「第一回!!」

 

「悠人!」

 

「アセリアの・・・」

 

「「ショートコントーッ!!」」

 

パチパチパチと自分たちで拍手する。

 

「さて始まりましたショートコントの時間でございます」

 

「ユート・・・すごいノリノリ・・・」

 

「一度でいいからやってみたかったんだよなぁ。

それにさ、ホラ、今回の作品っておれ達あまり表にでないからさ!こういうところでがんばらないと!」

 

「うん・・・」

 

「さてショートコント一回目ということだけど・・・アセリアは何やりたい?」

 

「・・・ユート、まさか考えてないのか?」

 

 

「・・・ははっ、何をバカな!ちゃんとアセリアとも打ち合せしたろ?ここでアセリアが、『なんでやねーんっ!考えてあらへんのかーっ!』ってつっこむところだったろ!?

 

 

「・・・そうだった。なんでやねん。考えてあらへんのかー・・・」

 

パスッ・・・と悠人の胸を叩くアセリア。

あまりに弱すぎるというか・・・脆い突っ込みだ。

 

「・・・やりにくい。というか・・・儚く見える突っ込みなんて初めてだ」

 

「ん・・・?」

 

「いいか?ツッコミってのはもっと力強くないとダメだ。今日子を見てみろ?毎回犯罪ギリギリのツッコミをしてるだろ?」

 

「あれを真似すればいいのか・・・?」

 

アセリアのソレを食らって悶絶する悠人の姿が簡単におもいつく。

 

「・・・いや、それは困る。適度にな」

 

「ん・・・わかった・・・」

 

「んじゃ、仕切り直しで・・・そういえばアセリア、みんなは鎧着てないのに、どうしてアセリアだけ着てるんだ?」

 

「ん・・・さぁ・・・?」

 

「そもそも、エスペリアは昔からのスピリット隊だからわかるとしても、オルファとかなんで変わった服なんだろうな?」

 

「ん・・・ユートは、鎧が嫌いか?」

 

「え?いや、べつにそうじゃないけど・・・」

 

「なら、好きか?」

 

「・・・いや、好きってこともないけど・・・」

なんでこんな話に?

 

「・・・中途半端」

 

「うっ・・・そ、それよりコントだコント!アセリア」

 

「なんでやねーんっ!!!」

 

ボガァッ!

 

「うっ・・?!?」

 

突然アセリアの手が俺の胸を叩く・・・というか、殴る。

神剣の力を使っているようで痛みが半端ではない。

というか・・・折れた。確実に折れてる。

 

「ユート、どうだ?」

 

「い、威力はオッケー・・・だけど、タイミング間違いすぎだ・・・」

 

完璧に不意打ちで、あばら何本かやられたようだ。

 

「なら、もう一度・・・いく!」

 

「ちょ、待った!まだ何もネタ振ってない・・・っ!!」

 

「なんでやねーーんっっっ!!!」

 

シュッ・・・

ズギャァアァッ!!!

 

・・・ものすごい擬音がした。

アセリアの拳が悠人の腹に食い込んでいる。

ちゃっかり回転つきだ。これは痛い・・・。

 

「ぐっ・・・おぅおぉ・・・」

 

バタッ・・・

そのまま事切れたかのように倒れる悠人。

 

「・・・どうだ?」

 

「・・・」

 

「ユート?」

 

ユサユサと揺らすが、反応しない悠人。

 

「えーっ、ぐでんぐでんになったので、これにて第一回ショートコントを終わりにします。次にこうご期待!では・・・」

 

光陰が垂れ幕を下げた。

すぐさまエスペリアが悠人に駆け寄っていく・・・。

 

「で、オチは?」

今日子が呟く。

 

「・・・ユート様の意識がオチた・・・ということでは?」

セリアが呟き返す。

 

「ぷっ・・・」