「第五回!」
「悠人!」
「ウルカの・・・」
「「ショートコントーッッ!!」」
二人は拍手しながら出てくる。
「ユウト殿・・・」
「ん?なんだウルカ」
「は、恥ずかしいのですが・・・」
「ウルカもたまには弾けるべきだ!つうわけで・・・んじゃ、エスペリアとできなかった『夏』!!」
二人は両サイドに隠れる。
しばらく時間を置くと、薄手になった二人が出てきた。
「いやぁ、暑いねぇ」
「ええ。今日は30度を越えるそうです」
「うわ〜、そりゃ暑いなぁ・・・」
「冷たい飲み物でもいりますか?」
「おっ、あるのあるの?」
悠人がパタパタ手で仰ぐ。
「ええ。ゴマドレッシングが」
「いらねーよっ!!フツーのはないのか!?」
「超絶肌水というものがありますが・・・」
「おぉ・・・!って肌水ってなんだよ!?汗だろどうせ!!」
「悠人殿、そのように怒るから余計暑く感じるのです」
「む・・・そうか」
納得して落ち着く悠人。
「やはり暑い時には冷えたものですね」
「お、そうだな。ジュースとかアイスとかいいよな!」
「テニスで」
「それはデュースッ!!」
「あ、椅子」
「ウルカ・・・」
そのセンスに泣く悠人。
「ホラ、冷えたでしょう?」
「あ、ほんとだ」
「そういえば悠人殿の世界にはクーラーというものがあると聞きましたが」
「誰からだ?」
「コウイン殿から・・・」
「・・・イヤな予感するな。んで?」
「クーラーというものは非常に便利だとききました」
「まぁそうだなぁ。暑い時や寒いときに重宝するよな」
「ですが掃除をしないと汚いとか」
「そうだよな。フィルター掃除って面倒なんだよ」
「命の最後は見事に爆発するとか」
「しないからっ!!つうか命ないし!!」
「そうでありましょうか?」
「え?」
「いかに作られたものとはいえ、やはり命は入っているもの。それを簡単に否定されるのはどうかと」
「う、うぅ・・・なんでこんな話に」
「ユウト殿。ユウト殿は夏という季節で何が楽しみなのですか?」
「え?そうだな・・・やっぱ海、とかじゃないか?」
「海・・・ですか。なるほど、コウイン殿のおっしゃられたとおり」
「へ?」
「海とは男のパラダイスとききました」
「・・・それは偏見な、コウインの」
「しかしユウト殿。いくら女子の体が見たいとはいえ・・・」
「いやだから!それは偏見だから!つうか俺に当てはめるなッ!」
「しかし心配はいりませぬ。手前はどこまでもユウト殿についていくゆえ・・・ユウト殿さえ良ければ手前が」
「いや、だから・・・」
「それに、西瓜割りという訓練もあるようで」
「訓練じゃないけどな・・・」
疲れきってツッコミもいい加減になってきている。
「黒い目隠しして縄でしばりあげそこから」
「待ったッ!!それ誰に聞いたッ!?」
「コウイン殿ですが・・・」
「アイツ・・・あーいうヤツがいるから日本文化を勘違いする人が増えるんだよな・・・。
大体、アイツが寺の跡取りって時点でその寺は人生の道的な物を間違ってしまったんだ。ウルカ、ちなみにオレ達の世界の名物は?」
「スシ、テンプ〜ラ、フジヤマ〜、ですか?」
あぁ・・・完璧にやられてしまったようだ光陰菌に・・・。
「夏の醍醐味は花火だとか」
「ん・・・そうだな。バーンッとあがって綺麗だよな〜。ウルカにも見せてあげたいくらいだ」
「コウイン殿もキョウコ殿も非常に綺麗だとおっしゃっておりました。ただ、上げる人はすごい訓練が必要だとか」
「ん・・・そういえばそんな話も・・・」
「足腰を鍛え上げないといけないとか」
「う、うん・・・」
なんだか話の雲行きが怪しくなってきたぞ?
「それに、見る人は女性は浴衣というものを着ないといけないとか」
「そんなことないけど・・・まぁ、その方が風情があるというか」
「そして、殿方はそれを『ぐはは〜ッ!良いではないか良いではないか!』と脱がせるのがルールだとか」
―――きた。
「そして女性は『あ〜れ〜!』とまわりながら・・・」
「それは花火関係ないから!ただの悪代官な!」
「悪代官?」
「光陰みたいなヤツのこと!」
「なるほど・・・でもコウイン殿は、『腰ばかり軽い悠人には負けるぜ』とおっしゃられていましたが」
ブチッと切れた音がすると、ステージに悠人はいなかった。
『ま、待て悠人ッ!!誤解だっ!』
『もう許すもんかッ!!ここで斬るッッッ!!誰が腰ばかり軽いって!?』
『違うッ!それはおまえだけじゃない!この手の主人公はみんなそうなんだよっ!!』
『あぁそうさどうせ俺は腰ばかり軽いですよっ!!だけど格好悪くのたれ死ぬおまえなんかよりはるかにマシだっ!!』
『なにを!?あれほど格好いい男はいないだろ!?』
『なら今すぐここで死んでしまえーーっっ!!』
・・・終わり。