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柊は退魔の血族。

故に、幼い頃から“この世のモノではない存在”を見る事は多々あった。

だが―――俺自身が“この世(界)の者ではない存在”になる日が来るとは、夢にも思っていなかった……。










永遠のアセリ ア〜Another visitors〜

第二話 異世界での再会










俺がこの世界に来てから、早一週間。

その間、俺は相棒である《月蝕》の力の制御を続けていた。

柊に伝わる技法の中には破魔刀を扱う技術もあり、幼い頃は俺も訓練していた。

……霊力が弱い事に気付き、無駄だと分かったら即座に辞めたが。

そして《月蝕》の扱いはその技法と似たものがあったので、まずは訓練方法を思い出す事から始まった。



頭の片隅に追いやられ、長年埃を被り続けていた知識を引っ張り出す。

といっても、俺が覚えていたのは基本中の基本である『同調』のみ。

文字通り剣と己の波長を合わせ、剣の力を自在に引き出す方法。

柊ではここからさらに派生し、法力の増幅や身体能力の強化、最終的には法術の媒介として破魔刀を扱うようになる。

まぁ俺の場合は、同調の為に霊力を破魔刀に行き渡らせるだけで限界だったが。



それはともかく、この同調と同じ要領で訓練を繰り返す事で、何とか《月蝕》を自在に扱えるようにはなった。

基本的な能力である闇との同化と気配遮断。

そしてその二つを併用した『夜陰』も、一応は形となった。

……なったのだが。

【主よ、展開時間がこの程度では、全く役に立たぬぞ】

(……うるさい、大体この能力は燃費が悪すぎる)

【しかし、僅か十数秒しか使えぬようでは……】

その《月蝕》の言葉に、思わず頬が引き攣った。

二つの能力を併用し、完全な隠密行動を可能とする『夜陰』、これは異常なほど燃費が悪い。

別に、この二つの能力を“同時に展開するだけ”なら、十数分は使用可能だ。

だが『夜陰』を使用するには、二つの能力を展開、複合させ、決して両者のバランスが崩れないようにする必要がある。

どちらか一方でもバランスを崩せば、気配はないけど姿が丸見えだったり、誰もいないのにしっかりと気配を感じる、なんて状態になってしまう。

そうならない為に、必死に制御をする訳だが……はっきり言って精神力の消費が半端じゃない。

ちなみに十数秒というのは、動かない状態での数値。

使用したまま行動を起こせば、きっと数秒で終了となるだろう。

(……使えねぇ……)

【これは明らかに主のせいだと思うのだが……如何に】

(黙れ)

【いや、しかしだな……】

(いいから黙れ、これ以上つべこべ言うと……折るぞ?)

【……承知】

「……はぁ、参ったな」

《月蝕》との会話を終え、俺はぼんやりと空を眺めながら溜息を一つ吐いた。

この分だと、ラキオスに行けるのは一体何時頃になるのやら。

「あぁ、そう言えば……。《月蝕》、ラキオスにあるっていう《求め》、これはどんな神剣なんだ?」

前に簡単な説明を聞いただけだったが、やはり気になる。

《月蝕》は中々に話の分かる奴だが、永遠神剣全てがそうとは限らない。

【《求め》は気位が高く、同時に強制力も非常に激しい。奴にとって契約者とは、己が求めを叶える道具よ】

「求め?」

【そうだ。四神剣は互いに憎しみ合っておる。互いが互いを破壊し、その力を吸収する為に契約者を得、そして支配する……】

「うっわ、最悪……」

【中でも《求め》と《誓い》の強制力と神剣自体の力は凄まじいものがある……特に、《誓い》には十分に注意されよ】

「《誓い》……? あれは第五位神剣だろう?」

【《誓い》は位こそ第五位だが、その力は《求め》にも劣らぬ……いや、下手すればそれ以上だ。主よ、油断はするでないぞ】

「……分かった、肝に銘じよう」

【……だが、主の剣腕ならば、神剣魔法を使われぬ限りそうそう遅れは取らぬだろう】

「そりゃどうも。俺としても、お前が日本刀型で助かったよ」

強度自体は西洋剣型の物と変わらないらしいが、それでも慣れた形状の方が扱いやすいのは事実だ。

それに脇差もあるので、二刀の型や小太刀の型も使える。

太刀一刀よりは、攻撃の幅が広がるしな。

そんな事を考えながら俺は《月蝕》を手に取り、剣術の稽古を始めた。

今の俺が最も信頼出来る技は、この剣術のみ。

ならば、それを突き詰める。

いざと言う時に、せめて自分を守れるように……。










この世界に来てから一ヶ月が経過した。

あれから三週間、なんとか『夜陰』の展開持続に成功し、止まっている状態で十分、動いている状態なら五分弱は使用可能となった。

【まぁ、まだ実戦で使うには程遠いがな】

「いや、そうだけどさ……。もうちょっと褒めてくれてもいいだろうに」

《月蝕》の言葉に肩を落とす。

【む、これは失敬した。して、主よ。そろそろラキオスに向かうのか?】

「そうだな。意思の疎通は出来るんだろう?」

【うむ。言語であれば我を通して自動的に通訳が可能だ。もっとも、書物を読む事までは出来ぬがな】

「つまり会話なら可能なんだな。……となると、文字も覚えた方がいいな」

【そうか?】

「ああ、覚えておいて損はない。さてと……そろそろ行くか。ラキオスに何か変化はあったか?」

【む……《求め》の気配が移動しておる。恐らくは……守り龍、サードガラハムの門番を討つのだろう】

「崇めてきたものを己が欲望の為に討つか……」

苦々しいものを感じながら吐き捨てる。

間違いない、会った事はないがラキオスの国王とは絶対に相容れないだろう。

【この戦いを機に、エトランジェは《求め》の力を引き出すやもしれぬ。……もっとも、どう転ぶかは分からぬがな】

「下手をすれば、神剣に飲まれるかも……と?」

【うむ。最悪、それも考えれられよう】

「そうか……」

【して、どうするのだ?】

「とりあえずラキオス領に入る。その後は接触を待って……大人しく従うか抵抗するかは、彼我の戦力差を見てから考えるよ」

【ふむ……それが賢明であろうな】

「よしっ! そうと決まれば、行こうか」

【諾】

《月蝕》をベルトに通し、二刀差しと同じような形で固定する。

そしてこの一月余りを暮らした洞窟に別れを告げ、俺はラキオスへと向かった。










同日深夜、俺はラキオス領への入り口となる関所の近くまで来ていた。

あと二、三分も歩けば関所に着くだろう。

「さて、それじゃあさっさと入国しますかね」

【主、これは不法入国となるのではないか?】

「下手に騒ぎを起こして、顔を知られたくないんだよ。だったら、夜に紛れてこっそりと入国した方がいい」

【むぅ……】

納得いかないような声と共に沈黙した《月蝕》を尻目に、俺は『夜陰』を使用する。

そのまま闇に紛れながら疾走し、決して気付かれる事なくラキオスへと侵入した。

「……ミッション・コンプリート」

【案外すんなりと入れたな。して、主よ。これからどうする?】

「とりあえず、野営する場所を確保しよう。で、何か動きがあればその場で神剣の気配を開放、後は誰かが来るのを待つさ」

【承知した】

会話を終えると森の中に入り、適度に開けた場所を確保。

神剣魔法とやらで火を熾し、適当な幹に背を預けて座り込んだ。


パチッ、パチ……


薪が燃える様を見ながら、この世界に来てからの事を思い出していた。

ここ一月の間、スピリット達とは出会わずにすんだ。

襲い掛かるようなら容赦なく殺すが、戦わずにすむならそれに越した事はない。

いや……。

「俺は、本当に殺せるのか……?」

退魔師として仕事はこなしてきたが、正直、刀を使って祓った事は一度もない。

弟や父さん、そして他の退魔師は破魔刀を用い、それで斬り殺す事で霊を祓う。

だが俺は符術によって霊を祓う。

どちらも結果は同じだが、その過程は……全く違う。

破魔刀を用いれば霊を斬った感触が残るが、符術の場合はそんな感触は残らない。

つまり、俺は“斬り殺す”と言う事を経験した事が……。

「……こんなので、本当に戦えるのか?」

【主よ、そう深く考えるでない】

自問自答を繰り返す俺に、《月蝕》が語り掛けてきた。

【迷いは捨てよ。戦場で迷いを持てば、露の間に骸となるぞ】

「それは、分かってる……」

【我を持った以上、いずれはその手を血で染める事となる。それを踏まえた上で、契約を交わしたのであろう?】

「……」

【我から助言を与えるとするならば、決して己が罪から目を背けるな】

「目を、背ける……?」

【そうだ。戦は人を狂わせる、戦い殺し続ければ、やがて“殺す”と言う事に慣れてしまう】

「……」

【だが、どれだけ殺人に慣れても罪の意識は消えぬ。その時、人は決断に迫られる】

「決断?」

【己が罪から目を背けて逃げるか、罪を自覚した上で前を見据えるか……。主は、どちらを選ぶのだ?】

「……俺は……」

【今は、答えを出す事は難しかろう。だがこの先、いずれは直面する事となるはずだ】

「……ああ」

【まだ時間はある……。決断を迫られるその時まで、じっくりと考えて答えを出す事だ。後から後悔する事のないように、な……】

「ああ、そうだな……」

《月蝕》の言葉に答えながら、俺は静かに目を閉じ、眠りの中に落ちていった。










翌日。

野営した場所に留まり、そのまま誰かが来るのを待つ事にした。

「なぁ《月蝕》、ここってラキオスのどの辺りになるんだ」

【さてな。我とて地理に詳しい訳ではない……が、マナの濃さから見るに、恐らくは守り龍の近くであろう】

「そっか。となると、エトランジェが来る可能性も?」

【ある、と言うよりは恐らくその通りだろう】

「《求め》の契約者か……どんな奴だろうな」

【……それは見てみなければ分からぬ。主の知る者であるやもしれぬぞ】

「まさか、そんな偶然はないだろうよ」

《月蝕》の言葉に苦笑しながら、木の幹に背を預けながらぼんやりと空を眺める。

そのままうとうととし始めた頃、不意に膨大なマナを感じ取った。

「……っ! これは!?」

【どうやら、守り龍が討たれたようだな。大量のマナが溢れておる】

「そうか、《求め》の契約者は龍を討ったか……」

【そのようだ。主、どうする?】

「……よし、気配遮断を解除、同時にお前のオーラを開放する。いいか?」

【承知】

瞬間、《月蝕》から闇色のオーラが噴き出た。

「……おい、ちょっと強すぎやしないか?」

【すまぬ、力加減を間違えたようだ。抑えておったものが一気に噴き出てしまった……申し訳ない】

「いや、いいけどね」

苦笑しながら《月蝕》のオーラを小さくし、位置を知らせる程度に抑える。

さて……後は流れに身を任せ……だな。

そう考えると、俺は木の幹に背を預けて再び浅い眠りに入った。










同日夕刻。


キィイイイイン……


結界が作動する際の独特の音に、目を覚まして周囲を探る。

この辺り一帯には、あらかじめ符術による簡易的な結界を張っておいた。

効果は単に侵入者を捉えると言う物だが、こうして野営なんかをする際には意外と重宝するものだ。

「……この気配」

【うむ、神剣のものだ。スピリットか、或いはエトランジェか……】

《月蝕》の言葉に耳を傾けながら、ベルトに通したままにしておいた脇差の柄に手を掛ける。

片膝を立て、いつでも抜刀出来る体勢で待つ事数分。


ガサリ……


前方の茂みを掻き分けながら、青い髪をした少女が現れた。

(……これが、スピリットか?)

【うむ、そうだ】

《月蝕》の言葉を聞きながら、目の前にいる少女をもう一度見る。

どちらかと言えば紫に近い青色の髪と、それと同じ色の瞳。

小柄な身体を白い甲冑に包み、柄の長い西洋剣を持っている。

(初めて見たが、綺麗なものだな……)

そんな事を考えていたが、目の前の少女は黙ったままだ。

無表情な為、敵対する意思があるのかも分からない。

【主よ、このままでは埒が明かぬ】

そんな《月蝕》の言葉に頷き、声を掛けようとした時、

「ハァッ、ハァッ……アセリア、一体どうしたんだ……?」

少しばかり息を切らせながらやって来たのは、無骨な青い剣を持った少年。

「お前……悠人か?」

「冬真、さん?」

「……ん、ユート、知り合いか?」

互いに呆けたような顔で名前を呼び合い、アセリアと呼ばれた少女が俺たちの顔を交互に見ながら少年――高嶺 悠人に尋ねていた。










二人がここに来てからしばらくして、もう二人スピリットがやって来た。

茶色い髪に緑色の瞳を持ち、槍を携えた女性と、赤い髪と赤い瞳を持ち、幅広の双剣を持った少女。

名前を聞いた所、女性の方はエスペリア、少女の方はオルファリルと言い、悠人の部下に当たるそうだ。

「それで、ユート様、こちらの方は?」

「ああ、この人は冬真さん。元いた世界での、俺の……なんだろう?」

「そうだな……。元の世界で悠人が働いていた場所での上司……といった感じだろうな」

悠人の言葉を引き継ぎながら、エスペリアさんに簡単な説明をする。

「そうですか……。それでは、トウマ様。その刀は……」

そこで言葉を切ると、エスペリアさんは脇差と俺が左手で持っている大刀に目を向ける。

「ええ、貴女の考えている通り、これは永遠神剣ですよ。永遠神剣第四位《月蝕》、それがこいつの名前です」

そういって左手に持つ《月蝕》を掲げる。

「第四位……《求め》と同じっすか」

「らしいな。こいつの話だと、お前の《求め》よりも力は劣るらしいがね」

「話……と言う事は、それは明確な自我を?」

「ええ」

エスペリアさんに答えながら、大刀をベルトに通す。

「悠人、お前の《求め》にも自我はあるだろう? どうなんだ?」

「……こいつはバカ剣で十分ですよ」

「おいおい、随分と仲が悪いな」

【主、それは仕方なかろう。四神剣とその契約者とはそういうものだ】

(まぁ、聞いてはいたがね。これほどとは思わなかったよ)

「……で君達は何でここに?」

俺が問い掛けると、四人は顔を見合わせた後で話を切り出した。

龍を討伐し、ラキオスに帰る途中で神剣の気配を感じ取ったらしい。

その気配の大きさから上位神剣だと分かると、まずアセリアが気配を辿り始め、慌てて悠人達が追い掛けたそうだ。

「なるほど。それで、いざ来てみれば俺がいたと」

ここまでは俺の予想通りだ。

「はい。それで……トウマ様。よろしければ、我々に着いて来てはいただけませんか?」

「……理由は?」

「あれだけ大きな気配ですから、恐らく本国にも察知されたはずです。そうなれば、いずれ私達が派遣されるでしょう」

「エトランジェ……俺を捕らえ、戦争の道具にする為か?」

「…………」

はっきりと言ってやると、エスペリアさんは黙ってしまった。

恐らくは図星なのだろう。

「悠人だけじゃ収まらない……国王はよほど意地汚いらしいな」

そう言って悠人を見ると、苦虫を噛み潰したような顔になる。

この分だと、悠人自身も国王にはいい感情を抱いていないようだな。

「それで? 悠人、お前はどうなんだ?」

「……俺は、冬真さんとは戦いたくない。だから、着いて来て、くれませんか?」

「なんでお前は国王に従う? 制約があるとはいえ、逃げる事は可能だっただろう?」

《月蝕》の話を聞く限り、制約は王族に敵意を向ける事で発動する。

なら、別に逃げるだけなら問題なかっただろうに。

すると、悠人の顔が更に苦いものになった。

「佳織が……妹が人質になってるんです。だから……」

「……ちっ、国王はそこまでクズか……」

悠人の言葉に、嫌悪感を滲ませながら吐き捨てた。

「お願いします……着いて来て、下さい……」

そう言いながらも、悠人は微かに重心を下げた。

断れば戦闘も辞さない、と言う事だろう。

(……《月蝕》、彼女達の戦力はどう見る?)

【強いな。特にアセリアと呼ばれた、あのブルースピリット。彼女は恐らく、この中で最も強いぞ……】

(そうか……。なら、大人しくしておいた方がいいか)

《月蝕》との会話を終え、再び悠人達の方に向き直る。

「分かった、着いて行こう」

「……! いいんですか?」

「ああ。断れば実力行使もあっただろう? 戦いを避けられるのなら、その方がいい」

顔を上げた悠人に苦笑しながら、柄に掛けていた手を離した。

「だがラキオスに従うかは別問題だ。俺は臣下になるつもりはないが……それでも?」

「はい、構いません。着いて来て下されば結構ですので」

そのエスペリアさんの言葉に頷きながら、静かに息を吐いて身体の力を抜く。

「それじゃあ、自己紹介と行こうか。俺は柊 冬真、永遠神剣第四位《月蝕》の主だ。よろしくな?」

「はい。私はエスペリア・グリーンスピリット、《献身》のエスペリアです。よろしくお願い致します、トウマ様」

「ん……アセリア・ブルースピリット、《存在》のアセリアだ」

「はじめまして! オルファリル・レッドスピリットだよ! 《理念》のオルファ。よろしくね、トウマお兄ちゃん!」

エスペリアさんが丁寧な言葉で、アセリアが言葉少なに、そしてオルファちゃんが元気よく挨拶をする。

……お兄ちゃん、いい響きだ。

もう二十歳だし『おじさん』とか言われたらどうしようかと思ったが……ふっ、俺はまだまだ大丈夫なようだな。

そんな満足感に浸っていると、オルファちゃんがくいくいとジャケットの裾を引いているのに気付いた。

「ん、どうしたんだい?」

腰を屈めて彼女の視線に合わせると、明らかに好奇心を宿した目でこっちを見て来る。

「あのね、あのね! お兄ちゃんってパパの上司さんだったんでしょ? だったら、パパよりも偉い人なの?」

「……パパ?」

「うん!」

そう言って彼女が指差した先にいたのは……悠人?

「あの、オルファちゃん? 君の、パパは……あそこにいる人?」

「うん、そうだよ!」

悠人の方を見ながら問い掛けると、彼女は元気一杯に頷く。

そうかぁ、悠人がパパかぁ……。

「オルファちゃん、ちょっと待っててね。君のパパと話してくるから」

にこやかに言いながら立ち上がると悠人の側まで行き、ポンッとその肩に手を置いた。

「……悠人。いくらここが異世界とはいえ……こんなプレイは駄目だろう?」

そう言うと、悠人は疲れたような顔でがっくりと肩を落とす。

……俺の言葉を否定してくれないのが、少し悲しかった。










拝啓、親父殿。


異世界に来て一ヶ月、久方ぶりに知り合いに会いました。

私の知る限り、彼は妹さんの為に汗水たらして働く好青年だったのですが……何故か道を踏み外してました。

私に出来るのは、、彼が碧遠寺住職のご子息と同じ道を歩まないよう祈る事だけのようです。

こんな不甲斐無い息子を、どうかお許し下さい。















後書き


こんにちは、トシでございます。
第二話を最後まで読んで頂きありがとうございました。

今回で冬真が悠人達に合流しました。
次回はラキオス王との邂逅です。
その際に冬真の戦い初披露となりますが、そんなに激しい戦闘はしません。
むしろすぐ終わらせます。
……いえ、別に私が戦闘シーン苦手だからとか、そんな理由じゃないデスヨ?

それでは、この場を借りて作中で出てきた技の説明を。


夜陰(やかげ)

《月蝕》の持つ能力、『気配遮断』と『闇との同化』を併用した技。
気配遮断で神剣と自身の持つ気配を完全に消し、闇との同化で姿を隠す。
これによって肉眼でも第六感でも捕捉不可能とする。
ただし、使用には多大な集中力を必要とする為、戦闘中の使用は難しい物がある。


……なんだか使いづらい能力ですよね。
使える日は……来るのかなぁ。


それでは、今後ともよろしくお願い致します。

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