始めはただの幻聴だと思っていた。

其れはいつも夢の終わりにやってくる。


─ キィィィーーーーーーン ─


金属質の何かが鳴る。

澄んだ…そう、とても澄んだ音色だ。


それはとても綺麗なのに、何かがとても恐ろしい。



─ キィィィーーーーーーン ─


【……契■……私の■■■■に■■…】


澄んだ音が鳴る。



─ノイズが聞こえる。



─ キィィィーーーーーーン ─



綺麗な音だ。





─それはとても…そう、とても不穏だ。




































そして朝がやってくる。








永遠のアセリア
The Spirit of Eternity Sword

〜人と剣の幻想詩〜

序章

【始まりは何時も突然に】





2007/12/24 11:26 〜とあるホテルの一室〜

「ふあぁぁぁ」
いい加減に寝るのにも飽きて起き上がり、背を伸ばす。
背骨がペキペキと鳴り、俺にひと時の快楽を与えてきた。
近くのテーブルから愛用の眼鏡を取って着用。
そして世界は確かな色と実像を持って復活する。
下らない世の中。灰色の日常を伴って…

…単に目が悪いからなんだけどな…

さておき。
今日はいつもに増して寝起きが悪い。
年齢も
(ピー)歳に差し掛かり、いい加減自分が若くないんだと言う事を再認識させられる。
いや、まあ単に最近は夢見が悪くて体調が悪いだけなんだが。



目覚ましとばかりにユニットバスへ向かう。
鏡にはいつも通りの顔が映っている。特に不細工でもなければ芸能界にいけるような美形でもない普通の顔だ。
多少、冷ために調整した湯を頭から浴びる。
シャワーの噴出孔が遥か上に設置されているのは俺の低めの身長に対する当て付けなのだろうか…とアホなことを考えつつ身体を洗う。


─ キィィィーーーーーーン ─


耳鳴りがする。どうにも頭痛は酷くなる一方のようだ。
明日のためにわざわざ南の果てから来たというのに本当についていない。

「…やれやれ…相変わらず運は無くて悪運ばかりか」
独りで悪態をついてもしょうがない。
経験上こんな時は、さっさと薬でも飲んで休んでおくのが一番の方法だ。


【……願い……誰…………下…………ク…消………無………】


─?
なんか妙な声が聞こえたような気がするが…
…ここのホテル…まさか隣部屋の音が聞こえるほどの手抜き構造物なのか?

深く考えずに着替えてお気に入りのコートを羽織る。
さて、まずは薬でも買ってくるとしますか…



そのまま振り返り…



─あ?



間抜けな声を発しながら、そのまま黄金の光に飲み込まれた。





周囲は蒼い宇宙。
銀河系のようなものや星々までもが輝いている。
目の前には何故か黄金の燐光を纏った太刀が浮いている。

(…いつの間に俺はこんな摩訶不思議空間に入ったのか…)
久しぶりに面白い事が起こった。
乾いた心の中で呟いてみる。
というか、良く考えてみれば…こんな状況になったら夢とか思うのが普通じゃないのか?
または神に祈るとか。自分の不幸を呪うとか。



─神よ…俺は何か貴方に恨まれるようなことでもしたのですか?



俺は信仰してもいない神に対して祈ってみるフリをする。



そう。それは俺の<仮面>…俺はそうしないと生きていけないし、何よりも自分が分からない。
周囲に対しても、自分の家族に対しても別段の感情は持っていない。
─モッテイナイフリヲシテイル…
<仮面>と言う名のエゴだけがそこにある。
─仮面ヲツケネバ生キラレナイ
俺の中は常に自分の感情すらも抑圧され枯れ果てようとしている。
─在ルト理解ッテイルノニ殺シテイル
俺は俺を演じ続けている。
─ソレスラモ虚構




>>View-Change by ???


【…待っていました…】

私は若干の期待と興奮をもって目の前の男に語りかける。
既に力を失ってから200周期以上が経過している。
もうダメかと思っていたけど、妖精の思念に
便乗じゃなくて介入してまで試した甲斐というのはあったようです。


どうも私は永遠神剣としては特殊過ぎる部類らしく、生まれてから今まで適性を持った契約者を持てませんでした。


「…おい」


というか契約者が皆、私の特性 ─罪と感情の増幅─ に耐え切れないのだ。
常人ではダメ。凡人でもダメ。自称天才魔法使いは狂死etc
特に固定化された永遠存在であるエターナルなんてひとたまりも無い。
概念情報を崩壊させて消滅させてしまったその数、人間・非人間・エターナルを含めて実に99人。

ついた名が「契約者殺し(チェイン・スレイヤー)」
ロウにもカオスにも呪いの剣として放置されて幾星霜。
マナもいい加減に限界で<格>は下がりに下がって第7位。


でもでも、私だって好き好んで契約者を破滅させているんじゃないんですよ?
だって…担い手が居ないとマナも得られないし、何かと不便じゃないですか。
4周期前に、せっかく良い事を思いついたというのに実行できるマナも念も無い。


「…もしもーし?」


それにそれに、もう今回しかチャンスは無いんですっ!
今回を逃したら後はマナの塵に還って漂うだけ…

嫌っ嫌っ! せっかく存在しているのに、何も出来ずに消えるなんて…そんなの絶対に嫌ぁぁぁぁ──
例え目の前の人が、ちょっと私の好みから外れていても
身長が低くてもこの際とにかく契や……


「………折るぞ………駄剣…」


【ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい! 幾らなんでも行き成り私を折る気ですか!?】
…ひょっとして、危ない人なのでしょうか?
それに、こんな状況で落ち着いているとは…意外と大物?


「大物でも小物でも好きにしろ…」


……もしかして……聞こえてたりします?


「ああ…しっかりと聞こえてる…と言うか、まず『待っていた…』とは?」

【え、あ…はい。私は永遠神剣第7位『七鍵』と申します。実は貴方にお願いがありまして…】
【(…そう言えばここって契約の世界だったし…そりゃ聞こえてもおかしくなかったっけ)】

「俺はアキラだ。姓は…そうだな、カンナギ。カンナギ・アキラ…それで願いとは? 話だけなら聞いても良い」
(神剣…永遠神剣…ね…まるでゲームか何かだな)

【あの…それで…実は私と契約して欲しいんです! このままじゃ消えるかどうかの瀬戸際なんですぅ〜!】

「………は?」


>>View-Change by Akira

ふむ…幾らなんでも夢にしては異常だ。
というか契約とは何だ? 悪魔と契約とか神と契約とか売買契約とかのようなものなのか?
いかんな…最近、俺…疲れてるのかな…絶対に混乱している。

(そして、この声を聞いていると枯れたはずの感情が何故か俺を急き立てる)


さて、多少学んでいるオカルト的な知識は迂闊に触れるべきものではない関わるな!…と警告を続けていのだが。
─サワルナ…近ヅクナ…アレハ危険スギル…オマエノ仮面ガ壊レテモイイノカイ?


「あー…まあ、なんだ…契約するとどうなる?」
とりあえず聞いてみることにした。


【はい。それはもう、神剣である私の全てをお客様に漏れなくプレゼント♪】



─へぇ〜あっそう? というか全てって何よ?



生憎だが俺は人(?)の言う事を鵜呑みに信じられるほど良い人生は送っていない。
俺はジト目でその、自称『永遠神剣』とやらを見る。


【で…その代わりと言っては何ですが、私にマナとイメージを提供して頂けるとありがたかったりするんですけどぉ…】


「…聞こえてるぞ。イメージは解るが…マナとは? あれか? いわゆる大元とか魔力とかああ言うモノか?」
なんてゲーム的な設定なんだろうか。自分で言ってて呆れる。

【はい! そのようなものです。私達は、それが無いと存在していけないんです!】

………あーそうか。そう言うのって本当にあるんだ。それは盲点だった。そして実に面白い展開だ。

「なるほど…誓約する。俺はお前と契約してやろう」

【……そうですよね? 行き成り言われても困りますよね…はぁぁぁぁぁぁ……って、はい?】
「…契約してやる…と言ってるんだ」

【うそっ?】
信じられない…といった思念が伝わってくる。なんか不安になってきた…泣きそう。

「俺は嘘もつくし騙すし法螺も吹くが、一度誓ったことを破ったことは一度も無い」
うん。本心だ。間違ったことは何一つ言ってない。


【ありがとうございますっ♪ それでは私を手にとって下さいますか?】


黄金の太刀…神道で使うような長大な守り刀を握る。
─守ルナンテ似合ワナイ
不吉な予感と共に、確かな<力>と温かさを感じた。
─勘違イシテイルヨ?
そして、直感的に悟る。
─コレガ最後ノちゃんすナノニネ…
俺は今、絶対に洒落にならんことに巻き込まれている…と。
─アーア…決メチャッタノカ…モウ絶対ニ戻レナイ…アハハハハ♪


【……? なぜ笑っているのですか?】

そうか…俺は笑っているのか…
気付かなかった。
この絶対的な破滅の予感に恐怖しているはずなのに俺は何故か嬉しくてたまらない。
─捻クレテイルモンネェ…

「気にしないでくれ。どうやら俺は変人だったらしい」
自らに言い聞かせるかのように呟く。
─自覚シテタクセニ


【はあ…なんとなくそんな気はしていましたけど…】
『七鍵』から、なんとも微妙な思念が伝わってくる。


「いいさ。それで…契約とはどうする? 早くしないと気が変わるかもしれんぞ」
─ウン。君ハイツモ決メタコトヲ簡単ニ変エラレル奴ダヨ


【そうでした。では…始めますね】
嬉しそうに…本当に心から幸せそうな声で『七鍵』は宣言した。




─我は永遠神剣が第7位『七鍵』…汝、契約者よ…我と共にマナの塵と滅するまで罪を背負いし覚悟はありしや?
─我が名はアキラ。我が由来は、全てを照らし見極め導くがゆえ。我は『七鍵』と永劫を背負うことをマナに誓う。




自然に言葉が口をつく。何故かそれを生まれる前から知っていたかのように…
─ソリャア…ソウサ。ダッテ君ハイツモ望ンデイタ…コウイウコトヲネ…



─我が与えるは、力と苦痛。自由と罪。我が求むるはマナの輝き。汝…我が試しを受け入れるか?
─是非も無し。我は喜びて汝の試練を受け入れよう!





一瞬たりとも迷わない。
─迷ウワケナイデショ?
いや、迷うはずも無い。これは恐らく俺自身が求めていたこと。
─ソウ。君ハ渇望シテイタ
これは俺自身が望んでいたこと。
─ボク自身ガ望ンデイタコトデモアル
それは自由であり力であり…ある意味では逃避でもあった。
─サァ…モウ仮面ハイラナイ…ボクト一ツニナロウ!





─ キィィィーーーーーーン ─


─ キィィィィィィィーーーーーーン ─




劫ッ…と恐ろしい力が『七鍵』から押し寄せてくる。
否。力だけではない。まるで文字そのものが悪意となって衝動となって俺の魂に叩きつけられるかのような衝撃!
一撃目でごっそりと魂の大半をもっていかれる。
それだけじゃない。俺の肉体は何故か激しく蠕動(ぜんどう)を繰り返す。
骨格が…筋肉が…脳が…いや、全ての俺の<存在>とでも言うべきものが破壊され死滅し新生し創造されていく。



(ぐっ…おっ…おおぉぉぉぉ…)
─頑張ッテ耐エルンダネ。ボクモ君モ消エタクナイシ、消エルツモリモナインダ



なのに俺は気絶できない。
意識を失えば魂が…意識があれば肉体が、ありとあらゆる変化を苦痛へと変えて送り込んでくる。



傲慢…嫉妬…憤怒…怠惰…強欲…暴食…色欲…
─デモ大罪ッテノハアクマデ人間ガ勝手ニ決メタモノダシ



全ての罪が全ての衝動を投げかけ、全ての快楽を与えてくるというのに全てが満たされない。
魂が肉体そのものとなった所に肉体的に激しい拷問を受けている…と思えば分かりやすいだろうか?


即ち…死にたくても死ねない。
意識を失いたくても失えない。
理性を手放したくても手放せない。
感情を凍らせたくても凍らない。



(くっ…くそ…があああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)
─ソウ! ソレダ! モウ抑エナクテモイイ。ボクモオレモ…












─ キィン! キィィーーン! キィィィィィィィーーーーーーン!!! ─












昔から真の意味では何もない。

きっと子供の頃には俺にも<心>といったものがあったのだろう。

それでも今は何も無い。全て灰色の砥石で削られた。

今の俺には真の意味での情動というものが存在しない。心は既に錆の色。

でも、今までの経験や知識を演じることで心というものを演じている。

さっき…あいつに怒鳴ったのも単に形態反射をしてみただけ。

<何に怒るかでその人の心が解る>という心理学の知識から構築しただけの作られた存在意義を行使してみただけ。

何も無い俺には全ては等価。幸福の裏に不幸があり、勝者の裏に敗者がいる様に…それはとても自然なこと。

所詮、認識というものは相対的な…そして二元的な価値観の違いから生まれ出たものに過ぎない。

だから等価。ゼロ。それ故にどちらでも構わない。

老練と純粋。清廉と汚濁。善と悪。生と死。相反しながらも俺にとって全ては等価。

歪と評価されながらも、それは絶対的な真実なのだと俺は悟っているから。

だから俺の存在が有限でも無限でも問題は無い。大した問題ではない。

このような事になった俺もいれば、大企業の社長である俺もいるだろう。

もしかしたら神父になって布教活動にいそしむ俺が、どこかにはいるかもしれないな。

そして、そのような考え。思考の遊びすらも世界の多様性の一つに過ぎないのだ。

絶対の法則なんてものは存在しえないし、ある意味では既に存在している。

観測者を介した時点で法則なんて既に捻じ曲がっているのだ。

ほら、もうこの時点でおかしいではないか? 俺という観測者を通したから真実が捻じ曲がった。

俺という存在が触媒(カタリスト)となったから別の概念が生まれた。

故に俺自身は無であり有であり幻であり現。

多元世界に存在する何かと混じって何かを生み出すカタリストの一滴に過ぎない。

ぐッ…痛い。体が
心が魂が痛い。

無いことが痛い。在ることが痛い。虚ろな事が痛い。思考できる事が痛い。

こんなに痛くて苦しくて爆発して蒸発してもう死んでいるはずなのに俺はまだ確固たる存在としてここにいる。

ああ…それが俺の特性だというのなら…それはなんて残酷。

夢の中ですら俺は苦しみながら快楽を求めなければならないのか…

違う。これは現実だ。認めろ。

まあ解っていたけどな。愚痴ぐらいは言っても構うまい。

こういう戯言で遊んでみるのも俺の特性。うむ痛い。こんな拷問はもう結構だ!

……でも、それすら灰色になって慣れた。












─ キィィィィィィィーーーーーーン ─












それは失われた宿命回転する円環ただそこにあるだけで見ているだけなのにも拘らず全てを知り全ての真実…入り込むな!

天地開闢と刹那の永劫分かたれしゆえの仕組まれた対立砕かれた一つを支うるは鞘ただただ分かち別ち外位の私は監視する

思うままに生き思うままに死に喰らい失い投げつけ腐り消滅し生まれながらも全ては死んでいるままにただ存在するがため

王として讃えられながらに殺され失い天上にあると共に奈落に押し込められ恨み憎み渇望しながらも満たされ満たされない

美女に囲まれ美食に囲まれ財宝に囲まれ欲望は満たされ全てがありながら俺は全てに触れることは赦されずただそこに在る

何もしたくない息をすることも食べることも得ることも考えることも行えないのにそれは俺に全てを行えと強要しつづける

認識エラー!この媒体にはライトプロテクトが掛かっていますではペンで書き込めええい煩わしい区別ぐらいつけろ嫌です

赦せない許せない許容出来ない沸騰する脳味噌はすでにこの宇宙に気化しながらもまだ認められず羨みながら渇望沸騰する

それは我か汝か全かひとつか私であるのに貴方であり我々は宇宙人です俺を讃えろ崇めろ信仰しろ依存しろそして死死死死

始まり終わり回り狂い踊り笑い憎み愛するのに枯れている凍っている見つめている理解している消滅しながら生まれている

解りましたか?知らんなでも当然得ていたさなのにこれはなに?はあそうですか■罪の担う契約は為されたそれゆえの苦痛

ですので以下略以下略以下略放送できません不適当な表現がありました事をお詫び申し上げますなら最初から編集しやがれ

はい。つまり本来がエターナルした■■■も無数にああもう悟ったからいいしょうがないですねではこのぐらいで終わりに












─ キィィィィィィィーーーーーーン ─












狂気が俺の中にある。分かっている。俺はそれを全て…冷静に…見届ける。
─ヤット認メテクレタネ
ああ、そうだとも。俺の中には数えるのも飽きるほどの欲望や罪が眠っている。
─ウン。ソレハ僕デアリ君デアリ…モウスグ俺トナル…
そして押し込められながら機会を窺っている。
─デモ気付イテイルカイ? 君ノ物デハナイ思考ガ紛レテイタノニ…
分かっている。何故なら、それが<人間>という存在なのだから。
─ソノトオリダ。例エそれガ君自身デナクトモ
全ては罪や欲望から生まれる。

─罪モ欲望モ存在シナクテ何ガアル…
醜いものからこそ美しいものは誕生するのだ!

─逆ニ美シイモノモ時ニハ醜クナルンダヨ?










─ キィィィィィィィーーーーーーン ─










肉体が痛い。魂が痛い。全て砕け散った。

そこには何も無い。「 」だ。在るということすらおこがましい。

だからこそ全てがあり全てが無かった。

だからこそ「 」は砕いた。一組の天位地位を置き、鞘は針とする。刻の始まり。

回る時間。後は1位達に任せれば勝手に増え行く世界。

素晴らしい! これこそ可能性の在るべき姿だ! 楽園だ! もう私は独りではない!


ああ、分かっているとも。何故なら、それは俺自身であり総意なのだから。

さて、それじゃいつも通りに管理をしよう。

時間は有限。永劫から刹那へと流れ落ちるアイオン。

それは周期。それは区切り。

刻限がくるたびに螺子を巻くのは当然のこと。

錆付き壊れないようにメンテナンスをするのは当然のこと。

だから行こうか相棒。

俺達は傍観者(バイスタンダー)でありながら干渉者(アクセサー)だ。










苦痛と消滅の快楽のなか、俺は全て悟っている。

これはただの脳内補完に過ぎない。
歪み捻れながらも立脚される真実。

誰も認めはしない。
そもそも認める必要性すら存在しえない。

誰もが罪を受け入れない。
だから生きていける。

ああ…
ここには全部在りながら何も無い。

俺は…今…俺はただこんなに
も「 」だった…

─さあ、もう終わりにしよう…歪さも純粋さも…全てを認めて新しく生まれよう!

─ソウダネ









































【マスター…試しは終わりました…貴方こそ私の始めての…そして最後のマスターです】




































『七鍵』の声が聞こえる。
そして、俺はゆっくりと目を開けた…








To be Continued…






後書


シリアス? ナニソレ旨イノ?


読者の皆様始めまして。
DreamElement様にて初投稿のSS書き。Wilpha-Rangでございます。
永遠のアセリアというジャンルでは初のショートストーリー(なのに長編)を書いてみましたが、いやいや中々に楽しいです。
これだけSSがあれば、ありとあらゆるシチュエーションも出尽くした感も否めませんがそこはそれ。
私の持論。たとえ同じように見えても世界(解釈)は限りなく存在する。
ということで何も気にせず書くことにする(笑)
初っ端から全然アセリアらしからぬ展開ですが、そこはそれ…まあ色々と前振りというのは必要なものなのです。
ヨーティアも言っていたでしょう?


「だ〜からお前はアホボンクラなんだよ!」


ありゃ? ちょっと違った?? そうそう…所でヨーティアさん…やっぱり「ヨーティアの戦闘人形」とかを開発しちゃうのですか?
カラーレスのアーティファクト作成なんてお手の物ですか?(謎
まあいずれ、そこら辺はやらせてみてあげたいなあ…(笑)



脳内妄想列車は今日も大暴走(笑)



さて、今回の長編(予定)小説『人と剣の幻想詩』ですが…コンセプトは以下のようになっています。

@運命に選ばれていない者(しかも奇特な人)がファンタズマゴリア(サーギオス)に出現したら?
Aしかも、それが実際に永遠戦争の始まる1年以上前であったら?
Bついでに、永遠神剣らしからぬ(永遠神剣の定義から外れている)得体の知れない永遠神剣を持っていたら?
Cおまけに剣に萌え系要素(?)が搭載されていたら!?



軍曹殿! 訳が分からぬ何かになっているであります!



んがっふふ!(血
いきなり謎の上等兵が私をフラギングしようとするのは何故だっ!


ともあれ幕開けは過ぎました。
いきなりオリジナルの流れから始まりますが、これから彼らはどのようにして生きていくのか…
そして他の国のスピリットや人々(即ち、本来の主人公達)とどのように関わっていくのか…

作者の私にも判りません!(ぉぃ

お気に召されるのなら、この訳の分からない物語に気長に付き合ってやって下さい。
ちなみに作中の『七鍵』的な特性を持つ神剣はXuse様の設定を逸脱しているため、本来ならば存在し得ません。
…まあ、Xuse様の世界観が後々に修正・加筆されていってどう変わるかはわかりませんが(笑)
また、その他の微細な設定などは全て個人的な世界観から来たものですので、それを真実として受け取らぬようにして下さい。



次回。永遠のアセリア外伝『人と剣の幻想詩』…幕間(Interlude)…乞うご期待。



「…白と黒の永遠者は何を知るのか…」


独自設定資料

永遠神剣 第7位 『七鍵(しちけん)』
狭間と契約の世界を漂うだけの神剣。
最初のエターナルが誕生した頃から存在し、その誰とも契約できず介入すらできなかったという過去を持つ。
強いだけの精神を持つ人間では契約できず、全ての罪を認め、受け入れ、背負いながらも善性と正気を保てる者としか契約できない。
エターナルクラスの強靭で変わらない精神を持っているほど扱えないという得体の知れない特性を持つ。
『七鍵』自身は妥協して片っ端から素質者に声を掛け、兎に角マナを得ようと頑張っても契約者は得られず幾星霜。
合意・非合意含めた契約騒ぎで、これまで99人ものエターナル(人間・非人間含む)が衝動や変異に耐えられずに消滅。
ついた渾名は“契約者殺し(チェイン・スレイヤー)”
『法皇』テムオリンや『運命』のローガスですら身の危険(色んな意味で)を感じて『七鍵』の領域に近づかないようにしている。

一応の所、永遠神剣の基本的な力は持っているようだが、その力はいまいちとしか言いようが無い。
正面から4神剣と打ち合えばポッキリと逝ってしまうぐらい情けない。
…のだが、曲がりなりにも始原の神剣。折れたぐらいでは消滅しないし勝手に再生するという規格外ぶり(笑)
イリーガルエトランジェ・アキラが呼ばれてしまう原因。

形状は神道で使うような儀礼用の刀。
小烏丸と呼ばれる神剣のように剣先から35cmほどの所までは両刃となっている。
柄や鍔は純金で出来ており、刀身は透き通るような純銀。深紫の飾り布が付いている。
…はっきり言って戦闘用には見えない。むしろ観賞用。

契約は『七鍵』を対象が握り、キーワードを発した段階で行われ始める。
一段階には、全ての世界に偏在する、ありとあらゆる罪や邪悪・苦悩を見せ付け、それを瞬間的に追体験させる。
二段階には、『七鍵』自身が持つ属性によって強制的にエターナル(もどき)に改造される。
最終段階で、更に『七鍵』の保有する全ての<力>や<記憶>を強制的に継承させられ、衝動や感情を最大限に増幅される。
これらの段階は『七鍵』の意志に関係なく本能的に(スクリプト的に)実行してしまう。
ある意味では人間に永遠神剣の特性を持たせるための永遠神剣。

下位の永遠神剣にしては珍しく確固たる自我をもっており、その性格は人間そのもの。
強制力も使えない上に契約者からマナも奪えず身体操作もオーラフォトンの制御さえできない正に無能剣。
200周期近くもの間、暇を持て余していたため自分自身をミニオン化させてしまう。
99人のエターナルから得た(ある意味間違った)知識を元にアキラを勝手にリ・イニシャライズしてしまう事に…
アキラ曰く、アホ剣。


「お前なんかアホ剣で十分だ! 否、それすらも生温い…今日からは永遠珍剣と呼んでやる!」
【そんなの嫌ですぅぅぅ! マスターのケチ! 変態!野獣! 強姦魔! 剣フェチ!
 あっ、ごめんなさいごめんなさい! もう言いませんからせめて名前で呼んで下さいぃぃ】