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                                            ―――刻み続ける時の中で―――

 

 

 

 

 

 

 

佳織が拉致され、数日が経った

 

今はレスティーナが和平会談の真っ最中で俺とセリアはその護衛をしている

 

「それでは・・・やはり和平は無理なのですね」

 

「申し訳ないね、若き皇女よ」

 

目の前に居る男はマロリガンの大統領、クェドギンだ

 

何故悠人が居ないかというとそれは簡単だ

 

あの二人がここにいるかもしれないからだ

 

「今日はもう遅い、泊まっていくといい、安心したまえ、敵の寝首はかかないよ」

 

とりあえず遅いということで泊まっていく事になった

 

そして

 

 

夜になった

 

 

 

 

「レスティーナ、なんかあったら叫べよ」

 

「わかっています」

 

流石に女性と同室は不味い、うん、俺も男だし

 

そして数時間後

 

 

 

 

 

ザッ

 

 

 

「ん?」

 

セリアも何かに気がついて神剣を構える

 

「セリア、ここを頼む・・・見てくる」

 

静かに頷くのを見て俺は走る

 

 

 

どれくらい走ったのか

 

俺は気配のする方向に走った

 

気がつくと城内の広い庭に来ていた

 

「・・・何もないな・・・」

 

気配が消えているのだ、だが警戒は緩めない

 

【変な気配がする・・・力開放するよ】

 

(・・・分かった)

 

元々、今まで使っていた剣はマナの結晶だ

 

しかしこの気配は間違いなく桁違いだ

 

【いくよ】

 

次の瞬間、剣が消えて両手には2丁のサブマシンガンを持っている

 

(なんでもありだな・・・)

 

【必要に応じて色んな形に変えれるよ】

 

まあ元々形を変えれる神剣だし

 

仕方ないかな

 

そして次の瞬間

 

 

 

ドーン

 

 

「やっぱりきたか」

 

【予想的中ってね】

 

空から落ちてきた紫の雷

 

それを軽く回避

 

 

 

 

ブォォオン

 

 

「おっと」

 

 

後ろから剣が振り下ろされた

 

 

すかさず2人居る敵の方向にサブマシンガンを向け打つ

 

 

 

 

キィイイイン

 

 

2本の神剣が弾かれる

 

「やるな、佐藤」

 

「やっぱり光陰か・・・」

 

「とすればっ!!」

 

もう1人が神剣を持ち直し切りかかってきた

 

「今日子、おいたはいけないぞ」

 

距離が詰められそうな瞬間

 

「トライデントアーツ」

 

強力な三段蹴りが今日子にヒットした

 

腹部に強くヒットし気絶した

 

 

「さてと・・・事情を話してくれないかな」

 

「そうだな・・・まず今日子のことから」

 

光陰が観念したように話した

 

「なるほど・・・」

 

どうやら今日子は神剣に支配されたようなのだ

 

「そういうことだ」

 

「事情は分かった・・・でも」

 

「ん?」

 

「相手がお前達でも容赦はしない」

 

事情があっても・・・俺にだって悠人や皆がいる

 

「そうか・・・」

 

 

それだけ言い残し、俺は戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

−翌日

 

 

 

 

 

あの一軒の後俺達はラキオスに戻った

 

マロリガン戦まで後4日

 

俺はふと城内に来ていた

 

 

 

【だーかーらー、そっちは違うってー】

 

「いや・・こっちのはず・・・」

 

勿論迷っている

 

「こっちであってるはず・・・ん?」

 

何もない部屋だがなぜか目に留まった

 

「こっちかな・・・」

 

【だから違うってー】

 

すると

 

何の前触れもなくそれは来た

 

 

ドクン

 

 

 

え?

 

 

 

 

 

一瞬何かの映像が頭をよぎる

 

白いマナに覆われた長いブレード

 

それが地面に突き刺さっていてる

 

 

 

 

【愁?】

 

「あ・・・ああ、悪いボーっとしてた」

 

部屋を出ようとしたが

 

 

「愁?」

 

「セリアか・・・助かった」

 

セリアが立っていた

 

 

「・・・また迷ったんですか?」

 

「んー・・・そんなとこだな」

 

そしてその部屋を後にして館に戻った

 

あの剣はなんだったのか

 

そんな疑問を残して

 

 

 

 

 

−館

 

 

 

マロリガンとの戦闘まで後僅か

 

待ちはやはり落ち着きがなかったし

 

悠人や皆も同じだった

 

だがテムオリンの言っていたロウでもカオスでもない奴とは誰なのか

 

それが気がかりだった

 

そして俺はいつもの丘にきていた

 

 

「マロリガン戦まで後僅か、そして正体不明のエターナルか・・・」

 

ボソリとつぶやいた

 

【確かに正体不明っておかしいよね・・・カオスなら分かる筈なのに】

 

「確かにそうだよな・・・だとしたら中立・・・なわけないよなぁ・・・」

 

中立がこの世界に関与する理由などない

 

「まったくもって謎だ・・・」

 

【だよねぇ・・・とりあえず、戻ろうか】

 

「だな」

 

立ち上がり戻ろうとしたそのとき

 

 

 

 

 

キーン

 

 

 

「ぐっ・・!!」

 

頭脳によぎる1本のブレード、刃渡りは約1メートルほど

 

そしてその周りに巻きつく鎖剣

 

「はぁっ・・・」

 

【また例のがきたの?】

 

「みたいだ・・・なんなんだろうな・・・これは」

 

あの部屋に入って以来ずっとこの映像が頭に伝わってくる

 

【わかんない・・・愁が言うような真剣に心当たりは・・・】

 

急に氷炎が喋るのを止めた

 

「どした?」

 

【なんでもない・・まさかね・・・・】

 

疑問を抱きつつ戻ろうとした時

 

 

 

 

 

「初めまして、でいいのかな」

 

 

 

 

 

振り向くとそこにはまだ幼い自分と2つか3つかしか違わないような少女が立っていた

 

青黒いしなやかなストレートヘヤー、幼いながらしっかりとした顔付き、彼女は何かが違った

 

・・・最近変な事よくおこるなぁ・・・

 

そんな気持ちも彼女の言葉で吹き飛ばされた

 

 

「君は・・・?」

 

 

 

 

 

 

「私は永遠神剣第一位【宿命】の主、ミューギィ」

 

 

 

・・・・・・え?

 

【ミューギィ!?君は確かロウの最深部で眠っているんじゃ・・・】

 

「ええ、今ここにいる私は宿命の力を使って意識と影だけ飛ばしてるの」

 

「氷炎・・・話が読めないんだけど」

 

【あ・・ごめん、彼女は実質上ロウのトップに立っている宿命のミューギィだよ】

 

「ロウのトップ?!」

 

驚いた、自分と少ししか違わないような少女がロウのトップに立っていたなんて

 

「でも意識と影だけ飛ばしてるって・・・」

 

「そうですね・・・まずそこから説明します」

 

それから俺はミューギィーの体は意識不明でいつ目覚めるか分からないこと、どうしてそうなったかを話した

 

「それで・・・君が俺なんかに何か用なのか?」

 

「そうですね、まず愁さんでいいのかな」

 

「愁でいい、それで?」

 

「まずロウでもカオスでもない存在の事、そして私の目覚めが近い事ですね」

 

「・・・・どうゆうことだ?」

 

「愁は頭の中に剣のイメージが流れ込んでくることはないですか?」

 

まさかな

 

俺はそう思った

 

「あの」剣のイメージではないかと

 

「ああ、最近頭の中に何もない真っ白な空間に剣が突き刺さっているイメージがくるけど」

 

「やっぱり・・・」

 

「??」

 

【ミューギィ、僕にも分からないよ、どうゆうこと?】

 

「氷炎・・・あなたは世界を司る神剣を知っていますね」

 

【・・・まさか!!】

 

「どうゆうことだ?」

 

さっぱり分からない

 

「世界を司る神剣、永遠神剣第零位【終焉】そして同じく【繁栄】そして【翻弄】この3つの神剣が昔融合したんです」

 

「それで?」

 

「そして誕生したのが永遠神剣無位【彼方】、彼方は消息を暗ましました」

 

「・・・・」

 

「今回の謎のエターナルの存在、推測するに多分ひと波乱起こるでしょう、そして多分そのイメージの剣は・・・」

 

「彼方・・・なのか?」

 

「ええ、多分確実でしょう」

 

「・・・」

 

「貴方は多分・・・いえ、なんでもないです」

 

「・・・・?」

 

「・・・とにかくそれを伝えにきました」

 

「そうか・・・」

 

「では私はこれで・・・あ」

 

ミューギィは一度振り返り笑顔で言った

 

「貴方のこと、嫌いじゃないですよ」

 

 

・・・どういう意味ですか?

 

 

「はい?」

 

すると笑って消えていった

 

【愁・・・幸せ者だね】

 

「え?」

 

【セリアにミューギィ・・・二人も美少女から好きになってもらえるなんて・・・お父さん聞いたら泣くよ?】

 

「ははは・・・」

 

その後、俺は気分晴らしに散歩に向かった

 

 

 

 

 

−ラキオス 付近の森

 

 

 

「ふぁぁ・・・」

 

ミューギィとの接触から数時間後、俺は森を散歩していた

 

「眠いなぁ・・・」

 

【練れば】

 

「何をだよ・・・発音直せ」

 

氷炎の変なボケに突っ込みを入れる

 

すると

 

 

ガサガサ

 

 

「ん?」

 

「愁?」

 

セリアが居た

 

「セリア、どうしてここに?」

 

「警備ですよ、愁こそどうして?」

 

「散歩。」

 

そしてセリアと歩き出した

 

そして思った

 

全てが終わったら彼女からも全て

 

記憶が消えてしまうのだと

 

「ごめんな・・・」

 

ボソリと呟いた

 

「え?」

 

「いや、なんでもない」

 

自分でも嫌だった

 

彼女を失うのが

 

「愁と歩くのは・・・久しぶりですね」

 

「ん?」

 

セリアが微笑みながら言った

 

「ああ・・・そうだな」

 

このときがずっと続けばいい

 

そう思ったとき

 

 

 

キィィイイイイン!!!

 

 

 

「この気配っ・・・」

 

「愁っ!!」

 

すると悠人とアセリアが走ってきた

 

「悠人、2箇所だな」

 

「ああ、北と東だ」

 

「俺は北にいく、お前は東に行け」

 

「分かった」

 

そして二手に分かれた

 

 

慌てはしなかった

 

 

俺はこの気配を知っているから

 

 

 

 

 

−北の森

 

 

 

 

「きましたね・・・」

 

「貴方が侵入者・・・一体何のよ・・「セリア」え?」

 

セリアの前に俺が出る

 

「どうゆうつもりだ、テムオリン」

 

「愁さんですか、久しぶりですね」

 

その様子をセリアは驚いてみていた

 

「ああ、だがこれはどうゆうつもりだ?」

 

「そうですね・・・もう一人のエトランジェの彼に用がありまして」

 

「・・・そうか」

 

「愁・・・どうゆうこと・・・」

 

「セリア、テムオリンは俺たちには害をなさない、引こう」

 

「だからどうゆうことっ・・・!!」

 

その様子をみていたテムオリンが言った

 

「その方が愁さんの彼女ですの?」

 

「なっ・・・テムオリンっ何をっ!!」

 

「冗談ですわ、でわ私はこれで」

 

背を向けてテムが去ろうとした

 

 

 

・・・何か聞き忘れていないか?

 

「テム、まった!!」

 

「なんですの?」

 

 

「悠人の事・・・それはミューギィの決定か?」

 

「!!!」

 

相当驚いたようだ

 

「ロウのトップはミューギィの筈だ・・・ならこれは」

 

「彼女は・・・眠っているはずですわ・・・愁さんがどうしてそれを・・・」

 

「本人から聞いたんだ」

 

「ありえませんわ!彼女の力でも・・・」

 

テムは思い出した

 

彼女の神剣の能力は

 

思ったことを現実にする能力だ

 

それを思い出してふっと笑った

 

「・・・・」

 

「なら・・・この話は知っているか」

 

俺はテムオリンに彼方の事意外、全てを話した

 

「彼女が・・・」

 

「ああ・・・」

 

 

少しテムオリンは考えていった

 

 

「愁さん、もう一人のエトランジェと一緒に向こうの世界に飛んでくれませんか?」

 

「・・・なぜ?」

 

「貴方に頼んだのはこの世界の監視と・・・彼の監視ですすよ」

 

「・・・そうだったな」

 

「それに・・・そこの方にも説明しないといけませんでしょう?」

 

何のことか分からず混乱しているセリアを見ていった

 

「分かった・・・セリア」

 

「え?は、はい」

 

「全部話すよ・・・一緒に来てくれるか?」

 

「ぜんぶって・・・何を・・・」

 

「セリア」

 

しっかりとした目でセリアを見る

 

「分かったわ・・・一緒に行きます」

 

「・・・ごめん」

 

タイミングを見たのか、テムは直後に扉を開いた

 

 

「いいですか?規定は守ってくださいよ!!」

 

「分かってる」

 

そして俺とセリアは光に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

−ハイベリア 愁の家

 

 

俺たちはこの世界に飛ばされた後、セリアを自分の家に連れて行った

 

やはりセリアも色んなことがあって混乱していた

 

自宅に着きセリアをソファーに座らせその前に座る

 

 

「・・・セリア、全部話すけど・・・今から話すことは言わないでほしい」

 

「・・・ ・はい」

 

「そうだな・・・まず俺と言う存在・・・つまり俺はエターナルと言う存在なんだ」

 

「エターナル?」

 

「ああ、向こうの世界じゃ神を超える者って呼ばれているかな」

 

「それが・・・愁?」

 

「ああ、俺があの世界にいるのは悠人の監視・・・そして他のエターナルの関与の警備だ」

 

「でも・・・それだけなら問題なんて・・・」

 

「・・・最後に・・・あの世界の問題が解決したら・・・俺という存在は記憶から消える・・・」

 

「っ!!」

 

「勿論・・・君からも・・・皆からも・・・」

 

「そ・・んなっ・・・」

 

記憶が消える

 

それは今までの愁との記憶が消えるということだ

 

そのいきなりの宣告にセリアは困惑した

 

「つまり俺と言う存在は・・・あの世界にとって何でもないんだよ・・・」

 

「・・・・」

 

「いつかは言わないといけない、分かっていたけどこんなに早くなるなんて思わなかった」

 

「・・・・」

 

「・・・セリア」

 

「・・・はい」

 

「何で・・・俺達は出会ったんだろうな・・・」

 

「え・・・?」

 

 

あれ・・・?俺泣いてるのか?

 

なんでだろうな・・・涙が止まらない・・・

 

 

そして彼女が言った

 

「もし記憶が消えても・・・また・・・思い出しますよ」

 

「・・・え?」

 

「記憶が消えても、また思い出しますから、だから・・・泣かないでください」

 

なんでだろうか

 

こんなに辛い真実を言ったのに彼女はそれを受け止めてくれる

 

それなのに自分は・・・

 

「セリア」

 

「えっ・・・」

 

唐突に

 

彼女を抱きしめた

 

「愁っ・・・」

 

セリアを抱きしめるとやはり辛かったのかセリアも泣いていた

 

「ごめんな・・・セリア」

 

「愁っ・・!!」

 

しばらくの間

 

俺たちは抱き合っていた

 

お互いをつなぎ止めるように

 

でもこの時俺は気がつかなかった

 

これはつかの間の安らぎだということを

 

 

 

−翌日

 

「ふぁぁぁ・・・」

 

 

朝、目が覚めてベッドから起き上がる

 

予定どうりなら悠人は今日タキオスさんと接触するだろう

 

ふとそんな事を思いつつ起き上がると

 

「ん・・・愁・・・」

 

ふと目をやると寝言を言っているセリアが

 

「・・・・コイツ、夢の中まで俺の事心配してくれてるのか」

 

昨日の夜、あの後、セリアの唇を奪い俺はセリアを・・・

 

かなり唐突な事だったので正直セリアは嫌な思いをすると思っていた

 

でも彼女は・・・俺を受け入れてくれた

 

ふっと笑って部屋を出る

 

「とりあえず・・・朝食でも・・・」

 

そう思いキッチンに向かった

 

(あ・・セリアの服どうしよう・・・)

 

そんな事を考えながらリビングに出ると

 

 

「おー、愁、起きたか」

 

「・・・親父?」

 

なぜか・・・

 

 

親父がいた

 

 

「・・・なんでここに?」

 

「いやな、テムが俺もついでにどうだって言うから」

 

「親父・・・いつからここに?」

 

「3時間前、昨日は随分お楽しみだったようだな、愁」

 

「ちょっ!!親父っ!!」

 

「とうとうお前も永遠者の階段をまたひとつ・・・俺は嬉しいぞ」

 

・・・何故か青いハンカチだして涙拭いてる

 

ハンカチ王子のつもりか?

 

「・・・氷炎」

【分かってる】

 

怒りのパワー全快でマナを集中させる

 

ローガスもびっくりするほどのパワーだ

 

怒りって怖いなぁ・・・

 

「冗談だ、すまんすまん」

 

急いで弁解すると同時に親父も一応神剣を出す

 

「ったく・・・というか・・・セリアの服装どうしよう・・・」

 

「それは任せろ、俺が用意した」

 

するとそこには愁の学校の女子生徒用の服が・・・

 

「親父・・・?」

 

「いいだろう?似合うと思うんだよな」

 

「氷炎、殺るか」

【おっけー】

 

怒りのパワー全快でマナを集中させる

 

「今度こそやばいな・・・【紅蓮】、防御頼む」

【今回ばっかりは私は知りませんよ、自業自得です】

 

「ちょっ・・・まったあああああああ!!!」

 

 

 

バキッ!!ドコッ!!ボコッ!!

 

 

その後、達也が愁に吊るされたのは別の話だ

 

 

 

 

また、数分後セリアが起きてきて、制服は流石に不味いのでワイシャツとジーンズと言うかなりシンプルな服に着替えてもらった

 

 

 

 

 

 

−朝食後

 

 

 

朝食を食べ終え、とりあえず親父から話があるそうでまたソファーに座る

 

「んで・・・話ってのは?」

 

「そうだね・・・まずセリアさん・・・でいいのかな?」

 

「はい」

 

「実はね・・・愁、セリアさんも理解しているみたいだし話すけど・・・事態は深刻だ」

 

「・・・どゆこと?」

 

「例の謎のエターナル・・・こっちの世界でも確認された」

 

「はぁ?!」

 

「愁・・・何の話・・・」

 

セリアが何の話か分からないと言う顔をしていた

 

「あー・・・えっとな・・・」

 

すると親父が呆れ気味で言った

 

「まだ言ってなかったのか・・・」

 

「仕方ないだろ・・・昨日は色々あって・・・」

 

「ほほう・・・」

 

親父がニヤリと笑う

 

「・・・また吊るすぞ」

 

「すまん」

 

息子のとんでもない殺気に押しつぶされそうになって言う

 

話を戻し親父がセリアに言う

 

「つまり、永遠者には2つの組織があって秩序のロウと混沌のカオスの2つなんだ」

 

コクリとセリアが頷く

 

「今回、ロウでもカオスでもない何者かが・・・世界に関与している」

 

「・・・」

 

「そして愁、今回・・・そいつがこの世界に来た」

 

「・・・・」

 

ゴクリ、と

 

つばを飲んだ

 

「実を言えば・・・ロウの永遠者が1名・・・消息不明になった」

 

「え・・・?」

 

「愁、悪いことは言わない、彼の事が済んだら急いで向こうに戻るんだ、いつお前たちに被害が来てもおかしくない」

 

「ああ・・・分かった」

 

「とりあえず・・・これだけだな」

 

親父は話を終えるとお茶を少し飲む

 

「さてと・・・愁、まだ戻るまで時間があるし少しのんびりしたらどうだ」

 

確かに言われてみれば

 

悠人がタキオスさんと接触するまで時間がある

 

「だなぁ・・・セリア、一緒にこの世界でも見てみるか?」

 

「んー・・・そうですね」

 

とりあえず・・・親父の提案もあって外に出た

 

 

 

 

 

 

不思議とセリアと一緒にいても人の注目は浴びなかった

 

多分テムや親父がなんかしたのだろうか・・・

 

俺とセリアは二人で色んな場所を回ったりしていた

 

(ずっと・・・この手を離したくないな)

 

そう思った

 

一緒に色んなものを見ている間にずっとセリアは笑っていた

 

 

 

そんなことをしているうちに

 

 

日が沈み、暗くなった

 

 

「すっかり暗くなったな」

 

「そうですね」

 

流石にシャツだけじゃ寒いだろうということでセリアはコートを着ている

 

「さてと・・・時間もないし・・・セリア、そろそろ戻ろうか」

 

「そうですね」

 

 

 

 

そしてもどろうとした

 

 

 

 

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン

 

 

 

 

 

「この感覚っ・・・!!」

 

テムでも親父でも誰でもない

 

この変な感覚

 

まさかっ!!

 

 

「愁・・・あれ・・・」

 

セリアが指差す方向に目を向けるとそこには

 

 

ゾクリ

 

 

「こいつが・・・」

 

 

黒いフードつきのロングコート、顔はまったく見えない

 

「お前が謎のエターナルか・・・一体誰だ!!」

 

俺とセリアは神剣を構える

 

「ワタシハ・・・ハカイシャノカゲ、ホカノナマエナドナイ」

 

「破壊者・・・だと?」

 

永遠者じゃない・・・一体何なんだよ!!

 

「オマエタチノ・・・チカラヲモラウゾ」

 

すると影と名乗った奴は真っ黒な神剣を構え切りかかってくる

 

「やれるかなっ!!」

 

来る――!!

 

そう感じた

 

すかさず氷炎をサブマシンガンに変えて高速連射する

 

しかし相手はそれをもろともしない

 

 

「ゼロシフト起動!!」

 

瞬間的に距離を詰めて近距離で乱射する

 

ゼロシフトと言うのは、発動している間に現実世界での1分は愁にとっては0.5秒しかないのだ

 

その間に高速攻撃を叩き込む、並みの相手なら防ぎきれない

 

 

筈だった

 

 

 

 

キーン!!

 

 

 

「なっ・・・!!」

 

「・・・・モウオワリカ?」

 

全て弾かれた

 

「くっそ!!」

続けて乱射する

 

「アイスバニッシャー!!」

 

セリアも相手に攻撃するが全然効いてない

 

 

 

「それならっ!!」

 

 

後ろに回りこみ距離をゼロにする

 

それに相手はきがつかなかった

 

「!!」

 

「バースト・・・エミッション!!」

 

ゼロ距離で強力なエネルギー波が敵を襲う

 

 

 

勝った

 

 

 

 

そう思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イマノハナカナカダッタ、シカシアマイ」

 

「えっ・・・?」

 

後ろを向くと剣を振り上げた影が・・・

 

「しまっ・・・」

 

もう遅かった

 

反応が間に合わない

 

バーストエミッションはかなり強力な業だが隙が大きすぎる

 

まさか一瞬の油断が死につながるなんて思わなかったのだ

 

――そして剣が振り下ろされた

 

 

−俺は・・・死ぬのか?

 

 

- セリアだけでも・・・逃がさないと・・・

 

 

 

死ぬ

 

 

 

そう思った瞬間だった

 

 

 

 

「愁っ!!」

 

 

 

 

 

 

ドンッ!!・・・ズサァっ!!

 

 

 

 

 

 

「えっ・・・」

 

間一髪、セリアが俺を突き飛ばした

 

だが

 

起き上がってそこにあったのは

 

 

 

「セ・・・・リア・・・・」

 

俺は目を疑った、そこにあったのは・・・

 

「はぁっ・・・!!」

 

斬られ、大量の血を流すセリアだった

 

「セリアっ!!!!」

 

セリアに近づく影を払いのけセリアに駆け寄る

 

「お前っ・・・殺してやる・・・」

 

「ヤリソコネタカ・・・ツギハオマエノバン・・・ム?」

 

影は何か気になったのか意識を反らす

 

「ジカンギレカ・・・マアイイ、1リハヤレタ」

 

すると影は闇に消えていくように消えた

 

 

 

 

 

 

助かった・・?

 

 

 

 

 

俺はどうでもいい!!セリアを!!

 

 

急いでセリアの方を向く

 

 

「セリアっ・・・なんでっ・・・」

 

「はぁっ・・・しゅ・・うを・・・護りたかった・・・から・・・けほっ!」

 

出血が酷い、俺は急いで治療を開始する

 

「ね・・・え・・・しゅう・・・」

 

「?」

 

治療しながらセリアを見る

 

「私・・は・・・愁と出会えて・・・嬉しかった・・・ですよ」

 

「ああ、・・・俺もだよ、だから・・・もう喋るな・・・」

 

これ以上無茶させると流石に危険だ

 

するとセリアは一瞬笑って

 

「貴方に会えて・・・良かった」

 

「え?」

 

すると

 

抱えていたセリアの力が抜けていくのを感じた

 

「お・・・いっ!!」

 

セリアはまるでそれを遺言のように残して

 

地面に倒れた

 

 

 

 

 

「・・・・・嘘・・・・だろ?」

 

目の前で最愛の人が殺されて目の前で死んだ

 

 

「セリア・・・冗談・・・だろ?」

 

すると

 

セリアがマナに還っていくのが分かった

 

悔しい―そしてどうしてだと思った

 

「護るって・・・約束したのに・・・なんで俺なんかを護るんだよっ・・・!!」

 

目から溢れる涙、それは悲しみか怒りか

 

そして俺は

 

「うわぁぁぁああああああ!!!」

 

地面を思いっきり殴りつけた

 

痛みが伝わってきたが悲しみのほうが大きかった

 

月だけが俺を

 

 

明るく照らしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

後書き

 

あとがきは終わりではない、始まりである

 

と、ボクの尊敬する作家の方はいっていました

 

どうも皆さんこんにちわ、蓮です

 

いやいや、かなり長くなってしまって申し訳ありません:;;

 

次の作品ではセリアの死を受け止めた愁、ミューギィの想いとマロリガン戦中心に描きたいと思います

 

それでは皆さんノシ

 

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