大地が謳う詩
あとがき
○初めに
終、わ、っ、た・・・・・・・・・・・・
皆様こんにちは、ファルクラムと申します。この度は、本作「大地が謳う詩」に御目を通して頂き、真にありがとうございました。
思い起こせば約2年前、「人に読んで、感想を書いてもらえるような作品を書きたい」と言う欲求から始まった本作ですが、気が付けば、随分と大風呂敷を広げてしまったような気がして、今更ながら冷や汗を掻いている次第でございます。
そもそも、掛け値無しの衝動買いだった「永遠のアセリア」と言う作品が、ここまで私を惹きつけ、終いにはこうして小説を書かせるまでに至るとは、買った当初は思いも寄りませんでした。
さて、ここでは後書きに加えて、いままで一切合財を省いてきた製作裏話と種明かし等を纏めてしていきたいと思います。
以後の内容には可能な範囲で、多分にネタバラシが入ります。もし万が一、本編をまだ読まずにここに来られた方がおられましたなら、この場にて戻られる事を強く推奨させていただきます。
○ストーリーについて
当初悩んだのが、出発点をどこにするか、でした。
考えていたルートは2つ。「イースペリア出発型」と「ラキオス出発型」でした。
2つのメリットとデメリットを書き出すと、以下の通りとなります。
イースペリアルート、メリット
1、中盤辺りまで「永遠のアセリア」本編とは違う角度からストーリーを展開できる。
2、アズマリア女王初め、本編にあまり登場しないキャラと絡ませる事ができる。
3、地政学的に、マロリガン、ダーツィとの小競り合いを書き、ラキオスのダーツィ攻略までを補完できる。
4、オリジナルキャラに自由度を持たせる事が出来る。
5、イースペリア滅亡後の主人公の心情を面白く書けるかもしれない。
イースペリアルート、デメリット
1、オリジナルのストーリーになる訳だから、よほど細部まできちんと設定しないと、話がグダグダになる可能性がある。
2、ラキオスキャラと絡ませる事が難しくなる。
3、サブスピリットをヒロインに出来なくなる。
ラキオスルート、メリット
1、「永遠のアセリア」本編のストーリーをそのまま踏襲する形になる訳だから、ストーリーに関しては、あまり深く考える必要が無くなる。
2、開戦の当初から、主人公を活躍させ、ラキオスの中で立場を固める事ができる。
3、ストーリー上において、初めからオフィシャルキャラと絡ませる事ができる。
4、サブスピリットをヒロインに持ってこれる。
ラキオスルート、デメリット
1、ストーリーの流れが「永遠のアセリア」本編と同じくなるから、個人的に飽きるかもしれない。
2、オリジナル性が薄くなる。
3、今まで考えていたオリキャラとストーリーを全部破棄する必要が出てくる。
ざっと書き出すとこんな感じでしょうか。個人的にはどちらもストーリーとして甲乙付けがたかったので、結構悩みました。
これを決定付けたのは、当時発売間近まで開発が進み、徐々に公開され始めていたPS2版永遠のアセリアの情報を見た時でした。
何かの雑誌に載っていたサブスピリット達の立絵を見た瞬間、
「うん、これで行くしかない!!」
それまでサブスピリットの絵は全員のっぺらぼうだったので、かなり衝撃的でした。
もう、個人的に彼女達の中からヒロインを選ばないと気が済まなくなり、そのまま一直線にラキオスルートに決定してしまいました。
○主人公について
1、成り立ち
コンセプトは《近接戦闘特化型エトランジェ》という事で考えました。主戦力となるのは、あくまで接近戦であり、神剣魔法は全てそれを補助するタイプの物に纏めてみました。
後々になって自分で考えてみた事は、この主人公は自分の中で何をモチーフにしたのだろう? と言う疑問でした。すると、どうも「これ」といったキャラが思い当たらない事に気が付きました。
この朝倉刹那というキャラクターは多分自分の中で、色々なキャラクターの特性を繋ぎ合わせて完成したキャラなんだろうと思います(曖昧で申し訳ありません)
ビジュアルイメージとしての刹那、性格としての刹那、能力としての刹那、思想としての刹那、生い立ちとしての刹那。それらが組み合わさって合成され、朝倉刹那と言う一個のキャラクターが完成した訳です。
実は当初は「朝倉刹那」という名前ではなく、「空木広哉(うつぎひろや)」と言う名前だったのですが、始めてから2話ほどでこの名前がつまらなくなり、刹那の方に変えました。「刹那」と言う名前は前から主人公として使おうと思っていましたし、「朝倉」の方は、当時やっていたダ・カーポのプラスコミニケーションの主人公から拝借しました。
2、参謀としての活躍
「永遠のアセリア」の数少ない不満の1つとして、メインキャラの中に「軍師」に相当する人物が出てこない事でした。エスペリアがユウトの補佐として副官を務めていましたが、あれはあくまで補佐であって、作戦を自ら立案し、それを遂行可能なように政戦両方面から有機的に自分たちの行動を組み立てて行く「軍師」とは程遠い。戦略を考える人間が他に居ると言う説明は確かにアセリア本編中でありましたが、こんな美味しい役を、脇役以下のモブキャラ以下の背景にすらなっていない者に任せるのはあまりにも勿体無い。そこで、その役を刹那に負わせる事によって、戦闘以外の状況でも、主人公に見せ場を設ける事に成功しました。
3、「強さ」について
この話を書く前に得た1つの考えが、強さとは何も単純な力のみで語られる物ではないと言う事。基本となるのはその内面、意志の強さにあるのではないかと言う物でした。たとえ自分の考えが王道から外れた物であったとしても、最後までそれを貫き通す精神。必要ならば汚れ仕事も躊躇わない事を是とする意思こそが「強さ」の真の意味ではないのかと考えました。勿論、単にソフト面である精神的に強いだけでは物語の担い手にはなれない。それを支える戦闘能力、すなわちハード面の強さこそがより重要となるわけです。
個人的なパワー設定は「ユウトより頭半分上」でした。ここから導き出されるパワーバランスは「1対1なら確実に圧倒できるが、1対2だときつくなる」と言った感じです。ただ、そう言った意味では物語の演出上とは言え、マロリガン緒戦でコウイン、キョウコの2人と戦わせてしまったのは失敗だったかもしれないと反省致しております。
ちなみに、この強さの根源となったのは、本編でも語られた刹那の持つ「心の闇」が原因なのですが、その心の闇があったせいで、刹那は普通では考えられないほどの「負けず嫌い」になったという設定でした。ならば逆に、この強さの大前提である「心の闇」が無かったとしたらどうなっていたか、と考えてみたところ、こうなったら「朝倉刹那」と言う人物は(名前以外は)ひどく平凡な人物になっていたでしょう。多分、学業も運動も、人並みにそこそこでき、成績は中の上程度、せいぜいテスト前に周りの人間からノートをせがまれる程度の存在だったのではと考えております。
余談ですが、この話を書く前に書いていた「永遠と輪廻の狭間で」(現在、再構成中)の主人公《天舞》のレンがあまりにも弱っちいと言う意見を頂いた事があるので、逆に刹那は、このように強さを強調するようなキャラクターに仕上げました。もっとも、レンは物語の演出上(初めからエターナル同士が戦っている)そのようなパワーバランスにせざるを得なかったので、どうしても読んでいて弱いという感じに書かざるを得なかったのですが、実際に刹那とレンが戦えば、レンのほうが強いです。
4、主人公の永遠神剣について
当初の計画では、槍にする心算だったのですが、私は剣道をやっていたり時代劇が好きだったりする関係で、刀剣の類ではダントツで日本刀が好きです。そこで当初の予定を変更して《麒麟》の形状を日本刀型にしました。能力に関しては、当初は何も考えておらず、単に力が強いだけの神剣として行こうかと思っておりましたが、それではいかにも味気無いので、白虎、玄武、青龍、朱雀の4つを設け、その体裁を整えました。
続く《絆》に関してですが、これは当初から7理の内、友情を司る名称で行こうと考えておりましたので、名前の方はすんなり決定しました。形状に関しては、当初は《黒衣の死神》と言う真名からとって大鎌で行こうかとも思いましたが、大鎌を使ってのアクションと言うものが、描き辛かったので、長剣二刀という形にし、更に、当時嵌まっていたとあるアニメのキャラが日本刀の二刀流であった為、このような形に落ち着きました。
5、病について
この「永遠のアセリア」をSSのジャンルとして選んだ当初から考えていた事の1つが、「エターナルを病気にさせるにはどうするか」でした。勿論、人間が普通に掛かるような病気になるとは思えませんし、相当悩みました。今作中盤でソーマが刹那に対して使った「マナを毒素に変える薬品」と言うのもその産物の1つです。そして今回ようやく得た結論の1つが、「基本となる存在情報の欠損」でした。作中で語ってある通り、私個人の認識で存在情報とマナの関係と言うのは「器」と「水」なわけで、刹那の場合、その器が壊れて中にあるマナが常にダダ漏れ状態になってしまったわけです。放って置けばどんどんマナが流れ出し、濃度がゼロになった瞬間、刹那は物理的に消滅を余儀なくされます。もちろん回復魔法でマナ量を回復させる事は可能ですが、結局、存在情報の破損部分はそのままになってしまうわけですから、対処療法にしかなりません。
この案の採用により、エターナルとなり急速にパワーアップした刹那にちょうど良い枷を嵌める事に成功し、なおかつ刹那と言うキャラクターの格を、より上げる事にも成功したと考えております。
○ヒロインについて
1、ヒロインの決定まで
先に述べた通りラキオスルートで行こうと決めた時点で、ヒロインはサブスピリットの誰かにすると言うのは、計画の中で織り込み済みでした。そこで更に問題になるのは、誰をヒロインに持ってくるのかという問題でした。
そこで選定したのは、ヘリオン、ファーレーン、ニムントール、ネリー、セリア、ハリオンの6人でした。その内早期に切り捨てたのは前半分の3人。まず、ヘリオンは当時行われた「PS2版アセリア発売記念人気投票」で1位になったので却下(自分でもよく判りませんが、私には1番人気のキャラをヒロインにするのは避けると言う妙な拘りがある)。ファーレーンとニムントールに関しては、その絆の強さゆえに2人を引き離すと言う描写が思い浮かばなかった為に却下(絆の強さで行けばネリシアも同様なのだが、こちらは元から幾つか算段があった)。
残ったのはネリー、セリア、ハリオンだったのですが、結局この3人、明確に決定しないまま見切り発車で投稿を開始しました。
さすがに焦った私は、中盤以降の山場の1つとして用意している、「刹那の心の闇に触れた時」に、3人はそれぞれどのような行動を取るのだろうかと考えてみました。
まずネリーなら、刹那の闇を、持ち前の明るさと純真さで吹き飛ばしてくれるだろうと考えました。
セリアはその心の闇を知った時点でまず一旦、刹那と同じ場所まで自分も堕ち、そこから叱咤しながら肩を貸して上ってきてくれるのでは無いか考えました。
最後にハリオンはと言うと、もう改めて考えるまでも無く、その包容力で全てを優しく包んで暖めてくれたでしょう。
で、結局どうなったかと言うと、結局それでも決まりませんでした。
そこで最後の手段として私は、リアルで何かとお世話になっている友人に3人の立絵を見せ「どれが良い?」と尋ねてみました。(今作品中において、私が他人の力を借りたのは、後にも先にもこの1回きり。)
そしてその友人は、迷う事無くネリーを支持した為、ヒロインはネリーに決定しました。
2、ネリーの永遠神剣について
ビット、ファンネル、フィンファンネル、インコム、ハイファミリア、ソードブレイカー、ストライクシールド、ガンバレル、ドラグーン、機動兵装ウィング、D3、えっと、あと何かありましたっけ? とにかく、古今東西この手の武器にはイメージが事欠きません。元々、接近戦趣向の強いブルースピリットであった為、こちらのオリジナル神剣は、何がしか回復、間接戦闘に秀でたものにしたいと考えた為、このような形になりました。ちなみにネリーが後半使う魔法の中で一番のお気に入りはフリージング・フェニックスだったりします。あれは我ながら、詠唱も含めてよく考えたほうではないかと思っております。ただ残念なのは、《絆》と同じ7理の神剣として出したにも関らず、それを活かしきる事ができなかった事です。そこいら辺は、次回があったら対応したいと考えております。
3、余談
となりますが、この話を書いている頃、なかなか興味深い意見を聞く事ができました。曰く、
「ヒロインとは、戦うべき存在ではない。」
との事。
もちろん、広義的な意味ではなくストレートに、前線で剣を振るうと言う意味です。
バトルヒロイン物が多く輩出されている昨今ですが、この考えには頷かされる物がありました。ただ自分の作風でこれをやるには少し難しいのですが、機会があったら試してみたいと考えています。
しかしそうなると、「永遠のアセリア」の正ヒロインはレスティーナと言う事になりますね。う〜〜〜む・・・・・・
○オリジナルスピリットについて
と言うと、今作中においてはサーギオス第18特殊部隊の6人を指す訳ですが、実は彼女達は全員、イースペリアルートを辿った場合の味方スピリットであったりします。結局私自身がラキオスルートを行く事に決定した為にその設定は生かされる事は無かった訳ですが、それを再利用と言う形でライバルキャラとして登場させたのが彼女達な訳です。
ちなみに彼女達の永遠神剣の名称には、意図的に負のイメージを想起させる物を採用いたしました。《絶望》《新月(月の無い晩、転じて闇を表す)》《獄吏》《退廃》《叫喚》《怨恨》と言った具合に。
元々イースペリアルートを通らず敵として登場させると決めた時点で、彼女達の死は確定していました。勿論、そう言った描写やストーリー展開に嫌悪感を示す方が多いと言うのは存じておりますが、私個人としてはアクション物を書く以上、「死」と言う描写は避けては通れない道と考えております。死その物が重要なのではなく、そこから続く有形無形を問わない「魂の継承」にこそ、意義があると考えている為です。
1、カチュア
キャラクターコンセプトは単純に「エトランジェ並みの力を持ったスピリット」。もしもイースペリアルートを採用していたら、彼女がヒロインになっていました。その際の計画ではブルースピリットではなくブラックスピリット。刹那の神剣も同じ刀型なので、当初は刹那の師匠格として立場を確立させ、徐々にその変化させていこうと考えていたのですが、ラキオスルートに決定した為、見事に立ち消えとなりました。逆に、敵同士でありながら、ライバルである主人公に恋をしてしまうキャラとして書き上げました。ちなみに、彼女と刹那の最後の一騎打ちとそれに続くシーンは個人的に、作中で一番気に入っていたりします。
2、シャーレン
コンセプトは「魔法に頼らないブラックスピリット」。ただひたすら己の技のみに頼り、魔法を邪道と考えるキャラとして仕上げました。当初ウルカとの関係は、単なるライバル関係だったのですが、どこでどう道を誤ったのか(あるいは踏み外したか?)あのような百合一歩手前かつ可愛さ余って〜的な関係になってしまいました(苦笑
イースペリアルートに入った場合、彼女はカチュアのライバル的なキャラとなっており、素質は充分なのだが、その精神的脆さ故に実力を発揮できずに悩むキャラになる予定でした。
3、アンナ
コンセプトは「接近戦でも魔法でもブルースピリットを上回るレッドスピリット」と言う、ゲームの方に登場したならブッチ切りで反則キャラになりそうな物でした。ビジュアル的にはアマゾネスを連想しており、これには「スピリット=妖精=儚げ」と言う既成概念を打ち破ろうと言う試みがあったのですが、成功したかどうかは不明(汗
そうして書いて行くうちに、1つ、重要な問題にぶち当たりました。
「おい、これどうやって倒すんだよ?」
その反則振りには、生みの親である私も手を焼かされる結果となったわけですが、結局対決カードとして用意しておいたネリーに《純潔》の力を若干付加すると言う、これまた反則ギリギリのやり方でようやく倒しました。
4、ロレッタ
彼女を書いている時に想像していたのは、まんまハリオンなのでした(さすがに口調は変えましたが)。キャラクターを作成する上でのコンセプトは「ブルースピリットを上回る攻撃力を持ったグリーンスピリット」です。これまた良く考えれば反則に近いですね。しかしお陰で、セリアという対決カードを用意する事で、主人公不在のシーンにもメリハリを持たせる事が出来ました。
5、フェリア
何気に、書いていて一番苦労したのが彼女でした。一応コンセプトは「戦術的な技巧によって相手を追い詰めて行くブルースピリット」なのですが、ようするに、先に相手の腕を斬り落とし、抵抗力を削いでからとどめを刺すというキャラクターにしました。しかし現実に腕を落とすのはやり過ぎのような気がしたので、描写は傷付ける程度に留めました。しかしそうなると、極端に地味な性格のキャラクターになってしまった為、6人の中では、いの一番に御退場願ったわけです。
6、ルル
この子も当初は殺してしまおうか迷っていたのですが、先述した「魂の継承」を具体化させる為に生き残らせる事にしました。コンセプトは「神剣を抜かないブラックスピリット」言ってしまえばシャーレンとはほぼ真逆で、魔法を主戦力とするブラックスピリットとしました。実はこの案、一番初めの計画当初に考えていたエトランジェのバトルスタイルだったのですが、結果的にアクションが単調になりそうだった為に没とし、それが流れ流れて彼女の元に収まりました。ラストはハリオン、ヒミカと共にお菓子屋さんを始めた訳ですが、他の5人がついに辿り着けなかった未来への道程をしっかりと踏み締めて、彼女は歩き始めたのでした。
○オリジナルエターナルについて
1、《冥界の賢者》ハーレイブ
元々は「永遠と輪廻の狭間で」の《天舞》のレンのライバルキャラとして考えていたのですが、あまり出番が無かった為、まあ良いかと思い、今作に移籍させました。コンセプトは「黒魔術的な魔法に長けたエターナル」です。エトランジェとしては最強の存在である刹那を、有無を言わさず強引に抑える事ができるキャラクターとして登場させましたが、いつの間にやらあんな背景的歴史を持った大物に育ってしまいました。これに関しては、少し予想外です。
何気にこのキャラに関して言えば、今作で手の内をほとんど見せてしまったので、次回以降の作品に出しても若干迫力に欠ける可能性があります。しかし、彼との因縁はまだ終わったわけでは無いので、何とか出番を作りたいと思っております。
2、《忠節の騎士》アーネリア
当初は男キャラとした考えていたのですが、何となく「愛人」と言う形にしたかったので急遽女性キャラに変更しました。普段は礼儀正しいのですが、主(ハーレイブ)を傷付ける者には一切容赦しない。切り刻んで唾を吐きかけるくらいの事はします。だから刹那に対しては憎しみしか持っていません。彼女の能力は四次元干渉、未来加速なのですが、これは例えば、本来10秒後に来るはずの未来を、1秒後に持ってくるという物。だから、未来を読む事が出来るトキミにとっては、逆に天敵に近い存在となってしまった訳です。
3、《鮮烈》のキリス
特に何か考えていた訳では無いです。念頭にあったのは、ただひたすらに「最強」の二文字のみ。終盤、彼が戦場に立った時のタイトル通り、まさにカオス側のジョーカーとするべくして生み出しました。しかもほぼ無制限に使用できるジョーカーですから、反則もへったくれもあったものではありません。実力的には、今作中ハーレイブ、テムオリンに次ぐ力を持っており、出せば確実にパワーバランスがひっくり返る事は判っていたので「ハイペリアで足止め」と言う制約を設けて、終盤まで出番が無いままにしておきました。
余談ですが今作中では珍しく、彼には明確なモチーフがあります。ここでは語りませんが、とある有名な漫画のキャラクターなので、判る人には判るかもしれません。
4、《記憶の管理人》クラウス
何となく物語の導き手として、こう言うキャラが欲しいと思った為に作ってみました。
弱いです。第一位の神剣を持っていますが、その力の大半を、記憶の蒐集と保管に回している為、はっきり言ってスピリットよりも弱いです。
ちなみに、記憶の書庫に関しては、某リリカルな魔法少女アニメの第2期の方に出てくる無限書庫なる場所と、その描写やら何やらが似通っていますが、言い訳と名誉の為に言わせて貰えば、私がこの案を思いついたのはあくまであれを見る前でした。(いや、本当ですよ。あれを見て焦ったのもまた事実ですが。)
○最後に
えー、長々と書き連ねましたが、製作裏話はだいたいこんな所です。
当初はもう少し楽に書こうかと思っておりましたが、やはり小説書くのが好きな関係上、どうしても力が入ってしまうのは避けられませんでした。
また、よくよく考えれば、今作は私がネット上でSSを書き始めてから、初めてまともに完結させる事ができた作品でした。その為、完成に当たっては嬉しさもひとしおでございます。
では、最後に、
「永遠のアセリア」を世に送り出したXuse様、並びに開発スタッフ一同様
投稿の場を快く提供してくださり、また受け入れてくださった「Dream Element」管理人、七野珀翠様
更新が一時滞った際、待避所を提供してくださった「そらのわ」管理人エム様
そして、今作品に御目を通してくださった、全ての皆様へ、
この場を借りて最大限の感謝の意を送らせていただきます。
本当にありがとうございました。
これを持ちまして「大地が謳う詩」を完結とさせていただきます。
2007年4月3日
自室にて
永遠のアセリア「この大地の果てで」を聞きながら。
ファルクラム