「では・・・いくのですね?」
「・・・ええ」
私とユウト、トキミの三人はこの世界から出ていくことにした。
レスティーナが仕方ない・・・ですね、と呟く。
「ユウキを・・・追い掛けるのですか?」
「私はそうします。ユウトとトキミはどうするの?」
「そうだな・・・しばらくトキミにくっついて、エターナルってことに慣れようと思う」
そこでなぜか照れるユウト。
その時点でそれがただの建前でしかないことがわかる。
「それまでは、私が責任を持って育てます」
「育てるって・・・」
嗚呼・・・相変わらずのトキミ節。
「それじゃ・・・いきましょうか」
「そうだな」
グォォォッ・・・!!
門が開く。
ユウトは何度もふりかえって、その世界を目に焼き付けていた。
私は・・・すぐに門に入る。
(ユウキ・・・待ってて)
ユウキは、記憶を消されても私の所に会いにきてくれた・・・。
なら、今度は私から行く番。
消えたなんて、信じない。
きっと、信じてればいつか会える・・・。
そう思って、私はつよく踏み出す。
「どこの世界にいたって、かならず見付けてやるんだからぁぁあっ!!」
私は大きく叫んだ。
時間は永遠にある・・・なら、絶対に見付けられる。
見付けてみせる・・・。
(そういえば・・・)
ユウキはラクセルが同じ守護者だといっていた・・・。
あのラクセルの強さからして、テムオリン達に操られていたということはない。
なのに、なぜラクセルは守護者でありながらこの世界を崩壊させようとしたのだろう?
(・・・)
もしかしたら、これを調べていけばユウキを見付けるかもしれない。
私はその目標を心に刻んで、目を閉じた・・・。
『若きエターナルの詩』
〜果ての存在の向こう〜
―Fin―
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「さァ・・・目覚めなさい」
どこからの声かわからない。
場所が暗すぎた。
明かり一つない所で、ただ声だけが聞こえる・・・。
「はい・・・」
「了解です・・・」
男女が起きる。
男は青い髪に優しそうな顔・・・。
女は青い髪を肩と腰の間くらいまで垂らしていて、どこか冷めた顔だった。
二人とも・・・ボーッとしていた。
「あの二人は・・・まだ起きないの?」
「はい・・・」
「「・・・・・・・・」」
3人が向けた視線の先には、眠りつづける一組の男女。
「潜在能力は一番上のはずなのに・・・これでは役にたたないわ」
「では、どうするのです?」
「・・・」
女に言われてしばらく静寂が場を制する。
「そうだ・・・。確かテムオリンが妙な計画を立てていたわね?」
「はい・・・エトランジェと呼ばれる存在を利用したものです」
「となると・・・二つの世界が舞台になるわよね?そこにこの二人をバラバラに送り込むの」
「それに・・・どんな意味が?」
男は声に問う。
「私はもうスグ封印されるでしょう。あのコンビにしっぽを捕まれたようだし」
「では・・・?」
「そう。テムオリンの計画を隠れて見させてもらうわ。その二人は・・・さりげなく巻きこまれるようにしてみて」
「了解です」
男は一礼してさがっていく。
「私は・・・?」
「そうね・・・あなたは、メインの舞台になる世界にいってくれないかしら?」
「なぜです?」
「そこで、この二人をさりげなく会わせてみて。きっと、後は放っておいてもなんとかなるわ」
「・・・わかりました」
「それに、二人が勝手に一つになると、自然と私の所へ戻ってくるようにしてあるしね」
「・・・」
女は黙って部屋を去ろうとする。
「間違っても、この二人が敵に回る・・・なんて事態にならないようにしてちょうだいね?」
「はい・・・失礼します」