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おれ達がラキオスへと戻ると、ファンタズマゴリアの全てのエーテル装置が制御できなくなったという。

いつ暴走を始めるかわからないが、俺はとりあえず、明日までは大丈夫と答えた。

ラクセルは・・・おれ達を負かすまでは暴走はさせないだろう。

狙いが俺の魂とか言っていたが、どういうことなのか・・・。

それは、明日ハッキリする。

 

おれ達は万全を期すためにたっぷりと休んだ。

 

 

 

 

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グォォォォ・・・!!

 

目の前に、時限がある。

 

「なんだ・・・?」

 

静寂が、俺の警戒心を増幅させる。

 

(とてつもなく・・・イヤな予感がする!)

 

俺はすかさず不変で時限を砕こうと叩きつける!

 

キィンッ!!

 

「なっ・・・」

 

軽く弾かれ、傷ひとつつかない。

俺は連続でたたき込むも、やはりビクともしない時限。

 

プゥゥゥゥ・・・!!

 

「っ!?」

 

突然時限が光を放ち始めた。

俺はその光に飲み込まれていく・・・!

 

「うわぁぁああぁぁぁっ!?」

 

その時、俺は悟った・・・。

俺の魂、俺の存在の意味・・・。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「皆の者!少しばかり、私の言葉に耳を傾けてほしい!」

 

レスティーナが高らかに発言する。

エーテル技術で、世界中に流れている声だ。

 

 

「まずは、勇敢な戦士たちよ。そなたらの活躍なくして、シュンの打倒、成し遂げること叶わなかったであろう。

全ての人民に代わり、礼を言う。しかし!まだ全てが終わったわけではないのです!

その歪んだ目的を遂行し、この世界の未来を闇に閉ざそうとするものがいる!

もし、その者の思い通りになってしまえば、この世界は闇に閉ざされ、誰一人として生き残れぬであろう」

 

 

そこでレスティーナは区切り、一息つく。

そして、また見回した。

 

 

「だが、そのような未来、レスティーナ・ダイ・ラキオスの名において断じて認めるわけにはいかないのです!!

それゆえに、今私はこの放送をしています。しかし、私一人では何一つできない・・・。

だからこそ!今一度、その命と力、私に、この世界に、預けてほしい。そして、この世界の未来を守ってほしいのです!!」

 

 

ワァァァァァッ!!!

 

 

世界が震えたような気がした。

世界中の人の意志が、レスティーナによって一つになった・・・。

その証の歓声だった。

 

「では・・・最終作戦総責任官・・・エターナルユウキ殿にお言葉をもらいたいと思います」

 

「・・・」

 

 

俺はレスティーナの位置に立つ。ゆっくりと見回して・・・息を吐いて、上を向いた。

青い空・・・絶対に、守ってみせる。

 

 

「おれ達は、これから最終決戦の地・・・サーギオスへと赴くッ!!

ロウエターナルによって仕組まれていたこの戦いに、おれ達の手で終止符をうつ!!

俺に、あと少しだけ力を貸してほしい!!

誰一人欠ける事無く、かならず生還し、胸を張って新しい未来を迎えられるように頑張りたいと思う!!」

 

 

俺はそこでレスティーナに習って一息おく。

全員・・・希望と勇気に満ちた瞳をもっていた。

 

 

 

「それでは・・・全員、出撃ッッッ!!!!」

 

 

ウゥゥォォオオォォッ!!!

 

兵士たち、スピリット達の叫びが聞こえる。

それは・・・今までとは違う、悲痛な叫びではなくて・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくぞっ!みんな!」

 

俺が号令をかけると、全員でサーギオスへと突入した!

最後の戦い・・・。絶対に負けられない。

いや・・・負けたくない!勝ってこの世界を・・・!

 

「ユウト達はここで敵の応戦よろしく!」

 

「了解!!」

 

ユウト達が大広間で構える。そこへ躍り出てきたエターナルミニオン。

 

「うぉぉぉあああっ!!」

 

ユウト達はそれぞれエターナルミニオンへと切り掛かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バンッ!!!

俺はドアを蹴りあけた。

あくまで余裕で、ゆっくりと振り返るラクセル。

 

「決着をつけるぞ。ラクセルッ!!」

 

ラクアセルが佇む先に、プカプカと浮いている物体・・・。

そこには、時限があった。

 

「・・・悟ったのか」

 

「・・・ああ」

 

俺の目を見るなりいきなりそう言ってきた。

 

「ん?なに?」

 

ユウナがわからない、といった顔をするがいちいち説明する暇はない。

 

「いくぞラクセル・・・俺は、絶対にこの世界を消させない!!」

 

「理想を語るにはまず己に磨きをかけよっ!!中途半端なおまえになど私はやられはしない!!」

 

 

キィンッ!

 

不変と果てが交錯する。

 

 

ドゴォォォッ!!

 

それだけで爆風が城を揺らす。

 

「せいやっ!」

 

ズガッ!!

 

俺は地面を叩き、すぐさま避けたラクセルへと持っていく!

 

「甘いわっ!!砕け散れッ!!」

 

「っ!!」

 

キィンッ!!

 

不変が弾かれ、俺の手から離れる。

その勢いに、俺は震えた・・・。

でも・・・それは恐いからじゃなかった。

初めて・・・俺は・・・!

 

「でりゃぁああぁぁっ!!」

 

 

バギィィィッ!!

ブスゥゥウッ!!

 

俺はシールドハイロゥで防ぐも、果ては簡単に突き抜けてきて、俺の体を串刺しにした!

 

「ユウキッ!!」

 

「ぐっ・・・がはっ・・・!ぶぉぉっ!!」

 

「どいてろっ!!」

 

ビュンッ!!

 

突きささった果てを振り回し、俺は吹き飛ばされた!

 

ドゴォォッ!!

 

「ぐっ・・・強・・・い」

 

俺の意識が闇へ落ちていく・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラクセルッ・・・!」

 

私は記憶を構える。

 

「いくわよっ!許さない・・・っ!救世がなくったって!!」

 

{ユウナっ!全力を出すっ!!}

 

記憶から力が流れこんでくる!

それでも物足りないくらいだけど・・・!

 

「うああぁぁぁああっ!!」

 

「弱いっ!!」

 

 

キィンッ!!

 

 

「きゃぁああっ!!」

 

競り合っても負けない自信があったのに、私は簡単に吹き飛ばされてしまう。

受け身を取ってすぐさま切り込む!

 

「どこからこようと同じだっ!!フォトンリアクターッ!!!

 

「っ!」

 

 

ドゴォォォッ!!

 

突然足元からオーラが襲いかかってくる!

 

 

バゴォォッ!!

ドゴォォォンッ!!!

 

 

「きゃあああぁぁぁああっ!!」

 

記憶のバリアも紙のように貫き、オーラが私の体からマナを奪い取っていく!

 

「うっ・・・うぅ・・・」

 

私は体から抜ける力のせいで立つこともできなかった。

 

「所詮第三位・・・最下位の『果て』には勝てない!」

 

「まだ・・・!」

 

「っ!なぜたてる!」

 

ラクセルが立った私を見て驚く。

 

「私は倒れない・・・っ!私は・・・ユウキを守る!!好きな人を守ってみせるっ!!」

 

記憶を構える。

僅かな力も逃さない。

 

 

 

「お願い救世・・・まだ、少しでも残っているなら・・・私に力を貸してッ!!救世ッ!!!」

 

 

 

キィンッ!!

パキパキパキィンッ!!!

 

 

「なっ・・・!!」

 

果てから弾けるような光が溢れだす。

その光がユウナの記憶へと吸い込まれていく・・・。

 

{ユウナ・・・}

 

「救世っ!?」

 

昨日まで聞こえていた声・・・。

それが、頭に響いた。

 

{ユウキのこと・・・本当に好きなのね}

 

呆れるような声。それが、まるで以前と変わらない。

 

「・・・うん」

 

 

{なら・・・私の全ての力・・・あなたに託すわ。

そういうあなたが・・・大好きだからね。そのかわり・・・絶対に、生き抜きなさい}

 

 

「・・・わかった!」

 

 

ビキィィンッ!!

ゴォォォォッ!!!

 

記憶が光りだし、その形が救世へと戻っていく・・・。

だが・・・その力は今までとは比べものにならない。

 

 

ズァァァァッッ!!!

 

ものすごい威圧感が場を包む。

 

「この力は・・・っ!まさか・・・果てと同等の存在だと・・・!?」

 

「・・・」

 

{ユウナ・・・いきましょう}

 

「・・・うん!」

 

私は『想い』を握り締める。

 

{いくわよ果てッ!!永遠神剣最上位・・・『想い』が相手してあげる!!}

 

「うああぁぁぁっ!!」

 

持て余すその力を全て吐き出すように、想いを振るう!

 

「同等になったからといって・・・舐めるなっ!!」

 

 

キィンッ!!

 

想いと果てが交錯する!

 

 

ドゴォォォッ!!

 

お互いのオーラが触れるだけで爆発する。

 

「ぐぅぅぅ・・・・っ!」

 

「うぉぉぉぉおおおおぉぉっ!!」

 

私たちはお互いに距離を取る。

そして、剣の力を全て引き出した。

 

「私は負けない・・・ッ!!!あなたみたいなエターナルなんかにっ!!!」

 

「その程度の強さで勝てると思うのか!?マナも残さず消し去ってやるッ!!!」

 

 

 

 

エターニティ・エクストリームッッッ!!!

 

 

 

オーラフォトンエンドッッ!!!

 

 

 

 

ドゴォォォッ!!!

ズガァァァッ!!!

ドォォォォンッッッッ!!!!!

 

白と赤のオーラフォトンが混ざり合い、反発しあう!

爆風が建物全体を揺らし、壁を崩していく!

お互いの全ての力を出したオーラが激突し、それは城の上部を簡単に吹き飛ばす!

 

 

ボガアァァァァアアァァッ・・・!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ・・・」

 

私はかた膝をつく。

右腕、左足、腹部、右肩・・・あちこちからマナが流れだす。

 

「・・・私の勝ちだ。今現在最強のおまえがやられた今、誰も私にかなうまい」

 

「くっ・・・もう少し・・・っだったのに!」

 

私は倒れこむ。命を維持しているだけで限界だった。

 

「さて・・・時限よ・・・その力をかい・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そうは・・・させないっ!!』

 

 

 

 

「・・・まだ生きていたか」

 

「・・・」

 

俺は無言で不変をラクセルに向けた。

さっきの傷がマナを引き抜き力を失わせていく。

 

「そこまで傷ついて・・・まだ戦えるのは本能か・・・」

 

「果てを持て。俺は容赦しない」

 

「・・・ふっ、私を越えてみせよっ!!若きエターナル・・・伝説の魂を持つものよ!!」

 

「うおぉぉああっっ!!」

 

俺は不変にオーラを纏わせた。

 

 

ズガァァァッ!!!

ギギギッ!!

 

 

「なっ・・・果てよ、どうした!?」

 

俺の不変が果てを押していく・・・!

 

「うらぁっ!!」

 

俺はスフィアハイロゥをぶつけて、態勢を崩す!

 

「ぐっ・・・!」

 

そこをウイングハイロゥで追撃をかける!

 

「でやぁっっ!!永劫不変の太刀ッ!!!」

 

 

ザザザザンッ!!!

 

音速を越えた速さでラクセルを刻んでいく!

常人にとっては一瞬で何十回もの太刀を打ち込む!

 

「ずああぁぁっ!!」

 

俺が不変を振り下ろす!

 

ドガァァッ!!!

 

剣がラクセルを斬った瞬間、オーラの爆発を起こす!

 

「ぐっ・・・まだだ!!」

 

ビュンッ!!

 

果ては空をきる。

俺はとっくに距離を取っていた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・まだ、倒れない・・・か」

 

「ユウキ・・・!まさかここまでとはな・・・っ!」

 

俺は再び不変を構えた。

 

「ユウキよ・・・なぜそこまで必死になれる?」

 

「・・・」

 

「わかっているぞ・・・この世界を救うためには、おまえが消えなければいけない・・・」

 

「・・・そうだな」

 

「なら、なぜ・・・!?その魂は、そのようなために生まれたのではないぞ!?」

 

「・・・理屈はいらない」

 

「なに・・・?」

 

俺は不変にオーラを纏わせる。

刀身が見えなくなり、パチパチと音をたてる。

 

 

「俺はそれでも・・・この世界を消したくないんだっっ!!

なんと言われようと、守りたい世界が・・・人が!ここにはいるんだッッ!!!

ラクセルッ!!俺はおまえに負けたくないッ!!負けられないんだァァアァァアァァッッ!!!」

 

 

{さぁ・・・いきましょう!!}

 

 

 

 

「{エターナルフォトンブレイクッッッ!!!}」

 

 

 

 

ギィィッ!!

 

突然、床全体に門が開く!

そこから七色の混ざり合った奇妙なオーラフォトンがあふれ出てくる!

 

 

ゴォンッゴォォンッドゴォォォォォッ!!!

 

 

「うぬわぁぁぁっ!?」

 

マナの奔流がラクセルを飲み込んでいくっ!!

その勢いは何もかもを飲みこんで行く!

 

「我に至高の力を与えよッ!!!」

 

 

ブワァァァッ!!

 

 

風が巻き起こり、俺の体の傷が治り、疲労が消える。

 

「トドメッ・・・!無限天上天下の太刀ッッッ!!

 

俺は一瞬でオーラに飲み込まれてズタズタになったラクセルにとびつく!

 

 

ズガズガガガガガッ!!!

 

 

あまりに荒々しい太刀。

だが、その速さはもはやエターナルでも肉眼で確認できない。

自分自身でも正確に同じ所を斬れているかわからないが・・・俺は一筋の流れに乗せて、剣を振るい続けた!

 

「ラクセルッ!!!俺の勝ちだァァアアァァァッ!!!」

 

俺は床に不変を突き刺す!

 

 

ブワァァァッ!!

 

巨大なオーラフォトンを展開させる。

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

 

キィィィッ・・・!!

ズガァァアアァァッ!!!

 

オーラの爆発がおれ達を包み込む!

 

 

「・・・」

 

「ユウ・・・キ・・・」

 

「ラクセル・・・」

 

俺はラクセルののばした手を握ろうとしたが、その手は光に飲み込まれて消えたのだった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

目の前で、圧倒的な存在感を放つ時限・・・。

 

 

ドタドタッ!!!

 

 

「ユウキッ!!」

 

ユウト達が入ってきた。

 

「あとは・・・時限を壊すだけか!」

 

ユウトは聖賢を構えた。

 

「はぁ・・・・っ!!聖賢!かならず砕くぞ!!」

 

{了解だ}

 

ユウトは聖賢を振りかぶった!

そのまま時限に振り下ろす!!

 

 

パキィンッ!!!

 

 

「なっ・・・!」

 

ユウトが驚愕の表情を浮かべる。

手加減したつもりはなかったのに、時限は軽く聖賢を弾く!

 

「なんで・・・?」

 

「次は私!想い・・・いくわよっ!!」

 

{ええ!}

 

ユウナが想いを振りかぶる!

 

 

スパァァンッ!!!

 

 

「な・・・どうして・・・?」

 

想いも簡単に弾かれ、傷ひとつ与える事ができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(・・・夢のとおり、か)

 

俺は静かにハイロゥを展開した。

 

(メリア・・・)

 

(・・・)

 

(ごめんな。こんなことになって)

 

(・・・いいんですよ。一つになったとき、なんとなく感じてましたから)

 

(そっか・・・よし、いこう・・・!)

 

(はい!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

ユウトが肩で息をしていた。

あれから全員で総攻撃をかけるも、時限はピクリともしなかった。

 

「くそっ・・・諦めてたまるか・・・っ!」

 

ユウトはなおも聖賢で時限を攻撃するが・・・。

 

 

パキィンッ!!

 

 

簡単に弾かれる。

その間にもマナは増え続け、限界を突破しようとしていた。

この剣が暴走すれば、各地のエーテル装置も暴走する・・・。

 

そうなれば、この世界は・・・

 

 

「はぁぁああぁぁっ!!!」

 

ユウナが想いを叩きつける!

 

キィンッ!!!

 

「っ・・・!」

 

完璧に弾かれ、腕が痺れた。

体も限界を迎えようとしている・・・。

 

「もぅ・・・ダメなの・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

「ユウナ」

 

俺はユウナの頭を軽く叩いた。

 

「こんなことぐらいで諦めるのか?」

 

「ユウキ・・・?」

 

「まぁ、俺に任せておけって」

 

俺は背中のウィングハイロゥを大きく展開する。

 

「何を・・・?」

 

「俺・・・わかったんだよ」

 

「何が・・・?」

 

なぜか、その落ち着いた口調がみんなの心をざわつかせる。

 

「俺の魂・・・のこと」

 

「魂・・・?」

 

 

「俺は、もともとこの世界の守護者として作られた存在だったんだよ。

だけど、ちょっとアクシデントでね・・・俺とメリアに別れちゃったんだ。

さっきのラクセルも、俺と同じくこの世界の守護者だった」

 

 

「・・・」

 

あまりに突然の話・・・。

でも、それを淡々と話すユウキになぜか文句が言えない・・・。

それを言ったら、何かが消えてしまいそうな気がして・・・。

 

「だから・・・ま、この世界を守ってやらないと」

 

さらにウィングハイロゥを大きくしていく。

もう人間の三倍以上に大きくなっている。

 

「ユウキ・・・何をするつもりなの?」

 

「俺の魂と不変のマナ全てを使って、絶対包囲のオーラを展開して、別次元へ持っていく。そして、そこで時限を暴走させる」

 

「それって・・・」

 

「おまえ・・・は、無事なのか・・・?」

 

ユウトが心配そうに言う。

 

 

(・・・はは)

 

 

俺は軽く笑った。

決して答えない。

 

「ちょっくら行って、暴走を止めてくる」

 

「おい!ユウキッ!答えろよ!!」

 

ユウトは立ち上がって俺を止めようとするが、膝に力が入らなかったらしく折れて倒れてしまう。

 

「ユウ・・・キッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ・・・不変、いこうか」

 

俺は不変を床にさした。

少しずつマナへと還っていく不変・・・。

 

{これで・・・この世界も独立できるのね}

 

「ああ・・・そうだな。こんなに早く消えることになって・・・悪かったな、不変」

 

俺はパートナーに謝る。

 

{・・・はぁ。別にいいわよ}

 

ため息混じりにそう答える不変。

 

{私はあなたといて、結構楽しかったし・・・それに、あなたみたいにおもしろい人間もいるんだってわかったしね}

 

「・・・そっか」

 

{まさか、第二位の私で最下位の果てを倒すなんてね・・・だから、今言わせて}

 

「うん?」

 

{ちょっと生意気だったけど・・・あなたのこと、結構好きだったわ}

 

「・・・ありがとう。不変・・・。じゃぁ・・・いこう!この世界の未来のために!」

 

{ええ!}

 

おれ達の波長が完全に同化する。

その瞬間、時限が耐え切れなくなったかのように光を放ち始めた!

 

 

グォォォオォッ!!!

 

 

「マナよ・・・我が魂と永遠神剣を用いて、全てを包み込む壁を作り出せ・・・エターナルパニッシャーッ!!!

 

 

白いウィングハイロゥが突然巨大化し、時限を包み込んでいく!

 

ビギッ!!

バチィィッ!!!

 

翼が小さくなっていく間に、何度も反発を繰り返す。

 

 

「ユウナ・・・」

 

「ユウキッ!!」

 

 

俺は一瞬だけユウナを見た。

涙を溜めて、訴えるような表情をしていた・・・。

 

 

―――――さよなら・・・

 

 

俺の体が光のマナとなって、翼に吸い込まれていく・・・!!

 

その瞬間、急速に翼が縮んでいき・・・

 

 

スパァァアアァァンッ!!!!!

 

 

小さくなって、時限と共に消滅した・・・。

そこにユウキの姿はない・・・。

 

あるのは、白い翼の羽だけだった・・・。

 

 

「・・・」

 

 

キラキラと光を反射しながら床へと落ちてくる、数えきれない白い羽・・・

その光景は、綺麗でありながら・・・寂しかった。

 

 

 

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『フォトンリアクター』

ラクセルの攻撃性の高いディフェンス技。オーラフォトンを別のオーラフォトンで覆い隠し、敵をおびき出す。

敵がその場所にくると、まるで噴火のようにオーラフォトンが敵を襲う。

 

エタニティー・エクストリーム

ユウナの最終攻撃技。純粋に力のみを求めたオーラフォトンで相手を攻撃する。

本来ならそのオーラフォトンが敵を包みこみ、大規模な爆発を起こすがラクセルに押し切られた。

ユウナはオーラフォトンを操るのが苦手なので、これほどまでに大規模な技を使うと疲労で倒れてしまう。

 

『オーラフォトンエンド』

上記の『エタニティー・エクストリーム』と全く同じタイプの、ラクセルの最終攻撃技。

ただ、ユウナとは違いオーラフォトンの扱いに慣れていたため、押し切ることができた。

本来なら別の技で対抗することもできたのだろうが、あえて真正面からぶつかるためにこの技を出した。

 

『エターナルフォトンブレイク』

ユウキの最終サポート技。簡単に言えば『オーラフォトンノヴァ』+『エターナル』。

オーラフォトンノヴァで一気に形勢を決めて、エターナルでトドメを繰り出す。

ただ、この技はかなり精神を同調させ、マナを与えなければ出せないために一回使えば数日間は出せなくなる。

 

『無限天上天下の太刀』

ユウキの最終攻撃技。その太刀はエターナルでも確認できない。自分自身でさえもどこを斬ったかわからないほど。

ユウキは『エターナルフォトンブレイク』の後のトドメとして使ったが、どんな時でも必ず相手より先に攻撃できる技。

今までとは違い、オーラフォトンも纏わせてある。最後にそのオーラフォトンを展開し、大規模な爆発を起こす。

 

『エターナルパニッシャー』

ユウキが全てをかけて放った最後の技。自分の何もかもを犠牲にしてしまう。

新しい、小さな世界を創り出す。使用者のマナや能力によって創られる世界の大きさは変わる。

そして、その小さな何もない世界に指定した物や人を飛ばして蓋をしてしまうというもの。