序章 あるエターナル
(………)
「どうした、我が主よ。」
(私がそなたを手にして、どのくらい経ちますか?)
「ふむ、かれこれ……そうだな、一周期以上は経っているはずだ。」
永遠神剣第三位「如水」に話し掛ける。
口調は壮年の男性。
形状は小刀。
そして彼女は、いまや珍しくもない、はぐれエターナル。
「本当に介入するのか?」
「如水」は今回のロウとカオスの闘争に介入するのを良く思っていないようだった。
(ええ、もう決めたのです。カオス側にも伝えてきましたしね。)
(まあ、流石にロウ側には、伝える気も起きませんが。)
(…あの法王の顔は見るだけでうんざりしますから。)
そう「如水」に話す彼女は、本当に楽しそうだった。
さかのぼること数時間前。
異世界へと飛ぶ悠人たちを、見送る巫女服の女性。
倉橋時深。
カオスエターナルの一員。
その実力、能力…そして性格は、皆から一目置かれている。
永遠戦争でキーとなるエターナルの一人だ。
そんな彼女に、とある気配が近付く。
「久しいですね。」
時深は振り向きもせずに語りかける。
「あなたがカオスを抜けてから、何年経ちましたか。」
「…今日は一体、どんな用ですか?」
「……今度の戦争、私も介入させてもらいます。」
平然と時深にそう言い放つ。
「簡単に言ってくれますね。」
「何を企んでいるんです?」
「なにもありません。目的は、恐らくどちらの陣営とも重なるものです。」
「仕方…ありませんね。このことローガスには?」
「すでに伝えてあります。」
静寂の時が流れる。
時深は、それを破るかのように口を開く。
「用件はそれだけですか?」
「ええ。」
彼女は短く答える。
そして―
「そろそろ、お暇します。」と言い時空の扉を開ける。
そして、彼女は何処へと消えていった。
彼女が消えたあと、時深は座り込んだ。
彼女の背中は冷や汗で滲んでいた。
後書き
乱雑な文章ですが、読んで頂ければ幸いです。
永遠神剣第三位「如水」
これといって特筆することはないが、非常に頭の良い神剣。
危機を察知する能力は高い。
彼女
もとはカオスエターナル。
時深とは、仲が悪かったわけではない。
テムオリンのことは、嫌悪している。
ちなみに、姿はスピたん等にでてくるあるスピリットに似ている。