「第三回!!」
「悠人!」
「オルファの〜!」
「「ショートコントッ!!!」」
パチパチパチ〜!
とやっぱり自分たちで拍手してでてくる二人。
「えぇ〜、前回は求めに飲み込まれておりまして自分の預かり知らぬところで行なわれたことであり、全ての責任は求めにあるということで・・・」
「パパぁ・・・誰も信じてないよぉ?」
「うぅ・・・とにかくショートコントッ!オルファ!君と俺ならやれる!いくぞ!」
「『合点承知』だよ〜!!」
「ショートコントッ!『バス停』!」
二人はステージの脇にかくれる。
黒い衣裳のヤツがバス停と垂れ幕を用意した。
すると、悠人とオルファが出てきた。
「いやぁ、暑いですね〜」
「うんうん!ほんっと暑いよねぇ!」
二人はバス停まで歩いて止まる。
「では、俺はここで」
「うん!パパ、ばいばい!」
パパはないだろう・・・。
だが、今までに比べれば順調!!
オルファが垂れ幕をめくって下がる。
垂れ幕には『一年目』とかかれている。
「しかし本当に暑いなぁ・・・」
悠人がハンカチで汗を拭う。
「ここまで歩いただけで汗かいちゃったよ・・・そうだ!!」
悠人はおもむろにバス停をいじりだす。
「俺の家の前までもっていこう!そうすれば楽になる!」
ゴロゴロ回しながらバス停を持っていく悠人。
ブゥゥゥゥッ!!
バスのエンジン音が鳴る。
「あっ!!待ってくれ〜!!」
ブゥゥゥッ・・・バスの音が小さくなっていく・・・。
「ぐっ・・・この白線もジャマだな!よし・・・!」
悠人が隠れる。オルファが現われ垂れ幕をめくり、今度は20年目・・・。
「よぉっし!!これで完璧!」
背景に家が現われ、その目の前にバス停と白線が。
「20年かけて持ってきたかいがあるな!よし、早くバスこないかなぁ?」
プルルルル・・・いきなり携帯が鳴りだした。
ブゥゥゥゥッ!
同時にバスがきたようだ。
「え!?本当ですか!?」
『おきゃくさーん、乗らないの?』
「・・・」
悠人はオルファ運転手に話し掛けられても答えない。
携帯をポロッと落として両膝をついた。
『いっちゃうからね〜?』
ブゥゥゥッ・・・
オルファ運転手が去っていく。
「会社が・・・潰れた」
ポツリと呟く悠人。
すると、オルファが悠人に駆け寄り・・・ポンポンたたく。
「まぁ・・・人生そんなこともあるさ」
「運転手さん!!」
ガシッとオルファの手をつかむ悠人・・・。
二人は立ち上がる。
「はい、ショートコント『バス停』でした!!」
「次は『天気予報!!』」
二人はまた消えていく・・・。
ガラガラ・・・
ホワイトボードが現われた。
模造紙が貼ってある。
「えぇ〜、明日の天気は晴れか曇りか雨か雪か隕石でしょう」
オルファが白髭をたっぷりのばし、それを撫でながらパシパシボードを叩く。
「オイオイ、それじゃどんな天気でもあたるじゃないか」
悠人がそれに文句をつける。
「ふむ・・・ならば少し変えて」
「イヤイヤ!最初から普通に予報してくれよ!!」
「明日は晴れのち曇りのち雨のち大地震でしょう」
「なんで地震!?天気じゃねーよっ!!つうか『のち』使いすぎだ!!」
「キミキミ、テレビに向かって抗議しちゃダメ。変人に見えるよ?」
「視聴者と会話できるテメーも十分変人だこのやろう!いいからちゃんと予報しろ!」
「仕方ない・・・」
「仕方ない・・・って、もうクビにしろよそんな天気予報士・・・」
「さてここで問題。この三角形と線がくっついた記号はなんでしょう?」
「おっ、俺をナメんなよ?寒冷前線だ!」
「ブブーッ!正解は、『ふんどし』でした!!」
「天気記号だろ!?大体何人用だよ!?」
「誰も天気記号のクイズとは言ってませ〜ん」
「ぐぬぅ・・・」
「じゃぁ今週一週間の予報いってみよう!」
「お、これこれ」
悠人は体裁を整えた。
「明日から梅雨です。今週一週間は雨の多い一週間となるでしょう」
「えぇ〜?マジかよ?俺バイトあるんだけどなぁ・・・」
「でも大丈夫!天気は女心なみに移ろいやすいので、きっと信じれば晴れるでしょう!さぁ、テレビの前のあなたも神に祈りを!」
「バカみたいだ・・・天気予報士が移ろいやすいとかいって・・・」
「いま祈らなかった人は明日死にます」
「えぇぇぇ!?」
「私は実は・・・ふふふ」
「な、なんだよ・・・?」
「ふふふふふ・・・では」
「オイッ!気になるだろ!!もうええわ!」
「「ありがとうございました〜!」」
「いやぁ・・・笑いは少ないけど、初めてオチまでできたぜ?」
「パパぁ・・・オチてたの?」
「・・・イマイチだな。特にバス停の方はオチが弱すぎるな。次はもっと頑張ろう」
「うん!」
「いやぁ、オルファと俺って結構相性いいのかもな」
「それはそうだよ〜!だってパパとオルファだもん!」
「はは、そうだな。じゃぁこれを読んだあなた!まずはオルファからクリアしよう!」
「クリア?」
「い、いや、なんでもない。じゃぁまた!」