運命に逆らいし者
序章 第1話 決意
いつの頃だっただろうか・・・。
己の弱さを嘆き悲しんでいたのは・・・。
いつの頃だっただろうか・・・。
力が欲しいと望んだのは・・・。
今の自分にはその頃がいつの日だったかよく覚えている。
忘れることの出来ない、あの悲しみと、絶望を感じた一日を・・・。
健二の夢の中
「お兄ちゃん、遊ぼ〜♪」
「いいよ。それだったらお父さんもいっしょにあそぼうよ〜」
「よしきた。せっかくの休みだ。思いっきり遊ぼう」
目の前で、親子3人が遊んでいる。
その3人を自分はよく知っていた・・・。
いや、知っていたではない覚えていた・・・。
顔や体、彼らの性格何もかも自分の頭が覚えている。
12年たった今でも忘れるわけが無い。
父親と妹、それから自分の小さい頃の姿なのだから・・・。
その日は仕事にいつも忙しい父親がめずらしく休みが取れたので
遊んでもらっていたのだ。
とても楽しそうに遊んでいる姿が見える。
「はいはい。ちょっと休憩しましょ。」
家の中からコップとよく冷えた麦茶を持った母が出てくる。
「よし、それじゃあとりあえず休憩!」
「わかった〜」
「母さんお茶ちょうだい〜」
父親に言われ子供達もそれに従う。
何の特別なことの無い普通の家庭の風景だった。
しかしこの日に限ってあの出来事が起こる・・・。
夜
みんなが寝てしまったそんな時に事件が起こった。
いち早くその異変に気付いたのは自分だった。
トイレに行くために起き、そのままトイレに向かって行っていたところ
何か焦げ臭い匂いがした。
「?」
しかし幼かった自分には何もわからず、
気にせずそのままトイレに向かっていた。
トイレから出て家の中を見た。
その時自分には何が起こっているのかわからなかった。
ただ目の前には火の海広がっていた。
何も出来なかった。ただ熱いのでただ逃げ回ることだけしか出来なかった。
何とかして家の外に出た自分。
しかし振り返って見ると自分の家は炎の柱になっていた。
「父さん?母さん?仁美?」
とりあえず家の事よりも先に家族を探す。
しかし、父親も母親も妹の姿さえも見つからなかった。
2時間後消防隊員のおかげで他の家には火は移らず自分の家だけで収まった。
ここまで燃えていたのに他の家には移らなかった。この異例には消防隊員も
一般市民も奇跡だったとしかいえなかった。
ただ自分にとっては奇跡だの何だの関係なかった。
父親達の姿が結局最後まで見つからなかったからだ。
後日とりあえず親戚の家に預けられていた自分は父親達が焼け死んだ事を知る事になった。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
自分はその時泣き叫んだ・・・3日3晩泣き続けた。
しかしそれでも親たちは帰っては来ない。
誰も戻っては来なかった・・・。
ここで夢は終わる・・・。
このときに自分は思ったのだ。
「力が欲しい。」
「大切な人を守れるようになりたい」
「自分の目の前ではもう誰も死なせたりはしない」と・・・。
無理かもしれない、だがなんとかしてこれだけは守り抜こうと誓う。
自分が後悔をしないように。
この事件が起きた後
家族全員いなくなった自分はそのまま親戚に育てて貰うことになった。
しかし親戚にいつまでも世話にはなりたくなかった自分は
中学1年の時家出した。
それからと言うもの1人でバイトしながら生活をしている。
中学を卒業し高校にも入ることの出来た。
その高校である人物と出会う。
自分と同じく両親を失い、バイト生活をしている者と。
今後、巻き込まれるであろう異変の中心に立つ者に・・・。
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あとがき
え〜作者のカシムです。こういう小説を書くのは初めてだったもんで
おかしい所とかたくさんあるかもしれません^^;
それでも最後まで見てくれた人には感謝します!
今後ともいろいろと書いていこうと思っていますので
応援よろしくお願いします