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場所:???

 

 

 

 

 

「助けが、必要か?」

 

アセリアが青年に声をかけた

 

青年は下半身裸だが、アセリアは気にもとめていない

 

「・・・・・」

 

青年は何かを伝えようとしたが、アセリアには言葉の意味がわからないので首をひねる

 

そして青年は気を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:エスペリアの部屋

 

 

 

 

 

青年は言葉の通じない自分と、現在の状況に悩んでいた

 

エスペリアが隣にいる青年にいろいろと話しかける

 

「うーん、どうすればよいのでしょう…」

 

言葉がお互い通じないためなかなかうまくコミュニケーションがとれない

 

そして、その後スピリットの館に兵士が来て、

 

無理矢理その青年を城へ連れて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同刻

場所:城下町 城へと続く道

 

 

 

 

 

「はぁはぁ、兄さん急ぎましょう。もう兵士がエトランジェを連れてきますよ」

 

槍を持つ青年が隣にいる青年に話しかける。

 

「はぁはぁ、解ってる。……、ちっ、これでついに戦争か。」

 

細身の剣を腰に掛けた青年が悪態をつく。

 

「はぁ、それにしてもこの道は長いですね。」

 

「急いでいるときに限ってな……」

 

「ふふ、そうですね。」

 

二人は鎧をカシャカシャ音を出しながら城へと走っていった。あほらしい光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:ラキオス城 謁見の間

 

 

 

 

槍を持った兵士がドアを開けた。なぜか彼は息を荒げていた。

 

青年が兵士の開けたドアの中に入った。

 

青年は周りの光景が珍しいようにあたりを見渡す。

 

この部屋の両脇には文官・側近らしき人間が並んでいて、

 

目の前の玉座には王または位の高い初老の男が座っている

 

その隣には、女王または初老の娘らしき人間が座っている

 

そしてその二人の両脇に一人ずつ兵士らしき人物が立っている。

 

一人は片手に棒を持っており、

 

もう一人は剣を腰に下げている。そしてなぜか疲れているように見えた。

 

「ほぉ、この者がエトランジェか…」

 

初老の男がにやにやしながら青年を見る

 

青年は睨み返す

 

「くくく……、おい」

 

「はっ」

 

初老の男が棒を持つ兵士に声をかけ、兵士が部屋の奥に行き女の子を連れてきた。

 

その瞬間青年が大声を上げた。

 

「・・・・・」

 

謁見の間に声が広がる。女の子も同じように叫ぶ。

 

彼らは、二人の言葉は通じていないが強く何かを訴えているのはわかった。

 

「ラキオス王!!もうよろしいではありませんか。この少女があの者の大切な者だと言うことはわかりました。」

 

剣を持つ青年が初老の男に抗議する。

 

「………ふむ」

 

初老の男はおもしろくない顔をして髭をさする。

 

その瞬間青年が立ち上がって初老の男を殴りかかろうとした。

 

「くくく、おいお前らエトランジェを取り押さえろ!!」

 

棒を持つ兵士がドアのそばに立っていた兵士達に声を掛ける。

 

兵士達は一斉に飛びかかった。

 

しかし、取り押さえようとした兵士達が青年に殴り飛ばされる。

 

「ちっ、ラキオス王、レスティーナ様お下がり下さい。

 

剣を持つ兵士がイスに座る二人に声を掛け、二人の兵士はその前に立つ。

 

「……よい、下がれ」

 

初老の男は兵士達に声を掛けた。

 

「はっ?しかし、それでは……」

 

「よい!下がらせろ。」

 

「……おい、下がれ!!」

 

剣を持つ兵士は、青年の足にしがみつく兵士達に声を掛けた。

 

青年は力が緩んだ隙に兵士を蹴飛ばして初老の男の元へ駆け出す。

 

駆け出す

 

駆け……出せなかった。

 

いきなり青年は頭を抱えて膝をついた。

 

「・・・・・」

 

声にならない叫びが部屋中を駆けめぐる。そして、青年は気を失った。

 

棒を持つ兵士と初老の男は笑っていた…

 

「くくく、この娘は使えるな…。おい、まだあの剣に近づけるなよ。」

 

「はっ!」

 

そのとき、静寂を保っていたイスに座る女性が初老の男に声を掛けた

 

「父様、この娘を私の部屋に置いて下さい。」

 

「何?」

 

意外な言葉に目を丸くする。剣を持つ兵士は笑顔になる。

 

……………

 

………

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:城下町 城へと続く道

 

 

 

 

 

「兄さん、お疲れ様でした。」

 

槍を持つ兵士が声を掛ける。

 

「ほんとに、お疲れだよ…」

 

「………帰ったらお茶でも飲みましょうか。」

 

「そうだな。」

 

二人はゆっくり帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              第一幕

 

ヨフアルの差し入れをして謁見で踊りましょう

 

前編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖ヨト歴330年チーニの月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:兵士詰め所

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン チュンチュン

 

 

 

朝がやってきた…

 

「今日なんてこなければよかったのに…」

 

一人の青年が憂鬱そうに窓の向こう側を見ながらぽつりと言った。

 

ここから見える景色はラキオスを全て見渡せる。城、城下町、農道、森、

そしてスピリットの館。

 

ここは、ラキオスの北端に位置するラキオス王国軍という名の兵士詰所である。

 

兵士の宿舎とも言い、実際にほとんどの兵士がここで暮らしていて、

それだけの人数が暮らせるほどの大きさがある。

 

木造の5階建てで、地球でいうアパートみたいなものだ。

 

1階は食堂や会議室、温泉などがあり、2階から4階までが寝泊まりできる部屋で、

階が上がれば上がるほど位が高い。

 

外にはとても広い庭があり、そこで訓練や娯楽スポーツなどをしている。

 

ラキオスが誇る精鋭のスピリットがいるため、兵士は訓練などはあまりしない。

 

他国でもスピリットに頼り、このような話はよく聞くが、

ラキオスほどの兵士弱小国は無いだろう。

 

長年ラキオス王国軍隊長の任に就いている名家ロイ家。

 

その子孫であり、この声の持ち主イルの悩みの種である。

 

 

 

 

 

 

 トントン

 

 

「兄さん朝ですよ。早くしないと朝食が兵士に全部食べられてしまいますよ。」

 

リンがドアをノックして優しく言う。

 

リン。イルの義弟で、イルの父が養子として引き取った。

 

人に何かを教えるのが苦手なイルに代わって、兵士の訓練を担当してくれている。

 

表情は冷たいが、何かとイルを心配している。

 

 

 

「そうだね、ありがとうリン。」

 

返事をして少し外の景色を見た後、私服に着替えて食堂へと向かう。

 

その途中で何人もの部下に会い、挨拶をされるがどの言葉にも心がこもっていない。

 

しかしイルはいつものことなので気にせず返事を返す。

 

 

 

食堂へやってきたイルは給仕から食事を受け取り、リンの席の隣に座った。

 

「おはようございます兄さん、

昨日から憂鬱そうな顔をしていますけど何かあったんですか?」

 

イルが昨日、城に呼ばれた後から元気がないのを悟ったリンが心配になって尋ねる。

 

「リンはわからない?リンにならわかると思ったんだけど…」

 

「僕にならですか…?」

 

リンは質問を質問で返され、しかも自分にならと言われ困る。

 

「はぁ、ヒントは今日の俺の日程。」

 

少し残念そうにため息をつき、ヒントを出す。

 

「日程は…たしか午後に謁見中の王と王女の護衛“だけ”ですね。兄さん何が不満なんですか?」

 

「………、アチャー

 

 

 ドス

 

 

イルが立ち上がりリンにチョップを繰り出す。

 

「痛ったいですね兄さん!何するんですか!?」

 

リンも怒り立ち上がる。

 

「わからんか?…チョップだ!」

 

さも当然のように言い放つ。

 

 

 プチッ(説明・脳の血管が切れた音。普通聞こえません)

 

 

五分後(いろいろありました)

 

 

「はぁはぁ、お前に教えることはもう無い。免許皆伝じゃ。」

 

「あ…ありがとう、ござい…ます。」

 

二人の争いに巻き込まれたテーブル一つとイス二つがハイペリアへと逝った…

 

 

「で、結局理由はなんなんですか?」

 

息を整えて生きているイスへ着き直すリンが真面目な顔で尋ねた。

 

「じゃあ、王と王女を何から護衛するかわかる?」

 

イルも真面目な顔で尋ね返した。

 

「えーっと、それはエトランジェですね………あぁ、そういうことですか。

王のやり方ですね…」

 

リンが少しうつむく。

 

「あぁ、王はもう一人のエトランジェを人質にする気だ。」

 

「………」

 

辛そうに答えるイルに何もいわないリン。

 

そこに一人の青年が声をかけた。

 

「おはようございますイル様、リン様。

くっくっく、王の陰口とはあまり滅多なことをいうもではありませんよ。」

 

見下したように男が二人を見る。

 

「おはようオース。今後気をつけるよ、で俺に何か用かい?」

 

素っ気なく返事をして受け流す。

 

「…いえいえ、お二人がなにかよからぬことを考えていると思ったので、

忠告を申し上げにきたのですよ。」

 

受け流されたオースが二人を挑発する。

 

「ふーん、じゃ、用が済んだね。ばいばい。」

 

イルが辛辣な言葉を言ってリンの方を向く。

 

「…ちっ(糞めが)」

 

 

 コツ コツ コツ

 

 

オースが舌打ちをして立ち去る。

 

「よかったのですか兄さん?」

 

リンはオースが王と仲が良く側近たちに賄賂など送り、

味方にしているため余計に心配だった。

 

「いいよべつに。俺はなんかあいつをいまいち好きになれないから。」

 

「…そうですか」

 

義兄の顔を見て何を考えているのか察したリンがそっと答えた。

 

「心配ですから私もついていきますよ。」

 

「ありがとうリン」

 

自分に気を使うリンに笑顔でお礼を言い席を立つ。

 

「じゃ俺は謁見の前にレスティーナに会いに行くから、隊服に着替えて城に行くよ。兵士の訓練は頼んだよ。」

 

「兄さん!!」

 

リンが席を立つ

 

「うっ」

 

「逃げないで下さい!!」

 

「………」

 

イルは脂汗をかく

 

「手伝って下さいね!!」

 

「………はい」

 

イルはとぼとぼと自分の部屋に戻っていった。

 

「はぁ…」

 

食堂に残ったのはリンのため息と兵士の喧噪だけである…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、町に行ってヨフアルでも買っていくか。」

 

さっそくリンの手伝いを見捨てることにした。

 

イルが隊服に着替えて父の形見である剣を腰に差す。

 

レスティーナの差し入れを買うために城下町へと出かけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:ラキオス 城下町

 

 

 

 

 

 

 

 

イルが木造の喫茶店のドアを押した。

 

 

カラーン カラーン

 

 

ベルの気持ちの良い音がする。

 

「おぉ、イル様お久しぶりですね。」

 

店の中にいた男性から声をかけられた。

 

「どうも、お久しぶりです。えーっとヨフアルを2コ下さい。」

 

そこはヨフアルの店だった。

 

普通は外から注文するのだが、焼きたてを注文したい場合は店の中に入らなければならない。

 

 

 

「はいよ。ヨフアル2コね。」

 

「どうも、じゃ、また来ます。」

 

「あぁ、また来てくれよ。」

 

 

カラ−ン カラーン

 

 

またベルの良い音がして店を出る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの隊長またスピリットにヨフアルを買っていったよ。」

 

先ほどの店主と思われる男性が店でヨフアルを食べている客に声をかけた。

 

「二つ買ったって事は二人で食べるんだろ?」

 

「あぁ、幼なじみがいるらしいよ。」

 

「えっ、それマジかよ!?」

 

「うわっ、呪われてるんじゃないの。もし俺がその立場だったら自殺もんだな。」

 

「あの隊長は、平気みたいだよなー。妖精趣味でもあるんじゃねぇの。」

 

「違ぇねぇな。ははは…」

 

この言葉がイルに届くはずもなく、笑いだけが店の中に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:ラキオス城 庭園

 

 

 

 

 

 

「うーん、どうしよっかな〜。お父様が了承してくれるとは思わないしな〜。」

 

素に戻っているレスティーナがベンチに座りながらぶつぶつ独り言を言っている。

 

ちょうどそこへヨフアルを買って城に来たイルがレスティーナの声を聞き、

後ろから近づく。

 

「そうだわ、イルがお父様に頼めばいいんだわ。

そして『全ての責任は俺が取ります』って言ってもらって…」

 

何のことについて責任を取るのかわからないが、

これからいい道具にされそうなのは経験上簡単にわかる。

 

「(何を考えてるんだこの王女様は…。まぁ、悩むっつったらヨフアルぐらいだからな〜、

どうせヨフアルを食べるために俺を犠牲にする気だな。)」

 

こいつもこいつでけっこう失礼なことを考えている。

 

「よかった〜、これで一件落着だわ。さてとヨフアルでも食べようかしら♪」

 

「って、すでに持ってるんかい!」

 

思わず声が出てしまった。

 

今更口を押さえても遅いが無意識に手で口を押さえてしまう。

 

「わっ、イ、イルじゃないですか、いるなら声をかけなさい。

いきなり大声を出されては驚きます。」

 

素から王女へと戻ったレスティーナがぷりぷりしながら言う。

 

「はは、すみませんレスティーナ様。

しかしいくら人がいないとはいえレムリアに戻るのはどうかと…」

 

イルはレスティーナが城を抜け出すのを手伝ったり、

その護衛をさせられているので、城下町でのもう一人のレスティーナ、

レムリアの名を知っているのだ。

 

「なっ、聞いていたのですかイル?」

 

レスティーナは顔を真っ赤にして尋ねる。

 

「えぇ、『イルがお父様に頼めばいいんだわ。』というところから…」

 

「…最初から聞いていたのですね。」

 

レスティーナは諦めたように落ち着く。

 

「なら話は早いですね。イルに頼みがあります!」

 

「っ、…俺にできることなら何でもしますよ。」

 

イルはレスティーナの真剣な問いかけに驚きながらイルは優しく言った。

 

「ありがとうございますイル、感謝します。頼みとは………」

 

 

 

 

 

説明すること数分

 

 

 

 

 

「…………………。へー、それはいいですね。協力しますよ。」

 

「ほ、本当ですか。ありがと〜イル。」

 

イルが協力してくれることに子供のように喜ぶレスティーナ。

 

「俺はレスティーナ様の頼みなら何でも協力します。だから感謝はいりませんよ。」

 

「なら今だけ私を王女と思わず、幼なじみの女の子と思い、感謝を受け取ってください。」

 

レスティーナはイルとの一枚の薄くて固い壁を感じて悲しい表情を作る。

 

「……、わかったよ、レスティーナ。じゃお互い頑張ろうな!」

 

イルは少し考えた後、笑顔で答えた。

 

「うん。」

 

レスティーナは頬を染めながら言った。

 

「じゃ、俺は一回戻って兵士の訓練をするよ。リンにまかせっきりだからね。」

 

イルは手に持っていたヨフアルの袋を一つ投げ渡す。

 

「わっ、ちょ、ちょっと。投げないでください。」

 

慌てて手を差しのばしてヨフアルを受け取る。視線を元に戻したが、

すでにイルの姿は遠くにあった。

 

「はぁ、あんなに急いで行かなくてもいいじゃん。イルのばか…」

 

レムリアはため息混じりに空に向かって呟いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:兵士詰め所 外庭

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄さん、何か言い残すことはありますか?」

 

「え、あ、あの、あはは……」

 

案の定リンはかなり怒っていた。

 

「裸で町中練り歩くのと、髪の毛を丸刈りにされるのはどっちが好みですか?」

 

「………これは、絶対的に二択なのか?」

 

「はい。選んで下さい。」

 

リンにしかられるのをわかっていたイルも悪いが、この罰はいくらなんでも酷である。

 

「………も、戻ってきたじゃないか、かわいい弟よ。」

 

イルも往生際が悪い。

 

「僕を見捨てましたね…、かわいくない兄さん。」

 

「………(ま、まずい。裸は貞操的にまずいし、丸刈りは長年連れ添った友(髪)を失うことになってしまう)」

 

その後、イルがリンの機嫌を取り一人で兵士の訓練をしたのは言うまでもない。

 

訓練の内容を書いておくと、素振りなどをしようとしたが、なぜか皆昼寝をしていた。

 

「…(最悪だ!!)」

 

と思いいつつも、自分もいつの間にか寝ていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:リンの部屋

 

 

 

 

 

 

「うーん、少し眠ってしまいましたね。」

 

リンが外を見渡す。

 

「………」

 

急に冷めた表情になり、空を見上げた。

 

「………本当にあの人は」

 

太陽を見る限りもう正午を過ぎていた。リンが窓を開けて外で寝ている情けない兄を起こす。

 

「兄さーん!!」

 

かなりの大声で叫ぶ。その声は周りで寝ていた兵士も起こすが気にしない。

 

「んん?もう朝か?」

 

アホなことを言っている。

 

「兄さん!!城に行かなくて良いんですか?」

 

「……………………………」

 

「……………………………」

 

急に静寂に包まれる。

 

「やばーーい!!遅刻だ!!」

 

死語だが表現をするならば『てんてこまい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:城下町 城へと続く道

 

 

 

 

 

「はぁはぁ、兄さん急ぎましょう。もう兵士がエトランジェを連れてきますよ」

 

槍を持つリンが隣にいるイルに話しかける。

 

「はぁはぁ、解ってる。……、ちっ、これでついに戦争か。」

 

細身の剣を腰に掛けたイルが悪態をつく。

 

「はぁ、それにしてもこの道は長いですね。」

 

「急いでいるときに限ってな……」

 

「ふふ、そうですね。」

 

二人は鎧をカシャカシャ音を出しながら城へと走っていった。あほらしい光景だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:ラキオス城 謁見の間

 

 

 

 

 

 

「父様、この娘を私の部屋に置いて下さい。」

 

レスティーナが打ち合わせ通りに進言をする。

 

「何?」

 

王はまるで自分の娘を信用していないかのような表情を作る。

 

「ですから、この娘を私の部屋に置いて頂きたいのです。」

 

「レスティーナ様。何か考えがおありなのですね?」

 

俺はがレスティーナに問う。もちろん打ち合わせの台詞である。

 

「えぇ、最近は暇でいろいろ飽きてしまったので…。それに、興味があります」

 

「だが…」

 

王が拒否的な視線をオースに向ける。

 

「くくく、よろしいではありませんか、ラキオス王。」

 

オースが横から口を挟む。それは意外な一言だった。俺もレスティーナも内申驚く。

 

「ふむ、お前が言うのならば間違いはないだろう。」

 

王はオースを信用しているのですぐに、了承を得た。

 

「…(オースめ、何のつもりだ?)」

 

俺は一株の不安を持った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所:城下町 城へと続く道

 

 

 

 

 

「兄さん、お疲れ様でした。」

 

槍を持つリンが声を掛ける。

 

「ほんとに、お疲れだよ…」

 

「………帰ったらお茶でも飲みましょうか。」

 

「そうだな。」

 

二人はゆっくり帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台裏  題『ご挨拶』

 

 

 

 

ハク「こんにちは〜、みなさん。ハクです。この舞台裏では作者も交えて、

   登場している人物達と会話をします。

   では早速主人公であるイル君と話してみましょう。」

 

イル「どうもみなさん、初めましてイルです。」

 

ハク「イル君、初めてのハクの舞台はどうだったかな?」

 

イル「俺に話しかけるな雑魚作家!俺はこの駄作を読んでる方々に挨拶をしているんだ。」

 

ハク「…(雑魚作家はひどい)。な、ならレスティーナさんはどうでした?」

 

レスティーナ「下がりなさいヘボ作家。あ、この作品を見てくれた方々ですね。

       初めましてレスティーナです。以後お見知りおきを。」

 

ハク「…(ヘボ作家もひどい)。な、なら…」

 

リン「アホ作家さん、少しどいてください。初めましてみなさんリンです。

   名前が女の子っぽい名前ですが、

   私は男ですので…(アホ作家め、もうすこしましな名前にしろ)」

 

ハク「…(アホ作家…)。」

 

オース「くっくっく、ハクよ寂しそうだな。向こうで僕の武勇伝でも聞かせてやろう。」

 

ブチッ

 

ハク「おいてめーら、なんだこの扱いは!お前らの色恋やら生死まで左右できるんだぞ!」

 

全員「「「「なら、やられる前にやらないとな(ね)」」」」

 

 

作者ハイペリアへ。レスティーナは休憩室へ(ここは控え室)。オースはトイレへ。

 

 

イル「どーする、このゴミ?」

 

リン「そこらへんに捨てていいですよ。それよりこのままだと舞台裏終わりませんよ。」

 

イル「そうだな。じゃ『ヨフアルの差し入れをして謁見で踊りましょう』

   中編の予告でも話すか」

 

リン「そうですね。では兄さんお願いします。私は兵士にチケットを売ってきます。」

 

 

リン、ダフ屋に変装し兵士詰所へ

 

 

イル「えーっと、中編では4人のスピリットと出会います。

   戦いはまだ出ません…。雑魚作家を恨んでください。

   では中編で会いましょう。雑魚作家は見捨ててもいいですが、

   できればこの作品は見捨てないで頂けたら嬉しいです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『次回主要場面』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正確に言えばスピリットと呼ばれている“もの”がいた。

 

 

 

 

 

「いいですかイル様、私たちはスピリットです。スピリットなのです…」

 

 

 

 

 

「私に断る権利はありません。なんでしょうか。」

 

 

 

 

 

「あっ、そうだ。みんなにヨフアルを買ってきたんだ。」

 

 

 

 

 

「そんな示しはいらない!お前が何を考えているのかは知らないが、これは俺の問題だ。口出しをするな!」

 

 

 

 

 

「父親と同じ死に方ができなくて残念だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

など…

では、また会いましょう

 

 

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