─聖ヨト歴330年 エクの月 青 よっつ日 朝
  ラキオス付近の森


かすかな振動感じて目を覚ました

ヘリ「・・・・・・・・ふぁ」
ミコ「あ、起きましたね。おはようございますヘリオンさん」
ヘリ「おふぁようございます。えっと・・・・・・・」
ミコ「ミコトですよ」
ヘリ「す、すいません・・・・・・・・・」
ミコ「いえ、まだ一回しか名乗っていませんし」
ヘリ「あの後どうなったんですか?」
ミコ「バーンライトのスピリットはすべて倒しました。今はラキオスに帰る途中です。それより体はどうですか?」
ヘリ「え?」

そういわれてヘリオンは自分の体を確かめようとした
そして初めて今の状況に気づいた
ヘリオンは尊に背負われていたのだ

ヘリ「ミ、ミコト様!?何やってるんですか!?」
ミコ「?何かおかしいですか?」
ヘリ「おかしくは無いですけどミコトさまの手をわずらわせてしまうわけにはいかないです。それに・・・・・重いですよね?」
ミコ「大丈夫ですよ。少しくらい重くても・・・・・・・・・
ヘリ「・・・・・・・・・・・」

ギュ〜〜

ヘリオンは尊の首をしめていた

ミコ「く・・・・・・な、何するんですか?」
ヘリ「知らないです!」
ミコ「????」
ミコ(僕なんか悪いことしました?)
幻想『尊は乙女心がわかってないな〜』
ミコ(??????????)
ヘリ「とにかく、おろしてください」
ミコ「何言ってるんですか。    一時は瀕死だった体ですよ?こういうときは人に頼るものです。僕のいた世界では男性が女性を守るのが普通だったですし
それに僕が好きでやってることですから気にすることはありませんよ」
ヘリ「・・・・・・はい」
ヘリ(スピリットの私に優しくしてくれるなんて変な人・・・・・・でも、嬉しいな)

ヘリオンは尊の肩にあった手を離し、腕を尊の首に絡めた
そうすれば、自然と密着度が高くなるわけで、もちろん尊は慌て出した

ミコ「あの、ヘリオンさん!?」
ヘリ「どうしました?」

ヘリオンはとぼけてみせる

ミコ「あの・・・・・そのぉ・・・・・」
ミコ(は・・・・恥ずかしい)

顔が真っ赤になる尊

幻想『顔真っ赤だよ〜?ウブだねぇ』
ミコ(黙ってください!!)

ますます慌てる尊

ミコ「あの・・・・ヘリオンさん・・・・・恥ずかしいです」
ヘリ「え・・?いやですか?」

わざと涙声で言うヘリオン

ミコ「・・・・・・いえ」

そういわれては尊に反論するすべはなかった
幻想のときといいヘリオンの時といい尊は本当に女性の扱いがダメらしい
もう反論も出来ずに顔を真っ赤にしたまま歩いている
一方ヘリオンも顔にわずかに朱がさしている

ヘリ(なんだか・・・・胸がどきどきする・・・・)

その後二人がお互いを意識しすぎてまともな会話が出来なかった事は言うまでもない






─聖ヨト歴330年 エクの月 青 よっつ日 昼
  謁見の間


ラキオス国王は目の前の光景を信じられなかった
目の前の尊とヘリオンが無傷なのが
最もヘリオンの服にはところどころ裂け目があり傷があった跡が残っているが尊にはそれすらない
この城を出て行ったときのままだ

ミコ「以上で報告を終わります」
国王「・・・・ウム」

国王は報告のことなど上の空で半分も聞けていなかった

ミコ「攪乱のところを殲滅してしまった事に関してはお咎めはありますでしょうか?」
国王「いや・・・・ない」
ミコ「ありがとうございます」
国王「・・・・・・・」

国王の代わりにレスティーナが口を開いた

レス「ミコトよ。これからそなたは第二詰所にいってもらう事にする。今はヘリオン以外は皆出払っているが、今日中には戻ってくるはずだ。ことの説明はそなたからせよ。以後お前には第二詰所のスピリットの指揮、訓練などはすべて任せる」
ミコ「はい。わかりました」
レス「2人とも、今日は休むように」
国王「戦いはこれからだな」

国王はレスティーナと違い含みのあるような言い方をしたのだが

ミコ「はい」

と尊は動じずに返した

ミコ「では、失礼します。行きましょうか、ヘリオンさん」
ヘリ「あ、はい」

尊とヘリオンは謁見の間を退出した






─聖ヨト歴330年 エクの月 青 よっつ日 昼
  謁見の間


国王「何なんだあいつの態度は」

謁見の間には国王の声だけが響いていた

国王「あの態度気に食わんな
    どうにかあいつを屈服させてやる」

そんな国王を冷たい目で見る人がいた
レスティーナだ

レス(なぜそんなことを。そんなことをしても意味は無いのに)

レスティーナは父の変わり果てた姿を悲しんだ

レス(やはりお父様は変わってしまわれた。これ以上は任せられない。しかし私が動くには力が無くては・・・・)

レスティーナは謁見の間を静かに退出した






─聖ヨト歴330年 エクの月 青 よっつ日 昼
  第一詰所


尊とヘリオンは城からでたあとまず第一詰所にきていた
悠人たちと話しをするためである

ユー「悪かったな、ミコト。俺が頼んでラキオスに来てもらっていきなりあんな事になるなんて」

エスペリアが皆にお茶を配り終えたところで悠人が口を開いた

ミコ「いえ、僕が自分の意志で行ったわけですし。それにヘリオンさんも助けられましたから」

ミコトは本心からそう言っているようで悠人は安心した

ミコ「これからは副隊長になりましたのでよろしくお願いします」
ユー「あぁ。俺は隊長といってもまだ弱いし頼むよ」
エス「わからない事があればなんでもお聞きください」
ミコ「はい。ところでユートさん。佳織さんのほうはどうですか?」
ユー「・・・・・・実は今日会ったんだ。お前たちが敵地にいるときに自分だけ悪いと思ったけど」
ミコ「どうでした?」
ユー「元気そうだった」
ミコ「そうですか。よかった」

心底ほっとしたような顔になる尊

ミコ「まぁ、殿下がいるなら大丈夫だとは思いますけど」
ユー「レスティーナのことよく知ってるのか?」
ミコ「いえ、ただの勘ですよ」

勘という言葉を聞いてそこにいた全員(といっても悠人とエスペリアとヘリオンの3人だけ)は拍子抜けしてしまった。

ミコ「でも外れてないと思いますよ。あの人は国王様とは違いますし」

あの国王にさえ律儀に様付けするミコトに感心しながら悠人も続けた

ユー「確かにレスティーナは国王とは違うな。なにかと佳織も気遣ってくれてるみたいだし。というか国王が人間としてどうかと思うんだけど」
エス「国王様も昔はあれほどでもなかったんですよ。ですけどユート様という力を手に入れてからは人が変わってしまったようです」
ミコ「まぁ、国王様がどうなろうと僕たちはできることをするしかないですしね」

そういって尊は立ち上がった

ミコ「そろそろ第二詰所のほうに行きますので。エスペリアさん、お茶ありがとうございました」
エス「またいつでもいらしてください」
ミコ「はい。では、失礼します」
ヘリ「失礼します」
そういって2人は第一詰所を後にした






─聖ヨト歴330年 エクの月 青 よっつ日 昼
  第ニ詰所


ミコ「いいところですね」

それが尊が第二詰所に入って口にした最初の言葉だった

ヘリ「はい。皆でいつもきれいにしてますから」

ヘリオンが本当に嬉しそうに言う
と、その時ドアにベルの音がした
来客のようだ

ヘリ「私が出ますね」

そういってヘリオンは玄関の方にいった

ヘリ「どちら様ですか?・・・・・え?」

尊は耳がいいので玄関のヘリオンの声も聞こえてくるのだがどうやらヘリオンは驚いているようだ

ミコ(誰でしょうね。帰ってくるというスピリットさんならベルなんて鳴らさないでしょうし)

と尊が考えているところでヘリオンが戻ってきた

ヘリ「ミコト様。お客様です」
ミコ「???」

ヘリオンが微妙に緊張気味なのが気になったが尊にはまったく心当たりが無かった
この世界でヘリオン以外の知り合いといえる人は悠人、佳織、エスペリア、アセリア、オルファくらいである
悠人とエスペリアとはさっき話してきたばかりだし佳織は軟禁中だ
アセリアは性格上来客をするとは思えないしオルファが遊びにきたならおそらくドアのベルは鳴らさずに入ってくるだろう
そんな風に尊が考えているうちにヘリオンの後ろから客が姿をあらわした
尊も少し驚いた




ミコ「これは殿下。わざわざ僕を訪ねてきてくださるなんて」

客の正体はレスティーナだった