※一部、聖ヨト語を話している場所があります
(**)←聖ヨト語はこのマークが付いています。
長い一日の夜が明けた・・・・
第二章《過去》
「じゃあ、私行くね」
「僕達と一緒に来ないのかい?」
「ごめんね、そうしたいのだけど私も今やれることをしたいからね」
「そういうことなら仕方ないね、気をつけて」
「ええ、セロもキースさんもお気をつけて」
そう言うとファリィは去っていく。
「・・・これからどうするの?」
セロが声を掛けるとキースの顔色は優れていなかった。
「大丈夫、兄さん?」
「・・・・・」
「兄さん、聞いてる!?」
セロはぼーっとしてるキースに向かって大声を叫ぶ。
「え、あ、なんだ?」
「これからどうするかって言ってるんだけど」
「ああ、そうだな。 じゃあ俺についてきてくれ」
そう言うとキースは歩き出す。
「? どこへ行くの?」
「お前には一度見せておきたいものがある・・・」
「見せておきたい物?」
「俺がある人に託された永遠神剣だ」
「そっか、そうだ。 兄さんはこの世界へ来て言った今までどうして来たの?」
「そういうことも話しといたほうがいいだろうな、わかった話そう」
キースは昔の自分について話し出す。
・・・四年前、大地震によってキースはこの世界に召還される。
「・・・俺はいったい? 地震の衝撃でセロとはぐれてしまいそのあとは・・・」
見慣れない風景、自分の世界とは違う環境に驚く。
「俺は夢でも見ているのか? 普通に考えればありえないことが今起こっている、うーん・・・」
ッポツ・・・
「ん?」
ザアアァァァ・・・!
「なにぃ雨だと!? いきなり降ってくるか普通マンガかよ!」
とぼやきながらどうすべきか考える。
「とにかくここから離れよう。 このままじゃずぶ濡れだ」
そうしてキースは走り出し雨宿りできそうなところを探す。
「やばいな、考えてみたらここがどんな所かもわからないから探しようがないんだった・・・」
「・・・お、あれってもしかして・・・?」
キースは平原を見ていると小さな家が見えてくる。
「ラッキー、助かった! あそこで雨宿りさせてもらおう、なりふりかまってられん」
到着するとドアを叩く。
ドンドン!
「誰かいませんか〜? いないのかな・・・」
しばらくしてドアが開く。
「*ん〜どなたかしら・・・?*」
すると中からキースとあまり変わらない年の緑のロングヘアーの女の人が出てくる。
「え、まずいもしかして言葉が違うのか? 何を言ってるかわからん・・・」
「*言葉が違う? その言葉・・・ ああ、そっかここの言葉じゃわからないわけね*」
「?」
「これなら、わかるでしょう?」
「あれ、でもさっき違う言葉じゃ・・・?」
「まあ、そんなことはいいから。 で、何か用があってきたんでしょう?」
「そうだった、ここでしばらく雨宿りさせてもらっちゃくれないかな?」
「あ〜なんか寒いと思ったら雨降ってたのね。 いいわよ、今は私一人しかいないけどそれくらいならね」
「よかった〜、俺ちょっと事情があってここがどこのなのかもわからなくて・・・」
「そう・・・ さあ、上がって」
中に入ると暖かく意外と広い部屋に少し驚く。
「何をキョロキョロしてるの? 珍しいことなんてないでしょう、女の子の部屋なんだからあんまり見ないで」
「わわ、すんません・・・」
「ふふ、まあいいわ。 とにかくそのずぶ濡れのドロだらけを何とかしなきゃね」
キースの方を見ると少し微笑む。
「ほんとだ、ずっと走ってたからかな」
「そっちにお風呂があるから入ってらっしゃい。 あなたのことはその後聞くわ」
「わかった、感謝する」
バスルームへ向かうと服を脱ぎ中へ向かう。
「ここもまた広いな、風呂場って言うより浴場だぞ。 おかしいな、さっき見たときは小さい小屋だったのに」
そう言って体を洗いながら湯船につかり疲れを癒す。
「ふう、生き返る気分だな。 こんなこといってたらセロの奴に爺くさいといわれそうだな」
と、変なことをぼやきながら天井を見る。
「・・・セロのやつ大丈夫なのかな、あの地震で助かっているといいけど。 やばかったからな」
そんなことを考えながらあることを思い出す。
「そういえばあの人の名前なんていうんだっけ。 まだ聞いてなかったな。
それに、あのわからない言葉。 ここの言葉なのかな、俺いったいどこに来ちゃったんだろう・・・」
ガララララ・・・
「ん?」
湯気が立ち篭る中、誰かが入ってくる音がする。
「うーん誰かきたのか? まあこれだけ広いんだし俺一人貸しきりもずるいしな、HAHAHA・・・
・・・ってここ家の浴場だった、一人しかいないジャン!」
「湯加減はどうですかぁ? 私も入ろっと」
「もう入ってるじゃないか! というかあんたさっきの・・・」
「私はモニカよ、あんたじゃないわ。 あなたは?」
「え、ああ、俺はキースだよ。 って自己紹介してる間に湯船に向かうな!」
「別にいいじゃない、何をあせってるのよ全く。 ・・・ははーんさてはこぉんな可愛い娘といっしょに入るのが
照れくさいんでしょ〜 だめよ、いくら可愛いからって襲わないでよ」
「誰が襲うか! それに自分で可愛いって言うか普通・・・」
「あら、残念」
モニカは湯気からタオルを体に巻いた姿を現す。
「お望みの姿じゃなくて残念ね」
「何がお望みだ、俺はもう出る!」
「あ、まってよあなたまだ少ししか入ってないじゃない。 ここであなたの話を聞きたいわ」
「うわ、急に引っ張るなここは風呂場だぞ」
ツルッ・・・
案の定足元がすべりひっくり返る。
「うわああぁ!」
ズデーン! 景気のいい音を立てながら倒れる。
「いつつ・・・ だから引っ張るなっていったのに。 ・・・?」
キースが引っ張られた方向に倒れたのでモニカを押し倒す形となった。
「・・・・・」
「もお、大胆なこと」
「〜〜〜〜〜!」
ジャボーン!
キースは顔を真っ赤にし、声にならない声を上げ湯船に飛び込む。
「あははは、キース顔真っ赤〜。 ほんと意地り甲斐があるわ」
「う、うるさい! 」
・・・しばらくして一緒に湯船に浸かりながらモニカが話す。
「あなたはこの世界の人間じゃないみたいね」
「この世界の人間じゃない? どうしてそんなことわかるんだ?」
「わかる要因は二つ、一つは言葉ね。 ここの言葉はとても特殊なのよね、私にもわかる言葉でほんと良かったわ」
「そうか・・・ もうひとつは?」
「二つ目はあなたの体つきかしら。 入るときも見たけど明らかにここの人間とつくりが違って
戦いに適してそうな感じね」
「戦いに適してるって、ここは戦争かなんかおきてるのか?」
「・・・そうね、いまはまだ大きくはないけど戦争が始まっているのは確かかもね」
「モニカさん、あんたは俺はこの世界の人間じゃないといった。 元のところに帰る方法はないのか?」
「・・・・・」
「どうした・・・? モニカさん?」
「・・・ブクブクブク」
顔を俯けて湯船へ沈んでいく。
「ど、どうしたぁ!? しっかりしろ、おい!」
急いで担ぎ顔を上げさせる。
「私、お風呂に三分浸かっていられなくて・・・」
「何ぃ!? だったら風呂で話しようとか言うな!」
「とにかく上がらないと! 立てるか?」
「無理」
そう言ってモニカは気を失う。
「無理。じゃねぇよ! 仕方ないな・・・!」
「・・・よし、ここに寝かせてと」
とりあえず浴場から上がったすぐのところへ寝かす。
「全く、手間掛けさせて・・・」
そういいながらモニカのほうへ目をやる。
「・・・すーすー」
肌を惜しみなくあらわにした状態で無防備に気を失っている。
「こんな格好で寝てたら襲われるぞ、俺じゃなかったら確実にされそうだな」
どうでもいい事を考えるキース。
「・・・っは、いけない。 何見入ってるんだ俺は!」
「とにかく、このままじゃ体に毒だ。 服を着させないと・・・」
そういってちかくにあったタオルを取りモニカの体を拭く。
「こうして近くでみると案外可愛いか・・・ って何考えてるんだ」
服を着せリビングまで運び座らせる。
「ここまでされてたら起きるだろ普通。 危機感を少しは感じろ」
隣に座りモニカを見る。
「早く起きてもらわなきゃ困るぜ、全く・・・」
「・・・・・」
何の反応も無い彼女の頭に手を伸ばす。
サラサラ・・・
キースは髪に触れ撫でる。
「・・・ぅ・・・ん、うん? あ、私・・・」
「わ!」
撫でているところから突然起きてびっくりする。
「そっか、私お風呂場でのぼせちゃって・・・」
「そうだぞ、ここまで運んでお前に服を着せるの大変だったんだからな!」
「・・・え、てことは私の裸見たの・・・?」
「! そ、それはない。 確かにチラッとは見えたが・・・」
「見たのね・・・」
「まて、落ち着け! いくら貧乳だからって悪いわけではない、世の中にはそういう物好きもいるさ!」
「だぁれが貧乳ですって・・・!」
(し、しまった! 墓穴を掘ったか!?)
「このエロ男がぁ〜!」
バキ!
景気のいい音がキースの顔から聞こえる。
「っぐへ・・・!」
・・・そういうやり取りがあり、モニカの怒りがおさまったところが話が再開される。
「そうそう、今日はもう遅いしまだ雨が降り続いてるみたいだからここで泊まるといいわ」
「いって〜・・・ わ、わかった、お言葉に甘えさせていただきます」
腫れた頬をさすりながら言う。
「そういえば、さっき今は私一人って言ってたけどまだ誰かここに住んでるのか?」
「ん〜 すんでるって言えばそうなんだけど、今はどっかに羽を伸ばしにいっていると思うわ」
「こんな雨の中にか?」
「まあ、あのこは雨だろうとそんなに関係ないしね。 とにかくもう寝なさい私も寝るわ」
「・・・? わかった、それじゃあお休み」
二人は眠りにつきキースの運命の日が始まった。
・・・夜が開け朝日が差し込んでくる。
「お、良い天気だ。 昨日がうそのようだな」
カーテンを開け外を見る。
「そういや、モニカさんはもう起きてんのかな。 あっちの部屋だったか」
そういいながら女の部屋のドアを無造作に開ける。
「モニカさん、起きてるか? いない・・・? どっかいってるのかな」
部屋を見回し中に入ろうとすると、
ッゴツ・・・
足音から鈍い音が聞こえる。
「ん、なんだ? ってモニカさんじゃん! と言うか寝相悪!ベッドから落ちてここまで転がるか!?」
ベッドからここまでざっと五メートルはある。
「・・・ぅん〜何? あ、キースかおふぁよ・・・」
「モニカさん、おはようそれより・・・」
「それよりそうよ!」
「へ?」
「勝手に私の部屋に入るな〜!」
ドドン!
部屋からたたき出し、身なりを整える。
「あの人は寝起きも悪いのか、まあ今のは俺も悪かったか・・・」
身なりを整えると部屋から出てくる。
「全く、レディの部屋に無断ではいるなんてマナー違反よ、気をつけなさい!」
「レディね・・・」
キースがそう言うと拳を構えるモニカ。
「・・・すんません」
「・・・そんなことより、あなたこれからどうするつもりなの?」
「どうするって言われてもな、俺がこの世界の者じゃないっていうならどうしようもないな」
「それが妥当な答えでしょうね、下手に動きでもしたら捕まって戦争の道具にされちゃうわよ
別の世界からの人間はとても強力な力をもってるしね、あなたも例外じゃないわ」
「強力・・・ね、俺はそんな実感は全くしないな」
「来た人達はみんなそうでしょう何もわからないわ、でもあなたも強い力を持っているけど
それを扱う物もなければいけないわ、戦いもするならね」
「扱う物?」
「そうね、例えば今あなたの右側の壁に飾ってある・・・正確には封印してあるんだけど、
それに認められればとても強靭な力を手に入れることができるわ」
「この槍みたいなものにそんな力が・・・」
「そう、それが永遠神剣。 神の剣よ」
「これ、剣なのか?」
「神剣っていっても形状が剣だけってわけじゃないわ」
「そうなのか」
「試してみる?」
「・・・え?」
突然の問に驚く。
「あなたがその神剣を持つにふさわしいかどうか、剣にきめてもらいましょう」
「だけど・・・」
「自分自身を守れる力、あったほうがいいとおもうわ。 試してみましょう」
「そうまで言うならやってみよう」
キースは剣の前へ立ちゆっくりと神剣の柄に触れる。
ドクン・・・!
「・・・っぐ、何だこの感じ!?」
「神剣の心に負けてはだめ、負けた時点で死を覚悟したほうがいいわ。 大丈夫、気をしっかり持てば平気よ」
「ふ、っぐ・・・! があぁ・・・!」
『お前か・・・』
頭に声が響いてくる。
「! だれだ!?」
『誰だはこっちの台詞だ、お前が自分の封印を解き自分の力を欲するものか?』
「この声は剣から聞こえてくる・・・?」
「そう、その声は剣の意思。 キースも応えるのよ」
『自分を我が物にするとはたいした奴だ、お前が自分の力を必要というなら力を貸そう・・・』
「ということは俺を認めてくれるのか?」
『うむ、自分もずっと押さえつけられていて窮屈だったからな。 少しの間外の空気へ当たりたい』
「わかった、力を貸してくれ。 えっと・・・ なんて呼べばいいんだ?」
『自分のことは【砂塵】と呼ぶがいい。 力欲する物よ』
「了解、よろしく頼むぜ。 砂塵」
『力がほしくばいつでも呼ぶがいい・・・ ・・・』
頭の中から声が消えていく。
「なんだったんだ今のは・・・」
「*ようやくこれでこの言葉もわかるわね*」
「*? いったい何言ってるんだ、当たり前だろ?*」
「!?」
「よかったよかった、わかるようになっててくれて」
「今俺普通にここの言葉使った、なんでだ!?」
「剣を持てば能力が大幅アップするみたいだから言葉もわかるんでしょ」
「正直言ってこのためにやらせたようなものだからね、一人で生きていくにはことばがわからないと
いろいろ大変だし、私もこっちのほうがなれてるし」
「そうか、モニカさん。 いろいろありがとう」
「何言ってるのよ別にかまわないわ」
ブオォン!
二人は楽しく会話していると突然羽の音のような物が聞こえてくる
「何だこの音?」
「どうやら帰ってきたみたいね、キースもくる? きっと驚くわよ」
「? ああ、わかった」
ドアを開け外へ出ると大きな翼竜が目に入る。
「モニカ様、ただいま戻りました」
「うわ、なんだ!? 竜・・・?」
「お帰りカスターネ、雨の中もずっと飛んでたの?」
「ええ、我は雨などもあまり気にはならないからな」
「キース、この子が昨日言った私の友達よ」
「友達などと、別に我はペットとして扱ってくれてもかまわないというのに・・・」
「だ〜め、それじゃ私がなっとくいかないの」
「・・・・・」
大きな竜と普通に会話をしているモニカに呆然とする。
「ところでモニカ様、この少年はいったい?」
「キースよ、昨日の雨の雨宿りでここにたどり着いたそうよ」
「そうですか、キース殿。 ハジメマシテ、我はカスターネと言う」
「俺はキース、それにしても羽を伸ばしに行ってるって言ってたがほんとに羽とはな・・・」
「ふふ、私ねこの羽好きなのよ。 だからこうして自由にしてあげてるの」
「そうだ! みんなが揃ったところで今日の訓練をしましょう。
キース、あなたはまだ戦闘はしたこと無いから一緒にやりましょう?」
「え、だけど悪いんじゃないか?」
「いいのいいの、どうせいく当てもないでしょ。 途方にくれるよりはマシよ」
「そういってもらえると助かる」
「さぁて、じゃあまずはカスターネ。 キースの相手をおねがいするわ」
「モニカ様がそういうなら、お相手いたそう」
カスターネは空を飛びキースと一定の距離を保つ。
「じゃあキースも神剣を使ってカスターネと一緒に訓練してね。 ちゃんとまじめにやらないと痛い目見るわよ」
「了解した」
そういって砂塵を構える。
「構えはなかなかいいじゃないか、では参る・・・」
「あ、ちょっとカスターネいい?」
「なんですか?」
「あまり本気を出さないであげて、あなたの永遠神剣を使うのも禁止よ」
「この竜も神剣を持っているのか!?」
「カスターネと呼べ、我が神剣は永遠神剣 第三位【破邪】である」
「第三位ってことは砂塵より二つ高いんだよな」
『しかも第三位って事は上位永遠神剣だぞ』
「うわ、いきなりしゃべるなよびっくりするだろ」
「良い? カスターネ使ったらおしおきよわかった?」
「うむ、よかろう我は自身の力だけでやろう」
「・・・なあ、上位永遠神剣ってなんだ?」
『そんなことも知らんのか、三位以上の神剣は上位永遠神剣と呼ばれておりそれに認められた者は
下位の神剣など比べ物にならないほどの力と、永遠に生きるエターナルとなるのだ』
「へえ、そいつはたいした物だ。 それに永遠に生きるって簡単に言うけどちょっとつらいな・・・」
『・・・・・』
「モニカさん、俺とカスターネって実力に差がありすぎるんじゃ?」
「そうね、エターナルと生身の人間じゃお話にならないと思うわ。 でも手加減するようにいったし
あなたには素質があると思うの、きっと訓練すればエターナルにも負けないくらいつよくなれるはずよ!」
「そうかい、じゃあこいカスターネ!」
「グオオォォ!」
ビュン! とものすごいスピードで接近してきて服に攻撃をかすめる。
「早すぎて見えない、それにわざとはずしてくれてるのか・・・? どうにかして見極めなくては・・・」
ビュン、ビュン、ブオォン!
見えない速度でキースの周囲を飛ぶ。
「・・・ここだ!」
ガキン!
向かってくる方角に剣を向け攻撃を受け止める。
「・・・ほう、もう我の向かってくる方角がわかるとはたいしたものだ」
「そうね、想像よりずっと早かったわね。 カスターネ次は当てなさい」
「わかりました」
ゴオォ!
さっきより速い速度で肩裂く。
「・・・っく! さっきよりぜんぜん早いか、見えない。 こうなったら・・・」
「? まさかキース・・・?」
傷を無視し続け目を瞑り、しばらく静かにしていると。
「たあぁ!」
キン!
「む・・・!」
「へえ、すごいじゃない・・・!」
「なんとかとめることができたかな・・・?」
(さっきのあれは空気中の微量なマナの動きを肌で感じ取って動いたわね。 もうここまでできるなんて・・・)
「カスターネ、もういいわ。 お疲れ様、ありがとう」
「ドウイタシマシテ、我は少し休息をとります」
「わかったわ。 ・・・さあ、キース次は私が相手よ」
「モニカさん、あんたが相手なのか?」
「そうよ、今までドジなとことかあったけどこれだけは負けないわ」
「あんたもエターナルなのか?」
「良く気づいたわね。 そう、私の持っているのは永遠神剣 第三位【光断】よ」
「わかった、始めよう」
「・・・一応、手は抜いていくつもりだけど怪我したらごめんね」
ヒュンッ! ガキン!
「!?」
「はあぁ!」
ガキィン!
カスターネ以上のスピードで回り込んだがすぐにガードしはじき返す。
(すごいわね、私の予想をかなり超えているわ。 少し本気を出さないといけないかしら)
ギン、ギン、バキィイン!
(早いか、ならこれならどうだ!)
モニカから離れ、何かをするキース。
「何のつもりかしら?」
「精霊光の力よ俺に力を与えてくれ!」
「あれは!?」
「フェアリィオーラ!」
まばゆい光がキースを包む。
「これならどうだぁ!」
「・・・っ!」
ガキイイィィン!
(スピードがこっちとほとんど同じになった、なるほどねこんな魔法まで使うなんて才能がかなりありそうね)
「だけど、私をまだまだなめてもらっちゃだめよ!」
「光断よ、妨げとなりかの敵を断て」
「ライトブレイク!」
光の刃がでてキースを弾き飛ばす。
「うわあぁ!」
地面に叩きつけられ気絶する。
「ふう、ちょっと本気になっちゃった。 でもまさかこんな強さを秘めているとはね・・・
この子ならもしかしたら任せられるかな・・・」
そういいながらキースを部屋へつれていき寝かせ自分も寝ようとする。
「本当なら誰も巻き込まなきゃそれでいいんだろうけど・・・」
・・・そして、深い眠りに付いた。