『第六回!』

 

「悠人!」

 

「秋月瞬の」

 

ニヒルに言う瞬。

 

「「ショートコントーッ!!!」」

 

パチパチと拍手して・・・と思いきや、二人がいきなり睨み合う。

 

「なんでお前と・・・」

 

「ふん、それは僕の台詞さ。こんな疫病神と・・・!」

 

「やるか!?今ここで消してもいいんだぜ?」

 

「どちらが消えるかなど一目瞭然だ。やるまでもない。さぁ悠人ネタをふってこい」

 

「・・・ちっ!しかたない・・・やるか」

 

「恨むならフォーリングを恨むんだな」

 

なんとも険悪なムードだ。

というか私に振るな(天の声)。

これで誰が笑うというのだろう?

 

 

「じゃぁショートコント『電車』やりまーす・・・」

 

やる気の欠けらもない声で体裁を整える二人。

 

「なぁ瞬、駅に行くにはどの電車乗るんだっけ?」

 

「ふん、僕はいつも電車は使わない」

 

「あーそうだな。そーえばお前ボンボンだしな」

 

「ふっ・・・これだから凡人は困る」

 

「じゃぁなんでなんだよ?」

 

 

「ふっ・・・他人の敷いたレールを走るなんてナンセンスだ」

 

 

「・・・やべぇ、格好いいかも」

 

 

 

 

 

 

 

「「はい次は『大事なもの』」」

 

かったるーい雰囲気で続けていく二人。

 

「えっと、これもいらないな、これも」

 

瞬がポイポイと捨てていく。

 

「ん・・・?お前、預金通帳とか保険証とかも捨てるつもりかよ?」

 

「そうだ。文句あるのか?」

 

「文句も何も、こんな大事な物・・・あぁっ!そんな分厚いサイフまで!?」

 

「そうだ。僕には不要なものさ」

 

「なんでだよ?苦労するだろ?ないとさ」

 

 

「ふん・・・大事な物なんてのは、一つだけ・・・ここにあればいいのさ」

 

 

瞬は胸をトントンとたたく。

 

「・・・ヤベぇ、マジ半端ねぇ」

 

「といいつつ人の財布を懐に入れるな悠人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はい次『ジャンケン』」」

 

「オイ瞬。今日の夕飯買ってこいよ」

 

「イヤだね。なんで僕が?」

 

「お前なぁ、いっつもいっつもオレが行くのが可哀相だとか思わないのかよ!?」

 

なんで二人は同居してることに?

 

 

「しかも、お前やたら食後のアイスの組合せにこだわるしさぁ!

なんだよ?チョコミント、ストロベリー、バニラの順で買ってこい。こぼすなよ?とかいうメモ!

順番変わってたら殺すってなんだ!?俺はアイスショップの店員か!?」

 

 

「僕はいつもその順番なんだよ」

 

「ワケわかんねぇ!んじゃジャンケンだ!それなら文句ねぇだろ?」

 

「仕方ない・・・じゃんけん」

 

「「ぽん!」」

 

 

 

「あぁ・・・結局俺の負けかよ」

 

悠人がトボトボ歩いていく。

 

「なんでお前がいく?」

 

「へ?」

 

「負けたのは僕だ」

 

「は?なんでだよ?俺がチョキでお前がグーだったろ?」

 

 

「ふん、わかってないな・・・。このグーはお前がいたから出せたんだ」

 

 

「ヤベ・・・マジやられたかも・・・」

 

「「はいありがとーございました」」

 

と二人はいきなり険悪なムードに逆戻り。

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイ・・・こんなんじゃ盛り上がりにかけるだろ?」

 

「ふん、協力してやっただけでもありがたく思え」

 

「よく言うぜ?このSSだとほとんど単発キャラ扱いのクセに」

 

「だが実力で貴様に勝っている」

 

「どうせ負けるクセに」

 

「貴様なんか女がいないと立ち直れないよぉ、とか言って泣き付いてるクセに」

 

「俺はお前と違って繊細なんだよ!」

 

「どこが繊細だこの疫病神がぁ!!兄妹のくせに僕の佳織と・・・」

 

「あ、なんだ?ヤキモチ?」

 

「殺すッ!!殺してやるッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この舞台だと、ユウト様・・・無敵ですね」

 

「ホント・・・ユート、強い」

 

そこで光陰が急に体裁を整えた。

 

「えー、というわけで次回のショートコントで、このコーナーは終わりになります」

 

「えぇ〜!?もぅ終わりなの〜!?」

オルファがブーイング。

 

「まぁ・・・長くつづいたほうじゃない?」

今日子の当たり前の考え。

 

「さて、今あなたはどっちの気持ちを抱いたでしょうか?最終回は悠人×レスティーナ!」

 

「まぁ当然よね。あたし的にはヨーティアとかイオとかもアリかなって思ったんだけど」

 

「イオを出したらキャラ崩壊起きそうだという懸念があったんじゃないか?ヨーティアははまり役すぎて出せなかったとか」

 

「もしくは・・・二話ずつだから、足りなくなってしまった・・・とか」

「・・・あはは」

 

「いやぁねぇナナルゥ。そんなことあるわけないのにぃ」

 

今日子と光陰が空笑い。

『あはは・・・』(天の声)も空笑い。

 

 

 

 

 

『瞬ッ!ここで決着をつけるっ!!』

 

『望むところだ疫病神ッ!!』

 

『ユウト君ッ!!!次回の打ち合せでしょ!?いつまでもそんな欠陥男と付き合ってないの!!』

 

「ユウト君?」

 

 

「なんで呼び捨てじゃないんだ・・・?それにヤケに親しそうな・・・

というか、あの瞬を目の前にして欠陥男呼ばわりしたぞ?レスティーナ強し・・・」

 

 

今日子と光陰が首をひねる。

 

『ちっ・・・命拾いしたな瞬』

 

『く・・・仕方ない。今日はここで退散しよう』

 

『もぅ・・・ユウト君!なんでもかんでも一人で突っ走らないで!』

 

『わ、悪いレム・・・レスティーナ』

 

「なぁ今日子。ユウトはなんて呼ぼうとしたんだ?レム・・・って聞こえなかったか?」

 

「え?そう?」

 

「空耳・・・か。うんにゃ、なんでもない。というわけで終わりッ!!」

 

「いつもながら最後はグダグダよねぇ・・・」

それを言わないで今日子さん・・・。