「第四回!」

 

「悠人!」

 

「今日子の!」

 

「「ショートコントッ!!!」」

 

「ねぇ悠」

 

拍手もせずに問いかける今日子。

 

「なんだ?」

 

「あたし・・・このコーナー、もうなくてもいいと思うんだけど」

 

「いや!そんなことはない!絶対に必要だ!」

 

「そ、そう?ならいいけど・・・」

 

「じゃぁショートコントッ!!『シャルロック・ホーミズの冒険』!」

 

二人は消えていく・・・。

 

「それは・・・ある夜中に起きたのだった」

 

『きゃぁぁああぁ!!!』

 

「被害者はマリア。そして、第一発見者のフリードリヒ。その事件は夜明けを待たずにシャルロックの耳に届くことになる・・・」

 

イスが運ばれてくる。

そこに、パイプをくわえた悠人が座る。

 

ダンダンダンッ!

 

「シャルロック!大変なんだ!」

 

慌てた今日子が入ってくる。

 

「どうしたフリードリヒ。死体でも見付けたのかい?」

 

「そ、そうだけど、なぜわかったんだい!?」

 

「ちわーっす・・・ブレイズ警部だけど、死体、届けにきました」

 

ドサッ・・・!

 

血塗れの死体が投げ入れられる。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

(なぜ死体がデリバリーで届く?)

 

あまりの展開に二人ともボーッとしているが、カンペにショートコントだから、と書かれてあり、なんとか我に返る。

 

「あ、あぁ・・・えぇっとだな・・・」

 

シャルロック悠人は死体を眺める。

 

「これは感電死だな」

 

「血塗れなのに?な、なぜそう断定できるんだい?」

 

「血は感電死した後にやられたフェイクだ。ここをみろ。髪の毛だ」

 

「ん・・・?」

 

悠人がさしたところは、黒く焦げていた。

 

「焦げているだろう?」

 

「そうだけど・・・まさかこれだけで?」

 

「それだけじゃない。このレントゲン写真を見るんだ」

 

パシャッとレントゲン写真を出す悠人。

 

「・・・いつ撮った?」

 

「パシャッとな」

 

「シャルロック、レントゲンはそんなデジカメみたいに軽くは撮れないぞ?」

 

「気にするな。それよりも・・・ここだ」

 

悠人はピシピシと頭の一部を叩く。

 

「これは・・・へこんでいる?」

 

「そうだ。度重なるハリセン攻撃のおかげでコイツの頭蓋骨はへこんでしまっていた」

 

「なんでハリセンなんだい?」

 

今日子の声を無視する悠人。

 

「それに、エトランジェとなったおかげで電撃もつけば・・・こうなってもおかしくはない。

おぉ、頭が冴えてきた。犯人像が思い浮かんできたぞ・・・。まず、ハリセンを常用している」

 

「・・・」

 

「それに、性格はがさつで狂暴。一度怒ったら手が付けられないヤツだ」

 

「・・・」

 

悠人は聞こえてないのだろうか・・・。

今日子の血管が切れる音に。

 

「よしよし・・・となると・・・犯人はおまえだ!!フリードリヒッ!!!」

 

ビシッと人差し指をつきつけ・・・指がへにゃっと力をなくす。

 

「ふっふ〜ん・・・?私ががさつで、狂暴で、一度怒ったら手がつけられない・・・?ふぅん・・・?」

 

バチバチッ!!

 

「ま、待てフリードリヒ!俺は役に徹しただけで・・・!」

 

「問答無用!くらえシャルロックーーーッッッ!!!」

 

ピカァッ!!!

ズバアァァアアアッ!!

ドォォォォオオォンッッッ!!!

 

「ぐわあぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

「というわけで、今日子」

 

「ゆ、ゆ・・・悠人・・・」

 

 

「光陰のショートコントでした!」

 

 

「「光陰?」」

 

「あれ?気付かなかったのか?」

 

「だって、出てなかったし」

 

「いやいやちゃんと出てたよ最初の『第四回』って。それに『きゃぁぁぁぁ!』ってのも俺」

 

「え、えぇ?それじゃわかんないわよ。文字の世界では」

 

「いやいや、他にも死体だって俺だったしな。イタタ・・・さすがに放り投げられると痛いぜ・・・」

 

・・・終わり。