作者のページに戻る



≪この世界と銀河と宇宙と・・・≫






この話では一部聖ヨト語を「“”」をして会話しています。




第二話〜手にした剣〜



―――――不明


光の柱に包まれた後理緒たちは見知らぬ場所へ来ていた。

「・・・・・・・い、・・きろ」

「うみゅ・・・・」

倒れている理緒に対して何者かが声をかけてくる。

「・・・い、起きろっていってるだろ!」

「ふにゃ・・・?」

怒鳴り声がしてようやくぼやけていた頭がはっきりしてくる。

「・・・ん〜あれ、秋月さん。おはようございます〜・・・」

眠そうな顔で目が覚めた理緒は目の前にいる少年へ挨拶を交わす。

「ようやく起きたか、全く僕が状況を確認しようとしている間にもグースカ寝やがって」

「え〜状況って・・・?」

まだ寝ぼけている頭で辺りを見回してみる。

「え・・・? ここっていったいどこですか?」

「知るか。だから今、状況確認をしておきたかったんだ」

ようやく頭がはっきりした理緒は冷静に考え出す。

(私達、ここに来る前は何してたんだっけ。ああ! そうだ、確か秋月さんと一緒に帰っててその後・・・)

「・・・・・あれ? その後何があったんだっけ?」

「どうかしたか?」

「え、いや、ここに来る時私何やってたんだっけな〜って考えてて」

「どうやってきたか覚えてないのか?」

「え・・・」

瞬の真剣な表情に俯きたくなるが、ちゃんと返事を返す。

「はい・・・何も。秋月さんと一緒帰っていたっていうことは覚えてるんだけど・・・」

「そうか、僕もお前と同じだ」

「・・・これからどうするんですか?」

「どうするって貴様、まわりをみたんじゃなかったのか?」

「周りって・・・・・」

瞬に言われて理緒は改めて見回すと、街のど真ん中にいて町民と思わせる者達が集まっている。


「“きゅ、急に現れたぞ・・・・・”」

「“いったい何なんだこの二人は?”」

ひそひそと民が何かを話しているが理緒たちは何がなんだかわかっていない。 すると、




「“どけ、その現れた者達がいると言うのはこのあたりか!?”」



突然大きな男の声が聞こえてくる。

「“この者たちか。 ・・・・この服装はもしや”」

数十人の黒い鎧を着た兵士のようなもの達は理緒達を見回す。

「何なのこの人たち・・・?」

「僕が知るものか。 おい、貴様ら。僕を上から見下ろすなど随分いい身分じゃないか」

瞬と理緒のやり取りを見て男は取り乱す。

「“な、なんだ? こいつら何しゃべっているんだ・・・?”」

「“やはり、見たことのない服装と聞き慣れない言葉とくれば・・・・・”」

「“あの伝承にあるエトランジェなのか・・・・?”」

「“わからぬ、我らだけでは判断しかねる。陛下の元へつれてゆけ!”」

リーダー格の男がなにやら号令をかけると、数人の男達が瞬と理緒の腕を掴み連れて行こうとする。

「きゃっ! ちょっと何!?」

「離せ・・・! 僕に触るな!」

当然のごとく二人は暴れ始める、エトランジェと思われる二人に兵士達は明らかに動揺している。

「“暴れるのであれば黙らせろ!”」

指示を出された兵士達は棒のようなものを取り出す。

「あ、秋月さん・・・! あぶない!」

「何!? っぐぁ・・・!」



ガスッ!



数人がかりで戸惑いながらも殴りつけ、瞬は頭から少量の血を流し気を失う。

「秋月さん・・・ あなた達よくも!!」

理緒は怒りを露にして、捕まえている男達を睨む。

「“残りの女のほうも黙らせろ”」

瞬の気を失わせて自信がついたのか、男達は躊躇なく棒を振り上げる。

「ふざけないで! いきなりこんなところにつれられて、あなた達なんかに撲殺されたりしないわ!」

右腕を掴んでいる男を腕の力だけではね飛ばし、振り下ろす棒を掴む。

「“この女なんだ!? 大人が片手で弾き飛ばされ・・”」

ドンッ!

理緒は掴んでいた棒を投げ、態勢を整える。

「秋月さん!」

動揺しているものをほおっておき、瞬の元へ向かおうとする。

「“なるほど、やはりエトランジェか。 このような力を持っているとはな”」

「・・・!?」

ガンッ!

リーダーの接近に気づかなかった理緒も殴り倒されてしまう。

「“さあ、早く陛下の元へお連れしろ”」



・・・・・・・・・



・・・・・・



・・・



〜同日〜



―――――皇帝の間


「んぅ・・・ あれ、ここって・・・?」

まだぼおっとしている頭をめぐらせながら、思い出す。

ズキッ・・・!

(痛っ・・・! そうだ、さっき私も秋月さんもなんか変な人に殴られて・・・)


「・・・起きたか」

隣でいち早く目が覚めた瞬に声をかけられる。

「あ・・・秋月さん、頭の怪我平気ですか?」

「貴様に心配されるようじゃ、僕もおしまいだな。そんなことより前を見ろ」

「前って・・・?」

理緒は言われたとおり頭を上げ前を見てみる。


「“陛下、エトランジェと思われる人物をお連れいたしました”」

目の前いる数十人の兵士達が王座に向かって跪いている。
それどころか、周囲にいる貴族風貌の者達も同じく跪いている。

(ここいったい何? お城・・・みたいだけど)

理緒はキョロキョロ見回している。

「おかしくないか」

「何がですか?」

理緒は言葉以外は特に変なところもないと思っていたのできょとんとする。

「前を見てみろといったはずだ」

(前ってことは目の前にあるイス。 いや、この場合王座って言うほうが・・・って、あれ?)

「王座に誰も座ってない・・・?」

「そうだ、誰もいないはずなのにここのやつらはあたかもいるように普通に会話をしてやがる」



そうこうしている間にまた兵士がやってくる。

「“許可が下りた。 陛下の御前へお連れしろ”」

「“ハッ”」

兵士達は二人を引っ張り上げ王座へ向かう。

「“陛下、この者たちです”」

「え、あれって・・・?」

王座の前に来た瞬間、意味のわからない光景を見る。

(王座の上に剣が刺さっている・・・・・?)

そもそもあれを剣とよんでいいのかが怪しいが、とにかく紅く輝く剣が王座の上にある。

(・・・ん? さっきは気づかなかったけど、王座の斜め横にもう一つ剣があるわ)

来るまで気づかなかったが、王座を護るように黒い刀身の剣が理緒に向かって輝いている。

「・・・・・」

「・・・秋月さん? どうしたんですか?」

瞬は何かに魅入られているように、王座にある赤い剣を見つめている。

「呼んでいる・・・」

「え?」

「呼んでいるんだ。 ・・・僕に力をくれるだって?」

突然、呟くようにブツブツ何かを言いながら瞬は立ち上がり王座へ近づいていく。

「あ、秋月さん! 何かあの剣、普通な感じがしません。 戻ってください!」

赤い剣に吸い寄せられるように向かう瞬の腕を掴もうとした瞬間、



キィンッ!



「痛っ、何!?」

【放っておけ・・・ すべては必ず起こりうる出来事なのだ。何をしようとも無駄だ】

いきなり頭に大きな音が響き痛みに耐えていると、不快な声が聞こえてくる。

「誰なのあなた!? それに無駄って・・・」

【時がくればそれもわかる。だが、今は邪魔をするな】

キン、キィン!

金属の響く音が直接頭に流れてくる、理緒はその痛みに耐えるだけで瞬を止めることはできなかった。

「・・・・・」

ついに剣の目の前まで着た瞬は戸惑いもなく剣を握る。

チャキッ

金属がこすれるような音がして剣を引き抜く。

「・・・すごいぞ、『誓い』。 これが貴様の力か」

急にしゃべりだす瞬に理緒は戸惑う。

「秋月・・・さん・・ 何を言ってるんですか・・?」


「クク、これこそが僕にふさわしいものだ。 そして・・・・・・『求め』を砕く」

熱に浮かされているように独り言を言う瞬に理緒は苦悩する。

(いったいどうなってしまったの・・・? さっきまでの秋月さんとぜんぜん雰囲気が違う・・・・・)

考えているうちに痛みに耐え切れなくなり、理緒の意識が遠のいていく・・・・・



・・・・・・・



・・・・・



・・・




〜意識を失ってから数十日後〜



―――――王宮の一室


理緒は謁見の間で意識を失った後、一つの部屋へ運び込まれていた。

「・・・う・・ん。 ・・・ここは!?」

ガバっと起き上がり、すぐに周りを見渡す。

「・・・私、頭の痛みに耐えられなくて意識失っちゃったんだ」

すぐに自分にあった状況を思い出し、ため息をつく。 そのとき、


「そうだ! 秋月さんはいったいどこに!?」

理緒が意識を失う前に見た最後の光景、それは赤い剣を天高く掲げている姿だった。

(あの剣・・・普通じゃなかった。 それに私、誰かに邪魔されて・・・)

深く考え事をしているとふと隣で、





「“おい、大丈夫か?”」








「・・・え! きゃあ!?」

「“そこまで驚かなくても・・・”」

考え事をして声がするほうに顔を上げると、短髪の青い瞳の子が近くへいて驚く。

「あなたは誰!? わ、私に何のようなの?」

「“・・・?? やっぱり聞いてたとおり何言ってるのかぜんぜんわからないや”」

「? 今何か言った・・・?」

理緒にとってはこの世界の言葉を理解するには時間がたらなすぎている。

「“いや、落ち込んでいる場合じゃない。とにかくこの人を命令どおり連れて行かないと”」

そう言って青い瞳の少女は子を身体ごと持ち上げ、部屋を出る。

(な、何この子・・・ 私を軽々持ち上げてる・・・?)

決して自分を重いといっているわけじゃないが、急に持ち上げられ黙ってつれていかれる。




・・・・・・・・・




・・・・・・



・・・



――――皇帝の間


「“つれてきたぞ”」

「“ふん、連れてきたのならもう貴様に用はない。 さっさと下がれ”」

「“・・・ハッ”」

青い瞳の子は命令どおり、理緒を下ろし、間から退く。

(今さっきの声・・・)

もちろん理緒にとって聞き覚えのある人物であることは間違いなかった。

「・・・本条、あの日はあのまま気を失ったそうだな。 本当に待ちくたびれたよ」

「秋月さん・・・」

瞬は王座の正面に立っていた。そして格好はこの国の戦士と思われる黒いコートを制服の上から着ている。

「どうやらこの国は戦争をしているみたいでね、僕はその戦争の戦士として選ばれたんだよ」

「そして、四神剣を砕くために僕は剣を振るう」

「どうして、そんな・・・」

「『誓い』がすべて教えてくれたのさ。
 ここがあの価値の無い世界ではなく、僕が必要とされる世界と言うこと。さらに、絶大な力も手に入った」

そのとき一瞬、腰元にある剣が光ったように見えた。

「だから本条、お前にも戦ってほしいんだ。 僕のために」

「秋月さんの・・・ ために・・?」

「そうだ、『誓い』が僕を呼んだようにお前もこの永遠神剣に呼ばれたはずだ」

(永遠神剣・・・? 『誓い』・・・? いったい何を言っているの?)


すると瞬は王座の近くにある黒い剣を見て、

「お前もこの剣を使い僕のために戦ってくれないか」

「この神剣は昔、『誓い』の担い手を守っていたスピリットが持っていたものらしい」


(あの剣は・・・ 確かに私はあれを見てからずっと様子がおかしい、それに、秋月さんの役に立てるなら・・・)

「・・・わかりました。 秋月さんが望むのなら、私も剣を取り、あなたを守るために振るいます」

「・・・・・・そう、それでいいんだ。 さあ、お前が持つべき神剣を手にするがいい」

理緒は王座の近くにある剣にゆっくりと近づいていく。 ・・・近づくたびに鼓動のようなものが伝わって来る。


ドクン・・・ドクン・・・


(これは私の鼓動なのか、それとも・・・)

ついに剣の目の前まできて、真っ黒い妖しい剣を見つめる。

「よし、取れ」

「・・・・・・」

何も言わずに剣のもち手を握る。 そうすると、


ゴオォォ、キィン!

何かが大きく自分の中を駆け抜けたような感覚。





【・・・・・・ようやく我を手にしたか、意外と遅かったものだな】




頭に頭痛の音が響いてから、あの時の声が聞こえてくる。

「やっと、ちゃんと話せるときがきたみたいね」

【そのとおりだ。 待ちくたびれたぞ】

「あなたに聞きたいことはものすご〜〜〜っくいっぱいあるわ、もちろん答えてくれるわね」

【ふむ。それに答えるのはかまわないが、先に我の問いに答えてはくれぬか?】

「問い・・・?」

【そうだ。 では聞こう、お前は何のために戦う? やはりあの人間のためか】

「・・・そうよ。 ただ、秋月さんのためだけに剣を振るい戦い続ける」

【それによって、何者かの命を奪う結果になったとしてもか?】

「! それは・・・」

【・・・まだ迷いは残っているようだな。 だがすぐに迷いは無くなっていくものだ】

「? どういうこと?」

【それは、そのうちわかることだ。 問題が無ければ次に行くぞ】

「わかったわ・・・」

【お前は戦うためにどんな力がほしい? すべてを打ち滅ぼす、破滅の力か?】

「戦うための力・・・」

「私は・・・ 私は、すべてを打ち滅ぼす、破滅の力なんていらない・・・!」

【ほう・・・?】

「ただ好きな人を、守れる力があればそれでいい」

【守るためだけの力・・・か。 だがそれは結果的には相手を倒す、それは破滅の力とは違うのか?】

「本当は誰も殺したくなんか無い。 たとえそれが敵だって!」

【それを貫くことで偽善者といわれてもお前は、それは守る力だといえるのか?】

「いえる・・・いや、言ってみせる! 
 たとえ偽善者といわれても、たとえ誰も認めてくれなくても、私は守りたい人のために力を振るう」

【ふぅむ・・・なるほど。 お前という人間がどのようなものかわかった気がする】

【昔、我を使っていたものとそっくりだ。 あの『誓い』の担い手と同じように】

「じゃあ今度は私の問いに答えてくれる番よね?」

【よかろう、我に答えられることならいくらでも話そう。 だが・・・今、それは無理な用だな】

「え、どうして・・・?」





「“た、大変です!”」

どうして答えられないか聞こうとした瞬間、あわてた兵士の声が耳に入ってくる。

「“なんだ、うるさいぞ。 今は重大のことをしているといっただろ”」

「“ハッ、失礼しました! あ、いやしかし、法王の壁内部に敵影が現れた模様です!”」

「“何だと! 警備に配備されていたスピリットどもはどうした?”」

「“丁度、警備終わりの日を狙って仕掛けてきたようです。
 敵スピリットはダーツィ兵の者と思われます。 現在、漆黒の翼遊撃部隊が迎え撃っているようです”」

「“ふん。 ・・・それで、今このサーギオスの状況は?”」

「“敵部隊の数が多く、今はゼィギオス近くまできている模様です”」



(この二人はいったい何を話しているんだろう・・・?)

言葉がわからない理緒は黙々と会話をする瞬と兵士を見ていることしかできなかった。

「“もういい、後は僕自ら出る。 貴様はとっとと下がれ”」

「“は・・・? ですが、シュン様だけでは危険かと・・・”」

「“貴様・・・ 僕を誰だと思っている? そんな戯言を言う暇があるのなら下がるんだな”」

「“し、失礼しました!!”」

「“それに、出るのは僕だけじゃない。 ここにも僕のために働いてくれるよき兵士がいる”」

わからない言葉をしゃべっていると、理緒のほうを向く。

「・・・?」

「“この女もですか・・・”」

「“・・・何だ貴様。 まだいたのか、僕が怒らないうちに消えてほしいんだがな。殺すぞ?”」

「“ヒィッ! では、ご武運を・・・!”」

兵士は瞬におびえたように、頭を下げるとすぐに出て行った。

「あのぅ、秋月さん・・・?」

「さて、お前にも早速戦ってもらうときが来たぞ」

「え、いや、あの・・・?」

「そうか、お前はまだここの言葉がぜんぜんわからないのだな。 まあ、神剣を使えばわかることだ問題ない」

「はい・・・ それでいったい何があったんですか?」

「どうやら敵がやってきたらしい。 詳しく説明するのは面倒だ、とにかく僕について来い」

「は、はい!」

走り出して、間を後にする瞬を追って理緒も一緒に走り出す。



・・・・・・・



・・・・・



・・・




――――神聖サーギオス帝国外


そして、理緒たちは城の外へでて秩序の壁に向かって走り出す。

「わぁ〜・・・ 外ってこんなになってたんだ・・・」

「見物してる暇など無いぞ。いいか、これからお前と同じく神剣を持った連中が襲ってくる。
 まあ、かまうことは無い。思う存分に消してやれ」

「わかりました・・・」

「ありえないだろうが。お前、神剣の力はちゃんと使えるな?」

「え゙!? ち、力って・・・えっとぉ・・・」

「まさか、貴様さっきまでは剣と話していたのではなく、ぼおっとしていたのではないだろうな!?」

思わず考えたくも無かったのだろうか瞬の声も大きくなる。

「た、たぶん大ジョブだと思います・・・」

「たぶんではだめなんだよ! そいつに聞け」

「聞くって・・・」

「そいつの名前はなんていうんだ」

「えっと・・・」



【・・・我が名は永遠神剣・第五位『問い』だ】

剣が助け舟を出してくれたように自分の名を名乗ってくれる。

「『問い』っていってますけど・・・」

「ならばその『問い』に向かって心に語りかけてみろ!」

「は、はいぃ! やってみますぅ・・・」

言われたとおり意識を集中する。





「・・・・で、どうなの? 私に力を貸してくれるの?」

【拒む理由は無い。お前が求めればいくらでも力を貸そう、お前と我はすでに契約が結ばれているのだからな】

「じゃあお願い! って言うところだけど、契約とか言って何か代償を寄こせとか言わないよね?」

【・・・本来我らは代償をがあってこそ力を貸すものだが、お前は我の問いに答えた。今はそれを代償としよう】

「そっか、ありがとっ!」

『問い』の声が消えて、身体が大きく軽くなった気がする。 それに先まで疲れていたのに回復もしている。


「秋月さん! 大丈夫です、万事OKです!」

「・・・何が万事OKだ、だがさっきまでとは感じる力が違うな。
 いや、それよりもとんだところで時間を無駄にした。 さっさと急ぐぞ」

「ごめんなさい。 あ・・・あそこがこの外壁の入り口・・・?」

「そうだ、いくぞ」


秩序の壁を抜け、すぐさまゼィギオスへ向かう。


「・・・全く、思ってたよりも面倒なくらい敵部隊が多そうだな。
 本条、お前はすぐそこに見える街に行って、そこにいるスピリットどもと協力して戦え」

「すぴりっと・・・?」

「簡単に言えば戦争の道具だ。 そう覚えておけ」

「道具・・・ですか。 わかりました・・・」

「僕は別の場所へ行き、敵襲を片付けてくる。 じゃあな」

「え、秋月さんは一緒に来てくれないんですか? それに、一人じゃ・・・」

「僕がお前と同じ力量だと思っているのか? なめるのもいい加減にしろ」

「・・・・・・」

「それに、お前はまだ剣を完璧に使いこなせるわけじゃない。 僕みたいな才があるわけじゃない。
 だが、くれぐれも油断するなよ。 力はあるが、お前みたいな軟弱女では心もとないからな」

「は、はい。 ありがとうございます!」

「・・・なぜそこで、礼を言う? 本当に変な女だ」

そうぼやきながら瞬は彼方へといなくなってしまう。

(秋月さんはここに来て少し変わったみたいだけど、やっぱりあの優しい秋月さんだ・・・)

「さあってと、私も秋月さんためにがんばんなくちゃ!」

そう硬く決意して、戦場となる街へと向かっていった。




それが、彼女の初めての戦いとなり運命の歯車のひとつということはまだ理緒も知らなかった・・・・・・・・




第二話〜手にした剣〜 終わり




⇒第三話〜戦場〜










〜〜〜アトガキ〜〜〜


初めまして、板ちょこと申します。
まず初めに、聖ヨト語について申し訳ありませんTwT
本当はちゃんと書きたかったんですけど、私みたいな根気なしでは無理でした。

これから本題はいりたいと思います。
この作品をおもいだったきっかけは、瞬サイドの話があったら面白いなぁと思ってやってしまいました。
それだけじゃ、私のような表現下手の未熟者には難しかったのでオリキャラなども作ってみました。
実はオリキャラの設定はこのワタクシ、板ちょこの性格要素がたくさん入っています♪
要するに私です、はい・・・・

こんなものを読んでくれた方に多大な感謝と、お詫びを申し上げます。
気が向いたらでいいので次の話もぜひ読んでやってください。
ご指摘などは気が向いたらではなく、ビシバシしてもらってかまわないです。 そりゃもう気の済むまで・・・


長くなってしまいましたがここで終わりにします。
では、また次回お会いしましょ〜♪




作者のページに戻る