「第二回!」

 

「悠人」

 

「え、エスペリアの・・・」

 

 

「「ショートコントーッ!」」

 

 

また自分たちで拍手する。

エスペリアは少しばかり小さくなって。

 

「えぇ・・・前回は組合せがわるかったということで、今度は安心快適エスペリアに来ていただきました!拍手っ!!」

 

パチパチと悠人が拍手する。

 

「それでは早速今度こそ・・・ショートコントッ!!『夏』!」

 

悠人とエスペリアは両脇に走っていく。

しばらくして薄手になった悠人がやってきた。

同時に、なぜかいつもと同じ服のエスペリア。

 

「エ、エスペリア?なんでいつもと同じなの・・・?衣裳あっただろ?」

 

「じ、時間が・・・」

 

「しまった・・・」

 

エスペリアはかなりキッチリ着込んでいる。

それなのに、脱ぐだけで済む悠人のタイミングででてきたため、間に合わなかったようだ。

 

「仕方ない、ここで脱いで」

 

「え、えぇ!?」

 

「ホラ、前掛けみたいのとか取れるだろ?」

 

悠人はエスペリアの後ろにまわりこみゴソゴソしだす。

しかも、ヤケに手慣れている・・・

なんで?

 

「ゆ、ユート様!!こ、こんなところで・・・!!」

 

「コォラッ!!!悠ッッ!!!なにやってんのよーっっっ!!!」

 

ピカッ!

ズガズガァァァアァッ!!!

ドガアァァッ!!!

 

 

「ぎゃぁぁああぁっ!!!」

 

プスプスと良い感じで煙をあげて倒れる悠人。

いつぞやの光陰とまるで変わらない。

 

「女の子の服を舞台上で脱がすなんて最低だな、悠人」

 

「こ、光陰・・・」

 

「ユート・・・サイテー」

 

「あ、アセリアまで!」

 

「パパァ・・・サイテー!」

 

「オ、オルファ・・・!」

 

「思い切り犯罪よね!」

 

「きょ、今日子ぉ・・・は別にいいや」

 

「なんでよ!?」

 

「ユート、やっていいことと悪い事の区別もつかないのですか!!」

 

「れ、レスティーナ・・・」

 

「悠人さん・・・まさか、こんな未来になるなんて・・・」

 

「と、時深まで!!みんなして・・・!」

 

「ユート様最低〜!く〜るなネリーだって怒る時は怒るんだからっ!!」

 

「ネ、ネリー・・・!」

 

「最低・・・」

 

「し、シアーも!?」

 

「一度死なれたらどうです?その方が世界のためです。このような人に世界を救われるなんて・・・」

 

「セリアっ・・・!」

 

「女の子をいじめるなんて、最低ですよ〜。めっ!」

 

「ハ、ハリオン・・・」

 

「ユート様!今のは最低です!」

 

「ひ、ヒミカ・・・」

 

「ユート、最低」

 

「ニ、ニムッ!」

 

「ごめんなさいユート様・・・最低です・・・」

 

「ファ、ファーレーンッ!!みんな・・・俺を見捨てないでくれ!!」

 

次々に『最低』コールをされ、涙目でみんなにすがる悠人。

だが、みんなの目には侮蔑の色しかない。

 

「オイみんな、行こうぜ?」

 

「そうね。光陰より最低な男がいたなんて・・・」

 

「俺はさすがに『あそこまで』ひどくないぜ」

 

みんな口々に何か言いながら帰っていく・・・。

その場に残される悠人。

悲壮観が漂い・・・まるで廃人。

 

 

 

完璧に犯罪者の気分・・・。

というか、やったことは思いきり犯罪だったが。

 

 

 

 

そこに、残っている二人。

 

「・・・これが『夏』なのでしょうか?」

 

「ナ、ナナルゥさん・・・たぶん、違うと思います・・・」

 

ナナルゥとヘリオンは、微妙な目で舞台に倒れている悠人を見ているのだった・・・。

 

「それで、今回のオチ、というものは?」

 

「え、えっと・・・たぶん、ユート様の社会的地位的な物がオチた・・・ということだと思います」

 

 

 

「・・・なるほど」