デオドガン商業組合領 デオドガン

街の飲食店



「……」

 漢……屈強で、鋼の肉体といっていい体付き、露出した肌が見せるは戦いの傷跡……顎鬚を蓄え、
実年齢の世代を考えてみれば、余りにも有り余った、若々しさのような力を持て余す漢……。

「すまない。」

そんな彼が………頭を下げる。

「……まぁ、中立ですからね。そんな立場が強すぎては話しにならない事は分かっています。」

 相手は………これもまた角度は違うが、漢。

 身体は痩せ型で、遠めから見れば、ひ弱そうだと勘違いを受けるかもしれない……が、それはある意味、
擬態と言っていいだろう。

「『この国は誰からも見て取れる様な“脅威”になってはいけない。あくまで友好的だが、余り敵に回したくないと
感じさせれる国であったほうが良い』ですよね。」

 俊敏性を第一に鍛え上げられた肉体、それは無駄を感じず、思わず猛禽類を彷彿させてくれる。

 そんな豹のような漢……。

 もっとも、生まれつきの渋い声と、老け顔により実年齢より老けて見られるのが玉に瑕らしい。

「何故…なんだ。憎まれても不思議では無いと思っていたのに。」

 この漢二人……サハド・ザジル・ハーミドとフッシ・ザレンドールはこの国の決議である、会合を済ませた後、
居た堪れなさに突き動かされ、この店にまで来ていた。

「一人の兵士として生きてきた。餓えた事もある。他人の都合で死地にも駆り出された事もある。
だが、“辛い”と言う言葉を知らない。だから、どうとも思わない。そう生きてきた。」

「…………」

「だから、そうフッシさんが言ってくれたのは救いだったよ。俺は、俺でどうとでもなる。」

「本当に……いいんだな。」

「あぁ………。ん~まぁ、そりゃ俺も人間だ。裏切られたら相応の仕返しはするが、“頼まれたら”俺は受けるだけさ。」

「馬鹿正直と思われて、いい様に扱われていなかったか?」


4章5話“スピリット数名とナイフ形の神剣のみで竜退治♪”の折を参 照、


「……かもしれないが、その分“我”を通してきた。」


3章2話~現在までの“国有財産だろうと敵国のだろうとお構いなし、”の折を参照


「ふむ、確かにな。」

 そうして、二人は声を上げて笑い合う、

「……もし、もしだ……本当に気掛かりというなら。……俺ではなくユーノラの方…だな。」

 互いの笑いが落ち着くと、サハドは平静な顔でそう答えた。

「……! あの子は良い子なんだ……本当に。」

 酔いも加わり、上機嫌になっていたフッシは本当に痛い所を突かれ肝を冷やす。

「確かに。……まぁ、女にあんな綺麗に蹴りを入れられたのも初めてですが。」


前回“乙女の愛”の折を参照


「すまない。」

 フッシはまた頭を下げる。

 しかも先程よりも腰が低い。







「俺は……この世界の住人じゃない。」

「確かに、貴様はエトランジェだ。だが、わしやユーノラは……」

 フッシはサハドが自傷の意味でそう言ったのだろうと感じたが、当のサハドは首を横に振ると、

「そういう意味ではありません。私がこの世界の住人ではないとなると、遅かれ早かれ、この世界から
居なくなるかもしれませんから。」

 あの圧倒的な力……人の域を超えた存在がサハドの脳裏に過る。

「んな……」

 そして、自らの敵として、遅かれ早かれ何れ自分の目の前に訪れると。

「まぁ、先の事は分かりませんから、言い切れませんがね……」

 薄々とだがこの身で感じていた。

「…まぁ、飲め。」

 差し出される酒瓶……その強烈な麦粉の発酵臭。

「宗教上の理でございます。お気持ちだけで。」

 幾ら何でも、サハドはムスリム。

 “酒が飲めない”ではなく、むしろ…“飲んだら死ぬ? 否、死ぬしかない。”の心境である。

「「…………」」



沈黙




「……だからこそ、浮ついた存在の俺がいたずらに縛り付けていいもんでもないし、ユーノラは確実に
自分の幸せを手繰り寄せられる。」

 沈黙の空気を振り払うように再び会話を続けた。

「……」

「世の中、くっくだけが男と女の幸せではないと言いますし、ね。」

「あぁ……」

「意識したときから、流浪の兵として生きて来た俺には故郷はありません。だが、彼女には“ココ”という
“故郷”がある。それはとても大切なことだ。帰れる場所がある。どこにゆこうと、そこを思えば力をくれる
“故郷”がある。よりどころという、大切なものを……そんな、そんな故郷を捨てるのも……、捨てられるのも……
早々出来るものではありませんしね。」

ーー傷ついて来たのだな……この男は、伊達と女と侠に殉じて……それと、アッラーだったか。

「まぁ、飲め。」

 差し出される酒瓶……その強烈な何かの発酵臭。


「……ですから。酒は飲めないんです。」


「「…………」」




沈黙





「だからですかね。そんな想いにさせたくないんですよ……どうとも思えない俺はともかく、大切な……
好きになった相手には。」

「……つらい想いになったことは……」

 その答えは首が答えた。

 横に振るという動きで……

「腑抜けた考えと言われても返す言葉はないものでね。後には戻れないものですよ。砂の大地に……
水が滴り落ちて消えてゆく様に……」

「まぁ、飲め。」

 差し出される酒瓶……その強烈な葡萄の香りが香る。


「だから、酒なんて堕落の象徴、真っ当な人間として飲める訳ねぇだよ!!」




「「…………」」


「良う吐いた!! ワシの酒が飲めんというのだなぁぁ!!」




沈黙……ではいかなかった。




「わからねぇかなぁ~俺らが酒を飲まないのは常識なの、摂理、宿命、飲んだらなぁ、 アッラーに唾吐くと同意義なの。」

「んな異世界の常識など知らん!! ここはデオドガンだ!! お前の世界じゃないわ」


「だからって飲める訳ねぇだろうが。」

「いいや、飲める!! いまここで苦渋の選択を選んだ自分というものに。酔っている
貴様にはなぁ!!」


「そんな小便みたいな麦酒飲めるか!! 気色の悪い葡萄酢など飲めるか!! 蛇や虫を単体で食うなら大丈夫だが、
その屍骸を標本みたいに漬けて出来た毒汁など飲めるかーー!!」



 酒飲みに対して言ってはならない一言、


「……そうか。」

 フッシはいきなり黙ると、席を立ち上がり、店の奥に行く。

「おい、」

「へ 、へい!」

 今までのやり取りを聞いていたフッシの声に怯える店主。

「奥を借りるぞ。」

「糞エロランジェ。」

「ああん?」

 互いにボルテージが上がっている為、喧嘩を買える状態のサハド。

「そんなに酒が嫌いだというのなら……」

「好き嫌い以前に飲めないと……「ならば!!」!! おぉ~ぅ」



「茶を飲ませてやる。」



「あぁ…それなら。」

 曖昧だが飲めると取れる意思表示。

「分かった。」

 奥へと消えるフッシ。


「…何を出す気だ?」



十数分後

「ほら、飲め。」

「あぁ…どう……!!」

 カウンターに叩き付けるかのような勢いで置かれたそれは…

「あ、アッ、あぁぁっぁ~~~ それはもしや。」

 ぴちぴちというこの場にそぐわない音がティーカップから伝わる。

「知っているのか店主。」←被害者的な店の客。


 店主は怯えながらも答える。

 差し出されたティーカップには茶が……入ってはいるがそれよりもその中に入れられて……入りきれていない
何かが……

「*ホメスト…トゥネイシーヤシム(漢汁シリーズ)……*サバイスィー(鯖ティー)


の、の、飲めるか ボケがーーー!!

「えぶるぁぁッッ!!」

 サハドのバックナックルがカウンターを越えてフッシの顔面に炸裂し、倍以上の体格をほこるフッシを
リング外……失礼、バーの死角に落とす。

 それだけでは止まらず、サハドは間髪入れずにカウンターを越えるとうつ伏せに倒れたフッシの足を固め、
顎を掴むとブリッジをし……

「グギャァァァアァァァァッァァ!!」




鎌固め


 フッシの悲鳴が轟いた。


 骨の軋む音。


 飲食店には相応しくない、寒々と した殺気めいた気配。


 そして、サハドの「もういっちょ う!×2(日本 語)」の声?


 それに続く、フッシの口から漏れる奇声。


 幸か不幸かその店に偶然居合わせた客はフッシとサハドがカウンターの向こう側に隠れている為に、
その光景は見たくても見れなくなっているが、誰もが察していた。


 その向こう側は*マセアムナスだと……、



 ようやく技を解いたのだろう。

 サハドが立ち上がり、無論周りの客が恐怖によっての反射により後ずさる。

 カウンターを乗り越えそのまま出口へと向かう。

「サハドォォォ」


 予想していなかったフッシの声に首だけ振り向き、カウンターの方に視線を向ける。

 そこには……派手にダメージを負ったフッシが右手の握り拳を握り上げていた。

「……*シュクラン。」

 そう言って右手を挙げ、振りながら正面を向くと、そのまま店を出てゆく。


 余計な事を何も言う必要は無い。


 手向けの腐れ芝居の真意を……同じ侠の者ならば、分からぬ筈が無いのだから……












どこかの世界。




 シャランシャランと、鈴の音が鳴り続いている。


 それは錫杖の軽やかな鈴音で、稀になる程度なら良いのだが、


 今はその持ち主の不機嫌を表す様に醜くなり続けていた。


 そして、その音に混じって、何かを叩く様な音が聞こえる。




「……タキオス。あなたが期待している戦士……、私の送った火竜を討ち滅ぼしましたわ。」



「左様ですか………フッ、フッハッハッ」


 タキオスと呼ばれた褐色の肌の戦士は、主から持たされた報告に喜び、震え、笑い声を上げた。


「何、笑っているのかしら? あなたの妙な癖の所為で、シナリオが幸先悪そうになっているというのに。」


 それに対し、タキオスが主…テムオリンは、傍から見て落ち着いてはいるものの、実のところ憤怒の感情を
顕にしていた。


「テムオリン様……申し訳御座いませぬが、最近では良き相手を探すのも一苦労でして、」


「そのような事は言い訳になりませんよ」


 先程から、錫杖の鈴音が鳴り響いているのには訳がある。


「テムオリン様、御足の方は大丈夫ですか…」


「だ・い・じょ・う・ぶ・じゃ、ないでしょー!!」



 それは先程からタキオスは正座させられ、膝の上に重石を乗せられ、その上からテムオリンに蹴られており。


 それが、蹴りの音にあわせて先程から鈴音が鳴っていたのである。


「えぶるぁっっ」


 協力な一撃がタキオスの唇横に入った。


 これは流石に強者であろうとも、地味に痛い。


「はぁ、はぁ……、忌々しい……大体、信頼できる出来る筈の貴方が、何をやっているのですか!!


「ですからテムオリン様。彼の者をワザと逃した事の罪は、この通り、黙って受けているのですが……」



 そう…あの時、サハドがエターナルであるタキオスから奇しくも逃れられた要因の一つに、タキオスが手を抜いていたという事実がある……。



 一撃目を避けられた時にタキオスは、『人間クラスを殺せる一撃を避けた? 面白い』と、二撃目を本気で行わずに試し、力を僅かに上げた
『半人間を殺せる一撃』を放っていた。



 それを、サハドは決死のダイブで掻い潜り、運良く、タキオスが本気を出そうとする前に、ファンタスマゴリテに逃げる事となったのだが……、



 まぁ、これはタキオスの考えが正しい。



 理性を持った存在なら、どこの誰だろうと自分より遥かなる下の存在を始末するのに、何でもかんでも全力でゆくものはいない。



 例えば、あなたが家に居て、ガサガサという物音を聞いて、害虫と判断したときに、たかだか害虫相手に
火炎放射器を使うであろうか? それとも家ごと燃やしてしまうのか? 絶対に有り得ない、。



 それこそタガが外れていると居えるが、理性を持った者ならばそれ相応の物で対応する。


 だからこそタキオスとして見れば、技などを使わずして一振りで始末できると考えたのだろう。



 ……そしてもう一つ、かつて彼が…エターナル以前、一人の戦士であった事から来ている。


 それは…気質。



 人間という、か弱き生き者が強大な相手に向かって、一歩も引かず、立ち向かうという。


 その姿勢……。


『まぁ……死なない程度に頑張ってるんでね、今回も大丈夫でねぇ?』


 己の気を当てられてもなお立ちはだかり、そう気楽な声を出した張本人の眼は戦士の眼をし、
一矢報いようとしていた。


 その勇敢な姿勢がタキオスの本質である戦士の気質を刺激した。


 無謀だと知ろうとも、そこに死が訪れようとしても、


 戦士は立ち向かわなければならない。


 それが戦士というものの本質。


 だからこそ、タキオスは戦士の流儀に合わせ、目の前の戦士の力量に合せ戦ったのだ。


 正々堂々と、


 もっとも、それが逃げの手に走られてしまった事は遺憾なことであった。


「だからといって、何故、こう涼しい顔をしているのかしら?」


「御気のせいです。」


 それもその筈、人間用のお仕置き程度ではタキオスには利かないのだから……いや、むしろ、テムオリンが何もしないで
ただ蹴っているだけという慌て具合を、ナマで楽しんでいる。


ーーふむ……いい加減、テムオリン様も気付けば宜しいのに………まぁ、そんな所が愛らしい所なんだが。


 それ以前に、頭に血が上っているせいか、タキオスが回復能力を使っている事に気付かないでいる。


「物凄く納得が行かないのですが、止めにしましょう。」


 流石に、足が疲れたのだろう、蹴りは止める様である。


「このままだとバグに折角のシステムを食い荒らされてしまいますわ。なんとかしなければいけませんねぇ。」


 そう言いながらも、タキオスの鼻の穴に錫杖を突き込もうとしている。


「衝動強化させたフェイク(スピリット)でも駄目、それなりに巨竜の遺伝子を変化させて強化させた火竜も駄目、だからと 言って、
エターナルを投入するのは絶対赤字……そもそもバランスが傾きかねないですわね。」


 
悟りの死睨……、水月の双剣……、蛇 神……、最後の聖母……、不浄……、業火……、ロ ウエターナルの面々の顔を
テムオリンは思い浮かべた後、駄目だという結論に辿り着き、ため息を吐いた。



 そう、今までサハドに起きていた極度の受難の厄介所は、テムオリンプロデュースによって行われていたのだった。


 テムオリン……ロウエターナルのシステムにとっては、サハドの行動は小さな…妨害にもならないものだとしても、
彼女の性格からしてみればサハドは、家に巣食った鼠と同じで、深刻ではないが自分の気分を害する存在として
認知されてきていた。


 無論、鼠相手に本気を出す訳にもいかないから、システムを応用した修正力で処理を行ってきたが


 サハドはそのどれもを悉く掻い潜り、これによって、システム発動前から、ロウの情勢が怪しく曇ってきたのである。


 テムオリンからしてみれば、サハドはもはや厄介な害虫と化していた。





ちなみに、サハドの受難の殆どが、“強欲”の 負の因果極によって引き寄せられ、


サハドと数々の女性達との出会いは“所縁”の 縁の結び付きによって繋がり、


それを、サハドの……例えるならば、『性欲を持て余す』といった、女好き&女殺しの 出来事によって、


ぐわん、ぐわんに、こんがらがって、今の状況になってしまったのであった。






 う~んと唸り必死に金(マナ)勘定しているテムオリンに、タキオスが提案を持ち掛ける。


「テムオリン様、」


「あぁ…何でしょう、タキオス。」


「中級クラスの神剣を、数本使うだけで奴を倒せる方法が……」


 テムオリンの眼が妖しげに光る。


「ほぅ……聞かせて貰いましょう。」


 その瞳の輝きは、その外見に相応しい、年齢の子供が新たな玩具を見つけた時のものに良く似ていた……。









ラスフォルト(気高き者)……


彼の者は奇跡を起こす者としてデオドガンの大地に降り立ちました。


疫災と呼ぶに相応しい悪鬼を従え……。


彼の敵となる者を倒し、従え、……ミスレ樹海の最深に住まう魔竜を打倒し


数々の血が踊るような逸話を作り上げました。


皆、誰もが思いました、彼 はいったい何者で、何をしに来たのだろうと……



そして、彼がこの地に訪れ間もなく戦いが起きました。


彼はその戦いに参加し、何等縁の無い
私たちを護ってくれたのです。


そして、戦いが終わった宴の日に、奇跡が起きました。



 彼をこの国に招きいれた家の娘は、生まれて間も無く、流行病に罹り人生の大半を、
眼の見えない日々で過ごしていました。


 そんな彼女に彼は奇跡を齎しました、彼はその娘をベットに寝かせると静かに顔に…、
眼の上でしたね、手を当てて一晩そのままで居てくれました。



そして……奇跡が訪れたのです。


彼女は再び光を取り戻し、その目で親の顔と再開できました。





「そんな陳腐な奇跡なんて信じられないと思うでしょ、でも事実なの。何故なら…………その光を失っていた娘が私なのですから……。」

「「「………」」」

 自慢そうに自分の胸を押さえていった彼女の言葉に、子供達は驚きで、声さえ出ない。

「話を続けましようね」





彼は風の妖精を、その身から醸し出す魅了で虜にし……


彼は何も言わず、その力と、魅力で他の妖精を自 然と従わせれる事ができ……


生きる者全てに、焦がれるという想いを与え……


草花は彼をその風鳴り音で称える、


土は彼を喜び、風は彼を詠い、日差しは彼に恵みを与える。



その足は春先に流れる音切風の様に速く、 その技は、流れる水のように捉える事は叶わない。




闇夜に影が舞い。


影は妖精達の喉や、胸を斬り裂き、血の舞華を咲かせる。


砂塵を司る、気高き者と、風を司る深緑の烈風。


その二つの戦迅が彩る、紅の華と金色のマナを司る燐光。


その美しさは、この世のものを震わせ、今宵も戦場(いくさば)を彩る



「気高きものよ、貴方を讃え私は詠いましょう。気高き者よ・・・…どうか、讃える者に導きを……この幼い子達を………」







永遠のア セリア

ラスフォルト



第5章、5話、“サハドの悪党だいあり~⑤”




願望・・・
求めること・・・それはちからとなる。

善き願いでも、悪しき求めでも。

制約・・・
誓うこと・・・それは力を呼ぶ。

そんな誓いでも、それが純粋な想いならば。

織物・・・
時と運命と想いが紡がれた・・・

織り込まれて物語をかたち作っていく。

略奪・・・
強欲であること・・・それはちからそのもの
他者を蹴落としてまで、生に執着するためのこと。





 彼女は両手を重ね、祈る。


 その祈ろうとする想いが、子供たちにも伝わったのか、一人、一人祈り始める。



(アッラー)の遣わした る気高き者よ……、誇り高き人の 意思よ……、


気高き者よ……、貴方を讃え、私は詠いましょう……。


気高き者よ……、どうか、讃える者に導きを……。


この幼い子達を護る意思の現われとなれ。


どうか……









「はい…よし。みんな、顔を上げていいですよ。」

 彼女の合図に、子供たちは重ねた手を話目を開ける。

「はい、今日のお話はおしまい。みんな、この祈りを覚えた?」

「「「「覚えた~」」」」

 子供達は各々に「わかった~」とか、「出来るよ~」と自慢げに声を上げる。

「けだかき、もよ」

「違うよ、けだかきものよ。」

「けだかきもの……」

「うん、そう。」


 中には確認しあう子も居る。

「よく出来ました。あとはお歌のように、好きな時に唱えてね。」

「「「「は~い」」」」

「はい、では。みんなまたね~」

 木の下に集っていた子供達は話が終わると蜘蛛の子を散すかの如く、散ってゆく。

「ありがとう、お姉ちゃん~」

「また聞かせてね~。」

 それを、手を振って送り届ける。



 そして、誰も居なくなると目を瞑り……

「もう、お忍ばなくて大丈夫ですよ、ソゥ、ラスフォルト。」

 木の反対側に隠れていた者に声を掛ける。

「ばれてたか……」

 見つかった本人は、アイタタタと聞こえてきそうな感じの態度で頭を押さえながら出てくると、
彼女の横で木によっかかる。

「ソゥ、ラスフォルトに、この眼を治して頂けるまではそれ以外の感覚で暮らしていましたから。神経が敏感なので、
気配を読むのは今も得意なんですよ。」

 そう言うと、彼女は横を向き微笑みながら、自慢するように胸を叩く。

「そうか……何か、新たなエヴァンジェリカルを生み出しそうだな。」

「私が体験した奇跡を皆に知らせたくて。」

「だからって、貴重な飴を使って呼び寄せるとは。」



 子供を仕込むには、甘い物は重要である。

 子供に甘い物を与え、子供がそれを含むと、その味を忘れられなくなるのは事実で。

 そうなると、一度甘味を覚えたら、もうただの水や食べ物では満足できなくなる。

 やがて、その子供は甘い物欲しさになんでもするようになる。

 そうなると、覚えろと言うのなら、覚えるし、従うのなら従う。

 特に貧困で、甘いものを自分で好きなときに含めない子供には効果絶大だから言う事は無い。


 更に、歌というのがかなりのポイントとなる。

 子供は勉強というと嫌がるが、遊びの方法なら難しいルールでも覚える。

 もしあの祈りを、文章で手渡されたのなら、誰もすぐに忘れるが、皆で楽しく共通して覚えれるものなのだから、
そうそう忘れるものではない。


 そして、デオドガンという交流に栄えた国でも…土地柄か、飴は特に貴重である。



「そうですか? あの子達、私が舐めていた飴を欲しがったので、『お話を聞くなら、あげるよ』って
言っちゃったんですけど。もうこんなに~」

 彼女がそう差し出した中瓶の中の飴玉は、もう、残り3分の1にまで減っている。

「いや、飴を舐めても構わんが、中瓶ごと持ち歩くなよ。」

 しかも開封してそう長くは無い。

「えぇ~おいしいのに。」

ーー天然かよ。計算でやったら間違いなく天才だよな。

「うふふっ。」

 思考を読んだのか、彼女は褒められて喜ぶ様に上機嫌になる。

「はい、どうぞ。」

 膝を叩き、男の動きを待つ。

「で、話があるんだが……」

 男は振り向き、彼女の意図を察すると……それに甘え、頭を下ろす。

「はい、どうしました?」

 彼女の膝に、頭を乗せるような形で横になる。

「その、“ラスフォルト”って何だ?」

 頭を乗せると、お日様の下の様な暖かい心地を頭から感じ、心温まる。

「先程、話していたお話の主人公です。嘘、偽り無しの本当のお話の。」

気高き者って意味だよ。

ーー成る程。

んで、ソウを付けてるから

ーー気高き者様か、

ん~ちょっと違う。この場合は“気高き貴方様”か “気高き御方”って言い方があるんだよ。


「……ん~~~っ。あれって随分脚色されてないか? それに微妙にだが、やっている出来事の
順番は違うし。……といか、宗教活動のようにも感じられたぞ。」

「私の聞いた出来事の順番ですし、それに……私にとってそれが真実ですから。」

「それで、マフディー(救世主)……扱いされては………。」

「お困りですか?」

ーーそれにしても強欲。何でどこかの教師みたいな事言ってんの?

まぁ、お気にしないほうが、

あ~手前ぇ人の台詞を……


「あぁ……妙にむず痒い。」

「ふふッ、」

 男の本音を聞いて、彼女は楽しそうに笑う。

「それに、他人行儀は、お前にされたくない。」

「…ッ、我侭ですね、ラスフォルトは。」

 彼女はその言葉に琴線をそそられたのだろう。

 嬉しそうに丁寧に、その指先で、男の髪を梳き続ける。

 まるで母親が、わが子を愛でるかの様に。







 それから僅かながらの時間が経過し、男は彼女の膝元から頭を上げた。

「さて……俺は、そろそろ行くか。」

 そのまま起き上がろうとしたが、そうなる前に彼女はゆっくりと男の頭を、自分の膝に置かせた。

「どこに行くのですか~? まだ、話はついていません。」

 そして、また撫ではじめる。

 どうやら、彼を逃がさない気である。

「あぁ、出稼ぎに行くんだが…。」

「えっ!?」

 彼女の手が止まる、

「速くて半月、大体一年位だな。」

「あぁ~ 所詮、ラスフォルトにとって、私はただの遊びで御座いましたのね~うらめしぃぃ」

 目頭を押さえ悔しそうにしているが、まだ彼女は本気ではないようである。

「いやいや、俺は結婚してもいいんだ。後はお前がっっっああぁぁぁぁあ」

 彼女は口惜しそうに、小指を耳の穴に遠慮なく突き刺す。


 少々、グロ怖くなっている……

ってかエグイくない?

エグイです。


「……そう、ですか。あくまで折れないというのですね。」

「だれが、折れてたまるかってぇあうえぁえぁぁぁぁ」

 ぴくりぴくりと、ゆっくり聴内を犯されてゆく、

ん んっっ

あぁんっ


「普通、そんな弾けた嘘を信じると思いですか? 」

 そして、一旦止められ、

「本当に決まっている。」

「ああ、それはありえないですよ~。」

 再び、ぐりぐりとこねくり回される。

「だぁ…っあぁ…らぁ! お前が判断しろよ、聞くんじゃなくて、感じて。」

「あぁ……」

 ようやく彼女の指が耳の穴から外れ、彼は解放される。

はぁ はぁはぁはぁ…ッッ
はぁはぁはぁふぅ~~

ーー何故に……、お前等ま……で、

気 分。

ちょっと中てられまして


ーーこの淫欲剣共が……


 ようやく開放されたが、気づいてみれば正座して向き合っている状況となっている。

「それでは聞きますよ。……ラスフォルト、あなたの住む世界には、結婚して何人も妻にしていい制度があるのですか?」

 見つめる。

「ある。だが、それは男の気苦労と、負担が半端じゃないからな、その事を承知でなら出来る。」

 見つめ合う。

「一人でもいいじゃないですか。」

「正直、そうなるとキツい、……いや、危ない。」

「どうなるって言うんですか。」

 見つめる。

「性欲を持て余す。」

 見つめ合う。

「………」

「………」

 互いに沈黙が続き、そして、

「あぁ~もう。何で、ラスフォルトは嘘をついてないんですか。ここはついてもいいのにぃ~」

「いや、嘘でない事を、嘘にして言うのは難しいんだぞ。」

 彼女は、ポカポカと彼の胸を叩く、木陰でこの様な事をしている男女は非常に微笑ましいものである。



 そう、彼女は相手の心を読む事が出来る。

 それ故に、嘘を見抜く事など容易いもので……その彼女が嘘で無いと読んだら、それは本当の事であり、
例え、彼女が嘘であってほしいと思う事でも……本心である。

「さて、本当にそろそろ……」

「やぁっ、まぁ~だ~。」

 彼女は、起き上がった筈の男の身体を、首根っこを引っ張って最初膝枕の体勢に持ってこさせる。

ーーや、ヤマダ?

「駄目ったらぁ~ダメぇ~」

 彼女はぐずり出した。

「おいおい、だからって。」

 しかも、小○生に成り立てぐらいの娘の精神レベルまでになってしまっている。


「まだ、明るいのにぃ……っ」

 彼女の意思が伝わって来るような涙目は、彼の良心を攻める、

 その仕草の一つ一つが、彼の神経を疼く様な感覚で撫でる。

「……うぅ~ん」

ーーあ″ぁ゛ぁ゛ぁぁっぁ~~それヤバイって、起っちまうって。



 さて、諸君等は覚えていない者も多いかもしれないが、以前、゛所縁”
がそのギャップの差を 見せ、
彼の琴線に触れ、心底……心を揺るえ上がらせられたのを覚えているだろうか。


 彼が最も女性の仕草で、最もクル女性の動作に“何時も頼りある年上属性の女性が、 そのギャップの差を
自分だけに見せた時に垣間見る瞬間”があるのだが、これが今、直に 最も 彼の琴線に触れるのである。

は い、ここで注意点、コレをツンデレと言う人は、まだまだ浅はかな、ひよっこですよ~。

まぁね…だからと言ってクーデレって訳でも無いんだよね。



「分かった。そこまで言うなら、もう少しこうしているよ。」

 ぱぁっと笑顔が咲き誇り、ギュっと頭を優しく包み込む、彼も彼で、内心ドキドキしまくっている。

ーーあぁ…もう、このギャップがたまんないったらありゃしない。


 彼は本当に、これには弱いという事だ。

 しかも、太股の感触と、彼女の化粧の香りと、雌の匂いが堪らない位に漂ってくるのだ、

 彼はふと思った。

 酒を飲んだ事が無いが、これが酔う事なのだろうと。

「でも……」

「ん?」

「どうしてまた急に、デオドガンを離れるだなんて……」

「回教徒(ムスリム)だからかな。……分かりやすく言うな流浪の民だからかな。後、俺の感覚が正しければ
そろそろラマダーン(断食月)だし、」


 それは嘘偽り無く、本当の事であった。

 回教徒の文字通り、ムスリムと言うのは各地の都市を旅する者達を意味するものであり、かつての
大航海時代以前のシルクロードの大貿易を支えた者達が殆どそれである(中国人が旅してローマに行ったという考えは
8割形間違いなので覚えておいて損は無い。)


 それに、断食(正確には斎戒
と いう)というのはイスラム教徒の義務、もしくはなすべき行為の、五行の内の
一つで、本来は欲望をコントロールすべく、日中は断食をし、性的な行為も抑制する

「まぁ、起きて祈って、祈って寝るまで、ず~っと戦い続けている俺の様な奴は。しなくてもいいみたいだが、」

 確かに、斎戒は*免除される者も居り、彼の様なイスラム教徒の派遣兵士は、戦場の兵(つ わもの)&旅人(りょじん)と
条件が 被っており、殆ど無いに等しいのだが………。

「だが、そう言う訳にも行かないんでね、我慢する為に、旅にでも出る」

 彼は殆どの
ラマダーンの時に移動し、免れているのだが、食事は殆どせず、水を通常よりも抜 いていた。

 ちなみに、食事を制限するだけではなく、性欲(自家発電も含まれる)も制限するのだから 相当なストレスが貯まる事は
必須であるので、教徒で無い者がする事はお勧めしない。

   ぬへは実験的(金 が無い時&ついでにの気持ちで)に やりましたが
二日と半日で苛々が積もり、おかしくなりましたのでギブしました。



「………あの、もしかして。理由はもう一つありますね。」


「……あぁ……。」

 彼は彼女の察しの良さに、ため息を吐いた。

 そして、彼女の頬に触れ、自分の頭を待ち上げると、耳元に口を寄せる。

「正直に言うぞ、俺は今のデオドガンの平和を維持する為に、ここを出る様なもんだ。」

「!!?」

「つい最近だ。マロリガンの議会で、帝国の次にこの国が危険視され、目を付けられた。
それにサーギオスも表向きには、仲良くしているつもりだが、内偵が結構入ってきている。」

 そう。そして、ダーツィー大公国、イースペリア国もそれなりに警戒を始めていた。


「そ、そんな……」

「伝説の効果てき面って所だろうさ、箱庭の真ん中辺にある国だし、みーんな、意外と強い俺の動向に敏感になっている。
それで、今朝フッシさんと他のヒヒ爺共とで会合を行ってきた。」

「だからって、なんで? こんな事になるんですか!!」


「あ~大きい大きいって、いいかぁ……大人は、他人を信じない所から始まるものだ。」

「そんな、」

「中立を保っている、イースペリアもこの国も、ある程度の武装を保持している、何故だと思う?」

「そ、それは……」

「奇麗事言ってその通りになる世の中なら、中立国も武器も要らんよ、だが、様々な思惑が渦巻いているのが人間だ。
そんな人間が違う考えを持っていればぶつかる事もある。与えられる物、得る物も人によって違うしな。だから有得ない。」

「でも人は対等に手を取り合うべきです。」

「いい言葉だ。」

 彼女の頬に唇を寄せる。

「しかし、生まれた時から違うものは違うし、得る物はその行いに対して与えられる、だから、皆、対等という事は有得ない。
ただなにもせず、転がっている者と、汗水を垂らして働いている人間が同じ給与ならば不公平な事この上ないからな。」

 彼女もそれを分っているので頷く。

「人は同じなんて有得ないし、いい言葉で動かない人間も居る、だから争いが生まれる。自分より低い存在が居れば馬鹿にするし、
俺みたいに怖くて厄介な存在が居るというのなら恐れるのは無理は無い。」

「そんなことって……」

「いいか。どんなに綺麗な事を考えてもいい、信じてもいい、だが、それで幸福になるのも、痛い思いするのも自分だけだという事を
忘れるなよ。」

「えぇ、わかりましたわ。」

「とまぁ、俺が他国領に入り込めば監視や警戒の目がそっちに移るし。こういう時にも、自分が回教徒でよかったと思っているよ。」

「……せめて、せめて、今はこのままで居させてください。」

「ああ……大歓迎だ。」





 それから2、30分位経ったのだろうか、彼は彼女の膝の上を離れる。

 文字通り、後ろ髪を引かれる思いで、

「あっ、ぅ・・・ぅぅ


 と、言うより、引っ張られてた。


 これには彼もかなり手間取ったが、改めて気を引き締め、

「別に後生の別れでは無いんだ。何、縁があればひょっこり帰ってくるよ。」

 重い腰を上げ立つと、担ぎ背負いできる袋を背負い、出かけようとする。

「あ……ご、ご無理はなさらないで下さい。」

「あぁ無論だ。…それが済んだら答えを聞かせてくれ。」



 そう言うと、後を振り向かず、そのままあの人は歩んでゆく。


「はい……」


「強欲」


 彼がそう呼びかけると、呼び掛けに応え黒き神剣が出現する、彼はそれを背中に担ぐ、


 その、ほんの僅か、わたしは自分の目を疑った。


 何故なら……

 彼のその姿は……

 まるで……

 御伽噺の世界を物語る、マフディーの様 でした……。



 ラスフォルト……私が知る、この世でたった一人の想い人


 どんな物語の主人公よりも人間らしく、


 どんな主人公よりも格好良くて、


 どんな主人公よりも素敵なんです……



「待っています。」


 私が愛した一番の人……。


「旦那様。」












あとがき

どうも~サイトはサイトで大変な事があり。
オイラはオイラで泣きたい事、辛い事、覚悟を決める事と、色々あったぬへです。

 そんなには語れませんが、トウ○バのPCでは無くなった事と、誰にも憚る事の無い
メールアドレスが追加された事でしょう。
 コレ   
 ↓
dh-nuhe.kk.ne.jp@rice.ocn.ne.(最後にjp付ければ送れます。)

ご意見、疑問、ツッコミ、えっちい話しってまだ貰える? 等、色々お待ちしております。

 が、どこぞの業者みたいな真似や、変なモノはお送り付けないでください。m(_ _)m



 まぁ、ナニは友あれ、これでラスフォルト、デオドガン編は終了です。
そして、本編まで後一年のリーチ状態に、というか、「100KB越えしちゃったよ。」
と、なって一本で終わらせる予定でしたが、やばくなったので、結果、5章、6章に分けてしまいました。

 と、サイトが大変な事になる前の厄介な時期に送った今回ですが、更新されなかったので、無かった事になり、
再び投稿となったのですが、同じものを出すのもしまらないので、改定版をお送りいたしました。

約半年か……長かったな。

それでは単語辞典をどうぞ、(「今回は色々入れたな。」)

単語辞典

* ホメスト・トゥネイシーヤシム
 聖ヨト語、直訳、漢汁シリー ズ
言わずもがな、多数あるとされる漢汁の事を指す。
『漢汁』
 曰く、それは女子供には呑(飲)めないとされる、遥かなる液体?
 曰く、稀にゼリー状やゲル状、シャーベット状等の様々なものが有るが、飲むか呑まれるかという
飲者を選ぶ、究極かつ兇悪な飲み物。
 呑み込まれた者は再起不能や、言葉では表現できないモノになってしまうが、それを呑み込んだ者は
漢としてさらなる高みに上れると言われる。
別世界には、壺毒や超神水 等の伝承として残っているものが多い。

別の意味で、精液を指す場合は有るが、下ネタを好まない人が聞いたら訴えられそうである。

*鯖ティー
 知っている人は知っている。*暗黒絵師様作品に登場したネタ、
 今作品では漢汁シリーズの秘品の一つとして登場。
 作り方
 香草をベースとしたお茶の中に成長期の小振りで新鮮な生きたままの鯖を入れれば完成。
一見単純だが茶に鯖を入れた瞬間、鯖が死ぬ危険があり、そうなるともう毒であり、

 

*マセアムナス

 聖ヨト語、 危険地帯、修羅場、等の意味合いを込めた危険な場所の事を表す。
 ザウス公認の言葉ではないが、現存の単語を合わせて用いました。

*シュクラン
 アラビア語、ありがとう、という意味。
 ここで普通ならヨト語の「ウレーシェ」と言うべきだが、恐らく、サハドはうっかり言ってしまったと思われる。

*中瓶 
 大きさ的には駄菓子屋にある、プラスチックの駄菓子入れを皆さんはご存知だろうか……まぁ、アレより
一回り小さい程度と納得して頂きたい







おまけ

単語辞典2

*暗黒絵師

この手の業界では大抵の人は知っている、萌え? る絵師の事、最近(2006~2007現在)では
その作品系列のアニメが放映され、そのEDに流された。
そこで仰天されたもの、目を奪われた者が多いが、最終回近くでは癒されていた人が多い。