*注意、
今回のお話は、誰かさんの夢の中の世界を中心に展開が始まります。
夢の深層世界や過去の記憶や色々ごっちゃ混ぜにとなっておりますので、
演出上の為に読み手の皆様に混乱を招くかも知れませんが、
ご了承、ご理解の程をお願い致します。
それではどうぞ、お楽しみ下さい。
昔、ハイペリア(地球) さして珍しくもない、紛争地帯。
市街地の穏かな午後の一時に、轟音が鳴り響いた。
爆風の後に、どこから沸いて出てきたのか分からない集団と、どこかの国から
派遣された軍隊が銃撃戦を行なっていた。
そんな中…………、親の死の横で、赤子が笑っていた。
その笑いの意味は解らない、親が死んだ事に対してなのか? 人の愚かな行為に対してなのか?
とある男の話だ……。
男は“人”について、これといって感じる事は無い。
男の周りには必然と“死”が付き纏っていた。
ある少年が、「自分は疫病神なのでは?」と軽い“死”との接点だけで、嘆いているが。
男に付き纏う“死”は、それよりも、幾百も上回って、澱んだ世界を構成している。
だが男はその世界が、異常だとは思った事は無かった。
善悪の区別が付けられないのか?
否。善悪の判断や、その覚悟は下手な者よりもハッキリしている。
違いが分かる人間という事だ。
それならば……、なぜ彼は、あのような世界を歩んでいるのか?
今回のお話は、はそんなお伽噺だ。
何処かを歩いていた。
風景は何も無い、ただ白いだけの風景。
そこを歩いている筈の足の重みも、
風撫での肌触りも、
一切の感覚を感じる事も無く、ただ浮いているかの如く
“歩いて”いた。
時間感覚の概念が欠落している状態で歩いていると、いつの間にか眼の前には、赤い絨毯の上に
寝転がりながら、表紙側が黒い本を呼んでいる少女が居た。
・
・
・
集束させた眼の、視線の先では、自称、正義の治安維持軍の厄介者達が
午後のコーヒーを嗜んでいた。
こんなに離れた距離でも相手が、砂糖を何杯入れているのかさえ分かる。
ふと、口の奥で、コーヒーの味と、砂糖の甘さが広がる。
男は次の瞬間、口をしかめる。
砂糖の甘い誘惑に一瞬でも駆られてしまった自分に対して、怒りを覚えたからである。
改めて、気分を落ち着ける。ドラグノフを握る手の感触はまるで、銃の一部の様だ。
……いや、銃が腕の一部となっているのだろう。
いいや…違ったな……そもそも、自分自身が砂と同化しているのだから、
自身も銃も大地と同化しているのだろう。
砂塵の風が止んだのかと思われる位、静かな時間の中、
一発の銃声が、店の硝子に小さい円形の穴を空け、獲物の側頭部を貫いた。
獲物は慌てふためき、そして、こちらを探そうとするが相手には、こちらの方角は分かっても、
こちらの姿を見つける事は、出来ないようだ。
当たり前だ。
スコープを付けていない、砂の色に塗られた俺のドラグノフは、
相手からしてみれば見えない脅威なのだろう。
二発目の銃弾は反応の遅れた男に対して、容赦無く貫く。
マズルフラッシュで悟られる事も、銃口に反射防止の処置を施しているからあり得ない事で、
光りを辿って見つける事や、目視でなどで見つける事は絶対にあり得ない。
三発目の銃弾が、そのままこの場から逃げようとしたジープのタンクを貫通し、派手な花火を上げる。
そもそも目測三指(600m~700m位)の距離程、離れた場所に居るのだ、見つけ様が無いのだが…
俺は生まれもって、ハゲ鷹の様な遠くを見通せる眼と、風の様な速さを持つ動きを、
つまりは、“相手を仕留めるという行為”に特化した才能を持っていた。
無論の事だが、ソレを洗練していく事を……、怠る様な事は無かった。
と言うか、休む暇が無かった。
四発目の銃弾は、隠れてて様子を見ようとした獲物の右目ごと頭を貫く。
俺を育てた親が、以前この様な事を言った。
『お前は、我等、アッラー(唯一の神)が使わした、裁きの化身なのだろう。』
と、自分ではよく分からない。
5発目の銃弾が獲物の喉を貫いた。
幸か不幸か、俺の才能は仲間の内では重宝された。
幸が、腹に爆弾を抱えない事で、不幸は始末の仕事等の忙しさに、マトモに寝る間も無いことだろう。
………もう、敵はいない。
その様な事故解決を済ませながら、少年は始末を終えると、ドラグノフを鞄にしまい、その場を静かに去った。
永遠のアセリア
ラスフォルト
第4章、1話、“戦いの記憶”
願望・・・
求めること・・・それはちからとなる。
善き願いでも、悪しき求めでも。
制約・・・
誓うこと・・・それは力を呼ぶ。
そんな誓いでも、それが純粋な想いならば。
織物・・・
時と運命と想いが紡がれた・・・
織り込まれて物語をかたち作っていく。
略奪・・・
強欲であること・・・それはちからそのもの
他者を蹴落としてまで、生に執着するためのこと。
少女は、白銀の髪を垂らし、その肌には刺青の様な赤い筋を這わしている。
シワ一つ無さそうな、黒を主張したドレスに近い格好で横になっている少女の姿。
その姿は非常に絵になっていた。
「ぼ~っと立っていないで、横に座りなよ。隣に座っても構わないからさ。」
ただ呆然と観察していたのだが、何時の間にか相手に気付かれた。
「アレ? 聞こえなかったのかな? 君だよ、ほら、早くボクの横に座りなよ。」
相手は本を読んだ状態で、左手だけを使い、横に座る様に指示してくる。
その言葉に従い、その横に胡坐を掻く状態で座る。
尤も、座る筈なのに、何等感覚を感じる事は無い。
「…………………」
「…………………」
沈黙が続いていたので、俺は話しかける。
「一つ聞くが、前にどこかで会った事が無い?」
彼女を美しいと感じた以外に、感じた事がある、それを初めての言葉に…………問いかけてしまった。
「ソレ、軟派のつもり?」
「……あぁ~そう取られてもおかしくないが、真面目な話だ。……もっとも半ば本気だが。」
そう俺が言うと、柔らかな表情で少女は笑う。
「勘違いされても、おかしくないセリフだから、余り使わない方が良いよ。ソレ。」
「ホントに本気なんだがな。どっちの意味でも。」
俺の目の前で少女は、今度はクックッと歯の奥で笑う。
ふと、その身体のラインと、見た目の色から沸いた印象は、以前どこかで手に触れた物に
似ていた。
幾束の黒い糸は自らにとって頼もしい伴侶、仲間、相棒、斬っても切り離せない存在。
「流石だね、ボクの相棒は。……まぁ会った事は無いと思うよ。互いに知ってはいると思うけど」
ーー何故、コイツは俺の事を相棒と呼ぶんだ?
「そうか? ……まぁ、そう言うなら良いか。」
「多分、ここに来て間もないから頭が落ち付いていないだけだと思うから……あと何度か、
ここに来れる様になったら解ると思うから。」
ーー確かに、俺は落ち着いていないのだろう………多分。
「わかった。そう言う事にしておく……って、そう言いながらお穣ちゃんは何を読んでいるんだ?」
「ん? あぁ…コレ? ある男の物語。今、主人公が、声にならない慟哭を上げた所だけど。」
そういって少女は表紙をサハドに見せる。
それは絵も文字もない、縁取りの細工さえ無い、ただ黒いだけの本。
その本の中を見て、サハドはハッと目を見開く。
ーー何故か、唐突にだが、俺はその物語を知っているような気がした。
男は人生の初めから、“死”に祝福されていた。
男は人生の始まりと言える時を“死”で纏った。
男は他者に“死”を与え、運命の悪戯により、妻と子に“死”が齎された。
男の人生は“死の意味を司るに”丁度が良かった。
……だからこそか、男は自らの“生”に執着しなくなった。
ただ……他者に、“死”を授ける事に対して、強欲になったのだ。
その事が男を変えた。
人の範疇を超えた洗練された戦士になり、戦う相手に対し躊躇しない化け物になった。
「あぁ、ノゼリノが死んじまった時か……。」
「そうそう、その部分だよ。」
少女は本を閉じるとサハドの方に向き直る。
尤も、絨毯の上で寝っ転がっているという不恰好だが。
「アイツはいい女だった……。」
褐色な肌の柔らかさ……穏かな雰囲気が……“彼女”が、脳裏に浮んだ。
「昔の俺は組織の一.二を争う凶弾者だとしても、この肌と髪と瞳の色で余所者扱いをどこかで
受けててな。そんな俺に対して直向に構ってくれて…、世話になって…、一人の戦士として
銘銘された時に、俺は長に『アイツが欲しいんだ』って言ったら、向こうの一返事で、
その日には結婚してた。何度でも言うけどアイツは……ノゼリノは、いい女だった。」
だが、彼女の顔は浮んでこない
「ボクはその女性……、ノゼリノだっけ? 君と夫婦になったのは打算があったのだと思うけど?」
本来ならば、この様な暴言は許さないのだが、何故か許せてしまった。
「あったんじゃねぇ? 俺だって女と一緒に居るのは、ファ○クしたいっていう打算があるからだ。
美人を選ぶのは、ファ○クしている時に、汚い物を見て気分を害したくないからかな。」
そもそも、結婚というのは女性を幸せにさせて、その感謝の念を受け取って幸せに
暮らしていく事を言うのだ、男の事は二の次だ(尤も、相手を選ぶ権利はある)。
「あぁ、色好む方なんだ君も。」
「そもそも、何も無い潔白なものだったら、夫婦なんて出来ないぜ。」
ーーもっとも……女に関しては、溺れてゆく様に、貪欲になっちまったがな。
「ハッハッハッ、それも、言い得てそうだね。」
笑いが覚めてしまうと、余計な事を喋りたくなってきた口がいる。
「さて……その物語の話だが、確かこうだったけな…………少年は生まれて間も無く、親を亡くし、
本当の親を知らないまま、育ってきたのです。少年の幼少期は、彼の親である義理の父親が、
ゲリラのリーダー各の男だった為、戦闘訓練や銃の扱いサバイバル術を、児戯代わりに遊ぶ人生でした。
少年はその術を、スポンジが水を吸い取るが如く、与えられた技術をめきめきと培って行きました。」
高みを目指し、同じ事の繰り返しを重ねてきた日々は、闇に浸かる為の儀式。
「そして何時しか……、物事を考える事の出来る年頃から……、世界は変わったのです。」
闇を喰らう日々は、賛美により白く染まる、だが白で彩ろうとしても所詮は闇だ。
「闇に潜み、音を立てずに他者を殺す事を巧みとして、その姿を現す事も無く確実に相手を仕留める。
その腕に、少年は“蠍”や“幻影”と呼ばれるようになりました。周りからの期待を受け、
その意味を自覚するようになり、少年は、名実共に一人前の戦士となった。」
少年は白い闇へと堕ち、「我等の正義の為に」「神の為に」といった呪詛が、少年の皮を被った悪鬼を生み出した。
「周りからの期待を受け、その意味を自覚するようになり、少年は、名実共に一人前の戦士となった。」
だが、少年は悪鬼の力を持とうとも……白き闇の底に堕ちようとも……狂う事もなく、ただ、歪んだままで、
夢が成就する事を願い戦い続けた。
「十三の若さで二つ上の妻を貰い、慎ましくも幸せな生活を送る様になると、更に頑張るようになり、
妻から、貴方の子が生まれると言われた日には、表情、態度は落ち着いてはいたが、喜びに喜んだ。
少年はいよいよと言わんばかりに、新たな命の為にも、来る日も来る日も少年は働いたそうな。」
姿は見えずとも小さく根付いた、その小さな儚い命に、男は心溶かされた。
「少年はいよいよと言わんばかりに、新たな命の為にも、来る日も来る日も少年は働いたそうな。
敵の喉を斬り裂き、相手の首を細い鋼糸で絞め落し、首をへし折り、銃で眉間を貫き、
殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、殺し、そして……俺は………。」
「はい、そこでストップ、折角の本の進行を台無しにしないでよ。読んでいた部分までで
いいんだから。」
「あ、あぁ…済まないな。」
手を叩く音と、彼女の声に、俺の言葉はようやく止まった。
「妙にハイになられても困るんだよ。」
俺の言葉はまるで何かの憑物が憑いて………いや、間違いなく憑いていた。
俺が過去に殺してきたものの“業”と言う奴だろう。
「そうですね。自分も聞いてて苦しくなってゆくのは見たくありませんし。」
俺は瞬時に周りを見回す、だが、周りの風景は白いだけで俺とこの少女以外誰も居ない。
「探しても、無駄ですよ。契約者さんにも姿は見えないんですから。」
ーー何処に居るんだ? 本か…いや違う。……声も耳で聞いているというより頭で聞いている
みたいだし…………って、今度は契約者かよ。
「へぇ、形作れない存在のくせに、ココに来れたんだぁ~~やるねぇ~。」
少女の口調も態度も変わりはしないが、明らかに警戒の色が見える。
「土地を介して妖精に、妖精を抱きながら寝ている契約者さんから、この世界へ、私に出来る
手一杯の事ですよ。この国を“誓い”の影響力から防いでいるので精一杯だって言うのに……。」
「まぁ……特に何もしないっていうなら、別に構わないでしょ。」
「相棒がそう言うならボクは構わないけど。」
「あらあら、お優しいのですね。」
「俺は、善人の部類には入らんが。女性は大切なものだからな。気にするな。」
「どっちかって言うと、“甘い”って方だと思うけど?」
御生憎と、女に水を掛けられて喜ぶ男ではないので、それはない。
「それで、何も理由が無いのにここに来たという訳では無いだろ。」
「えぇ、もうすぐ朝が訪れますので、お迎えに。それと、契約者さんと本当の意味で出会う前に、
幾つか質問したい事があったので。」
「朝!? まぁ、いいや答えられる限り答えてやるよ。」
「それでは、………報われない命は存在すると思いますか?」
「あぁ…あるね。」
「無駄に終ってしまう命など、この世にあるのでしょうか?」
「最前線(戦場)に行ってみろよ、ごろごろ転がっているぜ。」
「人の命とは何でしょう。」
「タンパク質と、水分と(以下略)で出来ている身体に魂が宿ってて、それが離れてしまう事。
その魂は人の見えならざる所で、死の天使に狩られている。」
「自分より大切な物はありますか?」
「今見ている、視界は誰が見ている? それは、その視線を持つ自分自身の視線で構成されている、
つまりは世界は自分を中心に動くものだ。」
「結論を言いますと?」
「結論は、結局、自分自身が最高のもので、態々順位を取るべきのもでもない、勝手に順位を
決めたがる者も居るが、それはそいつの勝手だ。」
物に固執しようと、決まりに固執しようと、ソイツはソイツの人生で、俺の人生では無い。
「……結局、俺の場合は、自分が一番で、その余裕があるから他の存在を大切にするんだ。
皆、其々に、水や金とか色々あるが、結局はアレだな………愛だ。」
_, ._
(;゚ Д゚)!?
横に居た少女は、俺の話を聞いて、驚愕の事実を聞いてしまった、と言いたい様な表情をしていた。
「愛……ですか。」
質問した者にとっても以外だった様で、声がおかしくなっていた。
「人間は金銭を相手に暮らす訳ではない。人間の相手は常に人間だ。そして、人と人の向き合いに
生まれ、必要であるものが思いやりであり……愛情だ。」
人にとってこれは、心理だろう。
「それがなければ、人間は種を残せないし、虚無な人生を送る事になる……いや、自分自身させ
愛せないのだから自滅するのは目に見えてるな。 」
「もし、愛する者か、自分か、どちらかしか生きられない状況ならば?」
そして、彼女は気を取り直し、質問を続ける。
「本当に愛する者が居ないから、その問いには答えられない。」
「奪われたモノがある……さぁ、どうする?」
「もし……、可能ならば、奪い返す。」
横に居る少女は拳を握りガッツポーズを取り、喜びを表す。
「……無い。」
問いかける方からしてみれば、俺の答えは理解できないのだろう、だから答えた。
“真理”とやらを。
「奪うという事は、生きていく事だ。他者から何かを奪わなければ何も得はしないし、それが、
自然本来の有るべき姿だ。……もし、それを完全に否定する者は、明らかに世の理に
背を向けて生きている背徳者に過ぎない。」
「では……奪う事は必要だと?」
「まぁな、……だが、必要以上に取るという事はしないし、奪う行為に溺れる事は無い。」
「貴方は強欲では無いんですね。」
「強欲である事は、常に想う事であって、許容以上に取ろうとする行為は、“浅ましい”と、いう事になる。」
少女は落ち込み、見事な形で“Orz”のポーズを取っている。
よっぽど「浅ましい」と言われたのがショックだった様だ。
「……成る程。それでは、少々こちらで考えさせて頂きます。」
そんな少女を意識せず、見えない存在は、独りで思考を続け、そしてある程度の自己完結で話を締める。
「そうか。それで、朝を迎えるにはどうすれば?」
サハドも別段、言う事も無いので話を終わりにさせようとする。
「契約者さんは、このまま、朝を迎えて下さい。自分は貴方に正式に出逢うまでに結論を下します。」
「具体的には、どうしたらいいんだ?」
「横に居るのが何とかしますので、」
“横に居るの”というのがこの少女の事なのだろう。
「あ~、ボクの存在意義を疑問視されて、ボクの*“顔”にパイをぶつけられた気分だ。」
話が進まないので、少女の事は、この際うっちゃっておく。
「何だか知らんが、頼めるか?」
「………いいよ、心身共にダメージ受けてるけど……。相棒がこのまま三年寝太郎になっても困るし。」
そういって少女は俺の目の前に立つと俺の頭におでこを寄せる。
「はい、目を閉じて~、はい、そのまま精神状態を安定させて……」
言われたとおりに、静かに、気分を落ち着ける様に目を閉じる。
「そう……そして、……そのまま…………朝を…………………。」
段々と意識が、無くなって………俺は………
・
・
・
「……」
目を開けると、そこには見慣れぬ天井があった。
「…………」
無意識に動かした右手の掌に、軟らかく温かい肉の感覚を感じた。
「んふっぁぁん」
首を右に傾ければ俺の横には、一視纏わぬ姿で寝ているレネヴァリーの姿があった。
どうも、無意識にその胸を揉みしだいていたようだ。
「…………」
左手の左側を見てみると……。
「そこはぁ~~だめぇ~ん……」
コッチには、名前を覚えていないが、産まれたままの姿で、俺の腕に引っ付いて寝ていた
スピリットの姿があった。
「…………」
俺は、眠気交じりの脳味噌を叩き起こして、昨日の光景(惨状)を思い出す。
「……あぁ…成る程…ね。」
ーー昨日はドロドロになるまで激しく〇〇〇〇(自主規制)したんだっけ。〇とか〇とか、〇〇位とか。
「俺も…結構、絶だったんだな~」
目覚めの状況(惨状?)により、先程まで見ていた夢が思い出せないが、何はともあれ。
俺、サハドは、朝を迎えた。
ツッコミ所あり過ぎなんだけどね。
まぁ、それが相棒らしいというか何と言うか?
ーー何か、軽く見られている気が……。
その時、ふと、銀髪の少女が笑っている姿が浮かんだ。
「…………。」
どうしたんだい? 相棒。
何故か、和んだ。
ーー別に……、「いい女だな」って、お前を見てそう思った。
な、ななななな~!!
この際、夢の内容はどうでもいい。
今、この時、俺は、
ただこれから始まる人生に、退屈しないで済みそうなのが、
とても嬉しかった。
次回に続く。
あとがき
アヴェンジャーというスピリットのクラスを見て、妙にアレ(某八体目)を意識した人は多いのではないでしょうか?
そんな想いのぬへで御座います。
はい、………演出の為に、文章を読みやすくしなかった事を白状します。
イヤ、ホントウニスミマセン。イヤ、マジデ。
次回はそんな事はありませんので、
あぁそれと、冒頭の部分で中々どう読んでいいか分からないと思いますので、こっちで簡単に説明します
【何処かを歩いていた】の前の部分(①)はサハドの過去(赤ん坊時)の時と、含みのある文で、
【何処かを歩いていた。】~【少女が居た】までが(②)夢の中の話になります。
【とある男の話だ】~【静かにその場を去った】は(③)過去の話で、少女がその過去を本という媒介で
見ているという演出です。
タイトル以降は(②)と同じ状況です。
まぁ、早い話。
“強欲”の精神形態がサハドの夢に出てきて、勝手に人の記憶を除いていた所に本人が出くわしてきて
そして以外なのが外からやってきて、そのまま平和にぺちゃくちゃ喋って、サハドは夢から覚めたって訳です。
身も蓋も無く言ってしまえばそれだけなのですが…(笑)
以上です。
それでは今回はここまで。それでは皆様、次回に乞うご期待。
用語辞典
*顔
この文章での場合は実質的なものではなく、信頼や実績の意味で使用。
例、「うちら、顔を売っている様な商売なんでね。」
「よくも人の顔に泥を塗ってくれたな」
と、やくざな話でよく使われる。