「死にたくないと願うか?」
は?いきなり何?
何でオレが死ぬとかいう話になってるんだ?
……………………
ああ、そうか。思い出した。
確か由美の奴に振られて腹いせに1人でスキー場に行って、「バカヤローッ」とか叫んで。
で、アホなことに雪崩に巻き込まれたんだっけ。
「そうだ、汝はもはや死の寸前。……だが、我ならその命だけは救ってやれよう」
寸前って、そんな非現実的な……。
「どうする?迷っている暇は無いぞ」
ええいくそ、急かすなよ。
今、オレは死にかけてて、この声が誰なのかは知らないがオレの命「だけ」は助けてくれるらしい。
命を保証する、ねえ。
ま、なんにせよ死ぬよりはマシか。
「結論は出たか?」
ああ。
その提案、確かに乗った。
まずはそっちの名前、聞かせてもらおうか。
「ふむ。我が名は……そうだな。『氷点』、第五位永遠神剣『氷点』だ」
『氷点』?……三浦綾子の小説か?
「それでは契約者よ、転送を開始するぞ」
え?いや、転送って何処へ行くんだよ。
ここはターミナルじゃないんだし、転送なんて出来ないだろ。……元ネタ、分かるかな。
「何処、か。いい問いだ、契約者よ……その地に名は無いが、一部の者にはこう呼ばれている――」
「――ファンタズマゴリア」
※補足
ああ、メガテンは真2くらいしかクリアしてなかった……。
どうも、作者の月泉鴇音です。
では早速補足を。
主人公の神剣、『氷点』ですが作者的な名前の由来は本文中でも言っているとおりです。
ちなみに形状は指輪型。
ええまあ、変わった設定には理由が無いこともないので、そこは勘弁して頂くとして。
そういえば、神剣の名前って『炎帝』以外は広辞苑に乗ってる言葉なんですよね。
ントゥシトラが若干可哀想に思えてきた今日この頃です。