CONNECTING・FATE
〜 奇跡に手を伸ばして 〜
お知らせ
C・F、若きエターナルの詩、永遠抗争、C・O――――
これらの作品が一通りの完結をむかえ、アセリアのSS活動も一区切りがつきました。
それを狙ってか、猛威を振るうインフルエンザの餌食となり、一週間の休息。
そこで、どれかをリメイクしようと思いつきまして、生まれたのが【CONNECTING・FATE 〜奇跡に手を伸ばして〜 】です。
本来のC・Fはファンタズマゴリアではなく、オリジナルの世界に原作キャラが入って……というものでした。
リメイクされるC・Fでは、舞台はファンタズマゴリアとなります。
ただ、オリジナルキャラの設定の根本から変わっている場合もあり、どうしても始まりが、悠人らが異世界にいったすぐ後、というわけにはいきません。
予定では、ラキオスが対マロリガンの準備を進めるあたりから始まります。
どこかの国に入り、原作キャラと絡めて、原作と平行線でいく、という手のSSが多く、その上みなさんとても上手!
どれだけ自分の作品を愛しているかがわかる、そんなSSを書かれているみなさん。
そんなライターのみなさんに憧れる一方、読者に似たような話だな、と思われるのは快いものではありません。
読者が読みやすく、入れ込みやすく、感動できるようなSS……それを目指して、頑張ってきました。
そういうわけで、C・Fをリメイクしたいと思います。
今まで勇み足で一心不乱に突撃していましたが、病気にかかって少し考える時間ができました。
じっくり時間をかけて作りこみ、そして書き連ねる。
しばらくは管理人さんに今のC・Fを残しておいてもらいますが、作品の進み具合で掲載は削除してもらいます。
もしかしたら、その設定が良かったのに、と思われる方がいるかもしれません。
ですが、そういった方を作らないためにも、出来る限りのことを全てして、新生【C・F】に繋いでいきたいと思います。
以下に、新【C・F】の触り程度を紹介します。
何かご意見、ご要望があれば掲示板へどうぞ。
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―――奇跡
それを、オレは貰った。
まだ、幼い頃のオレ………
あの人にとっては、どんなガキに見えたのだろう?
命を助けてくれたあの人は、オレをどうして助けてくれたんだろう?
聞いたことがある。
その人に――――どうして、助けてくれるの?と
あの人は言った。
――――あなたがとても大切だから。それ以上の理由が、人を護るのには必要?
そう――――
そんな当たり前のことを、昔はみんな知っていた。
だからお互い助け合い、手を取り合って生きてきた。
―――どうして忘れてしまった?
―――その気持ちさえ忘れなければ、どこの場所にも争いという環境は生まれなかったのに
―――相手を思いやって、相手を知ろうとする気持ちがあれば
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「はぁ……っ!はぁっ!!」
必死で逃げる。
こんなワケのわからない所で殺されたくない。
そもそも、なんでアイツはオレを狙ってくる?
何かしたのか?
いや、してない。
「そこまでだ!」
「っ!!」
超人的な身のこなしで、オレの前に立ち塞がる男。
あたりは真っ暗で、男の顔さえ見えない。
「我ら出雲にお前は必要なのだ。来い……死にたくなければ」
「よく言うよ……っ!!アニキを殺しておいて!!」
そう――――
この男は、オレの兄貴を殺した。
兄貴は言った―――
【逃げろ】
それが、兄貴の遺言。
「必要悪だ。口封じをしなければ、我らの存在が公になる」
「……」
「当然……断れば、お前も消える。その死体を持って帰れば、任務は終わるのだから」
「……ワケわかんねェ」
「は?」
なんでこんなことになってんだ?
昨日、学校に行って、授業中騒いで先生に怒られて、放課後は男女問わずダチを誘って遊んで………
「もういいよ……オレが死ねばいいんだろ?」
「なに?」
「オレがいなくなりゃ、もう何も壊れない……それでいいんだ………」
「何を言ってる?」
「兄貴……ごめん。オレ……逝くよ、今から……」
「!!や、やめろ!!バカなマネはよせ!!」
オレが、追い詰められた屋上から身を投げて――――――
誰かに、掴まれた。
ここは空中――――誰が?
「……?」
知らない女性だ。
抱きしめられている関係で、顔は見えない。
女性独特の柔らかいふくらみと、鼻腔をくすぐる香りでわかった。
「誰………?」
「啓太君」
「……どうして……オレの名前を」
―――運命から逃げないで
―――どうして……オレを助けてくれるの?
―――あなたがとても大切だから。それ以上の理由が、人を護るのには必要?
地面が近づく感覚につれて、オレの意識は飛んでいく――――
頬に、彼女の温かい髪を感じながら―――――
――――そして10年後
―――二つの運命は、奇跡を目指して繋がる