意志を持って、先刻までエスペリアが作業を進めていた操作卓を撃ち貫いた。
小さな弾頭は、見た目とは裏腹に凄まじい威力で、操作卓を完全に破壊してしまう。
神剣の精霊光(オーラフォトン)でもなく、神剣魔法でもなく、何か別の法則がそこに働いたかのようだった。
危うく、操作卓ごと抹消されかけたエスペリアは、血の気が引く思いで地上へと降り立つ。


「ふむ、これで何にせよ変換施設に余計な手出しはできまい……投降せよ。事情を聞かせてもらう」
「……戯れはこの程度でいいでしょう……アキラ殿。何故……一体どうして、生きていると伝えてくれなかったのですか!」


意外にも、投降勧告に反応したのはウルカが先だった。
彼女は、“銃”という存在と、独特の気配に彼がアキラだという確証を得ていたのだ。
一瞬、動揺するかのように動きが止まる死神。


「だいたい、なんですか……その口調に格好は……全く、似合って……おりませぬ……」


先程の、毅然とした侍の姿を打ち消すかのように目尻に煌くものを浮かばせながらウルカが一歩、死神に迫る。
もはや、状況の掴めない悠人達は更に混乱の度合いを強めていた。


「は、はあ? 戯れ? アキラ殿?」
「ま、まさか……“漆黒の悪夢”がどうしてイースペリアに!?」
「ん……どうする。ユート?」
「い、いや……どうって……どうするんだ?」
「私に言われましても……」
【──情けないな……契約者よ】
「うるせーぞ! バカ剣!」



ラキオス勢は、大混乱である。
結果的に、ラキオス王の密命は失敗したことになるのだろう。
いや、しかし、そもそもの名目はイースペリアの救援であって……
何故か帝国の“漆黒の翼”が居て、どうしてか“漆黒の悪夢”がイースペリアを支援していて……
考えれば考えるほど深みに嵌っていくかのようだ。


そんなラキオス勢を他所に、ウルカはついに死神の仮面に手を掛ける。
死神は、何故か抵抗しようとはしなかった。
そして、ついに仮面が外れて落ちる。
その仮面の内側は、ウルカの見知った彼とは多少異なっていたが、彼女にはそれでも其処に変わらぬ彼の面影を見出していた。


「……勘が良すぎるのも考え物だな……ウルカ」
「アキラ殿の考えが甘いのです……あんな物を持ち出せば、手前でなくとも分かりましょうに」


死神……否、アキラの胸に飛び込んだウルカをアキラの左腕が優しく抱擁する。
だが、ここでもう一方からの驚きの声が上がった。


「あ、あんた……まさか……神薙……さん?」
「久しぶり……とでも言うべきなのかな……悠人」










To be Continued...




後書(妄想チケット売り場)


読者の皆様始めまして。前の話からの方は、また会いましたね。
まいど御馴染み、Wilpha-Rangでございます。


イースペリア編……そのAです。
敢えて言うなら、アセリアvsウルカ アナザー・バージョンですね。はい。
あれ以来、きっと強くなったであろうアセリアとウルカに互角の戦いを演じさせて見ました(笑)

それ以外にも、何気に行き成り正体がばれてしまうのも、もはや御約束の領域に達しているようです。
その後、物語はどう転がっていくのか……
いや、予想はついてしまうかも知れませんが、生暖かく見守って下さると嬉しいです(汗





独自設定資料

World_DATA
※Nothing




Skill_DATA
※Nothing




Personaly_DATA
※Nothing




SubChara_DATA
※Nothing




Eternity Sword_DATA
※Nothing