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 イレギュラーズ・ストーリー

 

 

第九章 温泉

 

《旧イースペリア・王都より西》

シンがラキオスを出て五日が経過していた。

今は旧イースペリアの王都の西に暫く歩いたところに来ている。

ラキオスを出るのに館のみんなと色々あったが、みんなに納得してもらえた。

ヘリオンも最後には納得してくれた。だがいつかは彼女のもとに帰るだろう。

ラキオスは現在マロリガンと臨戦態勢にあるらしい。

レスティーナが同盟を申し込んだらしいのだが、マロリガン大統領クェド・ギンはこれを拒否。

逆に宣戦布告を余儀なくされたとの事だ。

現在両国は戦の準備をしている段階だ。

それが終われば、マロリガンとの本格的な戦争が始まるだろう。期間にしておよそ後四・五十日といったところか・・・・。

今までの国と違い、マロリガンは帝国に次ぐ強大な国だ。一筋縄では行かないだろう。

しかもマロリガンには、ユートの親友である岬 今日子と碧 光陰が、エトランジェとしてラキオス王国に対峙する事になるだろう。

その時ユートはどうするのだろうか。またコウインやキョウコ達はどうするのだろうか。

 

 

パチパチと焚き火の爆ぜる音が聞こえる。

もうすっかり夜だ。近くの川で取った魚を食べて今日の夕食は終わりだ。酷く味気ない。

時折、遠くから獣の声が聞こえてくる。その度に【真実】を手元に引き寄せる。

【真実】に会って暫く一人で行動してた時は、こんな事当たり前だったのに、いつの間にか獣の声に怯える自分がいた。

ラキオスに暮らしていた時の事が思い出される。あの日々の何と暖かかった事か。

今は【真実】がいるとは言え、今までとは何もかもが違う。

久しく忘れていた、一人でいるこの感覚を・・・。

・・・・・忘れていた。夜はこんなにも暗く、深いのだということを・・・・。

 

「こうしてると、お前と会った時を思い出すなぁ・・・。」

シンが独り言のように呟く。

『・・・・そうですね。私の事やこの世界の事、自分に起こった事を、あれだけ簡単に受け入れた貴方には正直驚きでしたね。普通の人ならパニックになってますよ。』

【真実】が嬉しそうに話す。

「まぁ、もとの世界には失望してたからな。何か面白い事が起こればいいと常日頃思ってたし・・・・。」

しみじみと言うシン。

「この世界に来てから色々な事があった。それにこれからも色々な事があるだろ?」

『無論です。』

「そうだろう。・・・・偶然とは言え、この世界に来られて、心から良かったと思ってるよ。」

『ずっと、こちらの世界で暮らすのですか?』

「そのつもりだ。向こうの世界に未練は無いしな。まぁ、もっと色んな世界に行ってみたい、ってのもある。この世界の様な異世界が在ったわけだし、他にも色んな異世界が存在してると思うんだ。」

眼を輝かせて語る。それ程嬉しい事なのろう。

『確かにあると思いますが。どうやって移動すればいいのか私は知りませんよ?』

「それは、この世界を旅しながら気長に探すさ・・・・・・。その時は一緒にいてくれるだろ?」

不安げな顔で【真実】に聞く。

『そんな顔しないで下さい。大丈夫ですよ。私か貴方、どちらかが死なない限り、私は貴方と共にあります。』

「うん。そうか!・・・そうか!」

【真実】の言葉に素直に喜ぶシン。

【真実】がいてこその旅路なのだ。

 

『そういえば、まだ聞いてませんでしたが・・・これから何処に行くつもりなんですか?』

シンの傍らに置いてあった【真実】が尋ねてくる。

「うん。このまま、ソーン・リームに行こうと思ってる。マロリガン側からは迂回していけないから山を越える事になるけどな。」

『ソーン・リームですか・・・。』

【真実】の口調が少しドモる。

「何かあるのか?」

『いえ・・・、実はソーン・リームは詳しい事が解からないんですよ。何度か遠見で調べようとした事がありましたが・・・・自治区の中心部はなぜか、見る事ができないのです。』

「ほう!?面白そうじゃないか・・。」

『いえ、私は危険な気がします。・・・・・・・私の予想では、おそらくあそこには神剣の使い手が干渉しているのではないかと思います。それも上位永遠神剣を持つ者ではないかと・・・・。』

「上位永遠神剣?」

聞きなれない言葉に首をかしげるシン。

『はい。永遠神剣の中で一位から三位までの神剣の事です。四位である私の干渉が軽々と防がれると言う事は、その可能性が高いでしょう。』

「上位永遠神剣かぁ・・・・やっぱすごいのか?」

『次元が違います。・・・・私も詳しい事はよく知らないのですが・・・・・、上位永遠神剣とその主は根本的に何かが違うようです。強さもそうですが、存在そのものが、下位永遠神剣の使い手達とは異なると聞いたことがあります。』

「聞いたことがあるって・・・誰に?」

『えっ?・・・・・さぁ・・・・そう言えば・・・・誰にでしょう・・・・ねぇ・・?』

「ねぇ?っていわれてもねぇ。」

どうやら【真実】の持つ知識というのは、【真実】がこの世界で意識を持った時からあったものらしい。たまに自分でもよく解かってない知識を持ち出してきたりする。だからこそ真実を求めているのだろうが・・・・。

「まぁ、いいさ別に。・・・・ソーン・リームの中心部に行くかどうかは、その時に考える事にして、とりあえず山を越えてしまわねばな・・・。明日からは山越えになるからな、しっかり休養をとらねば。此処までくるのに急いじまったからな。」

『そうですね。早く休んだ方がいいんじゃないですか?私は平気ですけど。』

元気な事を見せ付けるかのように光る【真実】。

「・・・・・そりゃお前は俺に担がれてるだけだもんなぁ・・・。」

ずるい、といった顔で【真実】を見る。

『ほほほほほ。』

いやらしく笑う【真実】。

「むっ、そんな事言ってると・・・・さっき街の人が教えてくれた、山の中腹辺りにあるという温泉に入っていかないぞ・・・。」

ボソッと呟く。 

『カッーーーーーー!!!』

「ぎゃっ!」

いきなり【真実】が頭に強制力をかける。たまらなく痛い。

「な、何しやがる・・・ううう・・。」

頭を抑えながら呻くシン。

『そんな事して御覧なさい・・・・・。貴方・・・ふふふふふ・・・・・覚悟はできてるんでしょうねぇ・・・ふふふ・・・。』

そんなシンを無視し、話す【真実】。・・・声が怖い。

「お、落ち着け【真実】。そんなことするわけ無いだろう?オ、オレだって入りたいのに。」

そう。ラキオスを出て五日。その間風呂に入ってない。適当に水浴びや、タオルで体を拭いたりしてきただけだ。

金は持ってないから、宿に止まる事も出来なかった。

要するに風呂好きである【真実】の機嫌が、いつも風呂に入っていた時間帯になると悪くなるのだ。

ラキオスを出て初日なんかは、その事で『やっぱり帰りましょう』とまで言い放った。しかもキッパリと迷い無くだ。

シンは駄々をこねる【真実】を引っ張って何とか此処まできた。

【真実】も途中で諦めたらしく。三日目ぐらいからは大人しくなったが、その時間になると機嫌が悪い。風呂好きなのは何も【真実】だけではないというのに・・・まったくもって疲れる。

ところが今日の昼、街の人から、これからシン達が超える山の中腹辺りに温泉が沸いているという情報を得たのだ。

それはもう、飛び上がらんばかりだった。シンも風呂好きなので、この話は最高に嬉しかった。

その話を聞いたときから【真実】の機嫌は一変してよくなったのだ。

つまるところ、もし冗談でも、行かないなんて事を言ったら・・・・・・・今のようになってしまう。

『解かればよろしい。では早く寝なさい。明日途中で疲れた、なんて言って、立ち止まってもらっては困りますから。』

有無を言わさぬ【真実】の口調に即座に頷くシン。

「それじゃ寝るか!明日は温泉だ!」

『おーー!!!』

久しぶりの旅路とは言え、二人ともマイペースである。

新たなる旅路は、まだ始まったばかりだ・・・・・。

 

 

「ふぅ、ふぅ、ふぅ・・・・・・。こりゃ山って言うより、崖じゃないか。高低差が激しすぎだ。」

あまりの高低差に文句を言うシン。

『ほらっ、頑張ってください。もうすぐで、中腹辺りに着くんですから。』

【真実】がエールを送る。

朝から登り始め、一つ目の山はあっさり越えることができた。この辺りは既にイースペリアではない。ソーン・リームとマロリガンの国境近くになるのだろうか。エトスム山脈と呼ばれている。

そもそもこの道は登山道ではない。登山道はもっと南の方にある。もっとも登山道とは言っても、ほとんど獣道に近いものだが。

とにもかくにも、そこから行けば、なだらかな登り斜面が続くので、もっと楽だっただろう。

勿論シンはそこから上ろうとした。

ところが【真実】が許さなかった。

『此処から上に上った方が早いですよ』と。口調は穏やかだったが、有無を言わさぬ迫力があった。

シンは仕方なくそこから上る事にしたのだ。

最初はよかった。まだ傾斜もそれ程ではなく、木々や草もあって、それに掴まって登れたのだ。

ところが半分を過ぎた辺りから急に傾斜がきつくなった。しかも木々や草といった植物が極端に少なくなり、掴まるところも少なくなっていった。

しかも、ほとんど赤茶けたような土で占められているため、滑るのだ。

(登山道を使っていれば、緑豊かな木々の間を通って行けたのになぁ・・・・。)

「あと少し、あと少し・・・。」

上の方に終わりが見えてくる。正式な登山道だ。

そこまで行けば、距離的にみてあと僅かだろう。

「ハァ、ハァ、ハァーーーーーー着いたぁー!」

やっと登りきった。後はこの登山道を少し登れば温泉が待ってる。

『ほらっ!休んでる暇など無いですよ。あともう一息何ですから。』

「おっしゃ!いくぞ!」

此処まできたら後はもうヤケだ。一気に登る。

『その調子です。』

登っている途中で、《この先温泉》と書かれた木の看板を発見する。あと少しだ。

「それにしても、こんな場所に人が来るのか?」

登山道があるとは言え、ほとんど人が通ってるとは思えない。

『温泉に入る人が来るんですよ、きっと。』

【真実】がそんな事当たり前でしょう、といった口調で答える。

「むぅ〜。まぁいい。おっ!?見えてきたぞ。」

向こうの方に少し開けた場所があり、湯気が立ち上っているのがわかる。

『きゃー♪着いたよ〜シン。』

異様にはしゃぐ【真実】。感情の起伏がほとんど人間と変わらない。

「落ち着け。」

【真実】を諌めたシンは、少し歩き、温泉の側により、手を湯の中にいれる。

「う〜ん♪いい湯加減ではないか。」

『早く入りましょう。』

【真実】がせかす。

「おしっ!入るとするか!」

スパスパっと服を脱ぎ、全裸になる。タオルを腰に巻き温泉の縁に座り、とりあえず湯を浴びる。

そしてゆっくりと温泉の中に体を沈めていく。

湯に浸かり、一瞬息を止める二人。

「・・・・・・はぁ〜〜〜〜。」

『・・・・・・はぁ〜〜〜〜。』

「『気持ち良過ぎだぁ(です)〜』」

二人の声が重なる。

「あまりにも・・・・・・あまりにも・・・・・気持ちがいいではないか・・・・。」

『ふにゅ〜・・・・・・・。』

溶ける二人。もはや何も考えられない。

暫く温泉を楽しむ。

極楽だ。

ピィィィーン

「ん?」

僅かに神剣の気配を感じ、顔をあげるシン。

「今、神剣の気配がしなかったか?」

『気のせいじゃないですかぁ〜・・・・ふぅ〜。』

気の抜けた返事を返す【真実】。

(ダメだ。コイツは当てにならん。)

「まっ、大丈夫だとは思うが・・・・。」

再びゆったりする・・。

しかし、

ピィィィーン

再び神剣の気配を感じる。今度は先ほどよりも大きく、はっきり感じ取る事が出来た。

『・・・・ぬぅ〜。』

流石に【真実】も気付いたらしい。

「やっぱり近くに神剣を持ったやつがいるな・・・・。」

『誰でしょう・・・・。こんなところに・・・・・。』

此処は軍事的な拠点とは程遠いところだ。ラキオスのスピリットとは思えないし、マロリガンとも思えない。

そう考えている間にも神剣の気配は段々と近づいてくる。

「こっちにくるな・・・。」

こっちは、特に気配を隠すようなマネはしてないのだから、相手も気付いているかもしれない。

(オレ達の様に温泉に入りにきたのか、オレ達に用があるのかだな。)

とりあえず、温泉の縁を背にして、神剣の主を待つ。大きな岩が温泉の中央に存在する。ちょうどこれからくる相手とシンを直線で結ぶ線上にあるため、相手がこちらの気配に気付いてなかったら、シンの存在に気付かないかもしれない。

『ふにゅ〜。』

どうやら【真実】は静観を決め込むようだ。だらけきっている。

ザッザッザッザッザ。

そしてついに、問題の人物が姿を現す。

「・・・・・・・・・・・。」

綺麗な女性だった。神剣も持っている。どうやら敵意はなさそうである。

神剣を持った女性が温泉に近づく。

非常に大人びた雰囲気を持つ綺麗な女性だ。

神剣を持っていると言う事はスピリットなのだろうか?

しかし彼女の容姿は・・・。

(・・・・白いな・・・・。)

今まで見たスピリットには無い特徴だ。

その女性は温泉の縁に跪き、手を湯の中に入れる。

湯加減を確かめているのだろうか。

どうやらこちらには気付いてないらしい。

スッと立ち上がる白い女性。

その時、その女性が来た道から別の女性が現れる。

「湯加減はどうだい?イオ。」

こちらの女性は普通だ。おそらく普通の人間だろう。神剣も持っていない。

髪はボサボサだが愛嬌のある顔をしている。二十台後半くらいだろうか。

「はい。問題はありませんヨーティア様。」

白い女性が答える。落ち着いた低めの声だ。

白い女性の方がイオ。後から来た女性がヨーティアと言うのだろう。

どうでもいいが、まだシンに気付かない。どこか抜けている。

「おーし♪それじゃ入ろうかぁ。」

どうやら温泉に入りにきたらしい。よほど入りたかったのか、声が弾んでいる。

「はい。ヨーティア様。」

そう言って二人は服を脱ぎ始める。

(・・・これはまずい・・・・・。)

このままでは、バレタ時に変態扱いされてしまう可能性が大だ。

(まっ、いっかな。神剣の使い手がいるのに、気付かない方が悪いだろ・・。)

シンとてわざわざ、温泉から出てやるつもりもない。

大体そんなことしたら【真実】に殺されてしまう。

そんなシンの存在に気付かず、二人は裸になる。

(・・・・・むぅ〜。素晴らしきは女体の神秘だな・・・・・・。)

イオと呼ばれた女性の体は、それこそ神々しいまでの美しさだった。白い肌がそれに一層磨きをかけている。

そんなシンの考えを無視し、二人はタオルを体に巻く。

そして二人は湯の中にゆっくり体を沈めていく。

「くぅぅ〜。最高だねぇ〜。そう思わないかい、イオ?」

ヨーティアと呼ばれた女性が感嘆の声をあげる。

(『最高なのは当たり前です。なにせ温泉ですから。』)

よく解からない突っ込みをする【真実】。

「はい。ヨーティア様。いい湯加減です。」

二人は暫くそうやって温泉を楽しんでいた。

いまだにシンに気付かないのが面白い。

そうこうしている内に、ヨーティアと呼ばれた女性が動き始めた。

どうやら中央の岩を調べているようだ。

「ふ〜む。珍しい成分を含んだ岩だね。」

科学者なのだろうか。しきりに岩を調べている。

「まぁ、こんなもんだね。」

何がこんなものなのかは解からないが、どうやら満足したらしく。顔をあげる。

「・・・・・・・。」

そこでようやく、岩越しにシンと眼が合う。

(・・・やっと気付いたのか?)

しかし相手は何も言ってこない。キャーとも言わないし、シンの顔をじっと見ているだけだ。

「ヨーティア様?」

ヨーティアの様子がおかしい事に気付いたイオは、同じように中央に近づいていき、同様にシンの存在に気付く。

そして、眼を細めて静かにヨーティアの前に出る。

(人を獣みたいな目で見るなよな・・・・・。)

そこで、ようやく女性が口を開いた。

「あんた誰だい?」

「お前こそ誰だ。」

(『そうだ。誰だ!』)

【真実】共々、即、言い返す。

「レディが入浴中だというのに、同じ温泉に入ってくるのは感心しないねぇ・・・・。」

女性はシンの質問を無視して文句を言ってくる。

しかし、言葉は怒っているようだが、顔はそうでもない。

温泉の中にある【真実】にはどうやら気付いてないらしい。

「お前達が、オレ達が入ってるところに、入ってきたんだよ。気付かなかったお前達が悪い。」

「見ていたのですか・・・・・。」

イオと言う女性が聞いてくる。

「ああ。そりゃあもう、上から下までじっくりと観察させてもらった・・・。・・・・素晴らしく美しい体だ。」

シンは、イオを見ながらそう言葉にした。

白い頬が、赤くなるイオ。

「イオをいじめるのは、よしとくれ。」

「別に苛めている訳じゃない。本心だ。それにアンタみたいなスピリットは初めて見るしな。見とれてしまった。」

実際、白いスピリットとは聞いたことが無い。

(「【真実】は知ってるのか?」)

(『・・・確かに、聞いたことはあります。ですが、現れる事はほとんど稀だそうです。』)

「ま、いいか。」

「何がだい?」

「気にするな・・・・。」

「ところでアンタこんなところで何してるんだい?此処はめったに人は通らないはずなんだが・・・。」

「何って・・・・、温泉に入りにきたんだよ。まぁ、それはついでだがな。」

「ついでと言うのは?」

「俺達は旅してるんだ。此処によったのは旅のついでだ・・・。」

そう言って、温泉の縁に手をかける。

「それより、俺達はそろそろ出る。邪魔したな・・・。」

怪訝な顔をするヨーティア。

「ほら、後ろを向け!それともオレの裸体が見たいのか?」

シンの声に反応し後ろを向くイオと言う女性。

「ちょいと待ちなよ。」

ヨーティアと言う女性に呼び止められる。

「あんたさっきから、俺たちって言ってるよねぇ?見たところあんた一人しかいないようだが・・・・・。」

「・・・ああ・・それは、コイツの事だ。」

そう言ってシンは、温泉の中から【真実】を持ち上げる。

『ぷはぁ〜。』

「・・・永遠神剣・・・・・。」

イオと言う女性がポツリと漏らす。

「・・・・・・・!・・・あんたひょっとして・・・・【真実】のシンかい!?」

ヨーティアと言う女性が驚きの声をあげる。

「おお。よく解かったな。」

「ラキオスにいたエトランジェ【真実】のシンが、最近ラキオスを出たって言う情報が入ってきてたもんでね。」

「ふ〜ん。それで?お前は誰なんだ?それとそちらの女性は?」

「私かい?・・・ふふふふふ・・・・・その名をあまねく世界に知らしめた大天才ヨーティア・リカリオンとは・・・私のことだ。」

誇らしげに語るヨーティア。

「知らんな・・・・。」

一蹴するシン。

「な〜んだって!?・・・・・これだから凡人は・・・。」

知らないものは仕方が無い。

「そんな事より、そっちの女性は?」

「コイツは、私の助手のイオだ。イオ・ホワイトスピリット。」

「イオです。」

「むふふふ。そんな事より・・・・、【真実】をちょいと見せとくれよ。」

そう言って近づいてくるヨーティア。

ピョンとシンの腕に飛びついてくる。

「こらっ!裸のままくっつくな。」

「おやぁ?照れてるのかい。」

ニヤニヤしながら聞いてくる。

そうしながらも、【真実】を手にとって、色々と調べている。

「ほぇ〜コイツが【真実】か。四神剣以外のエトランジェ用の神剣は初めてだねぇ〜。」

何がそんなに珍しいのか、しきりに感心している。

「【求め】よりも強い力があると聞いてるが・・・・・・。」

(『【求め】なんかと一緒にしないで下さい。』)

「・・・・よし。帰って早速研究しよう。」

一人で話を進めている。

「まて、コラ。何を勝手に決めてるんだ。」

「そうですよ。ヨーティア様」

イオも抗議する。

「あたし達の裸を見た代償だよ。」

「お前達が勝手に見せたんだ。だいたい、見られたのは俺も同じだ。」

「まぁまぁ。あんたも旅してるんだろ?今までラキオスに居たんだから、南方の情報には乏しいだろう?色々と情報提供するからさぁ。」

そう言って再び腕に飛びつく。

「こら!くっつくな」

「ねぇ〜いいだろぉ〜。」

ますます絡めてくる。

「分かった!分かった!分かったから離れろ。」

「決まりだね。イオ準備しな。」

「ハイ。ヨーティア様。」

さくっと温泉から上がり準備を始めるイオ。

(まぁ、いいか。確かに情報も欲しいしな。)

(『えっ!ホントに行くんですか?私が色々と弄くられるんですよ?貴方はそれでもいいと?』)

(「女同士なんだから大丈夫だろ・・・・はぁ。」)

サクッと切り返すシン。

(『ガ〜ン・・・そ、そんな・・・・・。』)

シンのみもふたも無い一言に傷ついたらしい。

(「変な事はさせんさ。安心しろ。」)

「ほら。アンタもさっさと上がりな。」

いつの間に上がったのか、温泉の上からヨーティアが覗き込んでいる。

「わかったよ・・・。」

充分温泉は楽しんだ。

次へ移動するのもいいだろう。

 

 

温泉地から二十分くらい歩いただろうか。ぽっかりと穴の開いた洞窟にたどり着いた。

「適当にすわんなよ。」

ヨーティアが声をかけてくる。

「何処に座る場所があると言うんだ・・・・。」

部屋は本に埋もれていて、足の踏み場さえない。

「ちょっとは片付けろよな・・・・・・。」

呆れ口調でシンがポツリともらす。

「うるさいねぇ〜。いいから適当にすわんな。」

そういわれて、シンは適当に座る。本が尻の下にあるが気にしない。

「さて、それじゃあ、取り敢えずラキオスの現状を教えてくれるかい?」

「何故だ?」

「今回の戦はかつて無いほど大きなものになるだろうからねぇ、いろんな国の情報を知っておきたいのさ。」

「お前が今後、ラキオスの敵になるとも限らんじゃないか。そう簡単に教えられんな。」

シンが眼を瞑って答える。

「安心しなよ。少なくとも帝国やマロリガンにはつかないさ。それにラキオス・・・・レスティーナ女王には興味があるんだ。神剣の勇者に導かれし若き女王・・・。あの小さかった国が此処まで来るとは誰も予想してなかっただろうねぇ・・・。」

笑いながら答えるヨーティア。

「お前は予想していたのか?」

「当然さぁ。そこらへんの凡人と一緒にするんじゃないよ。ボンクラ!」

「ふん。まぁいいさ。教えてもどうこう出来るものでもないしな。と言うより、その程度の情報しかやらん!」

「なんだってぇ〜。」

「うるさい。そんなに気になるなら直接行ってくればいいだろう。」

「勿論そのつもりさ。レスティーナ殿とは一度話をしてみたいしね。行くまでに、ある程度は情報を頭に入れときたいのさ。」

「・・・ふむ。まぁ、よしとするか。」

そう言って一息つくシン。

「そうだな。まずはスピリット隊のことから話そうか。・・・・強いぜぇあいつ等は。勿論ただ強いってだけなら帝国やマロリガンの方が上かもしれんな。それでもあいつ等を落とすのは簡単じゃない。」

「ほう・・。何故だい。」

「何より、部隊が一体となってる。【求め】のユートを隊長として、みんなが信頼しあってる。ユート自身は隊長としては、まだまだ問題が多いが、それを副官である【献身】のエスペリアが上手くサポートしてる。エスペリアは良くできたやつだ。勿論エスペリアだけじゃないがな。」

「レスティーナ女王はどうなんだい?」

「レスティーナか・・。あいつはすげぇぞ。結局のところ、スピリット隊が強いのはレスティーナのおかげと言ってもいいだろう。スピリット隊と国が上手く調和している。レスティーナも、スピリット達も、お互いを信頼しあっている。前王の時にはそうでもなかったが、女王となったレスティーナのおかげでますますそれが進むだろうな。」

ふぅ、と息をつくシン。

「シン様、お茶です。」

イオがお茶を運んでくる。

「ありがとう。イオ。」

イオからお茶を受け取り一気に飲み干す。乾いた喉に、気持ちよかった。

「話を戻すぞ。・・・・・それに何よりだ。レスティーナは先の事を考えている。この戦争が終わった後の事を。」

「ほう?この戦争が終わった後の事かい?」

ヨーティアがニヤリとする。

「ああ。具体的な話は聞いてないが・・・少なくともスピリット達を現状から解放するらしい。」

「スピリットをですか・・・・。」

イオがポツリともらす。

「そう。スピリットは今、差別されている。人として見られていない。人の奴隷としてだけ存在意義があるかのように扱われている。それをなくしたいそうだ。スピリットも同じ命。差別意識を持って接する事などあってはならない事、だそうだ。」

「そいつは感心じゃないか。私にもイオがいるからねぇ、人事じゃないよ。」

「スピリットだけじゃない。どうやらこの世界のあり方自体にも疑問を持っていたようだ。・・・詳しくは聞いてないが、エーテルがどうだ、とかいってたな・・・。」

随分前に部屋に忍び込んで、泣かした事があったが、その後も時折話を聞きに言った事がある。その時エーテル関係の事を調べてると言っていたが記憶が曖昧だ。

「な〜るほどねぇ。この世界の在りかたをねぇ〜。いいじゃないか。私の思った通りだよ。やはりレスティーナ殿は只者じゃないねぇ。」

ケラケラ笑うヨーティア。よほど嬉しかったのだろうか。 

「やはり一度連絡を取ってみないとねぇ。」

ヨーティアはそう言って、机の中から紙を取り出し、何かを書き始める。

「何やってるんだ。ヨーティア?」

「見て解からないのかい?手紙を書いてるんだよ。レスティーナ殿に。」

「何て書いてるんだ?」

「そいつは、まだ教えられないねぇ。まっ、強いて言うなら、この世界の問題についてだねぇ。」

ニヤッと笑うヨーティア。

「ふぅ〜ん。まぁいいけど。それより【真実】を調べたいなら調べろよ。早く旅の続きに出たいんでね。」

「せっかちだね〜。どちらにしてもニ・三日は此処にいるんだし、大人しく待ってな。」

手紙を書きながらも、的確に答えるヨーティア。

「ニ・三日か・・・。まぁいいかな。その間は風呂に入れるしな・・・。」

『そうですよ!ここにいる間は温泉があるじゃないですか!』

今まで沈黙を守ってきた【真実】が突然話しかけてくる。

「そうだ【真実】。だから、弄くられるのは我慢しなさい。」

『むっ!むむむむむっ!・・・・・・・ぬぅ〜仕方ありません。温泉に免じて許してあげましょう。』

「光栄の至りでございます【真実】様。」

『ほほほほほ。よろしい。』

「何をぶつぶつ言ってるんだいアンタ?」

手紙を書いていたヨーティア気になって仕方が無い、と言った口調で問いかけてくる。

「あ、いや何。【真実】と話をしていただけだ。気にするな。」

「ふ〜ん。【真実】をはよく話をするのかい?」

ヨーティアが何気なく聞いてくる。

「当然だろ。オレの相棒なんだから。」

「いや。それは結構珍しい事なんだ。第四位、第五位といった高い位の神剣と言えども、契約者と積極的に会話をすることはあまりない・・・と言うより聞いたことがないねぇ。」

「『そうなの?』」

シンと【真実】の声が重なる。

「イオの神剣も第四位の神剣だが・・・、どうなんだいイオ?」

「はい、【理想】も積極的に話しかけてくることはありません。本当に必要な時だけでしょうか。」

「『へぇ〜。』」

またまた声が重なる二人。

「そういえば、ユートの【求め】もそんな感じだったかなぁ。」

もっともユートの場合はコミュニケーションどころか、のっとられかけてる。

「それが普通なのさ。もともと、四位・五位の神剣はこの世界には少ないんだがねぇ、【真実】はその中でも特に変わった神剣のようだね。明らかに他の神剣とは違うようだ。・・・・・むふふふふ。それでこそ、調べがいがあると言うものさ。」

嫌らしい笑みを浮べるヨーティア。

そんなヨーティアの言葉を聞きシンは【真実】を見る。

「お前って変わり者だったのか・・・。まぁ、確かに風呂好きの神剣と言うだけでも、随分変わってると思ってたが・・。」

『知りませんでした。私はこれが普通だと・・・・。まぁ、大した問題はありませね・・・・。』

「全然ないな。」

小気味いい受け答えをするシンと【真実】

あくまでも二人はマイペースだ。

 

「よし、出来た。」

ヨーティアが顔をあげる。手紙を書き終えたのだろう。

「さてと。イオ!」

「なんでしょう。ヨーティア様。」

「悪いんだけど、これをラキオスのレスティーナ殿まで届けてくれないかい?」

「かしこまりました。他に何か言付ける事はないでしょうか?」

「そうだねぇ。この手紙を見るときは、レスティーナ殿とイオと、それから【求め】のエトランジェの三人だけにしてくれ。しかし見るのは、あくまでもレスティーナ殿一人だ。今上げた三人以外は、悪いけど人払いをするよう、レスティーナ殿に伝えてくれ。」

「かしこまりました。」

「今日はもう遅いから、明日の朝に出発してくれ。」

「はい。ではそうします。」

そんなことするくらいなら、一緒についていけばいいのに、と思うシン。

(まぁ、何か理由があるんだろうけどさ・・・。)

『私の予想ですが、あのイオと言うスピリットには戦闘能力がほとんどないのではないでしょうか?』

シンが思った疑問に答える【真実】。

「何でさ?」

『あの【理想】と言う神剣。害意と言うか、殺気というか、戦う意志、闘気をほとんど感じないのです。』

「ふむ・・・。」

確かに、神剣からは普通、マナを感じる事が出来る。例え戦ってないときでも、にじみ出ていたりするものだ。

勿論【理想】からマナを感じないわけではないが、そのマナの感じが、他の神剣と比べて闘気とは程遠い感じだ。

【真実】は相手の力を感じる取る事―――と言うよりは観るといった感じだろうか―――にかけては、他の神剣以上の力があるからよく判るのだ。

「と言う事はだ。一緒についていって、帝国やマロリガンに襲われたらヤバイって事か・・・・。」

「ん?何の事だい。」

ヨーティアがシンの言葉に反応する。

「また【真実】と話してたのかい?」

「ん、ああそうだ。・・・・・なぁヨーティア。」

「うん?何だい?」

「イオは戦えるのか?」

ストレートに聞いてみる。

「いえ、私には戦闘能力はほとんどありません。」

シンの問いに答えたのはイオ自身だった。

「そう。イオには何故か戦闘に関するスキルがほとんどない。おそらく【理想】の特性なんだろうねぇ。普段の生活に便利な能力が多いのは、文字通りイオの理想を具現化したからじゃないかと思う。こんなところで暮らしてるから、生活上何かと不便が多くてね。」

「持ち主の理想を具現化するのか!?すごい力じゃないか!」

シンは驚いて声をあげる。

「いやぁ、それ程大きな理想は具現化できないだろうさ。おそらく、イオの思考とリンクしてるんじゃないかと私は睨んでいるんだが・・・、イオは争いが嫌いだからねぇ・・。多分【理想】自体が血なまぐさい現実を感じさせる争いが嫌いなんだろうさ・・・。」

ヨーティアがしみじみと言う。

「まぁ、戦いなんて、しないにこした事はない。」

シンもしみじみと言う。

「そんな事より、そろそろご飯にしないかい。」

ヨーティアが話を変える。

「そうだな。腹減ったしな。」

「よ〜し。シン何か作りなっ。」

ヨーティアがサクッと言ってくる。

「お前なぁ。オレは客人だぞ、一応・・・。お前が作れ!」

シンが呆れて言い返す。

「なんだと〜、このボンクラ。」

「ヨーティア様・・・。」

イオが止めに入る。

「私が作ります。お二人は大人しく待っていてください。」

有無を言わさぬ口調のイオ。

「お、おお。悪いなイオ。」

「頼むよイオ。このボンクラには明日からせいぜい働いてもらうからさ。」

「てめっ。また勝手な事を。」

「煩いねぇ〜。このボンクラは。男なら小さなことで腹を立てるんじゃないよ。」

「はん!女ならそのガサツな性格を直したらどうだ?」

シンも負けじと言い返す。

「なんだってぇ〜。この麗しの美女を捕まえて、ガサツとは。」

「捕まえた?お前が引っ張ってきたんだろ。」

いつまで経っても終わらない。

ピィーーン。

その時強い神剣の気配が感じられた。

イオだ。空気がピリッとしまる。

「お二人とも、そろそろ大人しくしてもらえませんか?」

イオの口調が怖い。纏ってる空気も怖い。

「せ、戦闘スキルはないんじゃなかったのかよ・・・?」

小声でヨーティアに話しかけるシン。

「ほとんど、と言っただろう、このボンクラ。イオは怒ると怖いんだ。怒らせるんじゃないよ。」

「よろしいですね、お二人とも。」

そんな二人の会話にイオが割ってはいる。

「大人しくしていて下さい。」

「「はい・・・。」」

そしてようやく、その日の終わりを迎えたのだ。

 

 

・・・・・・・ヨーティア達と出会って、既に一週間が過ぎた。

当初はニ、三日で出て行くつもりだったが、温泉があることでついつい長居してしまった。

その間、ヨーティアは【真実】の事を色々と調べていた。

イオはヨーティアに頼まれてラキオスに向かった。レスティーナと接触するためだ。

ラキオスまでは遠いから、帰ってくるのはまだまだ先の事だろう。

シンはそろそろ旅を続けようと考えていた。

 

「それで結局のところ、コイツの事は何か判ったのか?」

シンが【真実】を持ち上げながら、近くに座って調べモノをしていたヨーティアに尋ねる。

「いや〜、残念ながらさっぱりだねぇ〜。確かに【求め】よりも強い力を持ってるようだが、それ以外は他の神剣と変わらない。何故【真実】だけが、それ程の自我を持ち、人間に近い感情を持っているのかは、判らないねぇ〜。」

ヨーティアがため息をつきながら答える。いつものような快活な声ではない。

天才を自称しているだけに、解らないということが我慢できないのだろう。

「単純にコイツが変わってるだけって事かな?」

『失礼な。私は普通です。お風呂が好きなだけの神剣です。』

【真実】が悪態をついてくる。

「充分変わってるよ・・・・・・・。そんな事より、そろそろ旅を続けようかと思うんだ。」

話を変えてヨーティアに言う。

「そうなのかい?それで今度は何処に行くつもりだい?」

「当初の目的どおりソーン・リームへ向かう。」

【真実】をいじりながら答えるシン。

「ソーン・リームか・・・。あそこに関しては私も多くの情報を持っていない。軍事的な侵略価値もほとんどなかったから、どの国もあまり気にしていなかったからねぇ。ハッキリ言って謎が多い場所だ。」

『そうですよ。私もそう言ったでしょう。』

「判らないからこそ、観に行くんだろ。」

色んなものを観るためにラキオスを出たのだ。危険かもしれないからと言って、止める訳にはいかない。

『まぁ、そうなんですけどね。』

【真実】も危険かも知れないと解りつつ、あまり気にした様子は無い。

目的はシンと同じなのだ。危険を恐れていては真実は見えてこない。

「一つだけ教えておくよ。」

ヨーティアがシンと【真実】のやり取りを見ながら言う。

「何だ?」

情報は大いに越した事はない。

「ソーン・リームの最奥地には古い遺跡があると聞いている。昔から神聖な場所として、この世界の人間達に扱われてきた場所だ。と言っても、その遺跡の中に人が入ったという記録はないから何があるのかまでは判らない。気になるなら行ってみるといいさ。」

「神聖視されてきた、古代の遺跡か・・・・。面白そうだな・・・・行ってみるか。」

【真実】曰く、そこには上位永遠神剣を持った奴等が干渉しているかもしれないらしい。

危険かも知れないが、やはり行ってみるべきだろう。

「サンキュー、ヨーティア。」

「な〜に。帰ってきたら情報を分けてくれればいいさ。」

ちゃっかり報酬を要求するヨーティア。

「その辺は任せとけ。明日の朝には出発する。」

「ああ分かった。・・・ああ、それから、多分アンタが帰ってくる時には私はここにはいないと思う。多分ラキオスにいるだろうから、何か用があるなら、ラキオスまで帰ってきな。」

これからの予定を考えてヨーティアがそう提案する。

「分かった。そうする。」

そう言ってシンは【真実】を持って立ち上がる。

「それじゃぁ、最後の温泉に行きますかな。」

『・・・・そうでした。旅立つって事は温泉は今日で終わりなんでした・・・。はぁ・・・憂鬱です・・・・。』

確かにそうだ。特にこれからは北に向かうわけだからどんどん寒くなる。

今は日本で言う夏に近い時期だが、やはり寒い場所では風呂に入りたいところだ。

「『まっ、しかたないな(ですね)。』」

気を取り直して温泉へと向かう二人。

明日には再び旅が始まるのだ。

                                                                                     続く

あとがき

第九章アップです。

今までは、ゲーム本編のストーリーにシンを絡めてきた感がありましたが、そろそろシン独自のストーリーというか、シナリオを書こうかと思います。

と言っても最終的には、やはりもとに戻すつもりではあります。

と言う事で今後もよろしくお願いします。

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