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「はぁ〜」
 特大のため息をつく悠人

「・・・どうした悠人?」
「いや、慣れない事をしてるから体がな・・・」
「・・・あぁ、そう言う事か」

 謁見の間の出来事以来、隼人と悠人も戦闘訓練に参加していた
 と言っても、戦闘訓練などした事の無い悠人は基礎訓練だけだが

「なぁ隼人?なんでお前は神剣が使えるんだ?」

 悠人とは違い隼人は、エスペリアと模擬戦をするまで成長していた

「・・・逆に聞くがなんで使えない?」

 隼人にとって、神剣を使う事など容易いのだが、悠人はいつまで経っても神剣を操れないでいた

「そんなの解るわけないだろ・・・くそぅ、こうしてる間にも佳織が・・・」

 どんな時でも佳織の事を思う悠人に、隼人は少なからず苛立ちを覚えていた

「・・・生きてるだけで、幸せだと思え」
「なにか言ったか?」
「いや、なんでもない」
「・・・そっか、じゃあもう寝るか」

 謁見の間以来、隼人の態度が変わっている事に気付くも、その事を聞ける雰囲気では無かった

「・・・あぁ寝よう」

 模擬戦と言えど命のやり取りをしていた隼人も疲れていた

「おやすみ」

 そう言い布団に包まる悠人
 よっぽど疲れていたのだろう、すぐに寝てしまった

「・・・じゃあいくか」
『いいのですが?今日はもう休んでも・・・』
「いいから、いくぞ」

 心中の言葉を遮る様に部屋を出る隼人
 謁見の間以来、夜になると隼人は一人で自主訓練をしていた


 森


「はぁあ・・・マナよオーラへと変われ、我を傷つける者に永遠なる死を!!オーラーフォトンウォール!!」

「はぁ・・・はぁ・・・」
『完成ですね』
「あぁ、後は実戦で威力を試すだけだな」
『この技を食らって生き残れるスピリットはそう多くないでしょう』

 ここはラキオスから数キロ離れた森だが、地面は抉られ直径10mほどのクレータが出来ていた
 ラキオスにも衝撃は届いており、人々は地震だと思っているらしいが・・・

『しかし、この技を十数日で完成させるとは・・・』

 隼人に一撃必殺の技を教えて欲しいと言われ教えたが、完成するには数ヶ月掛かると思っていた

「自分を守る力だからな・・・」 

 あり得ないスピードで成長していく隼人に恐怖の様な感覚を覚えつつ

『・・・帰りますか、もう夜も明けそうですし』
「・・・そうだな帰るか」

 二人は館へ戻って行った



 その後も隼人は、悠人、エスペリアなどと関ろうとせず、戦闘訓練に没頭していた
 任務から帰還し一緒に住む事になったスピリット、アセリアとオルファともロクに話もせず、ただ剣を振り続けていた



王の寝室

「スピリットには命令して来たな」
 王が不気味に笑いながら、呟く

「ハッ!ラースの二人のスピリットに命令して参りました」
 それに伴い影が呟く

「エトランジェ如きがこのワシを愚弄しおって、殺してやるわ」
 王は怒り心頭で呟いた



 謁見の間


「で、何のようだ?」

 稽古中突然呼ばれ謁見の間に来た隼人は、顔を顰めながら王に聞いた
 今この場には、王と警備の兵、文官の姿しかない

(レスティーナはいないのか)

「エトランジェよ、貴様にはこれからラースの防衛に付いてもらおう」

 王は不敵な笑いを浮かべながら

「ラースにはエーテルコンバーターがある」
「バーンライトの兵が、あれを狙って来る可能性もあるからのぉ」
「貴様はラースにいるスピリット2名と共に警備を行ない、敵が侵入した場合撃破せよ」

「頼りにしてるぞ、エトランジェ」

(・・・やな空気だな)

 室内は王を含め人間達の冷やかな笑いが充満していた

(・・・まぁ、いいさ)

「了解した、すぐ出発する」

 言うや否や、隼人は足早に部屋を後にした

「フッフッフ、精々苦しむが良い」

 王の不敵な笑いが室内を支配していた



『良いのですか隼人?』
『王は貴方を快く思ってはいない』
『今回の件も裏がありそうですよ』

 ラースに向かう途中、心中が問い掛けた

「心を読まなかったのか?」

『あんな人間の心なんて見たくありません!』

 本心で思っているのだろう、心中が叫んだ

「そうだよな・・・まぁいいさ」
「思い通りには行かせない」

『気を付けて下さいね、どんな罠があるか解りませんから』
「・・・あぁ」

『でも、ラースに行く事みんなに言わないで良かったんですか?』

 隼人は部屋に戻り用意をすると、すぐさまラースに向けて出発していた
 無論誰にもラース行きを伝えてない

「訓練中にわざわざ言う事もないだろ」
『それは、まぁそうでしょうけど・・・』

『・・・でも、ラースに居るスピリットってどんな子なんでしょうね?』

「着いたら解るさ」

 それから、他愛も無い話をしながら歩く事数時間 日が暮れ始めた頃


『見えました!あれがラースですね』

「・・・着いたら訓練の続きやるぞ」

『解りました。でも先にスピリットに会ってからですよ』

「了解、さてと・・・どうなるかねぇ〜」




                                                         終





 後書きと言う名の言い訳


 どうもアルビウスです
 やばい・・・文章が幼稚だ・・・汗
 と言う状況で、パニックになっております
 まず第1に構想が大きく変わりました(作者の力量不足の為)
 まぁ、とりあえず完結目指して頑張りますb



 微妙に技紹介


 オーラーフォトンウォール

 マナの塊を相手に叩きつける技
 マナ消費量で、大きさも変化する
 隼人が繰り出す時は、少量のマナしか使わない為威力も小さいが、殺傷性は極めて高い
 実戦では、敵の神剣魔法の防御の時に使う
 全力でこの技を使った時は、術者が死ぬかわりに、永遠神剣第3位を凌ぐ力を発揮する