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永遠のアセリア
Meaning of War -Little Soldiers Company-
序章第二話[合流-Confluence-]






リュケイレムの森を東に抜けるころには次の日の夜明けとなっていた。
約半日、徒歩での行軍しかもラキオス軍の哨戒をかわしながらのためかなりの時間を要した。
ラキオス領内では休むには危険なため無理を押して行軍してきたのだ。
しかしスピリットという種族はすごい。
あれだけ休みなしで歩いたというのに疲れた顔ひとつしていない。
こちらもレンジャーとして地獄の訓練を耐え抜いてきたが、自分も含め皆疲労の色を隠せずにいた。
ふと時計を見てみる。
既に出発から11時間とちょっとといったところだ、疲労の蓄積を考えるとこの辺で休憩しないともたないだろう。

「ウルカ、そちらは大丈夫だろうけどアタシ達の疲労はそろそろ限界だ。この辺で一時休憩を入れたいんだけど……」
「……わかりました。では半刻ほどでよろしいですか?」
「それで結構」
『よし30分休憩をいれる』

皆待ってましたとばかりに荷物を降ろし座ったり、屈伸しだした。
中には荷物も降ろさずそれに押しつぶされる形でうつぶせに倒れているのもいる。
そいつの口からなにやら白い煙みたいなものが天に向って上がっていたが見なかったことにする。
自身も荷物を降ろしその場に腰を下ろす

「ふぅ」

周りをみると、ウルカの部下たちがやはり変わらず目を光らせていた。
足全体が疲労で痛む。
丁寧にマッサージを行い、足へのダメージを軽減させる。
だいぶ疲労が取れたところで今後の計画を聞きにウルカの下へと歩み寄る。
途中ウルカの部下ににらまれたが気にしない。

「今後の計画は?」
「このまま東に進むと湖があります。手前たちスピリットならば簡単に渡れますが
  あなたたちには難しいでしょう。湖を迂回しその先にある街道へ出ます。そこを南下すればリーザリオです」
「大体どのくらいかかる?」
「そうですね……このまま徒歩で進むとなりますと、早くて一日でしょうか……」
「それって休憩なしでってことだよね?」
「はい……」

立ち眩みしそうになる。
ここまでの強行軍ははっきり言って例が無い。
長距離移動にはジープやトラックを使うからだ。
そんな自分の気持ちを察してか困ったような顔をするウルカ。

「ああ、大丈夫。長距離行軍は訓練済みだから」
「そうなのですか?」
「うん、まぁ他の訓練も含めて合格したのだけがこうして部隊に配属されている」

そういいながらウルカの隣に腰掛ける。

「アンタの部下さんたちはアタシ達のことを良く思ってないみたいだね」
「申し訳ありませぬ。手前の部下たちはその……自我の強いはぐれ者ばかりで人間に嫌われていましたので」
「どこも同じだね…出る杭は打たれるか。軍には志願で?それとも徴兵?」
「手前たちスピリットは生まれた時から戦うことが義務ですので」

唖然とした。
それではまるで戦奴ではないか。
自由の国であるカタリナでは考えられないことだった。
ノースオリアでさえ徴兵ではあるものの人権は尊重されている。

「そんな…」

言葉に詰まってしまう。

「それが手前たちスピリットの存在理由ですので」

言い切られさらに唖然とする。
彼女は自分たちの境遇に疑問を持っていないらしい。
生まれたときからの奴隷。
それが普通のことだから、変だとも思わない。

「そっか……」

正直どう答えていいかわからなかった。
ウルカの肩をポンポンと叩き仲間の下へ戻る。

『みんな、聞いてくれこの後の計画についてなんだけど……目標の町までまだ丸一日ほどかかる』

告げたとたん予想通りブーイングの嵐。
あるものは頭を抱え、あるものはがっくりと項垂れた。

『ブーブーブーブー!』

『あーちょっと静かに……』

『ブーブーブーブー!

『あの…聞いて……』

『ブーブーブーブー!』

『………』

『ブーブーブーブー!』

『話し聞けっていってんだろがぁぁぁ!!』

――ガーーーーーン!!
『あべし!!』

脱いで手に持っていたヘルメットをブーブー豚みたいに鳴き続けていたフロイドに投げた。
アタシのヘルメットは彼に最大のダメージを顔面直撃という形で与えた。
叫び声を上げ鼻血を派手に噴出しながら崩れるフロイド。
その場は一瞬にして静まり返る。

『まぁ……そうがっかりしないで、つらいのは街道に出るまでだ街道までいければ町まであと少し
 町に行けば熱いシャワー、清潔なベッド、うまい物が待ってる。だからレンジャー根性出していくぞ』

少しは気も楽になっただろうがまだ皆落胆の色が濃かった。
そしてフロイドは……

『ああ……きれいなお花畑がぁ……』

あの世街道まっしぐらであった。
そんな毎度のことを言っていても始まらないので皆それぞれ少しでも疲労を取ろうとまた休みだした。






「隊長……」

彼女達がそんなコントにも似たことをやっていると、ウルカの下に部下のブラックスピリットが近づいてきた。
リュケイレムの森でシュネアに刀を突きつけた少女だ。
今は兜を取っているためその顔が良く見える。
整った顔立ちに少しつり上がり気味の黒い目、その目と同じく黒い短くした髪は少しくせ気味であった。
全体的に気の強い印象を受ける。

「フィアナか、どうした?」

いかにも不満ですといった表情をしている部下にウルカは何事かと問う。

「あのような得体の知れない輩を連れて帰るなど私は反対です」
「ふむ」
「それに、エトランジェという割には神剣ももっていないですし連れて帰る意味も見出せません」

最後のほうは声高に主張した。

「たとえエトランジェであったとしても、使えない者を連れ帰れば責任を取らされるのは我々です」
「……」

ウルカは黙ったまま部下の主張に耳を傾ける。

「まだこのことを知っているのは我々だけです。始末したとしても誰にも気がつかれません」
「――そんな!?」

突然後ろで声が立つ。
振り向くとそこにいたのはルシア。
いつからそこにいたのか、手に持った水筒をフルフルと震えさせ信じられないといった顔をしている。

「ルシア……」
「始末って…殺すということですか…?」
「ルシア、それは――」

今にも泣きそうな声と顔でにらみつけてくる。
普段控えめでおとなしい彼女が見せる初めての顔。
私は言おうとしていた言葉を思わず飲み込んでしまう。

「あの人たちは強いです!神剣がなくても強い人たちです!!」

この後輩の反論に言葉を失う。
普段は口数も少なくおとなしい彼女が言葉を荒げる姿にひるんでしまった。

「くっくっくっくっ」

と、隣にいた隊長がこらえるように笑っていた。

「フィアナの負けだな」

笑いが収まった隊長は静かに言う。

「"エトランジェは見つけ次第確保せよ"これが手前達に常に下されている命令、命令通り連れて行くのだから
  なんの問題もないだろう」

「それに」と隊長は区切り

「ルシアの太鼓判が押されたあの方達なら大丈夫であろう」

とウルカ隊長はにっこりとルシアに微笑みかける
するとルシアはパァっと笑い「ありがとうございます」と何度も隊長に向ってお辞儀していた。
私はハァとため息をつくと自らの場所に戻り監視がてら休息をとることにした。






休憩時間はあっという間に過ぎていく。
ただ敵地でない分気も楽というものか、ゆっくり休むことができた。

『そろそろ時間だ用意しろ』

時計を見ながら皆に声をかける。

『故郷じゃ6時半だ…いまごろ――!?』

フロイドが時計を見ながら呟いていると。

――ヒュン!!

空気を切るような滑空音。

『In coming!!』

悲鳴にも聞こえる叫び。
即座に伏せる。
休息していた地点のすぐ脇に着弾し派手に地面を巻き上げた。
対応の遅れたウルカの部下であるグリーンスピリットが地面の破片をもろに浴び吹き飛ばされる。

『榴弾!?いったいどこから?』
『軍曹――!!』

サリアが叫びながら指をさす。
見るとノースオリア軍の主力戦車T-72二両がこれでもかというくらい草でカモフラージュを施しそこにいた。
そして歩兵がその周りを固めている。
迂闊だった。
まさかこれほど気が抜けていたとは。
接近に気が付かないはずはない…ということはこちらが近づいてしまったか。
敵のほうも射撃を開始したようでマズルフラッシュが周辺からきらめきだす。

『敵襲!茂みに身を隠せ!!』
「あんたらも隠れて!!」

呆然として敵戦車をみていたウルカたちにも叫ぶ。

「しかし手前の部下が一人!」

見ると初撃で吹き飛ばされたグリーンスピリットが射線の真ん中で倒れていた。
マナに還らないところを見るとまだ生きているようだが失神しているのかピクリともうごかない。
茂みに隠れたものの弾が空気を切る音が頭上をかすめていくため位置はばれていたようである。
気絶した彼女の周辺も着弾の土柱が上がっている。このままではいつあたってもおかしくない。

『あーもう!!』
『ってシュネどこいくの!?』

ぼやきとともに飛び出していくシュネアに叫ぶクリル。

『なんてこった!軍曹ついに気が触れたか!?』
『くっそ!援護射撃!援護射撃!!』

クリルの叫びとともに各員が射撃を開始する。
あっという間に双方猛烈な撃ち合いとなる。
しかしいくら戦車に小銃弾を浴びせようと貫通など望めない、せいぜい気を惹くくらいだろう。

倒れているグリーンスピリットに接近を試みる。
しかしそのたびに目の前を銃弾が掠めていくためそれ以上近づくことができない。

『くっそ!』

一向に射撃がやむ気配がない。
遠目からしか確認できないが、どうやら腹部に砲弾の破片が突き刺さっておりかなり出血していた。
早く助けないと命にかかわる。
気ばかりが焦るが一向に接近することができない。






ウルカ隊の面々は戦慄していた。
なにせ巨大な鉄の塊が動き攻撃してきたのだから無理もないだろう。
攻撃力はレッドスピリットの神剣魔法と同等かそれ以上。
そして初めて目の当たりにする銃という兵器の威力。
神剣を持たない人間でもスピリットに対抗できる力を与える武器。
これまで幾度となく死線をくぐってきたウルカ隊でも恐怖を覚えずにはいられなかった。
しかし彼女たちと敵対しているのならば当然敵、ならば当然我々も攻勢に出る必要がある。

「くっ月輪の太刀!!」

漆黒のウィングハイロゥを広げ、人間には視認不可能なスピードで敵戦車を切りつける――
――ギュガガガガ
派手な火花を散らし金属同士が擦れ合う耳障りな音が響く。

「――なっ!?手前の剣が!」

しかし砲塔上部に浅い擦り傷を与えただけでびくともしなかった。
ウルカの存在に気付いた随伴歩兵がすぐさま照準をむける。

「くっ!」

弾をかわしながらこちらに戻ってくるウルカ。

「そんな………手前の剣がきかないとは……」
『刀で戦車を切れるはずないじゃん』

ジョンが呟く。

しかしウルカのおかげで敵の射撃に一瞬の隙ができた。
シュネアはすばやくグリーンスピリットに近づき状態を見る。
幸い破片が刺さったところは急所ではなかったので見た目ほどひどくはなかった。
抱えるような形で茂みまで引きずっていく。

『衛生兵!』

すぐさまミリエスにバトンタッチし自身は敵に向けて射撃を開始する。
ウルカの部下のレッドスピリットたちが魔法の詠唱を開始する。

「マナよ。火球となりて、敵を討て…ファイアボール!」

敵戦車それぞれに向って飛んでいく火球。
直撃し炎が撒き散らされ戦車の側面にいた敵兵に燃え移る
しかし戦車はその装甲の表面を焦がすだけで撃破にはいたらなかった。
唖然とするウルカの部下達

『フロイド、サリア!敵戦車にLAWをぶち込め!』
『『了解!』』

二人はすぐさまLAWを準備し発射した。
二本の白煙帯を引きながら戦車めがけて飛んでいくロケット弾。
ついで着弾し爆発した。

『よっしゃ!ざまみやがれオリアのイカレ○○○野郎!』

フロイドが放送禁止用語を口にし、サリアはその横でトマトのように真っ赤になっている。
けっこう純情派?
っと…

『やった……か?』

今だ煙が立ち込めて視認不可であるがLAWを二発も食らえばひとたまりも……!!

さっきよりも至近距離で着弾する砲弾。
そして煙の中から姿を現すT-72、正面装甲が多少ひしゃげていたが貫通にはいたらなかったようである。
やっぱり正面からじゃ無理か……
その刹那、同軸機銃から激しい銃撃がくる。

『くっ……打つ手なしか』

LOWはさっきので使い切ってしまい。
こちらにはもうまともな対戦車兵器は残っていなかった。
さらに一撃とばかり飛来する砲撃。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

捕虜にしていた二人のうち、見た目的にも幼いレッドスピリットが耳をふさいで叫んでいる。
それを守るように抱きしめるグリーンスピリット。
この集中砲火は経験していないときついものがある。経験しててもきついが……
そしてキャタピラを軋ませながら迫る戦車。その音はさながら死神の足音か。

(ここまでか………)

諦めかけたその時。
――ヒュン!!
ドゴォォォン!
敵戦車のエンジン部が派手にぶっ飛んだ。
数メートル惰性で動き、停止する戦車。
すぐさまハッチから脱出しようとしていた乗員を狙って射撃する。
出ようともがいていた所に銃弾の嵐。たちまち文字通り蜂の巣となる。

『どっから撃ってきた!?』

そして続けてもう一両も横っ腹に一撃を受け砲塔が爆発で宙を舞う。そのまま炎上。
おそらく搭乗員はミンチになったことだろう。
巨大な鉄の箱がそのまま棺桶となる。

射撃音がした方向を見る。
草原を疾走するM74二両+M24一両。

『いよー!見ろぉ別嬪さんだぁぁぁ!!』

フロイドが歓喜の叫びを上げる。
味方戦車の登場にこちらの士気は一気に跳ね上がる。
一方味方戦車の全滅に恐れをなしたノースオリア兵たちは退却を始める。
しかし戦車からの機銃掃射とこちらの機関銃射撃で一人また一人と蜂の巣になり倒れてゆく。






最後は一方的な蹂躙であった。
全滅したオリア軍を前にしてウルカ隊の面々は半ば呆然としている。
自分たちの攻撃がまったく通じなかった相手をこのエトランジェたちは全滅に追い込んだのだから。
敵は歩兵丸々一個小隊と戦車二両を失った。生存者は無し。

こちら側の被害は軽症一名と重症一名。
軽症はサリアで砲撃を受けたときに破片が肩を掠めていただけであった。
一方の重症はウルカの部下であるグリーンスピリットであったが、回復魔法とやらをかけられて治療された。
驚くことにあの重症であったにもかかわらず今は歩けるほどに回復している。
つくづくこの世界には驚かされることばかりであった。
そうしてシュネアは戦車の元へと歩き出した。

こちらに向ってくる戦車のハッチから体を乗り出している車長に軽く敬礼し

『第4レンジャー、カルロン軍曹です。助かりました』
『第二機甲師団、ファルク少尉だ。なぁに騎兵隊はサイコーのタイミングで登場しないとな』

フフンとおちゃらけたふうに笑って自身の愛車をボンボンと叩く。
ブラウンの長い髪を適当に縛ってまとめ薄汚れた戦車兵メットをかぶっている。
女の人なのにえらく薄汚れた格好をしているが、逆にそれが凛々しさをかもし出している。
よく見ると戦車には予備の弾薬箱やテントが無造作にくくりつけてある。それだけならまだわかる。
鍋、食料、酒の箱、などなどこれでもかというくらい縛りつけてある。
何より目を引くのが砲塔側面につけられた大型スピーカーだ……
(いったいなににつかうのだろう……?)
当然の疑問なのだがあえて尋ねないでおこう。

『そうかあんたらが迷子の分隊ってわけだ』
『えっ?』
『なんだ、覚えてないのか?おたくらの中隊と一緒に補給隊の護衛についてただろう?』

そうだたしか護衛についていていざとなると故障や各坐でちっとも役に立たなかった戦車たちだ。

『本隊まで送っていくから乗りなよ』
『本隊?本隊もこっちに来てるんですか!?』
『あぁ、霧が晴れたと思ったら本部との交信不能、周りは地図とかみ合わない、おまけにおたくらの分隊も行方不明ときてた』
『まぁこうして見つかったんだからよかったよかった』

と一人で納得しうんうんと頷き始めた。
そしておもむろにヘッドセットに手をやり通信を始める。

『"こちらクーガーシックス。敵戦車撃破、被害は無し。おまけとして迷子も保護、繰り返す迷子も保護……以上"』
『乗りなよ。本隊まで送って行ってやるぜ?っとあちらさんはどーするんだい?』

指差しながらウルカたちの事を聞いてくるファルク少尉。
見るとこちらの言葉が理解できないためか少し…もといかなり警戒気味にこちらを見ている。

『ちょっと彼女たちに事情を話してきます』
『信用できるのかい?』
『少なくとも敵ではありませんよ。もっとも……事情はずっと複雑のようですけど………』

と告げ、ウルカ達の元へと歩き出す。
途中にいた部下たち+記者さん+捕虜に戦車に乗るよう伝えた。






ウルカたちへ事情説明をし自分たちの上官と仲間が着ていること。
軍規上合流せねばならないこと、今後の方針について自分たちの上官とも話してほしいことを伝えた。
考え込んでいたウルカであったが、うまくいけばより多くのエトランジェを獲得できると踏んだのか頷いてくれた。

(すべてはルージュ次第ってこと……か)

そう交渉決裂ともなれば最初のときのように彼女たちとの戦いもありえるのだ。
まだ出会ってからそう経ってはいないが、彼女たちと戦うのは気が引ける。
正直ウルカやルシアはいいやつだ。こんなことで殺し合いなんかしたくはない。
しかし指揮官が決めれば兵隊は従わねばならない。
ルージュの人柄は長い付き合いから承知してはいたが今回はことがことだけに不安で仕方がない。
ウルカたちにも戦車に乗るよう促す。
全員乗った戦車は大きなエンジンのうなり声を上げ動き出す。

「おおー」
「ふえー」
「ほーほー」

とウルカ隊の隊員たち主に年少に部類されるであろう娘たちはこの動く鉄の塊に興味津々の様子である。
年長の娘たちは無関心を装っているが慣れない乗り物なのかどこか緊張した感がある。
そんな初々しさをみていると自然と笑みがこぼれてくる。
分隊のメンバーも同様にそんなウルカ隊員たちに言葉が通じないのに話しかけている。

――キュラキュラキュラ
履帯を軋ませ疾走する四台の戦車。
その車体に所狭しと乗ったたくさんの人。
第04分隊とウルカ隊の面々+αである。
いつの間にか大半の者ウルカ隊員も含めてだがその心地よい戦車の振動のせいか眠っていた。
もう同じ部隊の仲間のようにお互い寄りかかりあったり膝を貸したりしている。
既に日は高く上ってはいるものの気温は春のようなぽかぽか陽気の心地よさなので睡魔に贖えなかったのだろう。

シュネア自身も他の隊員たちと同様うとうとと居眠りをしていた。
――コンコンコン!
突然自身のかぶっているヘルメットを乱暴にたたかれる。
せっかくの心地よいひと時を邪魔され不機嫌さ全開の顔でその叩いた主ファルクを見る。

『そろそろ着くよ』

ああそういえば本隊と合流のため移動していたんだっけと寝ぼけた頭で思い出す。
見るとトラックの一群が見え始めていた。
それを確認し寝ているほかの隊員達におきるよう促す。
皆目をこすりながらお互いを起こしあう。

そうこうしているうちにベースキャンプに到着する。
キャンプといってもトラック配置してそれを守るように布陣しただけのものであるが……
無事帰還したことにより馴染みの仲間達が激励してくる。
皆も戦車から降りながらその声にこたえている。

『いよー迷子にでもなったのかぁ〜?』
『そんなようなもんだ』

なじみの仲間達と再会し軽口をたたきあう。
他のメンバーも戦友たちと抱き合ったりし、再会を喜ぶ。
アタシの場合はこの部隊では長いので下の階級でも長い付き合いのやつは気さくに話しかけてくる。
もう最後には小突かれ始める始末だ。
――ムニムニ
ガスン!!
とりあえずドサクサ紛れに胸をつついてた奴を裏拳の一撃にしずめ他の奴の激励にこたえた。
そんな無事帰還した仲間の歓迎に沸く集団へ近づいてゆく一人の女性。

『おかえり』

聞き覚えのある透き通った声

『『ただいま』』

群衆をかき分けてきたその人物に敬礼しながら言葉を返す。
我らが中隊長ことルージュ・スピアーズである。
敬礼が終わるとたがいの無事を確かめるように抱きしめあう。
皆もアタシ達の関係は知っているため温かい目で見てくれた。






『……』

話している途中一言もしゃべらず聞いているルージュ+各小隊長ズ
はっきり言って俄かには信じられないであろう。
異世界、エトランジェ、スピリット、そしてウルカの話。
アタシは通訳もかねこれまで得た情報を伝えた。
ウルカの話は半ばおどしに近いものがある。
(ここから先は聖ヨト語と英語同時通訳でお伝えします)

「あなた方の国に下れと、つまりはこういうことですか?」
「簡単に言いますと、そういうことになります」
「そして従わない場合は……」
「申し訳ありませぬ…命令ですので……」

ウルカは申し訳なさそうにうつむく。
スピリットの戦闘能力はさっき伝えたのでルージュも一概に断れないという点がある。
断ればこちらに多大な被害が出ることだろう。

「ここが…ここが我々の世界ならそんなことをすれば軍規違反として悪くて銃殺、良くて終身刑」

たしかに、兵隊とは自軍の大儀を信じて戦うものである。
この部隊のほとんどの者が戦争が始まってから志願した志願兵。
守りたいものがあるから自分の命をかけて戦争に参加したのだ。
しかしウルカの言っていることはそれを根底から覆すものである。
守るものの無い国で戦えというのだ。

「しかし……」

とルージュは言葉を区切る。

「君達の話が本当ならば私達は何のために戦えばいいのかな?」
「守るべき国は無く、この世界には私達の力を狙う輩が大勢いるということだ」

ウルカの話が正しければ、こちらはこの世界中の国を敵に回しているとも言える。

「我々はたった歩兵一個中隊と戦車一個小隊、物資は豊富にあろうと生き残るのは難しいだろう」
「それに、ここにはカタリナという国は無い、国どころか守るべき家族もいない」
「ここで優先するべきは生き残ること、生きてさえいればいつか帰れるかもしれない」

ここにいる皆が頷く。

「これよりF中隊はカタリナ軍の指揮下を離れ独立行動をする」
「生きてカタリナに帰るのよ!」
「「「イエス・サー!!」」」

力強く返事をする一同

「出発は1時間後、シュネたちは休息を取り準備して」
「了解しました」
「それと……タルバートが戦死したの……」

険しい顔をして言う。
タルバートは基礎訓練キャンプからの付き合いだった。
いい奴だった……

「そう……ですか…」

アタシも仲間の死に悲しみを覚える。

「だからシュネがこの部隊の最先任軍曹になる」

はっきり言って昇進はあまりうれしくない。
いまより多くの部下の命に責任を持たなければならないからだ
でもこの親友は中隊全体の命に責任を持っている。
そんなルージュに頼まれて断れるはずがない。

「了解」

と敬礼し答える。


皆が出て行きこの場にアタシとルージュだけが残った。
そのルージュはアタシに昇進を伝えてからずっと険しい表情のままだった。

「本当ならシュネに負担の大きい先任軍曹なんかやらせたくないの」
「この際だから言うけどシュネはいつも無茶して…どう見ても死にたがってるようにしか見えない」
「それしかアタシには能がないからさ……」
「もしかしてまだあなたあのこと……っ」

ルージュはしまったという感じに口をてで塞ぐ。
アタシは気にしてないよというジェスチャーをするがルージュの表情は硬いままだ。

「死んだらだめだからね、命令よ」
「イエス・サー」

敬礼をし答える。
それを見てため息ひとつしルージュは歩いていった。

「死にたがり……か」

敬礼の手を下ろし呟く。

「そうかもね……」

誰に聞かれることもないその言葉は空にとけ消えていった。






出発は二時間後ということで特に用意するものも無いアタシは仮駐屯地をぶらぶらとしていた。
いや正確には捕虜にした二名のスピリットを捕虜用のトラックに護送もとい引率していた。
その周りには3人三色のスピリットたち。
歳は12〜14歳といったところだろうか。
そのスピリットたちにまじってルシアがオドオドしながら並んで歩いている。

…数分前…
休憩を命じられた我らが分隊は小隊のトラックのところに荷物をまとめ各々休憩を取っていた。
ウルカも部下達に休憩を伝えると年長組は静かに休み、それとは対象の年少組は……

「ねっねっね、あれは何?」
「これってどうやって動いているですか〜?」
「すごい!楽器も無いのに音楽が出てるよ!?」

とまぁこんな感じに質問攻めである。
他の皆は言葉がわからないため自然とアタシに矛先が向くのは自然なことだった。
それに一つ一つ答えていっているのだがさすがは子供パワー、尽きることなく質問は続く。

「こら皆、しずかにしないか。シュネア殿が困っているだろう」

見かねたのであろう、ウルカの叱責に少女といっても過言ではない彼女達は「はぁ〜い」と返事をしトボトボと散っていく

「あぁ別に構わないのに」

とあまりにもしょんぼりしてかわいそうと思ったアタシはウルカに言う。
そういえば捕らえたラキオスの捕虜二名を同じく捕虜を監禁しているトラックまで連れて行けといわれていた。
だれか適当な奴にやらせようと思っていたがちょうどいいかもしれない。

「そうだ、ちょうどいいから少し案内しようか」

といった瞬間ちみっ子スピリット達の目が輝いた。

「しかし……」

さすが生真面目なウルカ、まだ悪いと思ったのか断るため言葉を紡ごうとしたが……
ちみっ子達は目から「行かせて」オーラをウルカにむかって集中射撃する。
「うっ」と言葉を詰まらせるウルカ。
なおも続くちみっ子部下たちの攻撃にあっさりと折れ「よろしくお願いします」とアタシに言ってきた。
わーいといった感じでアタシに駆け寄ってくるちみっ子たち

「そだ、ルシアもおいでよ〜」
「えぇ〜!?いぇ私は……」

ちみっ子の一人に誘いの声をかけられいきなりの事に狼狽するルシア・ブルースピリット
しかし拒絶の言葉を言う暇も無く両脇をガッシリつかまれたルシアは「あ〜れぇ〜」という言葉が似合いそうなほどずるずると引きずられていった。

そして現在
どっかの小学生引率する先生状態で案内をしている。
しかしつれているちみっ子たちはみなその姿に似合わない大剣をもっていてその比喩は一瞬にして打ち消されるだろう。
だがいくら剣を持っていても子供の好奇心は底知れずで、あれは何、これは何とひっきりなしに質問してくる。
一つ一つに簡単に答えていく。
まぁ捕虜がいるが、教えたのは表面的なことなのでそんな問題にもなるまい。
しかし、これだけの部隊及び物資がこちら側に来ていたとは驚きだった。これだけあればちょっとした戦争ができそうだ。
昔読んだ物語では、少数が過去に送られ物資も底をつき最後には散り散りとなりひっそりと暮らすことで終わっていた。

しかしこちらはレンジャー一個中隊に戦車、歩兵支援火器までそろっている。
と、アタシはその中にトラックに載せられたままのM24戦車を見つける。
実は我が軍はまだ最新式戦車M74への更新途中だった。
戦争が始まりM74の更新が間に合わないため退役したM24までも繰り出して戦線を維持している状態だった。
しかも小型戦車のため敵戦車の砲弾を正面装甲でも防げないという致命的な弱さがある。
しかし小型だけに速度は速く、火力も小型にしては申し分ないためすばやく後ろに回りこみ必殺の一撃を加えるヒットアンドアウェイ方式

がとられていた。
ただこの戦法はベテラン戦車乗り及び数で敵を翻弄しなければならないためこちらの被害も甚大であった。

あの戦車もおそらく生産が間に合わないM74戦車の代わりに前線に送られるはずだったのだろう。
しかし乗り手のいない戦車はまったく無用の長物。
今後運用するのならばそれなりの乗り手を探さねばならないだろう。

っとそうこうしているうちにトラック駐車場まで来た。

「ん?」

よく見ると見張りの兵士が捕虜を入れてると思われるトラックから距離をとって見張っている。
そしてトラックからは異様なダークオーラがモワモワとただよっている……

「何があったんだ……?」

アタシは近くにいる見張りに聞く

「あー軍曹……」

くいくいっと人差し指で中を見るように促してくる。
そっと中を覗き込む。
中には三人の男がいた。ノースオリア軍の戦闘服を着ている。

手前の男は本を読んでいる。
題名は「名犬ラッシー」って……
しかし熱心に読んでいる所を見ると真面目らしいが、はたから見ると危ない人に見える。

真ん中の男は寝てる、気持ちよさそうに。
クースカ寝息を立てて自分の立場をわかってるんだろうか?

そして一番奥の男。カタカタカタカタカタカタと貧乏揺すりをしている。
そしてその表情はかなりイラついている。
このダークオーラもそいつから出ていた。

うわぁ……

なにこれ…?
ていうかなにこの状況…?
誰この人たち?

「だれ?あいつら」

アタシは見張ってた兵士に聞く。

「あーこっちにきてから投降してきたオリアの外人部隊っすよ」
「でーなんであんなんになってるわけ?」
「何が気に入らないのか…つかまってからずっとあれっすからね――」
「あっそいつらが捕虜っすか?」

見張りの兵士が二人を見て言う。

「ああ、そうそうということでたのむ――」
「カンベンしてくださいよ……あんなの近づいただけで喰われちまいます!」
「だから離れてるのか……まぁたしかに近づきたくはないなぁ」

ふぅとため息をつきちみっ子たちをその場に残しラキオススピリットの二人をトラックへ連れて行く。
トラックにつくとその濃密なダークオーラに冷や汗が出る。
なんとも居心地が悪すぎる。
しかし中の二人はこのオーラ感じてないのか、それともただ慣れてるのか。
どっちにしろ異常だ。

「ほらっ中に入って」

と聖ヨト語で二人に言う。
二人はビクっと震えトラックの中を覗き込む。
相変わらずカタカタ足を鳴らしイライラしてる男。
覗き込んでる二人を睨みつけた。
ビクっとアタシのほうに向き直り

フルフルフルフルフルフルフルフルフルフルフルフルフル

すごい速さで首を横に振る。
なんか気の毒に思えてきた。

「やっぱあれは無理だよね……」

コクコクコクコクコクコクコクコクコクコクコクコクコクコク
今度は激しく肯定

「でも……」

と言葉を区切り二人の背中を押す

「ここしかないから我慢してねぇ!」

ジタバタもがく二人を一気にトラックの荷台に押し込む。
抗議の表情で見返されたが心を鬼に(?)して乗せた。
自然とBGMにドナドナが流れ始める。






あきらめおとなしく座る二人。
三人が座っている反対側の奥に隠れるように座る。
グリーンスピリットがチラリと男達のほうを見るとイライラしてた男と目が合った。

「あぁ?やんのかこらぁ!!」

それが気に入らなかったのか絡んでくるオリア兵
スピリットの二人は言葉はわからないがビクリと体を震わせその顔を恐怖にゆがませる。
そしてその二人につかみかかろうと腰を上げた瞬間

――ガバッ!!
とその立ち上がった影に抱きつく影
見ると寝てた男であった。

「んんーチューよ!!チューなのよ!!」
「いやぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

何の夢を見ているのか寝てた男は立ち上がった男に熱い口付けをしようと迫る。
この世のものとは思えない悲鳴を上げた。

「てめぇ!!寝ぼけてんじゃねぇぇぇぇ!!」

(音声のみでお楽しみください)
激しい音の後寝てた男(だったもの)がビターンと床に転がる。
その体からはなにやら抜けてはいけないものが抜けかけている。

「ちっ!」

完全にペースを崩された男は舌打しながらもとの場所に座る。
本を読んでいる男は相変わらず読み続けている。
そして何かが抜けかけていた男は奇跡の生還を果たしスピリットの二人にむかって親指を立て「もうだいじょぶだぜベイビー」を表すが、

それを見たスピリット二人は顔を真っ赤にしてうろたえたという。
なぜ赤くなっているのだろうと疑問に思う男だが、人それぞれ事情があると自己完結しお茶を濁したという。


そんな漢の生き様を見たアタシ達は呆れ半分にトラックを後にする。
その責任の50%くらいは押し込んだ自分にあるのだが棚に挙げさせてもらおう。

「――父と子と精霊の御名によって……アーメン」

と、神父さんの祈りの言葉が聞こえてくる。
アタシもすばやく胸元で十字をきり「アーメン」と祈る。
どうやら予期せぬ出来事に皆が動揺しないようにと臨時礼拝を開いていたようだ。

「あれは何してるですか〜?」

とちみっ子赤スピが聞いてくる。

「あれは神様に祈ってるんだよ。私達をお守りください、お救いくださいってね」
「神様?その人が助けてくれるの?」

ああそうか。
この世界にキリスト教なんてあるわけがない。知らないのも無理は無いか
どっちかというと守ってくれるというよりメンタル維持なのだけど。
なにか縋れるものがあるだけで人の心がどれだけ救われることだろうか。
我々極限状態で戦う兵士には特に……
でもまぁ、救われることは確かなのだから下手に夢を壊すのもあれかなぁと思う。

「毎日お祈りして信じていればきっとね」

ほうほうとちみっ子たちは、三色の髪を揺らしながら納得している。

「そっっそれ教えてもらえませんか!」

今まで黙ってついてきてるだけであったルシアがここで初めて口を開いた。
その顔には求めていたものが見つかったという喜びが溢れている。

「い…いいけど、またなんで?」

予想外のことに驚きたじろいでしまう。

「私は……役立たずです…剣もろく使えません。できることといえば敵の魔法を打ち消すことくらいです――」
「――青スピリットなのに前に出れず後ろで魔法となえてるだけ、接近戦になれば隊のみんなの足手まといです」

ルシアの重い告白。
自身の力の無さに落胆し、それでも必死に戦っている。
助けたときも赤スピリットが二人をひきつけていた。
結局やられていたっけか…
たぶんルシアをかばい接近戦の不得意な彼女が二人を相手にしたんだろう。

「そんな私でも、祈ることはできると思うんです。そして神様にみんなが生きられるようにお願いしたいんです」

役に立たないスピリットは処分される世界。
だからこそ生きることに一生懸命なのかもしれない。
それ故に仲間との結束も固い。
役に立てない自分が歯がゆくてたまらないのだろう。

「わかった、じゃあ後で教えてあげるよ」

そんなに一生懸命なのに教えてあげないのは酷なことだと思った。

(だから神様、この子助けてあげなかったら絶対許さないからね)

と軽く神様に脅しかけていると

「わたしも!」「私も〜」「ボクにも〜」

と他のちみっ子たちもなら自分達もというごとくよってくる。

「ボクたちもみんなが生き残れるようにお祈りしたい」

と緑スピリットのアーシア、後ろ髪を刈上げたボーイッシュな子だ。

「私も〜ルシアってとろいから死んじゃわないようにね〜」

とやけに間延びした赤スピリットのルドミラ、その属性特有の色をした髪をショートポニーにした子だ。

「わたし達がいつまでも一緒にいられるようにもね!」

と黒スピリットのルーティア。長い髪をツインテールにした快活そうな印象の子だ。


「はいはい……みんなまとめて教えてあげるから……」

とアタシはちみっ子たちの頭をなでようと――


















――ドクン!!













――!!

















フラッシュバックする記憶













あの日のあの村
















目の前の四人があの子たちと重なる













アタシが……






伸ばしかけた手を止める

「「「「??」」」」

四人はどうしたのかと覗き込んでくる。
我に返り宙をさまよう手をひっこめた。

「な…なんでもないよ」

ぎこちない笑顔で返す。
四人は不思議そうに顔を見合わせる
そしてルシアが何か言おうとした時

「カルロン軍曹!そろそろ時間です。準備してください」

と、出発の時間が来ていたようだ。
アタシは頷く。

「さっ行こうか、アンタ達の国に」

強引に話を終わらせ行こうと促す。
四人は首をかしげながらもみんなのところへと歩いてゆく。
アタシは空を見上げ、祈る。
(主よ……どうか私達をお守りください。私達を導きください……そして我が罪をお許しください…)
胸元で十字を切る。

これからアタシ達はどこへ行くのか……そしてどうなるのか。
まだ誰も知らない。



あとがき
ここまでお読みくださった方ありがとうございます。
遅れること四週間、次のはもっと早く書きたいです。
えーと中隊と合流です。補給隊と一緒だったので当分弾薬には苦労しなさそうです。
まぁ大量のエトランジェでこれじゃ強すぎだろーとの意見ありそうですがこれからの展開上必要なので仕方が無いのです。
とりあえず”ある事件”の伏線を引いてみました。
オリア兵三人もこれから重要な位置を占めていくので楽しみにしててください。
ファンタズマゴリアでの親指立てる行為の意味はなんなんだろうといまだに謎に思う作者です。
しっかし戦闘時の文才ないなー_| ̄|○


用語解説


◆きれいなお花畑
命の危機に陥ると見える亜空間。基本的に自分の前に川が流れており、向こう岸に既に亡くなった家族とか親戚がいる。
それにつられて川を渡るとデットエンドとなるがわたる前に引き戻されることが多い。


◆榴弾
榴弾は内部に充填した炸薬で弾殻を破砕することで広範囲への破片の散布を目的とする砲弾であり、同じ「榴弾」ではあっても前述のその
他の種類の榴弾は構造が違います。まぁ簡単に言うと地面に当たって爆発してるのが榴弾です。


◆T-72
ソビエト製の戦車。
T-72(ロシア語:Т-72)は、1971年にソ連で開発された主力戦車。同国のT-64を補完する形で開発が進められ、技術的にはアメリカのM60パットンやドイツレオパルド1、イギリスのチーフテンと同じ第2世代にあたる。同世代の戦車の中では攻撃力・機動力・防御力のバランスが良かったとされる。今日の第3世代の戦車と比べるとさすがに見劣りはするものの、旧東側陣営で数多く生産された事もあり、バージョンアップを施したT-90などを中心に現在も数多くの国々で使用されている。
性能諸元
全長 9.53 m
車体長 6.86 m
全幅 3.59 m
全高 2.23 m
重量 41.5 t
懸架方式 トーションバー方式
速度 60 km/h(整地)
    45 km/h(不整地)
行動距離 450 km
       600 km(外部タンク搭載時)
主砲 125 mm滑腔砲 2A46M
副武装 12.7 mm機関銃
      7.62 mm機関銃
装甲 複合装甲
エンジン V型12気筒ディーゼルエンジン
780 hp
乗員 3 名
イラクでの見事なまでのやられっぷりのせいで商品価値が下がってしまったかわいそうな戦車。
その失墜したロシアブランドを回復するためにT-90が作られました。


◆M-74
カタリナ連邦の次期主力戦車
まだ生産が追いつかず数が少ないという設定。
物は自衛隊の74式戦車です。ハイスンマセン
74式戦車は61式戦車の後継として開発された第二世代戦車で、総計873輌が生産された。現在では、北海道に配備されている74式戦車が90式戦車へ更新されていく一方で、90式戦車と74式戦車の後継の新戦車の開発が進められている。愛称は「ナナヨン」。
性能諸元
全長 9.41 m
車体長 6.70 m
全幅 3.18 m
全高 2.25 m
重量 38 t
懸架方式 油気圧式
速度 53 km/h
行動距離 300 km
主砲 51口径105mmライフル砲L7A1
副武装 74式車載7.62mm機関銃(主砲同軸)
      12.7mm重機関銃M2(砲塔上面)
装甲
エンジン 三菱10ZF22WT
空冷2ストロークV型10気筒
ターボチャージド・ディーゼル
720 hp / 2,200 rpm
乗員 4 名
某怪獣映画ではかわいそうな位のやられっぷりを見せてくれます。


◆M-24
カタリナ連邦の現主力戦車。
平和が続いてたため、旧式だが代換されることがなかったという設定。
軽戦車のためスピードは速いが装甲はお察しください。
M24軽戦車は第二次世界大戦においてアメリカ軍が開発した軽戦車である。愛称はアメリカ軍戦車開発のパイオニアであったアドナ・R・チャーフィー・ジュニア将軍にちなみチャーフィー(Chaffee)と名付けられた。
性能諸元
全長 5.563 m
車体長 5.03 m
全幅 2.997 m
全高 2.769 m
重量 約18 t
懸架方式 トーションバー式
速度 約56 km/h
行動距離 161 km
主砲 40口径75mm戦車砲M6×1
副武装 12.7mm重機関銃M2×1
     7.62mm機関銃×2
装甲 38 mm
エンジン Cadillac Series 44T24
V型8気筒水冷ガソリン×2基
110+110 hp (220 hp / 164 kW)
乗員 5名(砲塔:3名)
某怪獣映画の一番最初の映画に出てきました。
他には「バルジ大作戦」で全然違う戦車の代理としてうじゃうじゃ登場。
作者はその映画での快速性に惚れて好きになりました。
そのほかその時代近辺の戦争映画に登場けっこうメジャーだったり。
しかし第二次大戦には間に合わなかったかわいそうな戦車。

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