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あとがきならぬ『先書き』

まずはどうもです。

この度ダークストーリーにいい加減疲れたよ・・・と言う方のためになんと!!!

『今回はアリスの魅力(ツンデレ)だけにせまるコーナーです!!!!』

もう、ダークや傷心なんて関係ありません!!!
とにかくアリスのためだけにツンデレ書きます!!!
現状の修羅場無視のありえない展開にしますのでご注意を・・・

補足1・・・初めて読まれる方は設定を知っておくとスムーズですので先にそちらをどうぞ
補足2・・・「俺は別に本編なんていいんだよ!ツンデレデレだけ読ませろ!!』と言う方も全く大丈夫です!

では、始めます!!!


アリスの魅力的な一日変えまして・・・『私の始まり』です





―――――――――――――――――――――――



「・・・うっ・・・ここ・・・何処・・・?」

初めての明るい光。

「お!?気が付いたらしいな」
『うむ』

目を開けて始めてみるのは一人の男と近くにある神剣。

・・・・あれぇ・・・・・私って誰だったかな・・・・・・・えっと・・・・・・・んと・・・・・・

「はいはい・・・『私誰?』・・・『ここは何処?』みたいな顔はいらん」

早速思考にふける私を隣の男が無礼言い方で遮って来た。
顔を見れば、『コイツ馬鹿だなぁ・・・・』と言った表情に見えない事も無い。
起きて早々なんでこんなに腹が立つのだろうか、まあその原因は考えるまでも無いのだけれど。

「ほれほれ!!さっさと起きて着替えて来い」
「・・・え・・?」
「何時まで『裸』で居る気だ?」

クククと喉の奥で笑いそのまま私の体を眺める男。
それにならって視線を下に移してみれば・・・
目に入るのは白い肢体、胸から足の先まできめ細やかで透き通るような肌だ。
でもその肌はいいけど、これって・・・・




・・・・誰の肌?





「きゃあああああああああああ!!!!!何見てるのよ!?この馬鹿〜〜〜!!!!!」
「ちょ、ちょ・・・待て!!!!!別に俺は何も、ってぐおおおおおお!!!!」



悲鳴と共に隣にあった神剣でこの男の顔面に火の玉を叩きつけていた。



――――――――――――――――――――――――

朝食前

「ううぅぅぅ・・・・・乙女の肌が〜〜!!!」

ぶつぶつと文句を言いながらリビングに入ると、今の発言が聞こえたのかやはり無礼な答が返ってくる。

「まあまあ、気にするな!!中々に眼福だったしな〜・・・やっぱ女はそうでないと」

着替えて二階から下りて、最初の掛け合いがこれなんて・・・
ああもう、腹が立つ・・・文句よ文句!!!

「女の子は大事にしてくださいよ!!!この馬鹿!!!」
「・・・・お前さ・・・女って自覚あったんだな」
『それは言い過ぎだ・・・』

ぶちっ!!!

何かが切れた音がしたけど、誰の何が切れたなんてもう考える必要はないよね!?ね!?

「いい加減にしてくださいよ!!!私は絶対に女だし、裸見られて平気なほど変な女でもありませんよ!!!!」
「・・・・ガキ」
『それも言い過ぎだ・・・』

ぶちぶちっ!!!

これが血管が切れる音なのかと思うくらい怒りの感情が湧き上がる。
目の前の男を張り倒してやろうかと近づくといきなり頭に手を置かれて撫でられてしまった。

「悪い悪い・・・。――別にからかってやろうとしてる訳じゃなくてな・・・言葉が勝手に出ちまうって言うか・・・」
「・・・・んぅ・・・」

絶対にからかってるでしょ・・・と思いながらも何故か撫でられる事は止めて欲しくないと感じてる。
だから解からないように少しだけ自分から背伸びして手に近づいていく事にした・・・が・・・・

「甘えん坊」
「ち、ちがっ・・・」
『更に言い過ぎだ・・・』

先読みされてしまい、慌てて弁解しようと口を開くと急に撫でる力が強くなる。

「ま、いいけどな。別に甘えられても俺は構わないし」
「あぅ・・・」

少し恥ずかしくなって手をどけようとしても体が動いてくれない。
仕方ないのでされるがままにしていると男は撫でているままで私に聞いてくる。

「アリス?」
「・・・・はい?」

最初は何を言われているのか全く解からなかった。
それに気づいたのか、もう一度同じ事を私に投げかけてくる。

「ア・リ・ス?」
「え、えっと・・・はい・・・」
「よし、決まり」

私が適当に返事をすると何かが勝手に決まったらしく、納得顔で一人決定していた。
不思議に思ったのでとりあえず聞いて見る事にする。

「え、えっと・・・『アリス』とは何ですか?」
「ん?・・・ああ・・・お前の名前、いいだろ?」
「名前、名前、名前・・・」

・・・・・えっと、名前と言うのは・・・・・全ての者に付けられるもので・・・・・・私は確か・・・・・・・ってあれ?・・・・・・・・・・・・・・思い浮かばない・・・・・

・・・・与えられた情報を元に考えるとミニオンだってくらいは解かるけど・・・・・・それじゃなんでミニオンって呼ばないのかな・・・・・?

頭の中で疑問と納得を繰り返して居ると、それを呆れて見ていたのかまた『コイツ馬鹿だなぁ・・・』と言った表情になっている。

「お前はアリスだ!!!以上決定!!!反論は打ち切られたから文句は言わせん!!!!」
「は、はあ・・・」

私の意見なんてどうでもいい、と感じさせる言葉に少しの怒りと不思議な感覚が混ざっている。

・・・・・・・何よ・・・この男・・・・・私だって言いたい事あるのに・・・・・・・・・・・

・・・でも・・・・『アリス』って良い響きだよね・・・・・・・・・だからいいよ・・・・・・それでも・・・・・・・・

「ミニオンさん?大丈夫ですか?折角造ったのにもうボケたのか〜〜〜?」

もの思いにふけっている間もなくすぐに開始される私へのおちょくり。

「ボケてません!!!それに私は『アリス』です!!!!」
「おおっ?」
「・・・・・あっ・・・・・」
『うぬ?』

自分から大声で認めてしまい、硬直する場・・・
別に私が悪い訳でも無いのに何故か緊張してしまう。

「っはは・・・気に入ってくれたみたいで良かった。こんな名前イヤって言われたら結構ショックだし」
「あ、あの・・・べ、別に・・・私は・・・気にいってなんか・・・・こ、これは・・・んっ!!」

またまた頭を撫でられる私。

「はいはい、別に気に入って無くてもいいからよ。今日からお前はアリスだ・・・いいよな?」
「だ、だから・・・嫌だとは・・・言ってません・・・」

顔が急に熱くなり、この男の顔をまともに見れなくなっていた。
五秒程度視線を逸らしてから何とか別の話題を振る。

「・・・あの、私は何をすればいいのでしょうか?」

情けない事にまともな話題が振れず無難なところから始める事しかできなかった。

「んじゃまず・・・」


――――――――――――――――――

朝食中

「うめぇ・・・」
「そ、そうですか?」

いきなり連れてこられたキッチンで初めての料理を作ったのだけど・・・
意外と楽しかったので色々と手を出してしまいなんと十品も食卓には並んでいる。
でもそれに気にする風も無く箸を進めるこの男。

「うめぇ・・・」
「そ、そうですか?」

何回やってるのだろう、このやり取り。
別に嫌ではないからなんとなく返事してしまうのだけど・・・

「これもうめぇ・・・」
「そ、そうなんですか?」

さっきから一向に食べるのを止めないのでこちらから話しかけようとしても駄目みたい。
諦めて自分の分に箸をつけようとしたその時・・・

「楽しかったか?料理」
「えっ?」

いきなりだったので面食らってしまい曖昧な返事しか出来ない。
私がいきなりに弱いのを知っているのかもう一度同じ事を言う。

「・・・楽しかったか?料理してみてよ?」
「・・・あの、それよりも・・・・」
「ん?」

男の顔が疑問に変わり、私の顔をまじまじと見ている。
少し恥ずかしくなったので顔を見ないで素直に答える事にしよう。

「や、やはり・・・美味しいって言ってくれる人が居るから・・・その・・・料理はしたくなるのだと思います・・・」
「・・・・・・」
「あのっ・・・変、ですかね?」

心配げに聞くと、ニヤリと笑ってから・・・

「いや、変じゃないさ、食えればなんでも生きていけるしな」
「な!?」

結局私が望む返答とは微妙に違い、なんだか腹が立つ。

・・・・・・何よ・・・・・美味しいなら美味しいってはっきり言いなさいよ・・・・・・・・・

「もういいです!!」

そう怒鳴ってから席を立ち、キッチンから出ようと足を踏み出した時・・・

「怒るなよ、うまいって言ってるだろ?食えるのなら当然うまい方がいいに決まってるさ。――だろ?」
「んぅ・・・だから、なんだと言うのですか・・・」

後ろから掛けられる声になんだか恥ずかしくなり、振り返る事が出来なくなった。
そんな私に構わずにこの男は言う。

「うまいんだからよ、これからも作ってくれよ?」
「・・・そ、そこまで言うなら・・・作ってあげない事もありませんけど・・・」
「んじゃ決まり」

それだけ言うとまた『うめぇ』とかなんとか漏らしながら料理をつついている。
その景色になんだか嬉しさを感じてこれからも料理をしてみようかな、といった気分になっていた。
満足して外に出ようと思った瞬間・・・

「でもな、食えない物出てきたら責任持って食えよ?お前が作ったんだからな」
「っっ!!」

この男は、一言多いのよ!!!

「もう二度と作らないわよ!!!この馬鹿!!!」

気づけば私はリビングに走り出していた。

――――――――――――――――――――

リビング

「もう・・・なんであんなのが主人なのよ・・・」

二度目のリビングに戻る時もぶつぶつと文句からだった。

・・・・・ああ・・・もう!!・・・・なんてデリカシーの無い男なの・・・・・

『アリスよ』

・・・・・私だって・・・・女の子なのに・・・・・・・少しは優しくしてくれても・・・・・・・

『アリスよ!』
「えっ!あ・・・はい!」

完全に自分の世界に入っていたのか呼ばれた事すら気づかない私。
しかし、別に気にする様子も無くその神剣は語り掛けてくる。

『ふむ、返事は迅速にせぬと思わぬ結果を生むことも有る・・・注意しろ』
「は、はい!申し訳ありませんでした」
『ふふ・・・』
「?」

何故笑われたのかが解からないけど、とりあえずは怒ってはいらっしゃらないらしく声は穏やかだった。

『いや、これほど生真面目な性格だとはな・・・あの馬鹿には勿体無いかも知れぬ』
「い、いえ・・・私は別にそんな・・・」
『良い、謙遜が必要な場でもあるまい・・・汝の有るがままに接する事、それが大切だ』
「・・・はい」

納得出来る答を言えたのであろうか?
それを知る前に本題に移される。

『我は『無知』と名乗る神剣だ・・・一応はあの馬鹿が契約者だ』
「そうですか」
『うむ、まあそれは置いておくとしよう・・・・それよりもアリス、汝に聞きたい事がある』

急に真面目な声になると、まるで確認を取るような速度でゆっくりと私に聞いてくる。

『アリス・・・昨日、つまり汝が生まれた時の事は覚えているか?』
「・・・・・あれ?・・・・おかしいな・・・・」

・・・・・どうしてだろう・・・・・生まれたのは昨日のはずなのに・・・・・・・思い出せない・・・・・・・・・

・・・・うっ・・・・・確か・・・・・・血の海に横たわっていた気がするけど・・・・・・・・・・・違うかな・・・・・・・・・・・・

「申し訳ありません・・・覚えていないのです」
『ふむ、そうか・・・ならば良い』
「本当に申し訳ありません!!」

良い、と言われても覚えていない事が何か変に思われていないだろうかと心配になってしまい平謝りになってしまう。

『良いと言っている・・・だがそれでは汝は納得せぬ性格であろうな・・・』
「あ・・・」
『それでも全く構わぬのだ。言ったであろう・・・有るがままに接する事が重要なのだと』

仰った言葉には私を優しく諭すような響きがあり、温かさがあった。
それに安心しきったのか本音が漏れてしまう。

「あの、変ではないですか?昨日の事なのに何も覚えていないなんて・・・」

素直な疑問と弱さ、それを内包した質問にも『無知』様は全く気にする風もなくお答えくださる。

『変と思うも汝、正しいと思うも汝・・・ならば正解などありはせぬ、それ全てが等価であり汝を形成する思いなのだからな』
「・・・・っ」
『決して自分を間違った者と見る必要など無い、今を自分らしく生きる・・・それこそが大事・・・覚えておけ』
「・・・はい!解かりました」
『うむ・・・良い返事だ』

満足されたのか、そのまま我は眠ると仰ってから静かに眠りにつく『無知』様。
その様子を見ながらこの時初めてこの方を好きになったのだと感じた。



―――――――――――――――――――――――

夕方

「お〜い!!!アリス〜〜〜!!!」

与えられた自分の部屋でのんびり読書をしていたら突然下からあの馬鹿の声が聞こえた。
別にこちらに用は無いので無視。

「こら!!!無視するな!!!」

更に無視を貫く。

「そうかそうか!!!そこまで反抗的な態度とるなら・・・」
「?」
「アリスの裸は中々に良かったな〜〜〜!!!!特に、む・・・」

バンッ!!!

凄まじい速度で扉を蹴破り、ありえない速度で階段を駆け下りて見付けた馬鹿に平手打ちを繰り出そうとした瞬間・・・

「わぷっ!」

気づけば何か白い物が視界を覆い尽くしていた。
それから前が急に見えなくなったので勢いそのまま壁に激突。

「いったぁぁぁ!!!」
「おいおい・・・大丈夫か?」

余りの痛さに地面に横になってしまう。
そのままこの馬鹿に痛さを抑えて文句を言う事にする。

「何するのですか?!痛いじゃないですか!!」
「わ、悪い。まさかあのまま本当に突っ込むとは流石に思わなかった」
「あぅぅぅ・・・いたたた・・・・」

押さえている部分、頭はタンコブになっているらしく腫れていた。

「すまん、本当に悪かった。これで冷やしとけ」

そう言って私にぬれたタオルを投げ渡すと、そのまま私に近寄って来て・・・

「なっ?!」
「暫くこのままでいろ、腫れが引くまではな」

なんと膝枕をされていた。
動くに動けずに固まっていると頭をもぞもぞと弄られているらしい。
不思議に思って手を持っていこうとしたら・・・

「ちょっと待て・・・もう少しで終わる」
「あの、何がですか?」

私の質問を無視して手を動かし続けるこの馬鹿。
暫くしてやっと終わったのか、私の顔を覗き込むと満足げに頷いた。

「よし、これでオッケー。少しは可愛くなったぞ」
「?」
「腫れも引いたし、立ってみろよ」
「はい」

言われて立ってみると、髪が左右に広がらなくなっている。
近くにあった鏡に自分を映してみると・・・

「あっ・・・リボン・・・」
「ここに適当にあったから、お前のその邪魔そうな髪を止めるのに丁度良いと思ってな」

頂点で結ばれる髪には白のリボンが巻かれていた。
髪の青色と見事に調和して違和感無いくらいに綺麗。

「どうだ?気に入らないか?」
「そ、そうでは無くて・・・良いかなと思ってます」
「そうか・・・なら探したかいがあったってもんだ」
「えっ?」

探した?私の為に?
そんな疑問が頭に浮かんだが、すぐに幻滅する事になる。

「いや、何かを思い出しそうになってな・・・確か今のお前にそっくりな・・・・って・・・げぇ!!!」
「な、なに?!」
「あの時の!!!しまった、またトラウマが・・・」

一人で驚いて一人で暗くなっているが私には意味が解からない。
昔に何があったのかは知らないけど、女の子にこの態度は失礼じゃない・・・

「一体何があったのですか?私が何か?」
「いや、いい・・・とりあえずは可愛いから良いか・・・あの時の奴じゃないし」
「あの時の?」
「だからいいって・・・聞き流せ」

無理やり場を締めるとそのまま逃げるように自分の部屋に行ってしまった。
ポツンと取り残されながら私は首を暫く捻っていたが、解からず仕舞いなので部屋に戻る事にする。
今まで少し邪魔だなと感じていた髪を揺らしながら。

――――――――――――――――――――――――



「ふああああ・・・」

一人で部屋に居ると眠気が襲ってきた。

「初日だし、色々あって疲れたのかな・・・」

独り言を呟いてベッドに横になると穏やかな睡魔が私を包む。

・・・・・・寝よう・・・・・・・・まだまだ私の生活は始まったばかりなのだから・・・・・・・・

・・・・それにあの馬鹿も・・・・決して嫌いと言うわけじゃないよね・・・・・・・・・・・・・・

そのまま心地よい睡魔に身を任せて目を閉じると静かな寝息を立て始めた。



『願わくば・・・何時までも楽しい日々でありますように』




「お休みアリス・・・これからよろしくな。で・・・やっぱり似てやがる・・・」







「1日目・・・終わり」



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あとがき

まずはお読みいただきありがとうございました。

早速疑問です・・・ツンデレとはなんでしょうか?
これ書いてて思ったのですが、意外と見てるのは簡単なんですけど書くのは難しいのがツンデレだと痛感しました。
皆様がアリスってデレっぱなしだなぁ・・・と思われても可愛い部分しか抽出してない私の責任です。
今回はツンデレと言うか、可愛い所しか無いような・・・はあ・・・・

気を取り直しまして、次回は・・・あるのでしょうか?と自分に聞きたいです。
誰かツンデレとはこうだ!!!と言える方でも現れないでしょうかね?(死)
むしろ全国のツンデレファンの方に聞きたいです!!
『ツンデレとはなんだ〜〜!!!!』

ああ!!そこの方!!なら書くなよ!!とか言わないで〜〜!!
そちらの方も石を投げないで下さい〜〜〜!

誰か、この未熟なツンデレファンの性根を叩きなおしてくれる方大募集です!!

以上!!

(大変お見苦しい表現が多々ありました事をこの場を借りてお詫び申し上げます)

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