休養日から3日後、俺達はダーツィ攻略戦の準備に移っていた。かねてよりバーンライトとの同盟国であるこの国、つまりバーンライトと共謀していた、それを口実に攻め入ろうとするのはあの王なら当然だった。
バーンライトを領土に加え、所有マナ量は既にダーツィを超える。この機に少しでも領土拡大を望むのはラキオス王でなくても同じかもしれない・・・。
何しろ戦うのはスピリットなのだから。
俺は今、サモドアの地いる。スピリット隊の隊長としての激励をしていた。
「この戦争でいったん戦争は終わる!皆がんばってくれ!」
そして付け加える。
「決して死ぬな!生き延びるんだ!!」
「「「お――――!」」」
それを聞き不快そうな顔をするのは人間の兵士、道具としか考えていないスピリットへそんな命令を出す俺が馬鹿らしいのだろう。・・・だがこいつらにはなにもできない。その数時間後、俺達は動き出した。
そして・・・・攻略戦が始まる。
「エスペリア、現在の状況を知らせてくれ」
指揮官クラスのスピリットのみ集まる会議の場、そこでエスペリアに説明をさせる。
「はい、ダーツィを落とすにはまず南西のケムセラウト、ヒエムナを落とす必要があります。敵もそれが分かっているのでしょうそれぞれの町に10体以上のスピリットが確認されました」
「そしてもう1つダーツィ首都キロノキロに大量のスピリットが潜んでいるはずです。私達が全てのスピリットを出すわけには行きません。そうするとサモドアを奪われることになるでしょうから」
「そうか・・・、ラキオスのスピリットは数が少ないのが最大の弱点だからな。よし、まずラキオス本国に少数の実力のある兵を置き、ラセリアにファーレーン率いる部隊を黒・青スピリットを中心に編成、遊撃部隊とする。残りの中で緑・赤を中心とした部隊をセリア、ヒミカに率いらせキロノキロに対して注意を引き付ける。残りの部隊でケムセラウト、ヒエムナを落とす」
「そうすると実働可能なのは10名程度になってしまいますね。」
「かまわない、今勢いに乗っている俺達なら多少の数では遅れは取らないだろう。ヒエムナには俺ともう一部隊で、ケムセラウトはエスペリアに任せよう。そちらにタークを入れるので使ってみてくれ」
「承知いたしました」
そして・・戦争が始まる。
それはヒエムナまであと少し、という場所。上空からヘリオンの声が響く
「敵です!ユート様!!」
「ああ!」
ヘリオンの指す方向に注意を向けるとこちらに向かう敵部隊が1つ・・・こちらにとっては好都合だ
戦場は、小さな木々の茂る森の道。
あらかじめ敵の数が多いいことを知っていたので、引きつけてもらったのである、戦いやすい場初へと。
エスペリア隊に主力を置いている為、こちらの軍はそれ程強くない。第一部隊がアタッカーは俺、ディフェンスがハリオン、サポーターがヘリオン。第二部隊がベテランらしい赤髪の少女がアタッカー、ディフェンスが黒スピリットのローゼン、サポーターが青スピリットのシアー・・・・たったこれだけで10人以上入る敵の拠点を落とすのだ、少しでも突出してくれるのはありがたい。俺は少し下がりローゼスに指示を出した。別働隊として向かってもらう。ローゼンはチャクラム型の神剣を使う短髪の黒スピリット、その冷静な判断力、すばやい実行力から第二部隊のリーダーとしている。
「二人ともこれから俺がまずオーラの壁を張る、ハリオンは前衛に回ってその隙に敵の注意を引き付けてくれ、ヘリオンは『テラー』でさらに相手を混乱させてくれ、すでにローゼン隊には敵の混乱中挟撃をかけるように伝えていってもらった!」
「はい!」
「は〜い〜」
きっちりと返事をするヘリオンと気のぬける返事のハリオンの声を聞きながら俺は剣に力を込める・・・・前方にマナが集まるのを感じたからだ。
(馬鹿剣!マナをオーラの力に変えて敵の攻撃を遮断しろぉぉぉぉ!!)
『承知』
前方から敵の攻撃・・・おそらくは高位炎魔法『アークフレア』だろう・・・が迫る。
(情報どうりにダーツィの赤スピリットの魔法は手ごわいが・・・これで遮断する!!)
「オーラよ我らを攻撃せし精霊達の攻撃、それを受け止めたまえ・・・『レジスト』!!」
レジスト―――オーラフォトンを魔法抵抗の壁へと変質させ、敵の攻撃の向きにだす。
光り輝く壁が、敵の攻撃の8割方を周囲に散らす。残りは食らったが・・・その間に
「いきます!『テラー』」
「い〜きますよ〜ほい、ほい、てい☆」
ヘリオンが敵のディフェンダーを弱体化させ、その隙にヘリオンが斬りかかり注意をひきつける!
(よし、予定どうり)
そして敵の後方の茂みからローゼン隊が挟撃を仕掛けこの戦闘を終わらす。後方からの攻撃に対し相手は対応できず、次々に倒された。
俺はそのまま前方に見える町、そこを指差し。
「よし、つぎは拠点に攻撃を仕掛ける!なるべく今と同様に敵を一部隊ずつ引きつけて倒すんだ!」
「了解しました、エトランジュ」
そして戦闘は続く・・・結果この拠点には18体もの敵が潜んでいた
(この町のスピリットだけでラキオスの部隊全体の4割もいるのかよ・・・)
そう思いつつ戦っていく・・・いま悠人が戦っているのは翼が漆黒に染まり感情の無い・・・赤スピリット。
「・・・ちっ、・・・はぁ!」
―――キィィィン
敵の切りかかる剣をはじく、その瞬間に
「はぁ、『居合いの太刀』こ、これが最後の一振りです!!」
息も絶え絶えなヘリオンがそういい、相手に止めを刺した・・・
拠点を占拠したユートはローゼンを呼ぶ
「エトランジュ如何しましたか?」
「そっちはどうだった?誰か負傷者でもでたのならハリオンに癒させるが。」
そういいつつもハリオンも限界近い。休まない限り『アースプライヤー』すらも出来ないだろう・・・。
「は、その心配はもう必要ありません、サーギャが死亡しましたが・・・もう既にマナに還りましたので・・・」
「!・・・そうか・・・くっ」
あのベテランの戦士の赤スピリットが戦死・・・。
「ではこの場の占拠が終わりましたので休息を頂きます」
「わかった少し休んでいてくれ。」
「はっ!」
そういいつつ去るローゼンも・・・かなりの疲労のようだった・・・・
「・・・ん・・・ユート・・・向こうも落としたぞ」
そういいアセリアがやってきたのは夜遅い時間だった。
「そうか、向こうは被害なしか?」
「意外に少なかった・・・多分・・・10人以下だ」
(10体だけだと?)
「被害はない・・・安心しろユート。」
読み違えか・・こっちの方が敵にとって守りやすい地形だから多く敵がいると思ってたのに・・・。
「それとユート、キロノキロにはもう殆ど敵は残ってないみたいだ」
「?どうしてそうわかるんだ?」
「私たちが攻めたと同時にサモドアに大部隊が押し寄せたみたいだ・・・それをセリアたちと援軍のファーレーンで・・・倒したらしい」
「なるほど・・・わかった、取り敢えず今日は休め。明日はキロノキロへ全面攻撃だ」
「ん、わかった」
そういいアセリアは自分の部隊へと帰還すべく飛んでいく・・・それを眺めつつ
(戦死者を出さないと決めていたくせにこれか・・・俺の力が足りないばかりに)
そう思い悩む俺の頭の中へ、『求め』の声が響く。
『ふふ・・・契約者よ、それなら敵も味方もどんどんマナを吸い取るがいい・・・そうすればお前は・・・』
(うるさい、馬鹿剣!)
・・・と
―――キキィィ・・・・そう音がしてドアが開く。
「あの・・・ユート様いらっしゃいませんか?ご飯をお持ちしましたが・・・。」
『そら、あそこに獲物が・・・』
「くっ!?止めろ、馬鹿剣!!」
そう言いつつも体が半分乗っ取られているように思う、相当今日の苦戦が腹立たしかったのかこの剣は・・・。
「?・・・ユート様?」
俺の様子がおかしいと思ったのか?心配げにヘリオンが近づいてくる。
「く、くそっ、逃げろ、ヘリオン!」
「え・・・?きゃ、きゃあ!!」
ヘリオンを押し倒す俺の体・・・・くそ、やめてくれ・・・・。
「や、やめてくださいユート様」
「くくくっ、精霊よ・・・マナをい・・・」
「!!・・・貴方・・・ユート様じゃない!?」
―――すたすたすた・・・
「て〜い〜」(バキッ)
「あ・・・・ぐふっ」
「ね、姉さん」
そこのに調理器具を手に持ったハリオンがいて。
「危なかったわねぇ〜ヘリオン〜」
「う、、うわぁぁぁぁん!」
『神剣が・・・お玉でやられるとは無念・・・』
(助かった・・・)
結局その後呪縛から開放された俺は、直ぐにヘリオンに謝った・・・だが、押し倒したのが恥ずかしかったのだろうか、謝る前に顔を真っ赤にして逃げられてしまい、結局朝まで謝る為に走ったという・・・・・。
夜が明けた。
すぐにエスペリアの部隊と合流、そして俺達はキロノキロのすぐそばまできていた。
「ユートさま、そろそろ全軍攻撃の時間です」
「・・・よしっ、皆乗り込むぞ!」
「・・・・・・あら?ユートさまお待ち下さいませ、敵が降伏してくるようです」
「なに?」
その国の将軍格の男に事情を聞くと・・・サモドアに出撃させたスピリットが敵の全部隊だったらしい。わざとヒエムナに大部隊を置いていたのは、そのままそれをケムセラウトに援護に向かわせる予定が・・・悠人率いるたった2部隊に全滅させられるという予定外の自体が起こり、もう手が無かったらしい。
(どうりで多いかったわけだ・・・)
悠人はあの大部隊との戦闘を思い出した
(人数対比で6対21だったからな・・・よく勝てたもんだ)
犠牲もでたが・・・・結局あの戦闘で決まっていたらしい。・・・っと、エスペリアがふと思いついた顔で話しかけてきた
「そういえばユートさま、あのタークさまなのですが・・・」
「ん?どうかしたのか?」
「一体何者なのでしょうか?」
話によるとたった一人で敵スピリットを5人も沈めたらしい。しかも無傷で
「・・・マジか?」
「ええ、本来の世界ではよっぽどの剣士だったのだと思われます。彼のオーラファトンで作られたバリアはまだ誰にも突破されてませんし、振るう剣も誰も受け止められません」
「頼りになっていいじゃないか」
だが、エスペリアは。
「・・・ですが不安なのです。あの黒いオーラフォトン、まるで私たちのハイロゥのように思えて」
「考えすぎだ、エスペリアは、さぁ取り合えずラキオスに帰・・・」
っと・・伝令の早馬が俺の前に・・・何のようだ?
「伝令です『求め』のユート殿、このまま貴方はイースペリアへと進軍してください。どうやらエーテル施設が暴走し周囲一体に被害がでると予想されます。ラキオス王の指示では「すみやかにイースペリアへ赴き暴走を止めよ」です」
「わかった、よし皆このまま我々はイースペリアに向かう・・・」
と、そこに
「お待ち下さい、ユートさま、まだこの城の制圧が終わっておりません。」
「そうか・・・なら、飛行できる黒・青スピリットと、俺とタークの編成・・・10人ぐらいで先行しようと思う、機械に関してはクゥリンが詳しい。任せようと思う。ここの制圧はエスペリア、頼む」
「承知いたしました」
俺たちは指示どおりイースペリアに先行した、眼下に見えるダラムやそれまでの町にもに敵スピリットが見えるが・・・放置した。いまの俺達は戦争をしにきたんではないのだから・・・・
我々の目的はエーテル施設を修復すること、そのためにクゥリンも連れてきていた。見かけ子供だが天才児な為、機械等もある程度詳しいらしい。
「さ、さすがに全速力のウイングハイロゥはすごい・・・はぐっ!」
「な、なさけねぇぞユート、こんな速度ごときで・・・ふぐっ!」
「・・・2人とも・・・うるさい」
「「すみません」」
空中でアセリアに怒られつつイースペリアに到着した
「こ、ここが〜、イ〜、スペリア、、、なの、、、か?」
同様に降り立つタークだが・・・羨ましいこっちは酔ってない・・・。
(ってことは、俺だけがフラフラ状態・・・情けない。)
いや、こけた・・・意地で立っていたのか・・・よくみると足がふらついている
「ん・・・そうだけど・・・ユート情けない」
「ユート様、大丈夫ですか?」
「大丈夫ですかー?」
ヘリオンとクゥが心配してくれている・・・。
「心配してくれるのはお前達だけだよ・・・げふっ!」
「軽口叩いてる暇あるならさっさといく!」
なぜかむくれるアセリア。
「へぇ〜い」
俺たちは城内に入っていった・・・・・しかしこの空気・・・なにかがおかしい
「なぁ、ローゼン、クゥ、やけに・・・マナが濃くないか?」
「私もそう感じます・・・それに我が剣が逃げろと」
「うーんとぉ・・・危険で頭がぼーってしちゃうくらいなマナ量ですねー☆」
そして・・・・前方に人影が。
「む・・・手前としたことが人の気配に気づけないとは」
といい苦笑しつつ影が現れた。刀を差している侍っぽい精霊・・・黒スピリットでしかも・・・強いな。纏うマナで判る。
「おまえはここの国のスピリットか?それなら状況を説明してほしいんだが・・・」
「ここの国のスピリット及び軍、城関係者は全員処理しもうした」
・・・・今なんていった?このスピリットは・・・・全員殺した・・・だと?そしていつの間にか殺気が・・・生まれている、それを敏感に感じ取ったアセリアが前に出た
「ふむ・・・ラキオスの青き妖精・・・強そうですな。」
「とりあえずそこをどいてもらえるか?俺たちはエーテル施設の暴走を止めにきたんでな。どかないのなら・・・どいてもらう!」
「ふっ・・・通るとよいでしょう。手前もこのような任務好きではないのですから」
そういい、黒い侍は・・・立ち去っていった。
「アセリア、もう構えはといていい、クゥ急ぐぞ!なにかやばい気がする。」
「はい」
俺達はエーテル施設へと急いだ。そして・・・・悠人たちの前にあったものは。
大きな広間に巨大な物体がある、形状は剣。でも誰にも振るうことは出来ないだろう、それほどに巨大な剣。
「これって・・・永遠神剣?」
「はい、エーテル変換は永遠神剣を用いて行なうのです。でもこれは・・・おそらく誰かが暴走をさせようとしているのです。通常自然にここまで暴走することはありませんから。」
とヘリオンが言う。
そして俺はその目の前にある巨大なえ永遠神剣を見つめつつ・・・。
「とりあえずクゥ暴走を止めてくれ、頼む」
「はい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「どうだ?修理できそうか?」
「無理です(きっぱり)」
「・・・え?」
「到着が早いため止めることは可能です。ですが暴走させずにいると貯まったマナが再暴走するとおもわれます」
「・・・回避方法はないのか?」
「西の海に小型の暴走を引き起こしましょう、それで解決するはずです・・・ただ問題はこの国の神剣は無くなる為、この国にあるエーテル関連の施設は止まります。この国も立ち直れなくなるかもしれません」
「分かった・・・どうせタイムリミットも少ないのだろう、それでいってくれ」
「は〜い」
ダラムで見かけた精霊達もさっきの精霊もこの国の破壊が目的だったのだろうが・・・それは国の判断に任せるか・・・。そう思っていた・・・所に
「貴様ら!そこで何している!」
数人の人間の兵士が・・・現れた。
「俺はラキオスのエトランジュ『求め』のユートだ!いまエーテル施設の修復中だ」
「嘘をつくな、暴走させようとしているではないか・・・!!」
「なに?第一援軍を求めたのはお前達・・・」
よく見るとその兵士は下士官クラスの兵である。全員が全身傷だらけであり、そして俺の言った言葉を信じている様子はまるでない。
さきほどの黒スピリットの言っていた、皆殺しの生き残り・・・か?
「上層部は全員貴様らが殺したんだろうが!それで勝手に話を作りおって・・・。えーい、我が軍最強のスピリット隊よ、この者達を滅ぼせ!!」
後方からスピリットが3体・・・・それだけなら気にしないのだが
「ユート・・・あいつら・・・つよい」
「ユ、ユート様、あの人達ってなんですか!?」
全員翼が漆黒なのはわかるが・・・・全員クラスが上級クラスのアヴェンジャーかそれより上・・なんてのは反則だろう・・おい。そう思ってると今まで黙っていたタークが前にでる。
「ふぅ、やっと俺の出番だな・・・」
「っ、ターク無茶だ、突出するな!」
「なーに・・・二匹程度は倒させてもらうぜ!」
そういい剣を抜き疾る!!
「はぁぁぁぁ!!黒き檻よ、敵を包み・・・串刺しにしろ!『ダークプリズナー』」
突如空間から現れる黒き闇、それが次々敵に絡みつき・・・相手の体を引き裂いた
「な・・・にぃぃ・・・うぎゃぁぁぁぁ・・・・・・・!!」
「はっ、まず一体、次ぃぃ!」
「つ、強い・・・」
「ユート様、敵がまだ1体残っています!」
そういいながら・・・ヘリオンは唱えている呪文を解放した!
「お願い当たって!『ダークインパクト』」
残っている敵の赤い髪のスピリットに放つが・・・・。
「・・・がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「っ、きゃあ!」
「わぁ」
「・・・く・・・」
味方のスピリットが蹴散らされていく・・・・化け物か!?
「マナよ、我が神剣に集え!オーラフォトンとなりて敵に突き刺され!『オーラフォトンビーム』」
「ぐ・・・がが・・・がぁぁぁぁぁ!!」
渾身の力を込めたビーム・・・そしてアセリア、エスペリア、ローゼスの3人による追撃が決まり、動きを止めた。
「よし、タークそっちは平気・・・!!」
俺はタークに向こうの状況を聞こうとした、その瞬間不安を感じさっき倒したスピリットを見る・・・いない!!ヘリオンに向って剣を持ち突進するスピリットの姿が見えた・・・くっ、間に合え!!俺は全力で駈け、ヘリオンを庇いその刃を自身の体で受け止めた。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
(まだ生きてたのかよ!)
「『ライトニングファイア』」
刺さった剣を中心に、空間が燃えていく。俺の体が・・・燃えていく・・・。
「ぐっ・・・がぁぁぁぁぁ!」
「ユ、ユート様!!・・・い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
何処からかそんな声が聞こえる・・・それが俺の聞いた最後の声だった。そして俺の意識は闇へと沈んだ。
その後、私達はそのスピリットに止めを刺し、ターク様が残りの2体、そして人間の兵士達を殺しました・・・クゥを殺そうとしたからです。そしてこの次の日からのサルドバルトとの戦いはタークがスピリット隊の隊長として戦いを続け・・・攻め落としました。
倒れたユート様は、アセリアさんが連れてきたエスペリアさんの治癒の魔法で回復を受けました。・・・でもマナには還らないのが救いですが、それからユート様は目を覚ますことはありませんでした。
そして・・北方五国は統一されたのであった・・・
★ローゼンティア・ブラックスピリット
第六位神剣『弧空』
チャクラム型という珍しい神剣 他の黒スピリットのような居合いはできないが、遠距離サポートとしての攻撃、近距離では手に持ち体術を駆使して使用する。
☆一閃の投擲
回転速度を極限まで上げてから投擲する。これによって敵スピリットを構築するマナを直接切り裂く。
☆月華の投擲
夜の精霊として闇を力とするブラックスピリット、そのつきの力を弧空に注ぎ、投擲する。一閃と違い、通る道全てに効果があるサポ−ト攻撃、青スピリットでは無効化できない