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           運命に逆らいし者


 

  第一章
       第三話 心奪

 《所属不明のスピリット発見》

その報告にあった地域まであと少しのところまで来ていた二人だったが、近づくにつれ違和感がしていた。

(こんな広々とした草原なのに人の気配、いや生き物の気配すらないとは・・・。ここまで静かなのはおかしい・・・)

辺りを見回すがやはり動物さえも見つからず、ただ風の吹く音だけが聞こえていた。

(それに生暖かい嫌な風が吹いていやがる。嫌な予感がするな・・・)

この異常な空気に二人とも緊張が高まる。

『そろそろ報告にあったポイントですね。けどスピリットの気配はおろか神剣の気配さえ感じませんが・・・』

(とりあえず感知できる範囲を広げてみてくれ。遠くで見つかるかもしれないからな)

意識を『守護』に集中させさらに遠くまで神剣の気配を探る。近場ではシリカの『関心』の気配しか感じられなかったが

ここから数キロ北にとても弱々しったが神剣の気配が感じられた。

(もしかしてあれか?でもここまで弱ってるならさほど脅威にはならないはずだが・・・)

そう思ったが何かを見つけたのかシリカが袖を引っ張ってきた。

「”ねぇケンジ。そこで嫌なもの見ちゃったんだけど・・・来てくれる?”」

「嫌なもの?そこって一体何が・・・!?」

シリカの指差す方向を見てみる。そこにはイースペリアの調査部隊らしき人達が無様に体を切り刻まれ死んでいた。

(確かに報告には連絡が途絶えたって言ってたけど・・・。ここまでになっているとは。
 まさか、さっき感じたあの弱々しい気配の奴が殺した可能性が高いが・・・)

今の現状がどうなってるのか頭の中を整理していると、急に『守護』が慌てた口調で叫んできた。

『ケンジ!さっきの気配の持ち主が異常な速さでイースペリアに向かっています!!早く止めに行かないと!』

(!?ついさっき感じた程度じゃそんなスピード出せるはずがないはずだが・・・)

そう思い再度範囲を広げ気配を感じる。するとさっきまで弱々しかった気配が異常なまで高まっていた。

「やばい!奴の狙いは俺達をイースペリアから引き剥がすものか!!」

「”なっ!じゃあ早く戻らないと!みんなが危ない!!”」

一気にイースペリアに向けて駆け出す二人。だが相手のスピードが異常に速く、このままのペースでは間に合いそうに無かった。

(イースペリアでもこの異常な気配を感じたらスピリット隊を配置するだろうが・・・。そう長くは持たないか・・・くそっ!
 『守護』なんとかできないのか?)

『何とか出来ますが・・・。ケンジ。これはあなたにとって負担が大きすぎるのであまりお勧めは出来ませんが・・・』

(かまわない!間に合うならそれでも。どうしたらいい?)

『・・・わかりました。それでは私の力を更に解放します。いつも以上に早く行動できますが、ついさっき言った通り負担が大きいので
 気をつけてください』

その言葉のあと『守護』から更に力が流れてきた。

(よし。これならいける!)

「シリカ。俺は先に行くが、なるべく早く追いついてくれよ。」

「”わかった。気をつけなよ。”」

シリカの返事を聞いた後足に力を貯め一気に加速する。

その姿を見送ったシリカも急いで後を追う。






      イースペリアより西に8キロ地点

全力で加速していたケンジは何とか敵へ追いついた。

「そこのスピリット。止まれ!」

その言葉に気付いてかそれとも気配を感じてか目の前で走っていたスピリットは止まる。

「お前、何の用でここに来た。何をしようとしているんだ?女王に謁見なら理由を聞かせてもらうが・・・」

「”・・・・・”」

その質問に答えようとしないスピリット。その姿に違和感を感じた。

(姿からしてブラックスピリットのようだが・・・何かおかしい・・・)

目の前のブラックスピリットからは何も感じられなかった。異常な神剣の気配も、スピリットの意志も感じられなかった。

ただの人形のようにしか見えなかった。

(ここまで何も感じられないとは・・・こいつ、なにかあるな・・・)

そう考えた時だった。目の前のスピリットがいきなり剣を構え斬りかかって来た。

ブラックスピリットの急な攻撃であったためケンジは『守護』を構えるも反応が遅れたせいか

左腕を軽く斬られてしまった。その切り口からわずかにマナが漏れ出す。

「”・・・殺す・・・”」

先ほどまで何も感じられなかったのが嘘のように、目の前のスピリットからは異常な神剣の気配と

殺気が感じ取れた。しかしスピリットの意志だけは感じ取れなかった。

「ちっ」

軽く舌打ちをし、距離をおく。

(いったい何なんだこいつは・・・何かおかしい・・・)

その姿を見て更にスピリットは襲い掛かってきた。

連続で繰り出される剣劇の数。何とか防ぐも、防ぎきれないのもあり軽く斬られる。

その攻撃が何度も繰り返されケンジの体には傷が増えていった。

(くっ。こいつ、前に戦ったスピリット達とは比べ物にならないほど強い・・・。
 防御ばかりしていてもこっちが負けるだけか・・・なら!)

右手に気を貯める。それに気付かずに攻撃を仕掛けてくるスピリット。その剣劇を軽く斬られながらも

避け、相手の懐に潜り込む。

「くらえ!!【衡絶】!!」

気の込めた右手を相手の服部に叩き込む。その直撃を受け後方に吹き飛ばされ、地面に倒れこむスピリット。

「ふぅ。」

異常な神剣の気配が消えたことを確認したケンジはこれで終わったと思い気を抜いた。その時だった。

倒れたスピリットからまた異常な気配を感じたかと思うと起き上がったスピリットは一瞬のうちに距離を詰め

斬りかかって来た。

「こいつ。まだ!?」

何とか応戦しようとするが、予期せぬ出来事で構えるのが完全に遅れ右足を大きく斬られた。

斬られた足からは血が止まることなく流れ出し、立つ事が出来ずその場にひざまついた。

「ぐっ。くそがぁ・・・」

何とか『守護』を支えにして立つが構えることは出来ないほど傷は深かった。

その間にも敵は殺す勢いで襲い掛かって来る。

(この状態で攻撃を受けたらやばいか・・・。足の出血は『守護』が止めてくれているおかげで何とか立つことは出来るが
 避けるのは無理だな。くそっ。奴に対抗する方法はあの技しかないか)

目を閉じ気を両手に集めるよう集中する。敵のスピリットは更に迫ってくる。

残り10m

両手に集まる気が具現して拳から白い炎のようなものが出る。

残り5m

更に集中し高密度に気を集める。

残り2m

敵の剣劇に備え構える。

残り1m

『守護』を地面に突き刺し、目を見開き敵を凝視する。

残り0m!

敵のスピリットは正確にケンジの首を狙って斬りつけて来た。

「そうやすやすとやられるかよ!【羅衝】!!」

敵の神剣に右手を叩き込む。拳を叩き込まれた神剣は衝撃で弾き飛ばされ、スピリットは行動が遅れる。

「まだだ!【追衝】!!」

相手に隙を与える暇も無く更に左手を相手の服部に叩きつける。その衝撃でスピリットは完全に体制を崩す。

「これで!我流闘技【双破衝】!!!」

両手を相手の服部に叩きつけ、高密度に集められた気を爆発させ衝撃波を生み出す。

叩き込まれたスピリットは衝撃波により十数メートル吹き飛ばされ地面に倒れこむ。

『守護』を杖に何とかスピリットに近づき完全に気絶したことを確認すると緊張が解けたのかその場にへたりこんだ。

しかし倒れこんだスピリットを見るが、まだ神剣の異常な気配とスピリットの違和感はなくなってはいなかった。

「戦っていた時もそうだったけど、こいつからは意志が感じられなかった。何者かに操られているような感じだろうな。
 なぁ『守護』。この現象について何か知っていないか?」

その質問に『守護』はしばらく黙っていたが、少しずつ話し始めた。

『それはおそらく、そのスピリットが神剣に取り込まれたからでしょう』

「神剣に取り込まれる!?どういう事だ?」

『前回に一度強制力の話をしましたね?』

「ああ、確か神剣が契約者を従えるために発するやつだろ?それがどうしたんだ」

『その強制力が原因なんです。神剣は強い力を持っていますが肉体を持っていません。
 誰かと契約をして初めてその力を発揮することが出来るのです。』

「ああ。そこのところは大体はわかるが・・・」

『そして契約者を得た神剣は自分の思うようにするよう契約者に言います』

「それは全ての神剣がか?」

『いえ。これは自我の強い神剣。つまり私達第4位付近の剣のみです』

「ならこいつは大丈夫じゃないのか?第4位とかじゃないんだから・・・」

『そうなんですが・・・。そこのところはまず神剣が契約者を取り込む。つまり体をのっとる
 仕組みについて説明します。神剣達は主に契約者の力が自分より弱い状態の時に行われます。
 強制力を出す神剣の場合ではその力に負け神剣に屈服した場合、他にも契約者の心が壊された時も乗っ取られます』

「じゃあこいつは心を壊されたりしたせいで神剣に乗っ取られたと。」

『そうでしょうね。それと神剣に飲み込まれた者はただマナを求めるためにスピリットを殺す
 殺戮人形と化すわけです。』

「じゃあこいつもこのままほって置いたら・・・」

『間違いなく。また殺しに来るでしょうね。神剣に乗っ取られてる間はずっと・・・。
 そう言うことになる前に殺した方がいいんですが・・・』

「殺すなんて、そんなことはしない!!何か神剣から自我を取り戻す方法はあるんだろ?それを試せば・・・」

その言葉に『守護』は黙り込む。

『今まで神剣に取り込まれた者の自我が戻ってきたという報告はありません・・・。』

「!でも何か方法はあるはずだ!殺さずに助け出す方法が!!」

『・・・。』

頭の中をフル回転させ一心不乱で考える。しかしまだこっちの世界に来て間もないので、そんな方法は見つからなかった。

その姿を見ていた『守護』は重い口を開いた。

『・・・私の力ならば、助け出すことは可能かもしれません・・・。しかし、ケンジ。
 これは今のあなたの状態じゃあ危険な賭けになります。・・・それでもやりますか?』

「方法があるならば。迷っている暇はない!どうすればいい?」

『私をそのスピリットの神剣に近づけてください』

言われた通りに『守護』を近づける。

『これからケンジ。あなたの意識を神剣の中に潜り込ませます。そこで真剣の意志を断ち切って欲しいのです』

「意志を断ち切る?どうやって。」

『それは中でいいますが・・・。本当にいいんですね?下手をすればあなたの意識までもこの剣の中に閉じ込められます。』

「かまわない。こいつが助かるのであれば、な。」

『わかりました。それでは意識を潜り込ませますので目を閉じ私を持つ手に意識を集中してください』

目を閉じ意識を集中させる。『守護』が光りだし視界が白く塗りづぶされた後、何かに飲み込まれたような感覚になり意識を失った。













        精神世界(神剣内部)

再び意識を取り戻し起き上がると水の中にいるような景色が広がっていた。

手にはすでに『守護』が握られ、足の怪我はなくなっていた。

(ここは・・・?)

『ここはあの神剣の世界という感じです』

『守護』の声があまたに響くのではなく部屋全体から聞こえてきた。

(ふむ。で、俺はここで何をやれと?)

『おそらく神剣の意志がこの世界のどこかにいるはずです。それを見つけ出し破壊してください』

(破壊するって、剣だけがあるってのか?)

『いえ。多分契約者。つまりスピリットの影のようなものが現れると思います。
 それが持っている神剣を破壊していただければいいのですが・・・。今回私は外側から神剣を抑えているので
 サポートにまわることが出来ません。なのでケンジ一人で戦ってもらうことになりますので、十分気をつけてください。』

(了解。じゃ後のことはよろしくな)

『守護』を構えなおし、まずは気配を探る。部屋全体からさっきの神剣の気配が感じ取れた。

(まぁあいつの中なんだし当たり前といや、当たり前か・・・)

立っていても仕方ないので歩き出す。

しばらく歩いていると前方にスピリットらしき者が立っていた。

(こいつがスピリットの影って奴かな。今さっきのと同じなら攻撃を仕掛けてくるな。)

相手の方もこちらに気付いたのか剣を構えこちらの動きを探っている。

ケンジも剣を構え相手を睨みつける。

睨み合う二人。



睨み合うこと10分



痺れをきらしたスピリットが攻撃を仕掛けてくる。

それを難なく受け止め、反撃に『守護』の柄の方で突き飛ばす。

起き上がる暇を与えず更に攻撃を加えるが、こちらも難なく受け止められる。








いったいどのくらい時間がたったのだろうか。

必死の攻防戦が繰り広げられる。

両者とも長い戦闘により息があがり始める。

(はぁはぁ。もう長くはもたないな・・・。ならば、次の一撃で・・・決めてみせる!)

体内に残った気を『守護』にかき集める。

敵も同じ事を考えたのか、神剣から感じる力が増えているのがわかる。

「これで終わりだぁ!!」

両者とも一斉に駆け出し最後の一激を繰り出す。

下段から斬り上げるように『守護』を振り上げる。

敵は横からすばやい斬撃を繰り出す。

両者の剣が交じり合う。

火花を散らし ギリギリ と刃の交わる音がする。

しかし相手のほうが上手なのか、少しづつ押されていた。

(くそっ。まだ相手のほうが上だってのかよ。こんなとこで俺は死ぬのか?いや、俺はまだ死ねない。
 まだ悠人たちを見つけていない!誰も見つけていない!見つけるまでは俺は死ねない!!)

「俺は・・・まだこんなとこで死ぬわけにはいかないんだよ!!!!!!」

最後の力を振り絞り押し返す。

その気迫に呼応するように気も増幅される。

「うおぉぉぉぉ!!!」

全力で『守護』を振り上げる。その力に負け神剣が上空に弾け飛ぶ。

「これで、終わりだ!!」

上空に弾け飛んだ神剣にめがけ『守護』を突き出す。

刃と刃が交じり合い ギィィィン と鳴った後、神剣はこなごなに砕けた。

破片のようなものが地面に向かって落ちて行き、金色のマナとなり霧散する。

スピリットの影もいつの間にか消え失せていた。

何もかもが終わった後『守護』の声が響く。

『ケンジ。お疲れ様でした。これでこのスピリットは自我を取り戻すことが出来るでしょう。
 では、こちらに戻しますね。』

その声の直後、進入した時と同じく部屋全体が白い光で溢れ目の前が見えなくなる。

今度は外へ出されるような感覚の後、意識を失った。







     外

右足に感じる鈍い痛みに気付き目を開ける。目の前は戦闘した直後の風景そのままであった。

しかし目の前にいる所属不明のスピリットの神剣からはもうすでに異常な気配は感じられず

とても安定した気配を感じることが出来た。

(殺さずに済んでよかった)

そう思い立ち上がろうとするが、体が動かない。それよりか徐々に意識が朦朧とし始めた。

(なんで・・・こんな・事に?)

『今回はマナも体力も使いすぎたからです。じきにシリカが来ますのでそのまま休んでください』

(そうか・・だからか・・・なら心配ないな・・・。じゃぁ・・後は・・・頼む)

その後完全に意識を失った。

『本当にお疲れ様でした』

『守護』の言葉を聞きながら・・・。








     健二がいる所からおよそ5キロ付近

シリカは『関心』から感じた気配により戦いが終わったことを確認した。

(”早く来い。って言われても来る前に終わられたらねぇ・・・”)

そう無駄口をたたく。

(”ま、あいつは強いしね。心配ご無用かな”)

健二がいるポイントにようやく着いた。シリカはその状況に驚いた。

「”な、なんなのよ。これは・・・”」

目の前には傷まみれで倒れている健二とスピリット。その周りは斬り跡やら穴やら

どれだけ激しい戦いだったのか一目でわかった。

(”ケンジがここまでやられるって・・・なんなのよこいつは・・・”)

そう思った瞬間、『関心』からこうなった経緯を聞く。

「”なるほどね・・・。こいつがあの神剣の飲まれてたってわけか・・・。
  確かに神剣に飲まれた者が戦闘能力が以上に上がるのは聞いてたけど、まさかここまでだなんて・・・”」

この事実に十分驚いたつもりだったが『関心』から聞いた言葉に更に驚いた。

「”えっ!?こいつも城で休ませるの!?アズマリアを狙ってきた奴かもしれないのに!?”」

この事については断固拒否をしていたがこの頼みが健二のものだと聞くと

「”確かにあいつは自由にさせてもらうって言ってたけど・・・いいのかなぁ・・・。
  でもほって置くわけにも行かないし・・・”」

なんだかんだで結局一緒に連れて入ることにした。

「”一体この報告はどうしたらいいのよ・・・・”」

そうぶつくさいいながら作業に移るシリカだった。



















       夢の中

気絶している中健二は夢を見ていた。

いつも見ている絶望の夢ではなく。力を得るために努力した日々。

父親との約束を守るため努力した日々の時であった。



中学も何とか卒業し一人暮らしをしていた健二。

「今日で父さん達がなくなって11年目か・・・墓参りに行かないとな。」

私服に着替え、鍵を閉め家を出る。両親と妹の墓まで着いた健二は墓石が綺麗に洗われ

お供え物が供えてあるのに気付く。

「今年もおじさん達、来たんだな。」

お世話になっていた時も墓参りだけは一人で来ていた。その時親戚の人が考えたのだろう、

毎年自分が来る前にいろいろしてくれ健二が来る時はただお供え物を置いて拝むだけですんだ。

(毎年だけどやんなくてもいいのに・・・。)

そう思いながらもいろいろとしてくれているので感謝する。

墓参りも終わりいつもならそのまま帰ってしまうのだが、今年は違うことをしたくなった。

「あまり行きたくはないが、家(焼けた実家)に戻ってみるか・・・」

電車を乗り継ぎ小さい頃住んでいた家に戻る。

家といってもすでに全焼してしまっているので焼けた地面しか残っていなかった。

その中に入ったとたんかつての記憶が蘇ったような気がした。

「ここが父さんの部屋でここが・・・」

と部屋があった場所を行ったり来たりしていた。

その時だったふと一箇所不自然になっている場所があった。

「あそこは確か書斎があった場所・・・」

その場所に近づきよく見てみると地面に切り込みが入っており開きそうな感じだった。

「何かあるのか?」

切り込みがある周辺の邪魔なものをどかし、取っ手らしき部分をつかみ引き起こす。

中は小さな物置で中には数冊の本と古ぼけた手紙があった。

おもむろに手紙を取り内容を見てみる。


  <手紙>
  健二へ

この手紙を呼んでいることは俺はもういないだろう。

俺がいない代わりにお母さんと仁美はお前が守ってやってくれ。

お前は強い子だ私がいなくてもちゃんと守ってやれると思う。

だが自分の今の力ではかなわない事があると思う。

そのためにお前ためになる本を何冊か残す。

1冊を除いて他は多分読めないとは思うが誰かに取られてもまずいものなので一緒に入れておく。

残りの1冊は習得できれば十分お前に力になるはずだ。



最後に

関係のないお前までも運命の道に巻き込んでしまった俺を許してくれ。

  父より



手紙を読み終えほぼ理解することが出来たが、最後の1文だけは理解することが出来なかった。

何故父親が謝らなければならないのかと・・・。

手紙をたたみ、他に入っていた本を取り出す。

3冊あったがそのうち2冊はまったく知らない文字でありさっぱり読めなかった。

残りに1冊は日本語で書かれており。タイトルには<気術の扱い方>と書かれていた。

「これを習得しろと言うことか・・・。」

内容を軽く読んだだけだが、どれだけ気を扱えるようになるまで苦労しなければならないのかは一目でわかった。

その時ふと昔父親が言っていた言葉を思い出す。


 「この先どんなことが起きても自分が後悔しない選択をするんだ。
  自分がどうしたいのか自分は今どうすべきなのかをな・・・。
  他人の意見も聞いてもいいが、必ず自分の意思できめるんだぞ?」


「自分が後悔しないためにも。っか」

その時自分はどうするかすでに決めていた。

後日、その1冊だけ持って帰った健二は毎晩本を読み習得するため努力をし続けた。

バイト生活をしながらもぼろぼろになりながらもやり続けた。



やり始めてから10ヵ月後


体内の気をコントロールすることが出来るようになった。

ようやくできるようになり気が抜けたのかその後数日は寝込む形となってしまった。

気をコントロール出きる様になった後、気を利用した技を練習し続け今にいたる。



その時は十分無茶をしたなと夢の中で懐かしく思う。

だがやはり今になってもわからない事があった。

手紙の最後にあった父親からの謝文。何故父はそんなことを書いたのか・・・。

(親父・・・。俺に一体何を伝えたかったのか・・・)

やはりそれだけが今でもわからなかった。













実際にその理由を理解できたのはこの時よりだいぶ後のことだった・・・。






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 あとがき

作者のカシムです。
毎夜、毎夜、遅くまで書き続けてようやく完成した第三話。
正直疲れました。もういろんなとこで寝てますよ、ホントに。
まぁようやくできた第三話ですが、
「お、お父さんはなにやったんですか!?」
とまぁこんな感じの展開にしてみました。(なっているのか!?)
これで父さんの職業もわかってもらえるかな・・・?


今回この話の終盤のネタを友人と話していたのですが友人から出たのは
「健二って次男っぽいから長男出せ長男」
っと言われまして・・・
「長男出すにしても幼い頃何処おっったねん?俺出してねぇぞ?」
と聞くと
「ん?もうすでに異世界に飛ばされていたって事で(笑)」
・・・飛ばされたって・・・。しかも更に
「で、ラスボスはエターナル化した兄貴って事で。所属はもちろんロウでな(笑)」
ってな設定言われたんですが・・・。
兄貴出すのか!?てか健二は次男っぽいってどういう観点から!?
って思いましたね。結局のところはこの話は持越しって事になりましたが・・・
最終的にはどうするかまだ決めてません。(この設定で行くことはないと思う)
まぁゆっくり考えていこうかと思ってます。


最後に今回も読んでいただきありがとうございます。
感想等があればどんどんBBSの方へ書いてくださればうれしいです^^








(最近の会話にて)
友人「家の原因不明の火事やけどその原因は父親って事で(笑)」
カシム「おぃおぃ」






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