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「ア、アセリア!"エトランジェ"様がいらしたってどう言うことなの!?」
「ん?」



 第一詰所の門の前で俺は暇を弄んでいた
 いや、正直言えば運んでくるなりアセリアはすたすたと中に入ってしまってどうしようも無いだけなんだけどさ

 勿論、ここの構造も熟知しているから入っても迷いはしないけど


(エスペリアは俺の事をまだ知らないからな)


 流石にそこまで無礼な真似をするつもりは無い
 というわけで、さっきから待ってはいるのだが



「アセリア!ちゃんと説明なさい!」
「……………ん。森で……………拾った」



 随分な言われようだ



「寝る」
「あ!ちょっ……待ちなさい!」



 奥の方に足音が消えていく
 いつまで待てばいいんだろう……


 キィン!


【今まで数多くの契約者と共に在ったが、このような待遇は初めてだな】


 俺も初めてだ



 結局、エスペリアが扉を開けてくれたのは一時間後だった











永遠のアセリア

-The Spirit of Eternity Sword Returns-

もう一度、あの場所で


第一章「再開」

第二話「異端の異邦者(エトランジェ)











「……ユ……様?…ート………ユート様?」
「……………む」



 ゆさゆさと身体をゆすられる
 相変わらず俺は寝起きが悪い。低血圧は生まれつきだから俺のせいじゃない……………たぶん



「おはようございます。昨日はお待たせして申し訳ありませんでした」
「おはよう、エスペリア。気にしてないから、もう良いよ」


 にっこり微笑むエスペリア
 ようやく頭が正常に稼動し始める

 ここは、以前にも使っていた俺の部屋。エスペリアに通された後、簡単に自己紹介を済ませて寝たんだっけな



「……………?」
「ん?どうしたんだ?」



 ふと、視線を戻すと今度は疑惑の表情を張り付かせたエスペリアが映る
 なんか、変な寝言ったとかしたんだろうか?



「いえ、"エトランジェ"様は……」
「あ、悠人で良いよ。俺も皆のことは名前で呼ぶから」
「あ、はい。ユート様達――この世界で"エトランジェ"と呼ばれる方々は異なる言語を話す――と伝承にあったものですから」



 その通りだ。前回、俺はここの言葉を話すことが出来なかった
 もっとも、今はペラペラだ。えっへん



未だに……………文字は書けないんだけどさ……………












「えーと。あ〜。バカ剣の……この『求め』のおかげだよ」
「『求め』の、ですか?」
「まぁ、俺にも良く解らないんだけどね。いきなりこの世界に呼び出されて、赤い女の子と剣で戦ったんだから
 あの青い髪の子が来てくれなかったら死んでたかもしれない」



 完璧に嘘って訳じゃない
 しかし……………これで騙されてくれるか?

 だが、頭を上げるとエスペリアは納得したように首を振った



「そうでしたか、本来なら私達スピリットがお迎えするはずでしたのに……………。役割を果たせず申し訳ありませんでした」
「い、いや。大丈夫だから、な?結果的に助かったんだし」
「はい……………。ですが……………」



 ぐぅ〜〜



「あ………」
「え………」



 謝り倒すエスペリアを尻目に情けない音が響く
 あぁ、そういえば昨日から何も食べてないや



「初対面で悪いんだけど………何か食べるもの貰えないかな。昨日から何も食べて無くてさ……」
「も、もも申し訳ありません!!すぐにお持ちします!」



 真っ赤になって疾風のごとき勢いで扉へと消えるエスペリア
 まぁ、話を切り上げられただけよしとしよう



 十数分後



 食欲をそそる匂いと共にお盆を抱えたエスペリアが戻ってきた
 リクェムは……………


 ……………よし。無いな





「いただきます」



 木製のスプーンで料理を口に運ぶ
 お粥やスープ等病院で出されるような負担が少ないものが多いのはエスペリアの気遣いだろう

 『求め』は再び惰眠を貪っているらしく神剣の加護を受けることが出来ない俺にはこの気遣いは嬉しい



「お口に会えばいいのですが……」
「いや、美味いよ」
「そうですか。良かった!」



 ホッとしたような表情で喜ぶエスペリア


 そんな事をしているうちに、皿の中身は空っぽになっていた


「ごちそう様でした」
「はい、ありがとうございます」



 食器を下げ終わるのを見計らって、俺はこんな質問をぶつけてみる



「なぁ、俺はこれからどうなるんだ?」
「……………それは……。王がお決めになることですので私からは何も……………」
「ふむ、じゃあその王ってのは何時会えるんだ?」



 なるべくなら会いたくないが、避けては通れない道だから仕方が無い



「そうですね……。今、王は諸国を視察していらっしゃいますので、お帰りは十五日後になると思います」
「十五日後か……………」



 ふと、ある考えが浮かぶ
時間はあるし、ここで実行してみようと頼んでみる



「なぁ、エスペリア。少し頼みがあるんだけど……良いかな?」
「はい。私めにできる事ならば」
「うん。じゃあ……………。ここの文字を教えてくれ」



 はい?とエスペリアはあっけに取られて固まっていた
 が、それも数秒。あわてて平静を取り繕うとする



「文字……ですか?」
「あぁ。言葉の方はこの『求め』のおかげで解るけど、文字は全くわからないからさ」
「はぁ……そうなのですか。解りました。常に付きっ切り、と言うわけにはいきませんが。ご教授させていただきます」






   それからエスペリアとの特訓が始まった
 言葉を覚える時は感覚で何とかなったけど、もともと勉強が出来たわけじゃない俺にとって文法は地獄だった












「よし!これでどうだ!」
「『わたし』が『あなた』。『行く』が『帰る』と間違えていますよ、ユート様」
「…げ」



 たぶん『聖賢』がいたら鼻で笑われているだろう
 というか『求め』には笑われた。覚えてろよバカ剣……………












「よし!これでどうだ!」
「はい、どれどれ。………………はぅ……(真っ赤)」
「……………な、何を書いたんだ?俺は」



 とりあえず、元の世界で言う「あいうえお」は覚える事ができた
 エスペリアが持ってきてくれた問題集の問題も詰まらずに解く事ができるようになった

 ちなみにその問題集の題名が『エヒグゥでもわかるあいうえお』だった事に気付いてちょっと落ち込んだ












「よし!これでどうだ!」
「私の名前のスペル……………間違ってます……………」
「ぐはぁ」



 練習中に何度かアセリアを見かけた
 そういえばアセリアって文字書けるんだろうか……と余所見をしていたらエスペリアにバレた

 その日の夕食はリクェムが大量に入っていた。ちゃんとやるから……………勘弁してくれ












「よし!これでどうだ!」
「……………ふんふん。はい、良く出来ました!頑張ったかいがありましたねユート様」
「あぁ、エスペリアの教え方が良かったからだよ」



 ようやく今日『エヒグゥでもわかるあいうえお』が終わった


 ……………………………………………………まだまだ、道は険しい











 *    *    *










 あっという間に十五日間が過ぎた
 今日も『ヨフアルでも解るあいうえお』を順調に進める俺

 というか、これの製作者は誰だ




ガタ…バタバタバタ


「……………ん?」



「いけません!まだ"エトランジェ"様は!」
「うるさい!汚らわしい手で触れるな!スピリットが!」



 一階で騒がしい声がする
 おそらくは王の使いだな

 不快感を露にしながら一階に降り、扉を開ける
 その瞬間エスペリアが兵士に張り倒される所だった



「やめろ!!」
「ッ!?何だ……"エトランジェ"か。ちょうど良い」
「ユ、ユート様!いけません!お部屋にお戻りください!」



 慌てて駆け寄ってくるエスペリア
 赤く腫れた頬が痛々しい



「大丈夫?…………少し、待ってて」
「え?あっ!?」




 エスペリアを背後に移動させ兵士を睨みつける
 あざ笑うような笑みが腹立たしかった



「陛下がお呼びだ。ぐずぐずせず一緒に来い」
「ああ、行ってやる。だが、二度とこんな真似をするな」
「何ぃ?」



 嘲笑を止めない兵士。将来は変わるとはいえ……………
 まぁ、あれこれ言ってもしょうがないか



「二度とこんな真似をするな、と言った。脳みそが腐ってるわけじゃないだろう」
「貴様………"エトランジェ"風情が偉そうな口を叩くな!!」



 殴りかかろうとする兵士

 だが、遅すぎる。大振りのパンチを避けその手を掴む
 そのまま背負い投げの要領で吹き飛ばした



「き……貴様ァ」



 壁に叩きつけられ、崩れ落ちる兵士



「言っておくが、スピリットは国有の資産だ。もし、お前らの行動で怪我でもしたらどうなる?
 解ったのなら今すぐ出て行け。王への面会には応じる、そう伝えろ」



 悔しげに顔を歪ませながら兵士は立ち去っていった
 
 今は何を説いても彼らは耳を貸さないだろう
 少なくとも、あの王が政治を行っている今は



「ユ、ユート様!」
「勝手な真似して悪い。……迷惑掛けちゃったね」
「め、迷惑だなんて………。私はどうなっても構いません!ですがユート様は」



 そう、今の行為を王は快く思わないだろう
 さすがに拙かったが、あそこで黙ってみていられなかった



「王に会ってくるよ」
「ですが……………」
「大丈夫だよ、きっと。じゃ、また後で」



 そう言って俺は第一詰所を後にする
 エスペリアと戦う事が解っている分、気が重かった





 *     *     *





(はぁ、相変わらずだな)

 目の前の人物を見て内心ため息をつく
 様々に派手な衣装を着こなす高官の中で、そんなことは意にも介さず王はその口を開いた



「来たか。"エトランジェ"よ。身体の具合はどうだ?スピリットとは仲良くやっているようだな」



 相変わらず、癇に障る喋り方だ
 言葉がわかる分、前回に比べそれはより強く感じる



「傷は癒えた様だな。では、本来の仕事をやってもらう時が来た、と言うわけだ」



 そう言いつつ、視線は俺の腰の部分に集中されている
 即ち『求め』に


「スピリットからの報告ではすでに『求め』を使いこなせるようだな?
 だが、わしとしては自らの目で見ねば信じることなどできん。………レスティーナよ」
「はい。エスペリア、神剣を持って此処に……………」



 レスティーナの一言で人に壁が割れて、一人の人影が近づいてくる



「……………エスペリア」
「!?……………」



 一瞬驚きの表情を浮かべる、だがすぐ表情を消して俺から五歩程度はなれた所で止まる
 巨大な槍型の神剣『献身』はそのまま抱きかかえたままだ

 あたりの人間を見ればニヤニヤとまるで曲芸でも見るような目つきでこちらを見ている



「ユート様。剣をおとり下さい……………」



 『献身』の刃をこちらに向けるエスペリア
 見れば、既にマナは隅々まで行き渡り、いつでも動ける状態だった




「早く剣を取れ、"エトランジェ"よ。そのスピリットにはお前を殺せ、と命じてある。このままではお前は死ぬ」
「ユート様、剣をおとり下さい。私は……………貴方を殺します」



 どうしたって、無傷でこの場を収める事はできないな
 王を殺すとかすれば不可能ではないが



「しょうがない……か」



 小さく呟いて、俺は『求め』を引き抜く

(おい、バカ剣。今回はエスペリアを倒すことが目的じゃないんだからな!)
【……………ふむ、努力はしよう】


 そう『求め』に言い聞かせて、構えた



「行くぞ!」



 叫ぶのと同時に俺は翔けた
 神剣の力で加速された俺の動きに反応できたのはエスペリアだけだった
 素早く、だが堅固な障壁を展開する


(ごめん、エスペリア!手加減するから!)


 その瞬間、右足と『求め』にオーラフォトンを集中させる
 俺は突っ込んだ勢いを乗せて床に着いた左手を軸にオーラフォトンを込めた右回し蹴りを放つ
 それは容易くエスペリアの障壁を砕いた



「なッ!?」



 慌てて障壁を再展開しようとするエスペリア。その前に俺は幅広な『求め』の腹の部分を
 エスペリアの胸の部分に押し当て、動きを封じる



「―――『コンフリクト』」



 気合と同時にエスペリアは吹き飛ばされた
 正確にはオーラフォトンの衝撃で吹き飛ばした

 尚も立ち上がろうとするエスペリア。だが、『献身』を杖代わりに立ち上がろうとするものの
 上手く立ち上がれずにいる。く、強すぎたか……………!?


 これは俺が対タキオス用に編み出した技だ
 本来は斬撃と同時に敵の体内に『相反』のオーラを叩き込み、内部で拒絶反応を引き起こさせ相手の動きを奪うというもの


「この……バカ剣!手加減しろって言っただろ!?大丈夫か、エスペリア!」
「は……はい。大丈夫です」


 どうやら無事らしい



「そこまで!両者、剣を引きなさい!」


 エスペリアの無事を確認して安堵すると同時に
 あっけに取られていた王に代わりレスティーナが変わりに終わりを告げた


「如何でしたか?父上。この"エトランジェ"はやはり本物のようです
 我が国で一、二を争うスピリットである、エスペリアを退けたのがその証拠」
「……………う、うむ…」


 未だ目の前の事実が信じられずといった具合の王
 ざまぁみろと言った感じだ


「"エトランジェ"よ。その『求め』を離さぬ様。剣の声を聞き己が力とせよ!」


 レスティーナの言葉に一旦頷く俺
(これで、俺の力を示す事はできた。さて、そろそろだな)


「解った。"エトランジェ"としてこの国に協力しよう。ラキオスに永劫の栄誉をもたらそう。だが、条件がある」
「協力?条件だと……………?」


 嘲笑うかのように王が顔を歪める
 その瞳が""エトランジェ"風情が何を"と如実に物語っていた


「一つ、人探しを頼みたい。外見の特徴はあとで伝えよう。
 一つ、スピリットへの指揮権利全てを俺に譲渡して欲しい」


 一瞬の沈黙の後、謁見の間は爆笑に包まれた
 レスティーナとエスペリア以外の全ての人々が腹を押さえ笑っている


 まぁ、当然だろうな。
 何しろ『国のスピリット全員を俺によこせ』と言っているようなものだし

 だが、それで退くわけには行かない



「はーっはっは!何を言っているのだ。その様な願い等聞き入れるわけには行くまい?」
「願いじゃない。交換条件だ」


 その言葉に王の身体がピクリと反応した
 先程まで馬鹿笑いをしていた表情はどこえやら、一変して怒りにその顔が染まる
 相変わらず器が小さいと言うか何と言うか……………


「馬鹿な事も休み休み言え。そんな勝手が許されるはずは無い。調子に乗るなエトランジェ風情が!!」
「ふむ、納得してはくれないか?」
「当然だ、詰所に帰るがいい!」


 王の言葉を無視して、俺は王にむかって歩き出す
 『求め』にはオーラフォトンを纏わせ何時でも解き放てるほどにまでその濃度を高める


「愚か者が!」


 瞬間、全身に激痛が走った
 『求め』の拘束だ。王族の人間には手出しが出来ないようにするための安全装置。だが――


「なぁ!?バ、馬鹿な!何故だ!制約が効かぬとでも言うのか!?」
「いや、効いているさ。けど……………」


 無視して歩を進める俺に王は畏怖の表情を浮かべる
 そして俺は、『求め』の切っ先を王に向け言い放つ


「卑劣なお前なんかに屈しなければ成らないほどの痛みじゃない。……………それだけの事さ」
「ひ、ひぃぃ……………」


 脂汗が滲む。まったく、これでも結構痛いっての……………
 痛みを表に現さないよう平静を保ちながら俺は続ける


「その気になれば、一夜でこの国を滅ぼす事もできる。四神剣の伝承を知らないわけじゃないでしょう?
 聡明で、偉大なラキオス王になら理解できるでしょう。さぁ、どうします?俺は協力する、と言っているんですよ?」
「ぐ、うぅぅ……………」


 まだ、諦めないか
 俺はオーラフォトンの密度をさらに高める。視覚化できるほどに


「さぁ、どうするんです?」



 延長されたオーラフォトンの刃が髭の一房を切り落とす
 さぁ、どうする。俺の力はエスペリアとの戦いで見ただろう?



「………わ、わかった。受け入れよう」


 刃を引く。と同時に制約が解除され、苦痛が去った


「感謝する。それに関しては俺のほうからスピリット隊には伝えておく」


 クルリ、と背を向け。唖然とした表情を浮かべるエスペリアの元まで歩いていく
 手を振ってみるが反応が無い……………このまま放っとくわけにも行かないし、仕方が無いか



「そうだな。最後に一言、言っておく」


 エスペリアをおぶると、王を一睨みする


「俺は、あんたの下僕じゃない。あくまで協力者だと言う事を……………忘れるな」
「く……………」


 屈辱に震えるラキオス王を尻目に、俺は謁見の間を後にした






 *     *     *





「……………はっ!?ユート様何を………え、えぇ〜!?」


 詰所に帰る道のりの途中でエスペリアが気がついた
 と、同時におぶられている事に気付いたのか、なにやら柄にも無い声を上げる


「あの、落ち着いてエスペリア。暴れられると痛い……」
「あ、申し訳ありません!そうではなくて!あれは一体!?」

「ん?あー、いや。『求め』から伝えられた闘い方というか……………」
「そっちではありません!王への対応です!……もう、心臓が止まってしまうかと思いました」


 シュン、と身体の力が抜けるエスペリア
 まだまだ未熟だ、と心の中で反省する
 だが、それ相応の見返りはあった
 これで幾つかの悲劇を食い止める事ができるだろう


 けど――





「――ごめん」
「え?」
「エスペリアに痛い思いさせて、心配させてごめん。」
「い、いえ。すみません、出すぎた真似を……………」


 言い終わると、エスペリアはとさっと力を抜いて背中に密着した
 背中に顔を押し付けたままでエスペリアは呟いた


「強いですね………ユート様は…………」



「強くなんか無いさ……………」




「そう……………強くなんか……………無い」




 空が夕焼け色に染まる





 一人、エスペリアに聞こえないように呟いて俺は第一詰所へ向けて歩を進めた














 アタックスキル『コンフリクト』(エトランジェバージョン)
 対HP効果:3000

 行動回数:行動2/最大8
 属性:無


 ターゲット:変動【敵】

 マインドバランス:0〜100
 効果:全属性値−20% 防御 −15%

 備考:攻撃の際、『相反』のオーラを敵の内部に打ち込む
    オーラはその対象の中で拒絶反応を引き起こしそのステータスを大きく低下させる 




 と、これがエスペリアに使った「コンフリクト」の詳細です
 勿論手加減してますし、エスペリアにも後々に残るダメージはありませんでした


 この技は本来『聖賢者』時代に悠人が編み出した技で対タキオス戦に使われました
 まぁ、本人にはあまり効かなかったようですが


 案外、頭の中まで筋肉のタキオスが気付かなかっただけ……………え〜。冗談ですよ?


 ……………え?何?空間をも斬り裂く斬撃に耐えられるか?耐えられるわけ無いでしょうが!
 ああ!?しかも無視して構えに入ってるし!!

 ええい!こうなれば奥の手だ!
 
いぐないい‥‥いぐないい‥‥
とぅふるとぅくんぐあ‥‥
よぅぐそぉとおぉす‥‥いぶとぅんく‥‥
へふいえぇぇぇ………


 って!待って!邪神(クトゥルー)召還は時間掛かるんですよ!?


 え、待てない?い、いや!せめて『限界突破』は抜き……………




 地面に落ちる「0歳から出来るクトゥルー召還」
 空間のねじれが収まった後にはミンチと化したなんかの肉

 広がった紅い液体が地面に広がり……………


(幕) 

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