【マスター…試しは終わりました…貴方こそ私の始めての…そして最後のマスターです】



『七鍵』の声で俺は目を開ける。
相変わらずの謎の不思議空間。っていうかよく考えると宇宙なのに息が出来てる時点で異常だ。
まあ、それは置いといて…



目の前には何故か女が1人。かなりの美女だ。
純銀の月…その輝きを宿し、さらさらと音を立てそうな金髪。
どこか悪戯っぽい光を宿した深い紫の瞳。
スタイルも完璧だ。黄金率という言葉は彼女のために存在していると言える。
正直、目を逸らすのが如何ともし難く俺の心を…



…って、何を言ってるんだ俺は!!



危険な所で正気を取り戻す。むしろ取り戻しておく。さっきからどうも心の動きがオカシイから。何かが自分らしくない。
それに、この思考…自分で言うのも何だが…前はもっとこう…ほら大人の渋みに溢れていたような?
鏡が無いから分からんが、体格も変わっているようだし、体内には強大なマナが秘められているのも感じる。
最近は訓練もサボっていたのにも関わらず体調も万全。



OK。状況は解った。心静かに再度、意識を向ける。
それを確認するかのように、目の前の美女は満面の笑みを浮かべてこう言った。



【私を揮うにはちょっとまあ、
見た目とか身長とか色々と問題がありましたので概念情報は再構成しておきました♪
 マスター。これからも末永くお願いしますね♪】










…………

………

……












─ガシッ



とりあえず、逃げられないように捕獲完了。



「一つ確認するが……お前…『七鍵』だな?ついでに俺の身体も勝手に弄くった…と?」
あれか? アレなのか? あいつが俺の概念情報とやらを操作したからあんな思いを俺はしたのか?


【はい♪ まあ、厳密にはマスターの願望と可能性から私好みな物を選んで理想化・再構築しただけですけど】



─なんですと?



なにか? つまり、俺の内面や願望やらその他やらの人に見られたら死にたくなるような
プライバシー無視?
んで、その俺の
人に言えないデータや知られたくないイメージを勝手に自分好みに理想化して勝手に俺に再現した…と?
ってことは、今の俺は…ひょっとして物凄い自分で見たら恥ずかしくて死にそうなアレになっているのか? いるのか!?
そして、生きててごめんなさいって遺書を書いて死ななければならないのか? おい!
なんてこったぁぁぁ! 今まで隠し続けていた俺の
ダークフォースが全て白日の下に晒されたという世界の危機!?
やべぇ…とにかくやべぇ…死ねる。今の俺はこの恥ずかしさだけで10回は死んで、ついでにもう一回死ねる。



「は…ははは…ははははは…あははははははは…」
乾いた笑いが漏れる…いや、もう笑うしかないだろ…これは。



【それにマスターのお陰で実体化するだけの<マナ>と<イメージ>も得られましたので…私も。どうです?可愛いですか?】
俺の内心も知らずに、クルクルと回って見せる『七鍵』…嗚呼とっても嬉しそう。楽しそう。





【…あの…マスター? ひょっとしてダメ…ですか?】
反応を返さない俺を上目遣いに見てくる誰かさん。





うん。ええ。はい。可愛いよ『七鍵』。確かに今の貴方はとっても可愛いです。
殺したい位にな!









































突然ですが
防空戦闘の基礎知識
@発見→防空識別圏に侵入してくるモノをアンノウンとして「発見」する。
A識別→アンノウンを「識別」してナンバリング。フレンドリ(味方機)やホスタイル(敵機)に割り当てる。
B要撃→識別の結果、侵犯機であった場合、スクランブルにて「要撃」機が出撃。
C撃破→敵機を「撃破」! 任務完了! R・T・B(はぁと♪)













































─ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりっ





【痛っ、いいいいいいい痛いですマスター!!酷いです! 鬼!悪魔!変態!鬼畜!剣殺し〜〜!!】
「だまれ! お前なあ…お前なああぁぁぁぁぁぁ!めちゃくちゃ死ぬほどいや死んだほうがマシなほど痛かっただろぉぉぉぉ!!!」



おもむろに両拳で『七鍵』のこめかみをグリグリする俺。もはや万分の一でも思い知らせねば気がすまない。



【ふみぃぃぃぃ! そ、それは私のせいじゃなくて『七鍵』という意味を持つ属性のせいですぅぅぅ!私だって苦労してるんですぅぅぅ!?】
「その上、異常な衝動やら気分やら…あーーーもう!アレやらナニやらソレやら押し付けやがって! 反省しろ反省!」





─ぐりぐりぐりぐりぐりぐりっ





【ふえぇぇぇぇ…チェンジ!交代! 私は断固やり直しを要求します! 神様〜〜〜!!】
「そして俺のプライバシーを返せ! さあ忘れろ! 今すぐ忘れろ! 記憶を失いやがれぇぇぇぇぇ!!」




















蒼い宇宙に俺と『七鍵』の声だけが木霊していた…















永遠のアセリア
The Spirit of Eternity Sword

〜人と剣の幻想詩〜

序章

【契約の代価】
- Price of Contract -






「で、それで。最初の話に戻るが…結局どうなったんだ? お前が弄くった身体以外でだ

『七鍵』を一通り虐めてから俺は聞く。
まずは何を得て何を支払ったのかを知らなければならない。

【え…分かりませんか?】

妙なことを聞き返す『七鍵』。当たり前だ。分からんから聞いている。
こいつはひょっとしてアホなのだろうか?
アホ剣か?
俺はスカを引かされたのか?人生オサキマックラデスカ?


まあいい。アホ剣はほっといて、まずは自己分析から入る。


─体調良好。
─気力充実。
─怪我その他無し。
─精神…
壊れて疲れている。


結論。概ね良好。
アホ剣の相手で少々疲れていることを除けば万全とも言えるな。


…しかし、それにしても押し付けられた
衝動やらやらは常人の耐えうるものを遥かに凌駕しているようだ。
例えば、今の俺がちょっと憎しみを抱けば全世界を滅ぼしたくなるだろうし、愛しいと思えば躊躇なく世界全てを犠牲にできる。
そうだな…人間の持てる感情の強さ…その最大を1とするなら、俺の今の感情は10〜15ぐらいはあるだろう。
っていうか、俺みたいな感情が在る意味死んでいた人間ですらこれだ。
もし普通の人間が『七鍵』を持てば…ああ、そりゃ全員死ぬだろうな。うむ確実に。今の俺が保障する。太鼓判つきだ。


そういった意味では確かに俺は『七鍵』の主に相応しい。


常人の10倍強の感情ってのは、正直なとこ俺ですらまだ持て余しているんだ。
感情を扱えない…そう…
全てを認め、受け入れ、俯瞰しながらも糧と為すことのできない者が持てば…
考えただけで恐ろしい。
まあ、そもそもそれが出来ないのなら以前の99人の如く消えるだけなのだが。
ロウだのカオスだのでは残念ながら鍵を手に入れることなどできない。
そしてロウが全てを1にしても、カオスが全てを元に戻しても「終わり」は近づく。
だから俺はある程度だけ…
…そう、ほんの少しだけ天秤を動かさないといけない。
ロウもカオスも永遠に戦い続けてもらわねばならない。
ロウとカオスが争い交われば、また新しい時間と剣…そして可能性が生まれる。
エターナル同士の関わりさえも時間を動かすための鍵なのだから。
そのためにはニュートラルの理想主義もある意味では害悪だ。
両陣営を相手にするのは構わないが勝たせすぎるのは良くない。
いや、そもそもが……



「ってちょっと待て!」
(おかしい…異常過ぎる。何処からが俺じゃなかった?あんな知識は元々俺の中には存在していない)



【うふふ…気付かれましたか?マスター】

「……俺の中に『俺ではない俺の』知識がある……」

【そうです。私は『七鍵』。七つの鍵を使って禁断の扉を開くための神剣。これが私とマスターの能力です】

「…なるほど…」

【でも、マスター? それは貴方が、それだけの罪を受け継いで咎も間違いも全て抱いてくれると誓ったからなのですよ?】

「………」

【だから、マスター。それは貴方の知識であり経験…ですから…】
真面目な話なようだ…俺は神妙に聞きながら先を促した。


「…ですから?」


【私には、
それ以外の事を行う機能がありませんので、あとはマスター自身で何とかして下さいね♪】
ほやぁ…という表現がピッタリする顔で『七鍵』さんは、そう言い切りやがりました。



……落ち着け俺。いや落ち着け。とにかく落ち着け。全世界をマナに変えたくなったが落ち着け。んな事できないし落ち着け。



「ふう…で、つまり?」
努めて無表情で聞く。

【私自身では<門>も開けないし、オーラフォトンも殆ど制御できませんし、ここだけの話…戦闘経験も全くありません。
 そもそも自分で<門>を開けるのならこんな所を200周期も漂うなんてしてませんし…】


「………」


【さっきは誰かの『叫び』に乗じてマスターを呼べたんですけど…正直、私の性能だけでは
生き抜くだけでも厳しいかなぁ…って
恐る恐る…という感じで最後には声すら小さくなっていく。



「ってことは何? 話をまとめると… 『七鍵』は、神剣としての基本的な機能も欠如しているくせに口先三寸と運で俺と契約して、
 更に今までここで動けなかった憂さだけを晴らすために貴重なマナを消費して実体化してみた…と?」


【……………………………】


見詰め合うこと数秒…


─ぷいっ


頬を赤らめて目を逸らす『七鍵』…



































………………フッ…クククッ…クハハハハハッ…そうかそうか…それなら仕方が無いよなぁ?











































「あー『七鍵』? 今、お前のマナ構成概念情報を固着したから。とりあえず掛かった値段(?)は110万飛んで2802マナだ。
 これからは俺の許可無しには神剣に戻れないので理解しろ?
 うん。何しろ勝手に俺の身体も別人と言えるほどに再構成したんだ。問題は無いよな? プライバシーも徹底的に無視されたし。
 それからもう一つ。今この瞬間から、君は第10位永遠神剣『七鍵』だ♪」


「認めよう君の力(ボケ)を!今日から君は第10位だ!」


俺は今までの人生で最高級の笑顔でそう言った。
そしてこれは冗談でもなんでもない。今の俺は訳の分からん知識で満載。自分の神剣を制御するなんてお茶の子さいさいである。
マナさえ十分量に達していれば他人の神剣すらも制御できる自信がある。


【え? え? その…あの…マスター?…冗談……です…よ…ね?】
俺の突然の降格宣言に『七鍵』はヒシッと俺に縋り付く。
程よいフニッとした感触が二つほど俺の腕に押し付けられる。





あーダメ。こいつダメ。かなりダメ。自分が俺に何をしたのかぜんっぜん分かってない。











































Q
持てる衝動や感情が常人の限界値×10倍にされてしまった人間がいます。
なお、その人はまだソレを多少持て余しています。
さて、ここで問題です。
その人がもし目の前の人物に欲情を抱いたらどうなるでしょうか?










































A
襲います。襲い掛かります。もう止まりません。止まれません(笑)
この列車にはブレーキ機能がついていません。というか壊れました。
壊した原因は目の前にいる人(剣)です。











































「…うむ。状況説明完了。という訳で今から襲うから♪」

【はい? って、
きゃああああぁぁぁぁぁ!?






































契約の空間とやらの一瞬にして永遠。

<龍の大地>と呼ばれる世界に投げ出されるまでの間。

俺は散々『七鍵』で楽しんでやった♪

自業自得だ。アホ剣。





















































「…ちなみに『七鍵』は
処女でした。念のため♪」

【マスターの………マスタァァァのぉぉ………
バカぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

「はおぐほあっ!?」

K.O.されました。























To be Continued…







読者の皆様始めまして。前の話からの方は、また会いましたね。
まいど御馴染み、Wilpha-Rangでございます。


シリアス? ナニソレ旨イノ?


序章で気になった文句かも知れませんが…もうお分かりですね?
はい。それはもうシリアス路線だけでは走っていませんので徹底的にお約束的展開をやってみました。
PC的手法で考えていた以上、所謂Hシーンも作るはずでしたが読者層のことも考えて割愛。
何があったかは脳内補完でお願いします。
きっとそれが真実(ぇ

さてさて、本編も2話目。未だにファンタズマゴリアにすらたどり着いていません。
まあ、予定通りではありますが(爆)
第一章では永遠戦争に入る前のファンタズマゴリアを描いていきたいと思っています。
4神剣のエトランジェ達が出現する前のファンタズマゴリアは一体、どのようなパワーバランスを構築しているのでしょうか?
帝国派…マロリガン…龍の魂同盟。
何も無くとも当然裏のほうでは策謀渦巻き、妖精達は相変わらず人間に虐げられ続ける…
まだ担い手が手元に無い『誓い』はラクロック限界による差マナを溜め込むために人間達にエーテルを使わせ続け…
新たなマナを集めさせるために、また戦火を広げ続ける。



っていうか、アキラさん! 性格170度ぐらい変わっちゃってるよ!



脳内妄想列車は今日も大暴走(笑)



ちなみに剣格がいきなり7位から10位になるなんてことは本来有り得ません。
逆に剣格が上がる…というのも特殊な条件を除けば有り得ない事らしいです。


さて、次回。永遠のアセリア外伝『人と剣の幻想詩』…ストレンジャーと妖精達…乞うご期待。




「…ボクは処刑されるために生まれてきたの?…」


独自設定資料(ネタバレ含む)

陣営(ロウ・ニュートラル・カオス)
エターナル達が所属する組織のこと。
神剣の本能を善として、全てのリージョン(世界)をマナに変え根源に還ろう(至ろう)とする勢力をロウ。
世界はエターナル達が干渉するべきではなく、全て自然であるべきだ…とロウに逆らう反抗組織をカオス。
ロウの秩序もカオスの主張も迷惑だ。俺達は自由に生きていく。とばかりに両陣営と敵対する勢力をニュートラルと呼ぶ。
それぞれの勢力に所属するエターナル達は自らの本懐を遂げるべく汎世界の様々な場所で戦いを繰り広げる。
基本的に1位神剣の担い手がリーダーを務め、エターナルの補充や派遣を指揮する。
1位神剣の力は凄まじく、一部の例外を除き2位以下の剣では対抗不能であるため勢力が壊滅することはまず無いと思われる。
…根本的なバランスを崩す存在が固まらない限り…

神剣総保有量は…ロウ≧カオス>ニュートラル
個人戦力脅威度は…ニュートラル>カオス≧ロウ

カオス勢力リーダーは『運命』のローガス
ロウ勢力リーダーは永遠神剣1位『宿命』の使い手らしい。通称<姫>
※本来なら『宿命』のミューギィ。作中では、その名が語られる事は…ほぼ無いと思われる。
ニュートラル勢力リーダーに関しては知られていない。


ぐりぐり
両中指の第二間接を使ってこめかみを挟み込みグリグリする技。
苦痛を与えることに特化しており、相手に致命的外傷を与えることも無い。
某ヘタレ主人公もヨフアル娘に行使した(笑)
ある意味ではこの手のゲームにおいて必須のギミック。


今日から君は第10位だ!
『七鍵』のあまりのボケっぷりにキレた神薙が言った台詞。
元ネタはアーマー○コアの有名な台詞。「認めよう君の力を。今この瞬間から君はレイヴンだ」より。

<アストラル・リンク>を逆用した神薙は周辺の浮きマナと『七鍵』自身のマナを略取。
その上、概念情報の変化機能にパスワードロックを掛けたことで『七鍵』の<剣格>は大幅低下。
なんと7位から10位になってしまった。


永遠神剣とその能力
妖精の位階

第10位:LV1 総合力:200% マナ上限:100,000(10万)
第9位:LV3 総合力:210% マナ上限:200,000(20万)
第8位:LV6 総合力:220% マナ上限:600,000(60万)
第7位:LV10 総合力:230% マナ上限:2,400,000(240万)
来訪者の位階
第6位:LV15 総合力:280% マナ上限:12,000,000(1200万)
第5位:LV21 総合力:300% マナ上限:72,000,000(7200万)
第4位:LV28 総合力:320% マナ上限:500,000,000(5億)
永遠者の位階
第3位:LV36 総合力:400% マナ上限:4,000,000,000(40億)
第2位:LV45 総合力:450% マナ上限:36,000,000,000(360億)
第1位:LV55 総合力:500% マナ上限:400,000,000,000(4000億)
天位または地位
天位(地位):LV66 総合力:600% マナ上限:4,000,000,000,000(4兆)

【概要】
永遠神剣…意志を持ち、契約者に超絶的な力を与えるもの。
永遠神剣は所有者を選ぶため、ファンタズマゴリアではエトランジェかスピリットにしか扱うことはできない。
第3位以上の上位永遠神剣と契約したものはエターナルとなり永遠の戦いに身を投じていくことになる。
下位の場合は殆ど大差も無く、自我すら希薄な場合も多い。能力も似たり寄ったりである。
中位の場合、本能に裏打ちされた自我を持つことが多くなる。その能力も下位のものとは一線を画している。
上位の場合、神剣は明確な自意識を保有する。契約者をエターナルに変え、莫大な力を与える。

LVが高いほど強力な固有神剣技や特殊能力を持ち大きな自意識を持つようになる。
総合力が高いほど契約者の能力をより強力に増幅できる。
マナ上限が高いほど、より大きな力をより長く発揮し続けることができる。
上位になればなるほど位階差はどんどん開いていくため、並みのことではこの戦力差を覆すことはできない。

【剣格の変動】
本来、神剣は昇格したり降格したりすることは無い。
また、上記のマナ上限は言わば神剣の持つエネルギータンクの許容量のようなものである。
これを超えるマナを集めると剣格が上がるということは一切無い。
むしろ、マナ上限を超えてマナを圧縮集積させると暴走が発生し「マナ消失」が起こる事になる。
4神剣のように自我がある場合、他の自我を持つ永遠神剣を喰らう(呑む)ことで例外的に<剣格>が上がることもある。
永遠神剣 第2位『世界』がその好例とも言える。

【永遠神剣の基本能力】
永遠神剣には幾つかの共通的な基本能力が存在している。

▼共通
「身体能力強化」

永遠神剣の契約者達の肉体は必ずマナで構成されている(または、そうなる)。
この機能は契約者の肉体に直接マナを注ぐことでオーラフォトンへと変換し契約者の能力を飛躍的に高めるためのものである。
神剣たちが主にマナを得るためには破壊が必要となるため、彼(彼女)らは契約者の機能を強制的に跳ね上げる。
契約者の強化は剣格に関係なく一定量のようだが、総合力分だけ更に上乗せされる。
もちろん基本能力が高い契約者であるほどにその効果は高くなる。
仮に悠人の筋力を10(一般成人男性程度)として『求め(第4位)』のサポートをフルに使った場合はこうなる。
本来の値:10+神剣補正:20=30×オーラフォトン修正:320%=96
この結果、実に常人の9倍以上…いや10倍近い力を発揮できるという計算結果になる。
そりゃ、エトランジェが戦力になる訳ですわ。
剣を持っていない悠人を押さえつけるためだけに10名以上動員されたのも納得。
基本的能力強化ですらコレなのだから、神剣魔法等も含めた契約者の総合戦闘能力は押して知るべし…である。

「神剣魔法」
神剣(と、契約者)の属性によって方向性に違いが発生するが、神剣は概ね魔法能力を備える。
直接的にマナを吸収し内部でエーテル変換、指向性を与えることで様々な奇跡を引き起こす。
属性が青であれば、主としてヴァニッシュ系と水氷系の魔法が扱える。
属性が赤であれば、炎熱系の攻撃魔法が得意であり大きな破壊力を扱える。
属性が緑であれば、風と大地の力を利用した回復・支援系の魔法が扱える。
属性が黒であれば、月と闇の力をもとにしたAB(AntiBlue)系の魔法を扱える。
ちなみに白は全属性の力を扱え、無はオーラフォトンそのものの操作を得意とする。

「知識共有」
永遠神剣はあらゆる世界。あらゆる宇宙から契約者を探す。
永遠神剣はその世界の構成マナから情報子を取得し、基本的な知識を得る。
そうして蓄えられた知識は契約者へとフィードバックされ円滑に干渉を行えるようにする。
ちなみに意思疎通などはお手の物だが文字を読んだりすることまではサポートされないことも多い。

「強制力」
永遠神剣の意志を契約者に強制させるための能力。
契約者のマインドそのものにプレッシャーを与え、表層意識と肉体の制御権を奪取する。
<剣格>が高いほど強烈な強制力を持つ。
場合によっては契約者からマナを奪ったり自害させたりすることもできる。
中位以上の永遠神剣の強制力は、簡単に自我崩壊を起こすほどに強烈である。
悠人や光陰が強制力に耐えられるのは、彼らの自我(自意識)が強固な方向性によって維持されているからである。
悠人なら香織を守るため。光陰なら今日子を守るため。
まあ、もっとも『因果』は光陰と割合ウマが合うのか強制力を殆ど行使していないようだが。
明確な自意識と存在意義を確立できていないスピリットたちは強制力により、比較的容易に神剣に呑まれていく…


Personary_DATA
神薙 晶/Akira Kannagi (自己申告のため本名かどうかは不明)

身長:166cm 体重:63kg 日本人。黒髪黒瞳。
知的能力:意外と高い 精神性:理性的内向型 性格:理知的 容貌:普通
性別:男性 年齢:31
技能:器用貧乏
属性:無
特筆事項:軍隊経験有り
所持品:服飾品。冬用コート(抗弾仕様)。チタン入りミリタリーブーツ。銀のジッポ。タバコ。財布。携帯。スィスアーミー(ナイフ)。

基本能力コード(常人の平均値を10とした場合。右は修正済みの値)
筋力:10/13(瞬間的に+3できる)
耐久:11/11
敏捷:13/13
魔力:10/76(抵抗時のみ基本値+66)
感覚:16/12(自堕落生活で感覚が鈍っている)
幸運:10/76(生存に関わるときのみ基本値+66)

解説:
人生をただ仮面をつけて生きるかのような人間。
全てに全力になれず、全てを放棄できず。それでも殆どのことを卒なくこなす。
興味を持てないことには一切力を傾けることが出来ないため社会的には落伍者に等しい。
自分の存在(罪)の全てにコンプレックスを持ちながらも<仮面>の自分を演じることで生き続ける。
外面は明るく理知的に装っている。
だが、感情を爆発させたくとも、その<仮面>が赦さないため実はかなり鬱屈していた。



神薙 晶/Akira Kannagi (『七鍵』のアキラ)
身長:177cm 体重:77kg 来訪者(?)。黒髪黒瞳。右目だけは黄金色の魔眼。前髪が一房だけ銀色になっている。
知的能力:非常に高い 精神性:分類不能 性格:分類不能 容貌:スピリット的
性別:男性 年齢:31
技能:器用貧乏
属性:無
神剣:第10位『七鍵』
特筆事項:軍隊経験有り(攻撃力+20 防御力+20)
所持品@:冬用コート(抗弾仕様)。銀のジッポ。タバコ。財布。携帯。スィスアーミー(ナイフ)。
所持品A:服飾品とブーツは変異の際に壊れたので、『七鍵』に再構成させたものを着ている。

基本能力コード(常人の平均値を10とした場合。右は修正済みの値)
筋力:30
+20=50/100(200%)
耐久:31
+20=51/102(200%)
敏捷:33
+20=53/106(200%)
魔力:30
+20=50/100(200%)
感覚:36
+20=56/112(200%)
幸運:30
+20=50/100(200%)

戦闘パラメータ(LV1の状態で)
生命力:1100
攻撃力:156%
防御力:148%
抵抗力:103%


特殊能力:
<神剣転化>

※アキラは既に永遠神剣そのものに近い属性を持つ。現在、第4位の永遠神剣としてのほぼ全機能を行使できる。
※いきなり第4位となっているのは彼の特殊な精神ゆえか…それとも別の何かが関わっているのか…

<アストラル・リンク>
※必要とする知識を<虚空蔵(アカシャ)>からダウンロードできる。翻訳に『七鍵』のサポートが必須。
※『七鍵』のサポート無く<虚空蔵(アカシャ)>にアクセスした場合、下手をすれば一瞬で廃人にされてしまう。

<??継??>
※詳細不明…時にアキラを守り、時に得体の知れない衝動としてアキラを恐怖させる。

解説:
『七鍵』との契約によって使い手となったアキラ。
契約の際に自らの仮面・内面・罪・因業の全てと一体化したことで不可思議な性格になってしまう…
どえらいテンションになったり極端に冷徹になったり…感情の暴走を制御できるのは何時の日か…(笑)
強靭で柔軟。純粋かつ老練。彼の精神は二律背反しながらも非常に(異常なまでに)安定している。
ファンタズマゴリアでの3年間は彼の生き方を大きく変えてしまうことになっていく…

永遠神剣の能力を付加された存在であるため、神剣のサポート無しでも高い能力を誇る。
特殊能力である<アストラル・リンク>により必要とする知識を瞬時に獲得できる…が、あくまで知識。自分の経験ではない。
使い方によっては便利だが、知識を経験に変えるためには相応の努力と訓練が必要となる。
『七鍵』の偏見と好みが変異に影響しているため、どこかスピリット的で儚げな印象を受ける。
体格や能力が激変したため、今までに培った<見切り>能力が低下しているが基本能力の高さはそれを補って余りある。



永遠神剣 第10位 『七鍵』→後に「七鍵 沙羅」という偽名を与えられる。
身長:160cm(剣自体の全長も160cm) 体重:44kg 永遠神剣。金髪紫瞳。Size:77/55/77
知的能力:量子コンピュータクラス 精神性:感情的外向型 性格:
アホな上に騒がしい明るい 容貌:極めて良い
性別:女性 年齢:200周期弱
技能:未修得
属性:白(全属性の影響を受ける)
神剣:第4位『神薙』
光輪:ウイングハイロゥ
特筆事項:特になし
所持品:1,102,802マナ(笑)

基本能力コード(常人の平均値を10とした場合。右は修正済みの値)
筋力:10
+20=30/96(320%)
耐久:08
+20=28/89(320%)
敏捷:17
+20=37/118(320%)
魔力:40
+20=60/192(320%)
感覚:18
+20=38/121(320%)
幸運:40
+20=60/192(320%)

戦闘パラメータ(LV1の状態で)
生命力:700
攻撃力:75%

防御力
:90%
抵抗力:
150%

特殊能力:
<永遠神剣>
※永遠神剣であることを示す特殊能力。
※神剣としての基本的な機能を扱える…はずだが、何故か『七鍵』は
身体能力強化しか使えない。

<契約者強制変異(契約時のみ)>
※『七鍵』としての基本属性。契約者に永遠神剣の力を持たせ、その存在状態を最適化・理想化する。
※『七鍵』自身が行使したくなくても勝手に発動するために、結果として99人の素質者が犠牲となった。

<アストラルリンク・カリキュレーション・サポート>
※アストラルリンクを行う際に膨大な情報を取捨選択し、内容を意訳するための機能。
※一見お馬鹿な『七鍵』だが知性は極めて高く、演算能力は量子コンピュータのそれに匹敵する。

<??継??>
※詳細不明…『七鍵』はこの機能を制限行使しているようであり安定的に高い魔力と幸運を持っている。

解説:
一応のところ本作の正ヒロイン。
4周期前に思いついたらしき「良い事」の結果、自身をミニオン化させることに成功した珍しい永遠神剣。
一見、底抜けのアホに見えるが実際には非常に高い天才型の知性を持つ。いわゆる紙一重な人(剣)。
200周期もの永劫を超え、ついに訪れた自由の機会に羽目を外しまくる。
表面的には明るく騒がしくやっているが、実は………?
後に永遠神剣『神薙』のサポートで超威力の神剣魔法を行使できるようになる。
アキラと良い感じでアホな漫才を展開し、周囲をお笑いのどん底に叩き込むことができる。
契約時のアレコレでアキラに散々犯されてしまうという、ある意味では哀れな子羊さん(?)
…っていうか、こんな正ヒロイン見たこと無いやい!