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第1章  出会い






違う!
何が違うの?

違う!
どこが違うの?

違う!
いいえ、これは現実よ
あなたの、夢の現実
本当の、夢










「ただいまー」
俺は、そう言って家にはいった。
うん、挨拶は大事だ。
「あれ?おかしいな?」
「いつもなら天華が、走ってくるのに?」
天華ってのは、5歳になる俺の妹、かわいいんだよなー。
「まあ、いいか」
どうせ寝てるんだろ。
そう思っていた、あいつに会う前は。





「おかしいな?」
うん、変だ。
母さんも、父さんもいない。
「出かけたのかー?ちぇ、俺は置いてきぼりかよ」
マジで、勘弁して欲しい。
「俺は、どうしろと?」
時刻は午後7時
「飯ないしなー」
うん、さすがに腹へってきたぞ。
まあいい、俺の部屋に行けばお菓子ぐらいあるだろう。
「さすがに、飢えで人生のスタッフロールは見たくないし」
・・・・・・マジで、いやだな。
そんなことを考えながら、呑気に歩いている俺の視界に、あいつは現れた。
ぼぅと、ただ立っているだけ、そんな銀髪の男が。





「誰だ!!」
普通は、こう叫ぶだろう。
だが、俺は叫ぶことができなかった。
叫んだら・・・・・死ぬ。
そう感じたから。
「ほう」
ふと、目が合った。
赤い目、俺と・・・・同じ。
「まだ、家族がいたのか」
そういって、一歩近づいてきた。
「っ!!」
俺は、動けなかった。

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖
それだけが、俺を支配していた。

そして、1メートルまで近づいて。
「脅えるなよ、俺はお前を殺すつもりはない」
「あ、あんた誰だ?」
やっとの思いでそれだけ聞けた。
「・・・・聖、四神聖だ」
そういうと、あいつはを通り過ぎて玄関から出て行った。
「な、何だよあれ」



それから少し考えて。
さっき聖が立っていた部屋の前に来た。

ヤメロ

「ここは客間だよな」

ヤメロ

「そうか、母さんたちもきっとあいつの相手をしてたんだ」

ヤメロ

「なるほどね」

アケルナ

そういってドアを開け










「あけるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
「きゃあ!!」
「はぁはぁはぁ」
目が覚めた。
目が覚めた?
「ゆ、め、か」
「だ、大丈夫ですか?」
「ん?」
声のしたほうを見る。
・・・・・・そこに、男のロマンがいた。
「・・・・・・・・・・・・・メ、メイドさん?」


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