作者のページに戻る



…ここは彼の心の中
…絶望感だけが支配する闇の中

彼の心はこの闇の奥底にいた

「・・・・・舞」


ある日常

「“隼人!!”」
隼人と呼ばれた少年は、聞き覚えのある声に、苛立ちを覚えながら答えた。
「・・・何の用だ?岬」
「岬じゃなくて、昔みたく今日子って呼んでよねぇ」
 今日子にも神崎が苛付いてるのは解ったが、そんな事お構い無しに今日子の言葉は続く。
「今から、悠と光陰とでお好み焼き食べに行くけど、一緒に行かない?」

「・・・・・・・・・」

 しばしの沈黙の後、神崎は無言で歩き始める。
「“ちょっと隼人!?”」
 今日子の手が隼人の肩に・・・バシ 今日子の手を振り払う隼人。
「“俺に触るな!!”」

 クラス皆の目が隼人に向けられる。隼人はそんな目お構い無しに、立ち去っていく。

「・・・俺に構うな」

 ボツリと呟きながら・・・

 ・・・隼人が過ぎ去った後、今日子は隼人の事を考えていた そんな時
「よう、今日子」
 聞きなれたいつもの声。お好み焼きを食べに行こうと約束してた悠人と光陰だ。
「え・・・・あ・・・うん、いこうか」
 そう言うと今日子は教室を出て行ってしまった。今まで見たことの無い今日子の行動に、悠人は不思議がり急いで今日子の後を追った。

「なぁ、今日子?」

 いつものお好み焼き屋に着き、焼き始めた時、悠人は今日子に尋ねた。
「神崎となにかあったのか?」
「・・・・・・・・」
 今日子が黙っている所を見ると(聞かないほうが良かったかな)と思った悠人は
「いや・・・別に無理に言わなくてもいいんだけど」
「・・・俺が教えてやるよ」
 以外にも言葉を発したのは光陰だった。

「悠人、神崎がしばらく学校に来なかったのは知ってるな?」
 悠人はしばらく考えた後「あぁ」と呟いた。
 光陰は言葉を続ける。
「なんで来なかったか知ってるか?」
 光陰が何を言いたいのか解らなく、首を横に振る悠人。
「神崎には妹が居るんだが・・・・いや、居たんだがかな・・・・」
「居たって・・・・それって」
 光陰の言いたい事を理解したのか悠人が黙る。
「・・・もう居ないんだよね 舞ちゃんは・・・」
 いままで黙っていた今日子が口を開いた。

「私とさ、神崎って昔家が隣同士だったんだ・・・」
「でね、舞ちゃんって神崎の妹が、私にすっごく懐いてくれたんだ」
 懐かしむように今日子が語る。
「・・・神崎、舞ちゃん居なくなってから人が変わっちゃって、私もちょっと心配だったんだよねぇ」

 暫しの沈黙。

「お、焼けたな、よし食うか」
 光陰がそう言って、お好み焼きに手を伸ばした。話はここで中断になってしまった。


「じゃあね〜悠」
「じゃあなぁ悠人」
「あぁ、また明日な今日子、光陰」
 二人と別れ家に帰る途中、悠人はさっきの話を考えていた。

 大切な妹との一生の別れ・・・もし佳織が・・・・
(いや、そんなことは無い。佳織は俺が守る、絶対に幸せにしてやるんだ!!)
 絶対の覚悟。自分の幸せよりも佳織の幸せを求める悠人であった。
(でも・・・神崎可哀想だな 今度俺も声かけてみるか)
 そう思いながら帰路に着く悠人だった。 

 そんな悠人を見つめながら呟く、巫女服の少女
「もうすぐです、もうすぐ門が開きます 悠人さん・・・」

              
                                続く






  あとがき

 いやぁー初SS緊張します。
 イマイチ解りづらいかなーっと思いつつ書いております(解ってるなら直せよ、とかの突っ込みは禁止です
 この後の展開はどうなるか???
 解りません!!!!(オイ
    

作者のページに戻る