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             序章、終わる日常、全ての始まり、

             【第一話 消えていく日常】



―西暦2008年12月10日
 繕の自宅
 自室


ジリリリリリリ!!

けたたましく目覚しが鳴っている・・・

時刻は7時30分を指していた

(ったく・・・ウルサイなぁ・・・)
心の中でそう思う
(もう一眠りしよう・・・)
再び布団に潜り込む

ジリリリリリリ!!

まだ目覚しが鳴っている、止めようにも目覚しに手が届かない

(しゃーない・・・起きるか・・・)

ガバッ

しぶしぶ起きて時間を見る

「7時・・・35分か・・・」

そう呟くとあくびをしながら起きた


 

            ―終わらない鎮魂歌―

―西暦2008年12月10日 
 朝 通学路

「ヤバイ・・・眠すぎる・・・」
通学路を歩きながらぼやく
「つーか、普通通学路にこんな長い坂作るか?普通」
誰も居ないのに聞いてみる、勿論返事はこない
(空しいね・・・俺・・・)
その思いあくびをしようとした次の瞬間だった

ドォォォオオオン!!!

「な、なんだ?!」
後ろを振り向く、すると人影があった
「アンタのせいでしょうがぁっ!!!」
どうやらさっきの音の原因はそこにいた彼女にあったようだ・・・
(あ・・・確か・・・)
ねぼけているので良く思い出せない
「うむ、健気な妹に駄目兄貴ユートは佳織ちゃんにもっと感謝が必要だな」
見るからにゴツい少年が言った
「あ、今日ちゃん碧先輩遅れて御免なさい!」
(ああ・・・碧と岬、それに高峰と妹か・・・)
やっと思い出す自分であった
そう、この3人は学校で有名なあの3人組である
となるとさっきの音の原因は1つとしか考えようが無い
そう、ハリセンである
(やべ・・・このままだと)
自分も餌食になりかねないと思い急いでその場を立ち去ろうとしたその瞬間
「「あ」」
被害者の悠人と目が合った
これはまずいと思い急ぎ立去ろうとすると
「おーい神崎」
悠人に呼び止められる
(・・・野郎・・・道連れにする気か・・・)
しかしそう思ってももう遅い碧と岬がもう既に気づいている
「あ、神崎じゃない!」
「おう神崎、おはよう」
もう遅いと判断した自分は振り返り
「お、おはよ・・・」
無理矢理笑みを作ってそう言った
(あれ・・でも俺って岬の標的にならないよな・・・)
そう思う
(よし・・・大丈夫だ・・・)
なんとか安心し、高峰一行と歩き始める
「ところで悠人、なんで朝っぱらから岬のハリセン食らったんだ?」
ふと聞いてみる
「そりゃ悠が寝坊するから悪いんでしょ!!」
岬が答える
「ああ・・・なるほどね・・・」
目を細めて悠人を見る
「な、なんだよ・・・」
悠人が言う
「まっ、どんまいだな」
笑いながら言う
「まあ今日子のハリセンは痛いからな、うん」
碧がそう言う
「所で高峰、本当に大丈夫なのか?頭」
「うん、お兄ちゃん本当に大丈夫?」
佳織もそう言う
「大丈夫だって悠人は毎日食らってんだから」
「いや・・・でも・・・」
佳織が心配そうに言う
「くぅ〜佳織ちゃんは本当にいい娘だなぁ。よし俺の妹になろう」
次の瞬間またアレが来た

ドゴォオオオオオオン

また今日子のハリセンであるまさに容赦無い・・・
「光陰〜」
笑いながら岬が言う
(流石にこれ以上は・・・不味いよなぁ)
そう思い碧を助けてやる事にした
「まぁ岬、落ち着けよもう時間8時10分前だぜ?遅れたら不味いし、な?」
そう言うと我に返ったようになった
「えっもうそんな時間!また掃除当番は絶対嫌だからね!!」
そう言うと岬はもう走り出していた
「ちょっ今日子、待てよ!」
悠人がそう言う
「やれやれ・・・」
繕もそう言い駆け出す
「ちょっと待ってくれよぉぉぉぉ!」
ハリセンを食らった光陰がそう言う

そう、こんな日常が続くと思っていた、でも時期に自分達の日常は音を立てて崩れていくことは誰も知らない


―12月11日
 朝 ホームルーム前

今日は1人で学校に来た為到着してもまだ時間に余裕があった
「さってと・・どうするかな・・・」
そうぼやいていると
「あっ神崎先輩おはようございます!」
そこに居たのは悠人の妹、高嶺 佳織だった
「ああ、佳織ちゃんおはよう」
笑って答える
「高嶺は?」
ふと思い聞いてみる
「お兄ちゃんはさっき教室に向かいましたよ」
(ああ・・・入れ違いになったのか・・・)
「所で佳織ちゃんどうして高等部にいるんだい?」
「お兄ちゃん忘れ物しちゃって届けに来たんです」
笑顔で答える
「そっか、なら俺が届けとくよ」
「えっ!いいんですか?」
「お安い御用さ」
笑って答える
「じゃあ宜しくお願いします」
そう言うと中等部に戻っていった
(いい子だよなぁ・・・佳織ちゃん・・)
悠人とは正反対だと思った
そして帰ろうとしたその時だった
「おい、神崎」
不意に声を掛けられた
「ん、ああ秋月か」
そうそこにいたのは秋月 瞬 だった
「なんかようかい?」
そう素っ気無く聞く
「神崎、お前さっき佳織と一緒に居たな、何をしていた?」
自分を殺気染みた目で見つめてくる
「別に、君の知ることでもないし関係ないだろ?」
「なんだと?」
そう言い近づいてくる
「何?やるの?まぁここで君が問題起こしたらどうなるか・・・分かってるよね」
「チッ・・・」
瞬が舌打ちする
「後さ、これだけ言わせてほしいんだよね」
「何だ?」
まだこちらを睨み付けている
「君がそうやって佳織ちゃんを縛り付けて佳織ちゃんはどう思ってるかな、僕がいえる事じゃないかもしれない、だけどね・・・」
そこで言葉を切り、言う
「言って悪いかもしれないけどさ秋月、正直迷惑だよ」
「何だと・・?おい、もういっぺんいってみろよ・・・!」
「迷惑だって言ってんだよ、聞こえなかったかな?」
「貴様ぁっ!」
拳を振り上げ殴りかかってくる、がしかし

ヒュッ

瞬時にそれをかわし瞬の腕を弾き飛ばす
「暴力は感心しないね、暴力は」
「チッまぁいい・・・覚えておけ・・・」
「嫌だね、後出来る限り僕達に近づかないでほしいね、迷惑だから」
そう吐き捨てると教室戻っていった
(クッ・・・神崎・・・今に見てろ・・・)
そう思い瞬も戻っていった






―同日 昼休み
 中等部 廊下

昼休み、特にやる事も無く中等部の廊下を歩いていた、すると聞き覚えが有る声が聞こえた
(ん・・・?この声は・・・)
声が聞こえるほうに向かってみる
「嫌っ!離して下さい秋月先輩っ!」
(チッ・・・また秋月か・・・)
「なんで嫌がるんだい佳織?僕が酷い事するわけないだろう?」
「佳織に話があるだけだよ」
「痛いっ!!」
それを見て飛び出した
「おい秋月何をやつているっ!!」
「神崎か・・・」
「佳織ちゃんは嫌がってるだろその手を離せっ!!」
「君には関係ないだろ、神崎」
「なら仕方ないね」
瞬の手に打撃を与えその隙に佳織の手を離させる
「っ!!!」
一瞬の痛みで瞬は怯む
「貴様・・・上等だ・・・」
繕は佳織をかばうようにして立つ
「悪いけど、佳織ちゃんを渡すと悠人に申し分ないんでね」
そう言い睨み付ける
「瞬っ!何をやっているっ!」
「お兄ちゃん・・・」
安心したように佳織が言う
「さて、どうするかな秋月2対1だ」
苦笑いして秋月を見る
「フン、まぁいい所詮高嶺、お前は疫病神だからな」
「なんだと・・・!!」
「落ち着け、高峰」
殴りかかりそうな悠人を抑える
「言いたいことはそれだけか?終わったのなら早く消えてくれないかな」
繕が吐き捨てる
「秋月先輩・・・もう行ってください・・・」
「もう教室に戻らないといけないから・・・」
「そうか、佳織がそう言うなら僕は引こう」
「貴重な時間をコイツの為に無駄にすることも無い」
そう言うと瞬は教室に戻っていった
「お兄ちゃん・・・神崎先輩・・・ごめんなさいこんなことになって・・・」
「佳織ちゃん・・・」
佳織を見ているとなんだか可哀想になってくる自分であった
「ごめんなさい・・・」
佳織がまた謝る
「佳織ちゃんのせいじゃないって、ほら元気出しなよ、悠人お前も感情抑えろよ?」
「悪い・・・またやっちまった・・・俺・・・」
(結局、俺もこの二人と似たようなものなんだな・・・)
そう思い、佳織を中等部に返した後教室に戻っていった







―同日 夕方
 通学路
授業も終わり、悠人達と話しながら帰っている途中だったしかし悠人が浮かない顔をしているのが分かった
「高嶺、どうしたんだ?くらい顔して」
「神崎・・・」
「そんな顔してたら幸福が逃げちまうぞ」
笑いながらむ言う
「そう・・・なのかもな・・・」
「え?」
「ちょっとー二人共早くしなさいよー!」
今日子がそう言う
(こりゃなんかあるな・・・)
「悪い、後で追いつくから先行っててくれ」
そう言うと今日子と光陰を先に行かせる

しばらくの沈黙が流れる

「さて・・・と、高嶺、何悩んでんだ?」
「神崎・・俺ってやっぱり疫病神なのかな・・・?」
ストレートに聞かれて自分も驚いた
「何故そう思う?」
すると悠人は父と母が飛行機事故で亡くなった事、瞬が昔佳織と仲が良かったこと、そして自分は佳織と血が繋がってないこと
それを話した。
「なるほどね・・・」
「なぁ、神崎俺が居たらお前も今日子も光陰も不幸になるんじゃない・・「馬鹿か?お前は」」
いきなり言われて悠人は目を丸くする
「え?」
「お前さ、聞くけど今俺は不幸か?碧に岬は今不幸なのか?」
「佳織ちゃんも俺等もお前と居るとき笑ってるじゃないか」
「でも、俺のせいで父さんと母さんは死んだっ!」
「あれは事故だったんだろ?でもそう思うなら護って見せろよ、お前自身も佳織ちゃんも、皆さ」
「神崎・・・」
「おまえが護ろうとするなら、俺は応援するぜ?」
苦笑しながら言う
「そっか・・・そうだな・・・ありがとう、なんか吹っ切れた・・・」
「それでいい、さ、二人に追いつくぞ」
そう言って走り出す
しかしまだ知らない近くない未来に僕達は離れ離れになることを・・・



―西暦2008年12月12日

もう冬本番に差し掛かってきた、風が身に染みるほど寒い
(なんだこの寒さ・・・これが世に言う異常気象か?)
まったく違う
(にしても災難だな悠人は、舞台の主人公だもんな)
そう、悠人は演劇の主役になってしまったのである
(今の時間なら丁度神社で練習してる頃か、行ってみるか)
そう思い神社へ駆け出す


神社に到着して悠人達の影を見つけると
「おーい高嶺ーっ」
「あれ?神崎どうしてここに?」
近寄ろうとした次の瞬間

ピカッ

辺りをまばゆい光が覆う
(クッ・・なんだこれはっ・・・)
次々に悠人達の声が聞こえてくる
(お兄ちゃんっ!!!お兄ちゃんっ!)
(佳織、佳織っ!)
そんな声が聞こえてくる
そして僕達は光に飲まれていった


【どうやら・・・時が来たようだ・・・我の主が・・・】


to be continued



後書き


皆さん、こんにちわ作者の蓮です
なんか少しおかしい部分もありましたがそこは見逃してください・・・汗
どうやら高嶺を高峰としていた事が発覚して・・・まことに申し訳ありません・・・
それでわ皆さんまた次作で会いましょう、でわ。

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