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      ―終わらない鎮魂歌―
         【第三話、ラキオス】



悠人が剣の干渉を受けて倒れた後、繕達は急ぎラキオスに戻り悠人を休ませたのであった。
エスペリアが「ゼン様も疲れていらっしゃるので私が付いています」と言ったが繕は「大丈夫、俺が見てるから」と言って悠人の側に付いていた
(ラキオスか・・・来たのはいいけど佳織ちゃんが捕まっている以上、下手な事は出来ないな・・・)
悠人の側に付きながらそう思う。
(多分俺も戦いに利用されるんだろうな・・・)
自分の意思ではなく他人の命令で戦わないといけないかもしれない自分に腹が立った
(なぁ【刹那】、俺はどうすればいいと思う・・・?)
今は変異させてアクセサリー型になっている【刹那】に聞いてみる
【我には分からぬ、ただどんなことがあろうとお前の信じた道を進め、我はそれに付いていく】
とても頼もしい言葉だった
(そうだな・・・とにかく今は休もう・・・)
そう言い眠りに落ちていった




―翌日 朝

悠人の調子も回復し、悠人が起きやがろうととしいた時だった
「新たなエトランジェがいるのはここか?」
城の兵士が部屋勢い良く入ってくる
「朝っぱらからにぎやかだねぇこの国は」
すると兵士の視線が自分に注がれる
「お前か?新しいエトランジェと言うのは」
兵士が聞いてくる
「そうだと言ったらどうする?」
「城まで一緒に来てもらおうか!」
そう言い返事をする前に腕を掴まれ引っ張っていかれる
「ちょっ!繕っ!」
心配そうに見る悠人
「大丈夫だ、すぐ帰ってくるから」
そう言い城に連れて行かれる
「俺の為に・・・戦わされるのか・・・」
王の性格が良く分かっている悠人がそう呟いた




―同日 朝
 ラキオス城、謁見の間



連れてこられたのは偉そうな重臣達と王座に座っている王が居る所だった
(あーあ・・・来ちゃったよ・・・)
心の中で呟く
するとそこには悠人とエスペリアの姿もあった
(二人も来ているのか・・・)
そう思い王の方を見る
すると王が口を開いた
「そなたが新たに現れたエトランジェか?」
「そうだと言ったら?」
兵士にぶつけた言葉をそのまま返す
「フン、威勢がいいな、報告ではあの龍はお前が倒したそうだな」
王が言ってくる
「そうだねー」
素っ気無く言う、なにしろこの王の態度が気に入らない
(なんなんだよ・・・この態度・・・気に食わないね・・・)
そう言い王の横に目を走らせる、王はその間にも何か言っているが聞こえない
すると繕の目に少女の姿が目に入った
(なんだあの威圧感は・・・王とは違う何かを持っている・・・にしても可愛い・・・)
心の中で無駄なことまで考える
そしてまた王に目線を移す
「よし、お前には我が国の為に働いてもらうぞ」
ニヤリとしながら王が言ってくるしかし帰ってきたのは意外な返事である


「却下だ」


「何?」
「なんだって!?」
王と悠人が同時に言う
「却下だと言ったんだけど?」
そう吐き捨て王のほうを見る
「嫌だとは言わせん、こっちには大切な人質がいるのだからな」
笑いながら言い放つ
「ならお前を殺し、助ければいいだけだ」
その目には殺気がこもっており王もこれは不味いと思い後ずさる
「ふむ、ならば・・・」
次に出たのは以外な言葉だった
「エトランジェ、スピリットよ!あの者と戦い屈服させて見せよ!」
意外な発言に悠人とエスペリアは目を丸くする
「何だとっ!」
「そんなっ!」
驚く二人、しかし繕は動じていない
(二人が居るときから思っていたんだよね、こうなる事は)
「いいぜ」
そう言い【刹那】を変異させ、大鎌へと変える
「正気か!繕!」
驚きが隠せない悠人
エスペリアも驚いている
「お前だって佳織ちゃんが人質な以上逆らえない、そうだろ?」
そう言い構える繕
「くっ・・・仕方ない・・・」
しぶしぶ【求め】を構える
「ゼン様っ・・・覚悟っ!」
そう言い【献身】を構えるエスペリア
(【刹那】、二人を吹き飛ばす程度に力を抑えよう)
そう言う繕
【難しい注文だな、まあ大丈夫だろう、いくぞ】
そう言いオーラフォトンを展開する
(加速・・・)
そう言い速度を格段に上げる
「はぁっ!」
悠人が切りかかってくるが弾き飛ばす
「てぇぇぃっ!」
エスペリアも【献身】で攻撃してくるが、全く当たらない
「くっ・・・早い・・・」
繕の連続攻撃では構え直す暇はほとんど無い
エスペリアの防御さえ持ちそうに無い
「エスペリアっ!いくぞっ!」
そう言い連携攻撃を仕掛ける
すると悠人は背後を取る
「やるね、でも・・・遅い・・・」
加速している繕にはスローモーションにしか見えないのである
「はぁっ!」
大鎌を360度に振るい二人を弾き飛ばす
「これで決める・・・はぁっ!」
そう言い繕の手からマナの衝撃波が放たれる
威力はほとんど無いが二人を戦闘不能にするには十分な攻撃だった
「ぐっ!」
「きゃあっ!」
そう言い立ち上がれなくなる二人
「さて・・・終わり・・・」
そう言い王のほうを睨む
王座に歩いていく繕
しかし王は繕に規制が効くと思いまだ笑っている
しかしそれは無駄だった
「どうした?死ぬのがそんなにうれしいか?」
気が付くと繕は目の前に居たのだ
「な、何故規制がきかんのだ!」
焦る王
レスティーナも同じである、悠人とエスペリア二人を相手に軽々て勝ってしまった相手である
「規制を受けるのは四神剣のみ、その中に【刹那】の名前はないだろ?」
そう言い放つ
「さっ、死ね」
そう言い放ち【刹那】を振り上げたその時だった
「待ってください!」
そう言うレスティーナ
「ん?なんだ?」
可愛い子には弱い繕だった
「今更ですが・・・私達に力を貸してくださいませんか?」
今更か、と思う繕だったが逆らいはしなかった
「分かりました、力を貸しましょう、ただし条件があります」
「なんですか?」
顔色を変えずに聞いて来る
「まずは衣類・住宅・食事の確保、後俺はあんたらの命令は聞かない、あくまで自分の意思で行動するがいいか?」
「構いません」
冷静に言うレスティーナ
「条件さえのんでくれればこの国に留まらない理由はない、俺はこの国の為に尽くそう」
そう言い頭を下げる
「ありがとうございます、心強いです」
そう言い終わると繕は二人を連れて謁見の間から出て行った
「くぅ・・・うかつにあのエトランジェは刺激できんな・・・」
そうしぶしぶ言うラキオス王であった。



―ラキオス城、廊下



謁見の間での出来事が終わりエスペリアと悠人と歩いていた
辺りはもう昼になっていた
「なぁ・・・繕・・・」
不意に悠人が聞いてくる
「ん?なんだ悠人?」
「謁見の間での戦闘のとき・・お前手抜いてただろ・・・?」
「当たり前だよ」
意外な返答に驚く悠人
「あの戦闘は王に俺の条件をのませる為だしそれにな・・・」
少し黙る繕
「それに・・・なんだ?」
悠人が聞いてくる
「あの王に恐怖心を与えたかったからかな、気に食わなかったし」
全く予想して無かった言葉に驚く悠人
「でも・・・お前あのままレスティーナが止めなかったら王を殺していただろ?」
「そうだね」
素っ気無い返事だった
「しかしあの時の戦闘・・・手加減といえど隙がほとんど無かったな・・・」
「確かにそうですね・・・」
そう言う悠人とエスペリア
「そうか?まあそれもコイツの訓練のおかげさ」
そう言い【刹那】を指差す
「一体どんな訓練してたんだよ・・・」
驚く悠人であった
「所でエスペリア」
話をいきなり振られてハッとするエスペリア
「なんでしょうか?」
「俺はどこに住めばいいのかな?」
そういえばまだ聞いていなかった
「す、すみません忘れていました、ゼン様は私達と同じ第一詰め所になります」
「そっか、ありがと」
すぐ礼を言い悠人の方を向く
悠人はどんな質問がくるか大体予想していたようでエスペリアを先に行かせる
エスペリアは何故だろうかと言う顔をしていた
「さてと・・・悠人・・・」
繕の目が光る
「な、なんだ・・?」
笑いながら答える悠人
「君はあんな可愛い子達に囲まれて暮らしていたのか・・・一人で」
一人で、と言うところを特に強くして言う
「それはだな・・・」
慌てる悠人
「聞いた話では第一箇所詰めの他にもスピリットが居るって話じゃないか」
「お前・・・どこでその情報を・・・」
コイツの情報網はどうなっているんだと思う悠人
「ちょいとさっき兵士を脅して聞いた」
ニコニコしながら答える
「しかもお前・・・神剣に飲まれかけて何度か襲ったことがあるそうだな」
いきなり真剣な顔になる、どうやら本題はこれのようだ
「・・・・」
黙る悠人
「神剣の干渉があったとしてもお前は絶対に耐えろ、死んでも耐えろ」
ビシッと言う繕
「でも・・・俺はあの時お前が居なかったらエスペリアを襲っていた・・・」
暗い顔になる悠人
「俺はどうすればいいんだよ・・・」
半泣きである
「悠人、そんな気持ちだから剣に負けるんだ、前にも言ったろ?お前を応援するって」
肩を叩き言う繕
「繕・・・」
「だから負けるな、俺も、エスペリアも佳織ちゃんも、皆付いてる」
「そうだな・・・俺どうかしてた・・・サンキュ・・・繕」
そう言い苦笑する悠人
「礼には及ばんさ」
そう笑って言う
「さて、俺の部屋まで案内してくれよな?」
「おう!」
そう笑いながら言う悠人だった、迷いはほとんど吹っ切れていた




―第一所詰め所 昼過ぎ



悠人に案内され第一所詰め所に到着する繕
「へぇー結構綺麗な所なんだな、建物自体がしっかり作られてるし」
どうして分かるのかさっぱり分からない
部屋についてしばらく悠人と話した後部屋でくつろいでいる繕であった
「とりあえず一安心だな【刹那】」
【うむ、やっとまともな所に住めた感じがするな】
今までは洞窟やら木の下やら、まともな所で寝ていなかったからだ
「ふぅーっ」
ベットに横になる
(疲れたなぁ・・・)
朝から謁見の間での戦闘や色々な事があったのだ
ただでさえほとんど寝てないのである
(疲れた・・・お休み・・・【刹那】・・・)
そう心の中で思い眠りに落ちていく




―数時間後、第一所詰め所
  繕の部屋



「ん・・・んん・・・」
目を少しづつ開く繕
(そっか・・・俺疲れて寝てたのか・・・)
外を見るとよう夕方である
「4時間くらいたったのかな・・・」
そう思い色々考えていると
「そういえば一所詰めではまだ悠人とエスペリアにしか会ってないよな・・・」
まだここではアセリアとオルファに会ってないのである
「ちゃんと挨拶しとかないとな・・・」
そうポツリと言い部屋を出る。
下に降りるとそこにはアセリアが居た
「アセリア」
アセリアを呼び止める
「ん・・・」
いつもながら無口である
「これから一所詰め所に住むことになったんだ、これから宜しく」
「ん・・・うん・・・」
素っ気無く答えるアセリアだった
その後オルファにも挨拶しに行ったがオルファは明るく返答してくれた
(何でアセリアってあんなに無口なのかな・・・)
そう思う繕であった



―館の食卓 夜


アセリアとオルファへの挨拶が終わり、食事に行った
食卓に着くとそこには様々な料理が置かれていた
「凄い・・・」
つい口に出てしまう自分だった
「ありがとございます」
笑顔で答えるエスペリア
(悠人はいつもこんな食事を彼女達としていたのか・・・)
まさに光陰が居たら飛びつきそうな光景である
(にしても岬と碧は一体何処にいるんだ・・・)
そう思い食卓に着く
その後他愛無い話をしながら食事の時間を過ごしたのである



―第一所詰め所 夜



(・・・・)
寝付けない
(寝れない・・・)
そう、昼に少し寝ていた為寝れないのである
それに寝るにはまだ早すぎる時間だ
(風呂にでも行くか・・・)
そう思い【刹那】を置いて行こうとした時だった
【待て】
「ん?」
【刹那】のいきなりのストップに驚く
【我も連れて行け、繕】
その言葉に驚く繕
「お前・・・感覚とかあるのか・・・?」
【失敬な、下級な神剣と違ってあるわ!】
すこしむくれて言う【刹那】
「分かった、分かった、じゃ行くか」
そう言い風呂場に向かう



―大浴場



(ふうー・・・)
まさに生き返ったと言う感じで和む繕
【まさに極楽だな】
今はアクセサリーとして首から掛けている【刹那】もそう言う
(全くだ、生き返るな、まさに極楽浄土・・・)
そう言い湯に身体を沈めていく
しかし湯煙に隠れて他に人がいるのに気づかない繕だった
湯煙に隠れていた彼女の姿を
「ああ・・・行き返るわ・・・」
つい口に出てしまう
「うん・・・・」
そう言うアセリア
え、待て今誰が居た?
「そうだなー、アセリア・・・って・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ!!!」
かなり驚き目を見開く
「・・・・・ん?」
アセリアは全く気にしてない様子
「いつからそこに居たんだ・・・」
一旦落ち着いて風呂に入りなおす
「ゼンが入ってくる前から居た・・・」
そう言うアセリア
「そ、そうなのか・・・」
全く居ることに気づかなかったと改めて思う
「ゼン・・・」
「ん?なんだアセリア?」
「なんで神剣も一緒に居るの・・・?」
尋ねてくるアセリアだった
「神剣って・・・なんで分かるんだ?」
完全に変異させて分からなくさせている筈である
「気配でなんとなく分かる・・・」
「なるほどな・・・」
そう言い改めて質問してくるアセリア
「それでなんで神剣も一緒に居る・・・?」
「ああ、こいつが自分も行くって聞かなくてな」
そう苦笑しながら言う
「そうなのか・・・」
アセリアが言う
「【存在】は話し掛けて来ないのか?」
疑問に思い聞いてみる
「ほとんど無い・・・」
「そうなのか・・・」
「ちゃんとした自我を持つ真剣は少ないってエスペリアも言ってた・・・」
「へえ・・・」
そう言うとしばらく沈黙が流れた後アセリアが口を開いた
「ゼン・・・」
「ん?」
「ゼンはユートの事どう思ってる・・・?」
アセリアにしては珍しい質問だった
「そうだな・・・大切な・・・友達だよ・・・」
「そうなのか・・・」
アセリアが言う
その後はほとんど口を聞かなかったがなんとなく距離が近づいた感じがしたゼンだった。



―第一所詰め所 悠人の部屋付近



大浴場での一件があった後、自分は悠人と話をする為に部屋に向かっていた
(確か・・・こっちであってたよな・・・)
道に迷ったようだ
【全く・・・自分の住居内で迷うとは何事だ・・・】
【刹那】は完全に呆れている
(仕方ないだろ・・・ここの構造良く分かってないんだし・・・)
そう言い悠人の部屋をやっと見つけて入ろうとした次の瞬間だった
「止めてくれ・・・エスペリア・・・」
(ん・・・?)
部屋の中からそんな声が聞こえる、怪しいと思い耳をドアに近づける

「でもユート様・・・もうこんなになってますよ・・・」
「うぅっ・・・」
「そう言うユート様も気持ち良さそうじゃないですか・・・」
(な、ななななな、何してんだあの二人は・・・)
部屋の中で起こっている出来事に唖然とする繕
【繕よ、盗み聞きとは感心しないぞ?】
【刹那】が言う
(だからって・・・これは・・・)
そう思う
「くっ・・・エスペリア・・・気持ちいいっ・・・」
「出したくなったら出していいんですよ?ユート様・・・」
混乱しつつ溜息をついた
(邪魔しちゃ悪いな・・・)
そう思い部屋に戻っていく
(全く・・・なんなんだ・・・あのエスペリアは・・・)
そう思いながら部屋に戻って行った


―第一所詰め 翌日、朝


昨日あんな事があり、未だに混乱している繕だった
(昨日のあのエスペリアは一体なんだったんだ・・・)
いつもと変わらないように食事をしているエスペリアを見て思う
(まさかあれは夢・・・な訳ないよな・・・)
自分の中で思考を交差させ考える
「ゼン様?」
いきなりエスペリアに話しかけられ驚く
「な、何」
ハッとして現実に戻る
「どうなされたのですか?朝からボーっとして?」
不思議そうに見つめてくる
「いや・・・ちょっと考え事してただけだ・・・」
「そうですか・・・」
そう言うエスペリア
しかし昨日の一軒のせいかあまり食事が通らなかった
「悠人、ちょっと後で来てくれ」
「え?別にいいけど・・・」
了承する悠人
(やっぱり・・・ちゃんと聞いておかないとな・・・)
そう思ったのだ
そして朝食の時間は過ぎていった。



―第一所詰め所周辺の森



繕は悠人を連れて近くの森まで来ていた
辺りは朝の後を感じさせる雰囲気だ
「繕、なんだ話って」
悠人が聞いてくる
「単刀直入に言おう、昨日エスペリアと部屋でしていた事はどうゆうことだ?」
「なっ・・・」
見られて居たのかと驚く悠人
「繕・・・見ていたのか・・・」
「見てない、ドア越しに聞いていた、しっかりとな」
「・・・・・・・」
黙る悠人
「何故エスペリアとあんな事を?俺が来る前からああなのか?」
「違うんだ」
そう言い、部屋にエスペリアが来た理由を話した

「なるほどな・・・」
少し黙る繕
「でもなんでエスペリアを拒まなかったんだ?」
「それは・・・」
苦い顔になる
「お前は神剣の干渉を受けてなかった、それを引き起こしたのはお前の弱さだ」
キッパリ言い放つ繕
「そうだな・・・」
そう言う悠人
「お前はエスペリアを拒まず快楽を得ていた、違うか?」
厳しい言葉である
「・・・・」
「それを乗り越えないとお前は何も護れないよ」
そう言い悠人から離れていった
「俺は・・・なんて弱いんだ・・・」
そう繕が立ち去った後言う悠人だった



―訓練所 昼前



「ハァッっ!」
繕は【刹那】を手に訓練していた
わずか1秒で2、3回空を切る、勿論神剣の加護は受けてない
「はぁはぁっ・・・」
もうあれこれ2時間ぶっとうしだからだ
(くっ・・・まだだ・・・俺はもっと強く・・・)
【繕、無茶をするな】
心配そうに言う【刹那】
(ああ・・・すまない・・・)
そう言い手を止める
そして近くに座り込んだ
「ふぅっ・・・」
一息つく繕
するとエスペリアがこちらに来るのが分かった
「ゼン様」
「ん?どうしたんだ?エスペリア」
「レスティーナ様がお呼びです」
用件を伝えるエスペリア
「レスティーナが?」
なんだろうと思い急いで謁見の間に向かう繕だった



―ラキオス城 謁見の間


到着するとレスティーナから佳織に会わせてくれると言う話を聞いた
それに驚く二人だった、特に悠人
「悠人、落ち着けよ」
そう言う繕
「でもやっと佳織に会えるんだ」
子供のように嬉しそうだ
(にしても何故だ・・・何故佳織ちゃんに会わせてくれる?)
そんな疑問を抱いたが今は考えないことにした
するとレスティーナが戻ってきた、そこには佳織が居た
「佳織・・・」
「お兄ちゃん・・・」
再開を喜ぶ二人を見つめつつ安心する繕だった
(なんとか一安心だな・・・)
そう思っていると感動の再会は終わったようで佳織がこちらを向いている
「神崎先輩・・・」
「や、佳織ちゃん」
笑顔で答える
「お兄ちゃんが色々迷惑掛けて無かったですか?」
兄の前にも関わらず聞いてくる
「そりゃかなり掛けてたさ」
悠人の方を見ながら言う
「でも悠人だって佳織ちゃんの為に頑張ってたんだよ?」
優しい口調で言う
「そうだったんですか・・・」
そう言う佳織
「もういいですか?」
そう言うレスティーナ
「ああ、ありがとなレスティーナ」
そう言う悠人と繕
「佳織ちゃん、頑張るんだよ」
そう言い頭を撫でて出て行く二人だった
(悠人の迷いは吹っ切れた・・・かな?)
そう思う繕だった
そして自分自身も、大切な仲間達も護りたいと思う繕だった





to be continued



後書き


はい、なんとか第一章完です。
しっかし誤字が多い・・・注意しなければ・・・
次回からは二章を書いていきますので宜しくお願いします
ではお元気で。

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