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………………はて、一体なんでこんな状況になってるのだろうか。

今いるのは、やたらと華美な装飾で埋め尽くされた立派な大広間。

そして目の前には、槍の穂先を俺に向け、鋭い目付きで俺を見ているメイドさん。

いやいや中々にシュールな光景だなぁ……ああ、あのメイドさんはエスペリアか。

(戦うメイドさん……いやぁ、やはりここは異世界だよなぁ)

【主よ、現実逃避はよくないぞ】

そんな場違いな会話をしながら、俺はこんな状況になるまでの事を思い出していた。










永遠のアセリア 〜Another visitors〜

第三話 思い上がりと現実と










今から少し前。

ラキオスに着いた俺達は、早速ここの国王とやらに呼ばれた。

なんだか物を見るような目で俺や悠人達を見る兵士達に、嫌悪感を募らせつつ歩く事数分。

やってきたのが、このよく言えば豪華、悪く……いや、本音を言えば悪趣味なほどゴテゴテとした装飾の施された部屋だ。

きっとここが『謁見の間』とか言われる場所なんだろうけど……。

(趣味悪い……やっぱ俺には洋室は合わんな)

生まれ育った家が純和風だったせいか、洋室、特にこの部屋みたく豪華絢爛(?)な場所はどうも落ち着かない。

「《求め》のエトランジェよ、龍の討伐、実にご苦労であった。……して、その者は?」

守り龍を魔龍と呼び、「もっと早くに討伐しておくべきだった」などとぬかしていたラキオス王が、悠人にスピリット隊の隊長を命じた後、その隣にいた 王女が俺の方を見ながら悠人に問い掛けた。

しかし悠人、お前まだ彼女達の隊長じゃなかったのか。

そんな事を考えている間にも、悠人は跪きながら王女の問いに答えている。

「はっ、この者の名は柊 冬真。俺と同じ世界出身のエトランジェです」

「ほう?」

悠人の言葉に、ラキオス王がニヤリと笑いながら俺の方を見た。

……勘弁してくれ、そんな夢に出たら確実に魘されそうな顔でこっちを見るな。

「そこのエトランジェよ、貴様の持つ神剣の名は?」

「……《月蝕》、第四位神剣《月蝕》だ」

「ほうっ、《求め》と同位の神剣か! くくくっ、どうやら天はこのラキオスに味方しているようだ。まさか、第四位神剣が二本も手に入るとはなぁ!」

愉悦の表情で叫ぶラキオス王。

いやいや、俺はあんたの手駒になる気はないし?

その後もなんだか自分勝手な事を叫び続けるおっさんに嫌気が差してきたので、視線を隣にいる王女に移した。

綺麗な黒髪を腰元まで伸ばし、遠目にも高級な布を使用していると分かる白いゆったりとした服に身を包んでいる。

いやぁ、美人ですなぁ。

……まあ、胸は薄そうだが……。


ゾクリッ!


―――っ!?

な、なんだ今の殺気は!?

それに、昔ペーパーナイフ一本を持たされて飢えたヒグマの前に放り出された時と同等、或いはそれ以上の死の予感がしたぞ?

恐る恐る殺気の発生源と思われる場所を見ると、そこにはジトッとした眼でこっちを見る王女の姿が。

……さすが王族だ、王はともかく王女さんは侮れないぜ。

そんなこんなで王女さん――いや、姫さんのプレッシャーに気圧されていたが、

「ふむ、このエトランジェの力量も見ておきたい……。《求め》のエトランジェよ、この者と戦って見せよ!」

というラキオス王――あぁ、もうおっさんでいいや――の声に、思わず現実に引き戻された。

……え、なに? 悠人と戦うの?

思わず悠人の顔を見てしまったが、姫さんの計らいで悠人との戦闘は避けられた。

流石に龍退治をした後じゃ辛いだろうとの事だ。

……その代わり、エスペリアが相手になったが。










で、冒頭に戻るわけだ。

正直、まだ悠人との戦闘の方が気が楽だった。

女性と戦うのは趣味じゃないし、構え方や殺気の質から見てもエスペリアは経験豊富そうだ。

(……どうするか)

彼女の殺気に、つい反射的に柄に手を掛けてはいるが……正直、気乗りしない。

ここまでの道中で、彼女の人柄はある程度は掴めた。

優しく、人を思いやる心を持った女性……まさしく《献身》の名に相応しい。

多分だが、争いも好まないはずだ。

なのに、

「トウマ様、刀をお抜き下さい」

今こうして対峙している彼女には一部の隙もなく、肌を刺すような殺気に満ち溢れている。

「来ないのですか? ならば……」

そう言うと、彼女は少しだけ重心を落とした。

「こちらから行きます!」

言うや否や、彼女の持つ槍、《献身》の穂先がぶれる。

「くっ!?」

慌てて首を傾けると、さっきまで顔のあった場所を穂先が貫いた。

マズイ、本気かっ!?

初撃を避けてすぐにバックステップで後退すると、その直後に俺がいた場所を《献身》の穂先が袈裟懸けに切り裂く。

刺突から薙ぎ払いへの流れるような連携。

それでいて重心や姿勢は崩さず、その穂先も俺の正中線上から離れない。

槍の扱いとしては基本的な事だが、それ故に相手の力量がよく分かる動作だ。

そして、彼女は間違いなく強い。

その技量もさる事ながら、明らかに場慣れしてる。

この分だと、彼女を傷付けずに制するには……使うしかないか。

「チッ……」

舌打ちを一つして、ニヤニヤとした笑みと共に俺達を見ているおっさんを横目で見る。

出来る事なら、法術の類は見せたくなかったが……贅沢は言ってられないな。


タンッ


床を蹴ってエスペリアから間合いを離すと同時に、霊力を体中に行き渡らせる。

(拘束術式起動―――対象捕捉……)

両の眼でエスペリアを捉える。

元の世界では、この手の法術は一工程で使用可能だったのだが、この世界ではいちいち最初から正式な手順を踏まなければ使えない。

(術式選択“縛鎖”……)

イメージするのは鎖。

頭の中でカチリと何かが噛み合う感覚と共に、準備に必要な工程は全て終わった。

あとは、鍵となる言霊を発すれば術は発動する。

「いやぁああああああっ!」

裂帛の気合と共に刺突を繰り出してくるエスペリア。

それを紙一重でかわし、同時に横に飛んでエスペリアから離れる。

そして着地と共に手を床に着け、最後の工程である言霊を紡ぐ!

「戒めの鎖よ、我が眼前の敵を律せよ!」


ジャラァアアアアアッ!


直後、何もない筈の床から蒼銀の鎖が飛び出し、エスペリアの身体に何重にも巻き付いた。

「―――なっ!?」

その光景に驚きながらも何とか身をよじり逃げようとするが、もう遅い。

鎖は彼女の身体に絡み付き、完全に動きを封じ込めた。

その間に俺はすかさず彼女の懐に飛び込み、脇差を抜刀。


ヒュンッ!


放たれた一撃は小さな弧を描きながら彼女の首へと吸い込まれ―――

「っ!? そこまで! 刃を収めなさい!」

姫さんの声と共に、エスペリアの首の皮を切り裂く手前でピタリと止まった。

刃の冷たさは伝わるがまだ切れてはいない、だが力を込めれば簡単に頚動脈を切り裂く位置。

ガキの頃から何十何百、或いは何千と繰り返し、この身体に叩き込まれた技だ。

エスペリアが《献身》を引いたのを見てから、《月蝕》を喉下から外して鞘に納める。

本来なら残心とかがあるんだが……まぁいいか。

エスペリアが下がったのを見て、姫さんがおっさんに話し掛けた。

「父様、あのエトランジェはエスペリアを凌ぐほどの腕前のようです」

「そうだな。しかも神剣魔法以外にあのような技が使えようとは……ふふふ、面白い」

頬を、いや、頬の脂を歪ませるような胸糞悪い笑みと共に、おっさんが俺の方を見る。

「エトランジェよ、貴様の実力はしかと見せて貰った。大したものだ、その力、今後はこのラキオスの為に使うがよい」

恐らくは俺が逆らいはしないだろうと思っているのだろう、歪んだ笑みでこちらを見ていたが、

「断る。俺は貴様に下るつもりなんてさらさらないね」

俺の言葉に、その笑みも凍りついた。

「……なんだと?」

「耄碌して聞こえなかったのか? ならもう一度言ってやるよ、俺は貴様の臣下になるつもりは一切ない」

「……」

怒りの為か沈黙したおっさんを尻目に、俺は更に言葉を紡ぐ。

「大体だ、俺は貴様に仕えるだなんて一言でも言ったか? 勝手に妄想するのは自由だが、現実との区別は付けろ。もっとも―――」

段々と憤怒に彩られ赤くなっていくおっさんの顔を見ながら、最後の言葉を紡いだ。

「―――あんたに人の話を理解出来るだけの知性があるとは、到底思えんがね」

「ぶ、無礼者っ!」

言葉を締めくくると同時に、周囲にいた高官の一人から罵声が飛ぶ。

それを皮切りにギャアギャアと喚いていたが、少しだけ殺気を込めた目で睨んでやったらすぐに黙った。

その様子に冷笑しながらおっさんの方を向き直れば、おうおう、タコみたいに顔を赤くして。

まぁ、あれだけ言われれば頭に来るよな。

「貴様ぁ……っ!」

「なんだ、文句でもあるのか? 大体、貴様に俺を縛り付ける権利がある訳じゃないだろうに」

「っ! ……ふ、ふふふ。そうか、貴様は制約を知らぬのか」

俺の言葉にはっとして、すぐにニヤニヤした笑みを浮かべるおっさん。

どうやら今頃になって制約の事を思い出したらしい。

「成る程成る程……知らぬのなら、今までの強がりにも頷けよう……。エトランジェよ、貴様は儂には逆らえぬのだ。大人しく言う事を聞いた方が身の為 であるぞ?」

「……」

「くくくっ、無知とは罪な事よな。この事を知ってさえおれば、貴様は自分からこの場に来る事もなかったであろうに……」

勝ち誇ったおっさんの顔。

見れば周りの高官共も同じような顔、或いは嘲笑と共に俺を見ている。

そんな連中を見て、つい自然に嘲りの声が口をついて出てしまった。

「―――クッ」

「何が可笑しいのだ?」

短い笑いを聞いたのか、おっさんが俺を見る。

「なに、確かにアンタの言う通りだ。
アンタの言う通り無知とは罪だよ、そうは思わないかラキオス王」

「……なに?」

「聖ヨトに連なる者に対する制約、それが俺にまで通用する? ハッ……全く、とんだ勘違いだ」

やれやれと言わんばかりに肩を竦めてやると、おっさんは訝しげに俺を見たが、すぐに気を取り直した。

大方、強がりだと思っているのだろう。

「ふんっ、信じられぬようだな。ならば、試してみればよかろう?」

「……いいのか?」

「構わぬ。さぁ、己の無力さをとくと噛み締めるがいい」

制約は絶対のものだと信じきっているのか、おっさんは余裕の表情だ。

それは周囲の高官共も同じであり、姫さんも少し眉を顰めたがそれだけ。

……ならば、その思い上がりをここで正してやろう。

「冬真さん……」

悠人が無駄だと言いたげな顔で俺を見ている。

自分が実際に制約を体験しているだけに、無茶はするなと言いたいのだろう。

「なに、心配するな。……あの思い上がった野郎には、少しばかりお仕置きが必要だろう?」

そう言っておっさんの方に向き直り、静かに大刀の柄に手を掛ける。

一歩、また一歩と踏み出しながら《月蝕》を抜き、だらりと両手を下げた自然体のまま玉座へと進む。

そして、玉座まで五メートルを切った時点で一旦止まり、おっさんの顔を見る。

そこに浮かんでいるのは、相変わらずの余裕の笑み。

「くくくっ、どうしたエトランジェよ。己の無力さを噛み締めたか?」

でっぷりとした頬肉を歪ませながら言うおっさんに対して薄く笑みを浮かべると……一気に踏み込んだ。

「なにっ!?」

神剣との契約で強化された身体能力は五メートルと言う距離を一瞬で零とし……、


ガスッ!


「ヒィッ!」

突き出された《月蝕》は、おっさんの首を掠めるようにして玉座の背凭れに突き刺さった。

「……いい事を教えておこう。制約とはかつての勇者が振るった四神剣にのみ有効だ。……さて、《月蝕》の名は伝承にあったか?」

「ヒッ、ヒィッ……」

俺から発せられる殺気に呑まれたのか、首から伝わる刃の冷たさに恐れ戦いているのか、或いはその両方か。

おっさんは呂律が回らないのか、上手く話せないようだ。

「……無知とは罪、全く以ってその通りだ。なぁ、ラキオス王? 貴方がもう少し博識であれば、このような事にはならなかったのに」

このまま力を込めつつ《月蝕》を抜けば、おっさんの首から真っ赤な噴水が出来上がるだろう。

それが分かっているのか、おっさんは恐怖と懇願が一緒になったような顔で俺を見ている。

―――なら、期待には応えないとなぁ?

ニヤリとした笑みを浮かべながら《月蝕》を抜こうとしたその時、

「お待ちなさい!」

横合いから姫さんの鋭い声が突き刺さった。

「……何か?」

殺気を込めた眼で姫さんを見たが、多少気圧されたようだがしっかりと俺を両の眼で見据えている。

(……へぇ)

芯の強さと深い知性を感じさせる綺麗な紫色の瞳に、俺は苦笑しながら殺気を収めた。

刃をおっさんの首筋から外して《月蝕》を抜き取り、鞘に納めて玉座から降りる。

「まずは、貴方に対する無礼をお詫びします。……よろしければ、話を聞いては頂けませんか?」

「まぁ、話だけなら」

柄から手を離し、腕を組みながら体ごと姫さんの方を向く。

「ありがとうございます。私はこの国の王女、レスティーナです。……トウマ、でよろしかったですか?」

随分と丁寧な口調だ。

命令できる立場でない以上、お願いと言う形にならざるを得ない……この人はその辺の事がよく分かってるんだな。

姫さんへの好感が上がり、自然と俺も口調が柔らかくなる。

「ええ。それで、話と言うのは?」

「はい、虫がいいのは承知の上ですが……このラキオスに留まり、力を貸して頂きたいのです」 

「それで、戦争に従事して敵国のスピリットを殺せ……と?」

「っ!? そ、それは……」

唇を噛みながら言葉に詰まる姫さん。

まぁ、エトランジェの使い道と言えばそれ位だもんな。

(さて、どうするか……)

【主、ラキオスに就くのではなかったのか?】

(あくまで雇われの身として、な)

【なれば、何故こうも事態をややこしくするのだ】

(あ〜、それは俺も少し反省してるよ。……やり過ぎたかな)

《月蝕》の言葉に、内心苦笑する。

予定では制約が効かない事を示して、すぐに雇用の交渉に移るつもりだったんだけど……予想以上におっさんがムカついたからなぁ。

まぁ今更だし、これ以上姫さんを困らせるのも悪いか。

「まぁ、こちらの条件を呑んで頂けるのなら……傭兵として仕えましょう」

「っ! 本当ですか?」

「はい、嘘は申しません。こちらから出す条件は三つです。
一つは、衣・食・住の保障。
二つ目は、私はあくまでも傭兵であり、正規軍として組み込むような事はしないで頂きたい。
そして最後に……私の雇用主はレスティーナ姫、貴女だ。よって、私への命は姫を通した物以外は受け付けません。
これを全て呑んで頂けるのなら……私はこの国に留まりましょう」

俺の出した条件に、おっさんは案の定渋い顔をした。

いくら娘とはいえ、エトランジェを他人の手に渡したくはないみたいだな。

……強欲なものだ。

「父様、この条件であれば呑んでもいいのではありませんか? 幸い、彼は私の命であれば聞くと言っております。私とてこのラキオスの王族、国の不利 益となる命は下しません」

「むぅ、仕方あるまい。……よかろう。エトランジェよ、貴様の条件は全て受け入れよう。後の事はレスティーナに聞くがよい」

そう言うと、おっさんは急ぎ足で去って行った。

……少し虐めすぎたか?

「ではトウマよ、早速の依頼だが、そなたにスピリット隊副隊長を頼みたい。無論、そなたの働きに見合った給金も与えよう。ただ、半ば正規軍としての 扱いとなるが……よろしいか?」

まぁ仕事の内容からすれば、正規軍みたいな扱いとなっても仕方ないか。

そう考えると、《月蝕》を鞘ごとベルトから抜き、跪きながら自分の前に置く。

「承知致しました。永遠神剣第四位《月蝕》が主、柊 冬真。姫君よりの御依頼、しかと承りました」

「そなたの働き、期待しています」

「微力を尽くしましょう」

深く頭を下げながら、退室していく姫さんを見送った。










姫さんが退室したのを確認してから立ち上がり、《月蝕》を左手に持ちながら悠人達の下に歩み寄った。

「と、いう訳でだ。本日付でスピリット隊副隊長となった柊 冬真だ。改めて、よろしくな?」

謁見の間から出てから、悠人とエスペリアにすっと手を差し出す。

「はい、これからよろしくお願い致します、トウマ様」

「ん、こちらこそ。それと悠人」

「なんです?」

不思議そうな顔でこっちを見る悠人に苦笑しながら、用件を伝える。

「俺の事はこれから冬真、呼び捨てでいい。敬語もいらない」

「……え? いいんですか?」

呆気に取られたような顔になる悠人。

まぁ、年上の奴にいきなりこんな事を言われたら戸惑うか。

「いいんだよ。お前はスピリット隊の隊長だろう? で、俺は副隊長だ。上に立つ者が自分より下の奴に敬語を使ってるんじゃ他のスピリット達に示しが つかない。それに……お前、敬語を使うの苦手だろ?」

「うぐっ!」

やっぱり図星だ。

バイト先で一緒だった頃から、俺に対する口調がどうも堅苦しいと言うか不自然な気がしていたが……やっぱりね。

それに、俺も敬語使われるのあんま好きじゃないしな。

「ただ、一応俺の方が年上なんだし、困った事があればいつでも相談に乗るし頼ってくれてもいい。あんまり一人で抱え込むなよ? 俺達は仲間なんだか ら……な?」

「……ああ、分かった。よろしくな、冬真」

「ん、よろしくな、悠人」

互いに笑みを浮かべながら、しっかりと手を握り合う。





この日を境に、俺はこの世界での戦争――剣と魔法、そして妖精達の入り乱れる、神話の中でしか語られない戦いへと身を投じる事となった。

これから進む先にあるのは、希望か、それとも絶望か。

それは、まだ誰にも分からない……。















後書き


……こんな速く執筆が進むなんて……奇跡だ、いや天変地異の前触れに違いない。
という訳でこんにちは、作者のトシでございます。

今回で第三話となった訳ですが、如何だったでしょうか。
この場を借りて、冬真の使った法術の説明をば。


縛鎖

正式名称は、『柊式退魔術拘束術式初伝之壱 縛鎖』と非常に長い。
相手の足元から霊力で編んだ鎖を出現させ、絡め取って動きを封じる技。
ただし、発動までには

@術式の起動(ここで使用する術式の種類を選ぶ)
A対象の捕捉(肉眼で相手を捉え、術の発動範囲を決める)
B術式の選択(@で選んだ術式の中から、更に細かな選択をする)
C言霊を鍵とした術の発動

という四つのプロセスがあり、非常に面倒。
元いた世界では@〜Bは殆ど省略出来ていたのだが、この世界では省略が出来ず全ての工程を行う必要がある。


今回は腕試しだったから使えたけど、実戦の中じゃあサポート無しでは使えない術ですよね。
この辺りは一応対応策は考えてありますので、後々また登場するでしょう。

それでは、また次回にお会いしましょう。

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