『最終回っ!』
「悠人!」
「レスティーナの」
「「ショートコントーッ!!!」」
前回と違い満面の笑みで出てくる二人。
「えー、若きエターナルの詩終了記念と、第二部突入記念のショートコントということで・・・」
「ユート、もっとしっかりしなさい」
「あ、あぁ。えっと・・・まずは、若きエターナルの詩を読んでくださってありがとうございます」
「終わり方がいかにも・・・でしたが、第二部とはどんなものなのですか?」
「えーっと・・・」
カンペをじーっと眺めながら喋る悠人。
「主人公の名前は『アスナ・ホープスター』。エターナルの戦いが主軸みたいだな」
「ほほぅ・・・して、その話のあらすじは?」
「なんでも、カオスに対してクーデターが起こるらしいんだ。そこで壊滅しかけた俺達は『アスナ』という人物に会いにいく・・・」
「なるほど」
「ラクセル、アルメリア、ユウキの関係、本当の黒幕。等が明らかになるらしい」
「本当の黒幕?」
「その『アスナ』という人物は随分とその黒幕と因縁がある人物らしい。ということで、あらすじはこんなものか?」
「そうですね。ではショートコントに入りましょうか」
「じゃぁショートコント『ブーム』!!」
悠人とレスティーナが脇に隠れ、何やら用意をしている。
出てくると、そこにはアクティブな格好をした二人。
「いやぁ、このお笑い番組面白いな〜っ!」
「えっ?そうなの?」
「そうだよ。レスティーナも見てみれば?って・・・何してるの?」
ギィ・・・ギィ・・・
「え?いや、ステップを踏むことでいい運動になるという器具を見付けたもので」
「あぁ、アレね。でもレスティーナそんなにスタイル悪くないだろ?」
「健康維持のためにも、体は動かした方がいいのですよ?」
「とかなんとか言って、本当は脇バラのお肉が気になってたりして・・・」
「デリカシーのない発言はあの方にシメてもらいますが・・・いいですね?」
あの方とは言うまでもなく今日子だろう。
もちろんシメるというのは、電撃のことだ。
これ以上恐いことはない。
「イヤ、冗談デス・・・。でも、最近本当にお笑いと健康ブームだよなぁ」
「そうなのですか?」
「いや、レスティーナもやってるじゃん」
グギッ!!
嫌ぁな音がした。
レスティーナの足首から。
「・・・大丈夫か?」
「い、痛く・・・痛くないですから・・・ね・・・!」
すっげー痛そう。思いっきりひねったからな・・・。
涙目で痛くないなんて・・・ガキかよ。
「健康器具で健康損なってりゃ世話ねぇわな!あははっ!」
「わ、笑って・・・いいとでも!?」
「わ、わ、冗談だよレスティーナ。だから今日子を召喚するのだけは勘弁な?」
どーどー、と抑える悠人。
「レスティーナ、あんまり無理すんな。きっとこっちの方があってるぞ?」
悠人は何冊か本を渡す。
「『健康のための料理』?『健康はこの一歩から』?『月刊○○クラブ』・・・?」
バシッ!!!
すぐさま一冊だけ奪い取る悠人。
レスティーナに背中を向けて小さくなっている。
「見たな・・・?」
「え?」
「見たんだな・・・?」
「え?いや、ユートが渡してきたのでは・・・?」
「仕方ない・・・。これを見られたからには、この本を試すしかないな。レスティーナ・・・悪く思うな」
「え?い、あ・・・?あの・・・ユート?」
「グヘヘ・・・」
「きゃぁぁあぁあぁッ!!!!!」
「はい『ブーム』でした。次は」
「待ちなさいユート!今のどこがブームなんですか!?」
「気にしなィ気にしなィ。今回は最終回なんだから」
「それに・・・あの本、どこから?」
「気にするなよ。じゃぁ次!『問題』!」
悠人とレスティーナがさって行く。
レスティーナは白衣を着て、悠人は制服をきていた。
「は〜い、じゃぁこの問題とける人〜」
「はいっ!」
「あらユート君。じゃぁ答えは?」
「トキミおばさん!」
「はい正解。後で殺されても先生は知りませんからね〜?じゃ次!怒ってる人の対処法は?」
「水をぶっかけるっ!」
「はい、かえって怒りが燃えあがるのでやめましょうね〜?正解は下手にでる、だよ?
そうしときゃなんとかなるの。じゃぁ次の問題。『レモン』って文字を漢字で書いて?HGじゃないよ?」
「そりゃ間違いだ。まぁ縮めればそうならなくもない。んで漢字は・・・『櫁檣』!」
「ん〜・・・まぁそれでいいんじゃないかしら?適当に書いてもわかる人なんて滅多にいないし」
「それでいいのかよ!?いい加減すぎる・・・。正解は『檸檬』だろ?」
「ハイハイ、細かいこと気にしてるとハゲますよ?じゃぁ次・・・最終電車にかけこむのはなんでいけないのでしょう?」
「え?最終に限らずだろ?」
「最終だっつってんだろコラ?」
「・・・ハイソウデスネ。ん〜・・・なんで?」
「降りる駅を寝過ごす可能性が高くなるからです」
「あっそ。なんかどーでもよくなってきたな」
「真面目にきかないとさっきの本のことバラしますよ?」
「えぇ〜っ!?まだそれ引っ張るのかよ!?」
「というのは冗談で・・・。じゃぁこのアンケートやっておしまいね」
レスティーナが一枚紙を悠人に渡す。
「何・・・?健康診断かな?
『突然心臓がバクバクすることがある』
そうだなぁ・・・ハイにしておくか。
『ボーッと熱っぽい時がある』
それはないな。ノーと。
『不意に涙が出ることがある』
ないな。ノーと。
『見つめると、なかなか目が逸らせない』
たま〜に・・・あるな。イエスと。………………なぁレスティーナ」
「終わりましたか?それとも気になることがあるのですか?」
「いや、そりゃものすごーく気になるよ。この質問の真意が」
「はい?いたって普通のアンケートでは?」
「いや、だって健康診断のにしては・・・」
「は?誰が健康診断といいました?」
「え?じゃぁコレは・・・」
「あ、終わってるじゃないですか。えーっと・・・ユートの恋愛指数は・・・」
「恋愛指数?」
「結構高いですね。『身近にいるあの子にドキドキ♪』レベルだそうです」
「・・・やってらんねぇ。オチもないし帰るわ」
「ねぇユート・・・」
「えっ・・・?」
突然色っぽい声でドギマギする悠人。
「あなたが気にしてる人って・・・だぁれ?」
「え・・・それは・・・その・・・」
嗚呼・・・死んでも彼のヘタレ根性は治らない。
「ねっ?だ・あ・れ?」
ツーと、悠人の胸板をなぞるレスティーナ。
ゾクゾクッとしたのがわかる。
「そ、それは・・・」
「そ・れ・は?」
「それは・・・」
「私・・・だよね?」
「う・・・」
つい頷きそうになる悠人。
本当に迫られると弱い・・・。
「お、俺は・・・その・・・気に・・・」
「ぷっ・・・あははっ!!」
「へ?」
いきなり吹き出したレスティーナ。
「これが素のユート君なんだ?」
「え・・・?あ・・・レムリア・・・?」
「そーいうこと!ヘタレヘタレって言われてるから、どーなるのかなーって!」
「ひ、ヒデぇ・・・!俺・・・!」
「おかげでヘタレの一端が見れたよ!ありがとうユート君!」
せっかくこ、こく・・・しようと思ったのに・・・と呟く悠人。
呟きでさえヘタレ具合がわかる。
「いいよいいよ・・・どうせ俺のヘタレキャラは治らないんだ・・・」
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「はい!これでショートコントは終了となります」
「ユート、最後くらいちゃんと笑わせた方が良かったのでは?」
「いいんだよ。これはこの空間だからいいんだ。ゆるくまったりってね」
「自己正当化ですね」
「黙ってくれるかレスティーナ?」
「わかりましたよ」
「というわけで第二部が始まります。全ての謎が解けた時、そこにいるのははたして誰か?
またまた長くなりそうですが、どうかよろしくお願いします」
「それでは第二部でお会いしましょう!」
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「なぁ、レスティーナって第二部で出るのか?」
「意地でも出させます。出してくれないなら作者を呪い殺してあげますよ」
「女って・・・恐いよな。ヘタレでよかったかもしれない・・・」
「そう言って、エンディングでは大抵ヒロインに格好悪く引っ張られてるクセに」
「レスティーナだけは違うんじゃないか?」
「・・・」
「ふっ・・・勝った」
「むきーっ!!!」