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『契約者よ。
汝に力を与えるのがそろそろ嫌になってきたのだが・・・。』

いきなりだけど“渇望”がスト起こしかけてます。

「いきなりどうしたんだ?」
わけがわからないので尋ねてみる。

『汝・・、自分の胸に聞いてみるがいい。』
なんか静かな怒気が込められてないか?

言われた通りに胸にそっと手を当てて考えてみる。
だが心当たりなどまるでなかった。

「なぁ、俺なんかしたっけ?
・・・って!おわぁあ!?」
次の瞬間、体から漲っていた力が消え、いきなり常人に戻った違和感に思わず声を上げた。

「おい!渇望なにしてんだよ!!」
いきなりな態度に俺もキレかけて声を荒げる。
声を荒げている彼だが当然のことながら自分が悪いなどと露にも思ってはいない。

『・・・。』
渇望は徹底抗戦と決め込んだのか黙して語らず平行線を辿ることになりそうだった。

「ま、いっか・・。」
そう言ってコウは机の上に渇望を突き刺し、
「さて、ネリーちゃんのところに遊びにでも行くかな。」
と、呟きを残して部屋から出て行った。

そうして部屋にはストライキすら相手にされず明かりのない部屋に一人(?)空しく見えない涙を流し続ける一本の剣があったそうな。

ここに追記するが、ストライキは渇望の諦めと共に一週間ほどで終わりましたとさ。



あるロウエターナル(になれなかった人)のお話

勢いだけで第4話



他国との戦争が始まったらしい。

そのため、俺は内密に姫さんに呼び出された。
それというのもあの豚は俺の名前を出すだけで震えてしまうそうで謁見の間に顔を出すなといわれてしまったせいだ。

「トラウマになっちまったか、かわいそうにな・・。」
思ってもいないことを口に出してみる。

「あなたが言うセリフではありません。」
あきれたように言うレスティーナ。

「んでどうしたんだ?
こんな密室に二人っきりということは襲ってもいいのか?」
胸は薄いが美人ということも差し引いて十分守備範囲だ。

「駄目に決まってるでしょう。」
どこか顔が赤く見えるのは俺の見間違いではないだろう。
いや〜、初心だねぇ。


「んだよ。
あんた欲求不満そうだからここらで発散させてやろうとする俺の親切心だってのによ。」

「黙りなさい、この肉欲獣。
なにかしたら即刻ネリーに言いつけますよ。」

「ちぇ、わかったよ。」
口にはださないがそれにしても口の悪い王族だ。

「では、早速本題に入ります。」

「おう。」
レスティーナは姿勢を正して座りなおすが、俺はもともとまじめに聞く気など欠片もないので足を組んで座っていた。

「わが国は現在、サルドバルドと言う国と交戦しています。
そのサルドバルドが我がラキオスに向けて出兵したそうですが、それは半ば奇襲のような形になりこちらは後手に回らざるをえません。
ご存知の通り、我がラキオスはスピリットの数が他国と比べて多くはありません。
もしかすればこのたびの戦いで命を落とすものが出てもおかしくありません。
ネリーのためにも力を貸してください。」
言外にネリーも戦場に出すから死なせたくないなら手伝えと言っていた。

「あんた結構黒いなぁ。」
これは正直な感想だった。

「ふふふ・・、正直なだけじゃ政治なんてやっていられませんよ。
この国の政治をやっているのは誰だと思っているんですか?
“アレ”はただふんぞり返っているだけですし・・。」
疲れたようにため息をつくレスティーナを見てさすがに同情した。

「あんたも大変なんだな。
まぁ、アレが実の父親だと思ったら俺なら死にたくなるな。」

「そこまでは言いすぎです。」

「仕方ねぇ、今回はあんたのわがままに付き合ってやんよ。」

「ほ、本当ですか!」
まさか素直に聞くとは思っていなかったのかその声は上ずっていた。

だが、俺を嘗めすぎだぜレスティーナさんよ。
「その代わり、条件がある。」
当然ここは素直に聞くのはしゃくなので条件をつけることにする。

「条件ですか・・。
出来る限り呑みますので言ってください。」

「ヤらせろ。」

「は?」
レスティーナの顔は正にポカーンというべき表情だった。

「だから、やらせろって。 この世界に来てからしてねぇから溜まっちまってんだよ。」

「な、な、な、な、そんなのできません!!」
その顔色は赤を通り越して燃えるようだった。
羞恥で気付いてはいないが彼女の仮面は完全に剥がれ年相応の表情だった。

「あ、そうか、あんた処女か・・。
安心しなって優しくしてやるからよ。」
これでも俺はテクニシャンだ。
処女だってイカせられる自信がある。

「そういう問題ではありません!!
あーもー、次に言ったら本当にネリーに言いつけますからね。」

「OK,OK。」
そこまで拒まれたら仕方のないので諦める。
俺は無理矢理やる様な下種な趣味は持っていない。

「それで、協力してくれるのですか?」
いまだ赤い顔のまま仕切りなおしてくる。

「ひとつだけ聞きたい。
あんたはなにを企んでいる?」
さっきまでのへらへらした表情を引き締めてレスティーナを射抜くように見つめる。

「私は別に何も企んではいません。」
その挙動に一切の同様はない。
だが、その完璧すぎる挙動が逆に怪しかった。

「嘘をつくな。
おまえの時々見せる言動や、スピリットやエトランジェに見せる視線。
それらは他の人間にはなくどこか決意のようなものがあった。
俺はこれでもあんただけは評価している。
他の連中は屑同然だがあんただけは違う。
これは俺の感だがあんたは何かでかいことを企んでねえか?」

「ふぅ・・、降参です。
あなたにそんなに買われているとは思いもしませんでした。
それにしても普段は道化を演じていたのですか?」

「ちげえよ。
人生楽しまなきゃ損なだけだから普段は適当に楽しんでるだけだ。
真面目なときはそれ相応にするさ。」

「そうですか・・。
ではお話いたしますが、これについては他言無用にお願いします。
私の目的はスピリットの解放、そして全てのエーテル技術の廃止です。」

「あははっはっはははっははは!!!」
こいつは予想以上だ。
この姫さんただもんじゃねえな。
この世界にとってなにが正しいのかわかっていやがる。
それに知らないとはいえ、ただの人の身でエターナルに喧嘩売るとは最高じゃねえか!!

「な、なにがおかしいのですか!」

「わりい、わりい。
まさかただの人の身でそんな大口叩くとは思わなくてな。
あんたは合格だ。」

「合格?」

「そこまで大口叩いたんだ。
最後まで貫き通してみろ。
俺も時々なら協力してやるからよ。」

「当然です。」
そう言ったレスティーナは威厳と気品に満ちていた。

「立場上あまり多くは教えてやれねえが楽しませてくれたお礼にいいこと教えてやるよ。
エターナルに気をつけろ。」

「エターナル・・ですか?
エターナルとはあなたのことだと聞いていますが・・。」
そこら辺はネリーちゃんたちから聞いているのか疑問の声が上がった。

「ああ、言い忘れていたが俺は本来この世界じゃ敵側なんだよ。
まあ、今は離反してるがな。」

「敵側?
それになぜ離反したのですか?」

「ネリーちゃんに惚れたからに決まってんじゃん。」

「そ、そんな理由で・・。
他にはなにかありませんか?」

「これ以上は教えてやれねえな。
言っただろ?
立場上あまり多くは教えられないってよ。」
これは本音だから仕方ない。
俺が大きく動けばロウエターナルの連中が俺をつぶしに来るだろう。
さすがに数で攻められたは為す術がない。
それにネリーちゃんとラブラブになる前に死んでたまるかっつーの!!

「わかりました。
それでは話を戻しましてあなたはスピリット隊についていき、戦況をうまく操作してください。
あなたほどの力があればそれも容易いはずです。」
「りょ〜かい。」
返事をして立ち上がって歩き出す。
そのとき思い出したように立ち止まって振り返る。
「理想を語るのもいいが今のあんたの立場じゃ何もできねえぞ。
せめてあんたは女王になれ。
そのためにどうすればいいかを考えるんだな。」
そういい残して部屋の外に出た。


視点レスティーナ

私は部屋のドアが閉まるのを黙ってみていた。
彼が最後に残した言葉は私の胸に突き刺さった。
私は覚悟が足りないのだろうか・・。

エターナル・コウ。
彼のように強くなりたい。
彼は好きな女性のためだけに敵側だった存在から手を切りこちら側についた。
わたしがその立場だったらできただろうか?

わからない。
私の頭にはいつまでも彼の言葉が回り続けていた。




あとがき
いつもながら文が荒いですが、広い心でお許しください。
言い訳↓
普段結構忙しく、自サイトの更新とかもあるので・・・。
ちなみに自サイトはhttp://izumonosite.my.land.to/です。 大したことありませんがよかったら覗いてみてください。
コウ真面目とのギャップが激しすぎ!!
そしてレスティーナはコウのことを少し勘違い。
ネリーのためだけに手を切ったわけじゃないしw
ちなみに、コウは渇望からロウの目的を聞いているのでいろいろ知ってます。
しかし、文中にもあるように手を出しすぎれば幼女たちにやられるので手が出せません。
今は動いてないので彼らも静観。

ではまた